青柳盛雄の発言 (予算委員会第一分科会)

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○青柳分科員 私の考えを簡単に申しますと、どのような思想を持っておりましても、憲法あるいは法律というものが厳然としてある以上、その解釈をかってにねじ曲げて、白いものとして規定されているものを黒いというふうに詭弁を弄して判断をする、そういうことがまかり通るということは考えられない。一定の体制の中で裁判というものが行なわれる以上、その体制が変わらない限り、例をたとえて言うならば、いまの資本主義の社会に適用している法律、憲法、こういうものがある。その機構の中で共産主義者が動くという場合に、まさか、この資本主義体制の中で通用している法律を自分の好きなように、共産主義的にねじ曲げて解釈し運用をするというようなことが、その体制の中で通るはずがない。通らないように体制というものができているわけなんです。だから、そういうことができるのだ、あいつはにこにこした顔をして、憲法や法律を守るような顔をしているけれども、腹の中はこれをぶちこわすつもりなんだから、何らかの形でぶちこわすようなことをやるんだろう、まあ、こういうふうな間違った考え功がまかり通ろうとしておりますけれども、これは全く正しくないことであることは言うまでもありません。
 そこで、はしなくも、世間の人が見て公正、中立に裁判をしているというふうに理解のできるような外形を整えなければいかぬ、実質はまさに中立、公正にやっているんだけれども、はたから見ればそうは見えないような、いわゆる虚構の「らしさ」ではなくて、真実をあらわすような外形をも整えることが裁判の場合は必要なんだ——これは裁判だけでなくとも、私はそういうことは必要だと思うのですが、そのことに先ほどもちょっと言及され、それはモラルの問題であると言われましたが、やはりこれも有名な岸事務総長談話で、政治的な色彩のある団体に裁判官が加入しているということは、その裁判の公正を疑われる危険性がある、つまり公正らしさを持たないから好ましくないという趣旨のお話がありました。これが、いわゆる青法協の裁判官あるいは司法修習生を再任しなかったり、あるいは採用しなかったりする重要な理由に実質上なっておるのではないか。表面はそういうことはないと言われても、実際は、やはり青法協という団体は政治的色彩がある、どちらかというと左翼的な色彩がある、こういう色彩のある団体に裁判官あるいは裁判官となろうとする者が、所属している場合には、その人の行なう裁判は公正らしさを世間から疑われる、公正であることを疑われるという議論、したがってそれは好ましくないということになるような談話でございました。
 これは、それより前に、朝日新聞や読売新聞あたりが社説を書いて、全く同趣旨の議論を一般に広めておった際でございまして、おそらくそういう、いわゆるマスコミに乗った発言であったかもしれないというふうに私は理解するのでありますが、それは単なる個人的な談話でないことは、この前申しました石田最高裁長官の場合と同じでありますけれども、その後の国会での最高裁の責任者の答弁を聞いておりますと、青法協の会員であるということだけでは差別はしない、それだけではというところにだいぶ重点があったようでございます。少なくとも私どもはそういうふうに理解しました。
 そこで、だけではということを裏から解釈すれば青法協の会員、つまり政治的色彩のある団体に加入しているということのみをもって採用あるいは再任を拒否するというのではない。ほかにある。ほかにはあるけれども、では青法協の会員であるということは全然無関係かといえば、どうも無関係ではない。つまり、特定の団体に入っていることは再任や新任の拒否原因の中に含まれるというふうに答弁されておるように思うわけです。そうなりますと、先ほどの、ことしの新任、再任について、特定の団体に加入しているということは差別理由にならない、つまり新任、再任を拒否する理由にはしないというのと矛盾をするような感じもいたすわけでありますが、この点ひとつはっきりお答えを願いたいと思うのです。

発言情報

speech_id: 107105266X00419730306_011

発言者: 青柳盛雄

speaker_id: 31916

日付: 1973-03-06

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第一分科会