予算委員会第一分科会
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会
会議録情報#0
昭和四十八年三月六日(火曜日)
午前十時一分開議
出席分科員
主査 臼井 莊一君
伊能繁次郎君 塩谷 一夫君
湊 徹郎君 井岡 大治君
楢崎弥之助君 藤田 高敏君
山田 耻目君 横山 利秋君
谷口善太郎君 瀬野栄次郎君
田中 昭二君 山田 太郎君
兼務 江藤 隆美君 兼務 田中 武夫君
兼務 吉田 法晴君 兼務 青柳 盛雄君
兼務 正森 成二君
出席国務大臣
法 務 大 臣 田中伊三次君
出席政府委員
人事院総裁 佐藤 達夫君
警察庁刑事局長 関根 廣文君
警察庁刑事局保
安部長 斎藤 一郎君
法務大臣官房長 香川 保一君
法務大臣官房会
計課長 住吉 君彦君
法務大臣官房司
法法制調査部長 味村 治君
法務省民事局長 川島 一郎君
法務省刑事局長 安原 美穂君
法務省矯正局長 長島 敦君
法務省人権擁護
局長 萩原 直三君
厚生省公衆衛生
局長 加倉井駿一君
自治大臣官房審
議官 近藤 隆之君
分科員外の出席者
警察庁警備局警
備課長 室城 庸之君
法務総合研究所
研究第一部長 木村 榮作君
大蔵省主計局主
計官 海原 公輝君
大蔵省理財局国
有財産審査課長 勝川 欣哉君
労働省職業安定
局業務指導課長 加藤 孝君
最高裁判所事務
総長 安村 和雄君
最高裁判所事務
総局総務局長 田宮 重男君
最高裁判所事務
総局人事局長 矢口 洪一君
最高裁判所事務
総局経理局長 大内 恒夫君
最高裁判所事務
総局民事局長
(兼)行政局長 西村 宏一君
最高裁判所事務
総局刑事局長 牧 圭次君
最高裁判所事務
総局家庭局長 裾分 一立君
—————————————
分科員の異動
三月六日
辞任 補欠選任
福田 一君 宮崎 茂一君
楢崎弥之助君 井岡 大治君
北山 愛郎君 佐藤 敬治君
山田 太郎君 瀬野栄次郎君
同日
辞任 補欠選任
宮崎 茂一君 福田 一君
井岡 大治君 横山 利秋君
佐藤 敬治君 北山 愛郎君
瀬野栄次郎君 田中 昭二君
同日
辞任 補欠選任
横山 利秋君 藤田 高敏君
田中 昭二君 渡部 一郎君
同日
辞任 補欠選任
藤田 高敏君 山田 耻目君
渡部 一郎君 山田 太郎君
同日
辞任 補欠選任
山田 耻目君 楢崎弥之助君
同日
第二分科員田中武夫君、青柳盛雄君、正森成二
君、第三分科員江藤隆美君及び吉田法晴君が本
分科兼務となった。
—————————————
本日の会議に付した案件
昭和四十八年度一般会計予算中裁判所及び法務
省所管
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時一分開議
出席分科員
主査 臼井 莊一君
伊能繁次郎君 塩谷 一夫君
湊 徹郎君 井岡 大治君
楢崎弥之助君 藤田 高敏君
山田 耻目君 横山 利秋君
谷口善太郎君 瀬野栄次郎君
田中 昭二君 山田 太郎君
兼務 江藤 隆美君 兼務 田中 武夫君
兼務 吉田 法晴君 兼務 青柳 盛雄君
兼務 正森 成二君
出席国務大臣
法 務 大 臣 田中伊三次君
出席政府委員
人事院総裁 佐藤 達夫君
警察庁刑事局長 関根 廣文君
警察庁刑事局保
安部長 斎藤 一郎君
法務大臣官房長 香川 保一君
法務大臣官房会
計課長 住吉 君彦君
法務大臣官房司
法法制調査部長 味村 治君
法務省民事局長 川島 一郎君
法務省刑事局長 安原 美穂君
法務省矯正局長 長島 敦君
法務省人権擁護
局長 萩原 直三君
厚生省公衆衛生
局長 加倉井駿一君
自治大臣官房審
議官 近藤 隆之君
分科員外の出席者
警察庁警備局警
備課長 室城 庸之君
法務総合研究所
研究第一部長 木村 榮作君
大蔵省主計局主
計官 海原 公輝君
大蔵省理財局国
有財産審査課長 勝川 欣哉君
労働省職業安定
局業務指導課長 加藤 孝君
最高裁判所事務
総長 安村 和雄君
最高裁判所事務
総局総務局長 田宮 重男君
最高裁判所事務
総局人事局長 矢口 洪一君
最高裁判所事務
総局経理局長 大内 恒夫君
最高裁判所事務
総局民事局長
(兼)行政局長 西村 宏一君
最高裁判所事務
総局刑事局長 牧 圭次君
最高裁判所事務
総局家庭局長 裾分 一立君
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分科員の異動
三月六日
辞任 補欠選任
福田 一君 宮崎 茂一君
楢崎弥之助君 井岡 大治君
北山 愛郎君 佐藤 敬治君
山田 太郎君 瀬野栄次郎君
同日
辞任 補欠選任
宮崎 茂一君 福田 一君
井岡 大治君 横山 利秋君
佐藤 敬治君 北山 愛郎君
瀬野栄次郎君 田中 昭二君
同日
辞任 補欠選任
横山 利秋君 藤田 高敏君
田中 昭二君 渡部 一郎君
同日
辞任 補欠選任
藤田 高敏君 山田 耻目君
渡部 一郎君 山田 太郎君
同日
辞任 補欠選任
山田 耻目君 楢崎弥之助君
同日
第二分科員田中武夫君、青柳盛雄君、正森成二
君、第三分科員江藤隆美君及び吉田法晴君が本
分科兼務となった。
—————————————
本日の会議に付した案件
昭和四十八年度一般会計予算中裁判所及び法務
省所管
————◇—————
臼
臼井莊一#1
○臼井主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。
昭和四十八年度一般会計予算中、裁判所所管を議題とし、最高裁判所当局から説明を求めます。安村最高裁判所事務総長。
この発言だけを見る →昭和四十八年度一般会計予算中、裁判所所管を議題とし、最高裁判所当局から説明を求めます。安村最高裁判所事務総長。
安
安村和雄#2
○安村最高裁判所長官代理者 昭和四十八年度裁判所所管予定経費要求額について、説明申し上げます。
昭和四十八年度裁判所所管予定経費要求額の総額は、八百四十六億三千三百八十九万一千円でありまして、これを前年度予算額七百三十五億三千七百一万四千円に比較いたしますと、差し引き百十億九千六百八十七万七千円の増加となっております。これは、人件費において六十三億六百四十三万五千円、裁判費において三億二千六百六万九千円、最高裁判所庁舎新営費において二十九億八千八百三十三万円、下級裁判所営繕費において一億四百九十八万九千円、その他司法行政事務を行なうために必要な旅費、庁費等において十三億七千百五万四千円が増加した結果であります。
次に、昭和四十八年度予定経費要求額のうち、おもな事項について説明申し上げます。
まず、最高裁判所庁舎の新営に必要な経費であります。
最高裁判所庁舎の新営は、三年計画で行なわれておりますが、その最終年度分の工事費及び事務費として七十一億八千二百二万七千円、新庁舎の備品、調度品等を新たに取りそろえるため、備品費として六億一千四百五十五万六千円、合計七十七億九千六百五十八万三千円を計上しております。
次は、人的機構の充実のための経費であります。
特殊損害賠償事件等の処理をはかるため、裁判所書記官四人、裁判所事務官三十人の増員に要する経費として二千八十四万四千円、地方裁判所の交通刑事事件すなわち業務上過失致死傷事件の適正迅速な処理をはかるため、判事補三人、裁判所事務官二十四人の増員に要する経費として一千九百九十一万四千円、家庭裁判所の資質検査の強化をはかるため、家裁調査官十人の増員に要する経費として一千百十八万九千円、簡易裁判所民事事件の特則すなわち口頭受理の活用をはかるため、簡易裁判所判事四人、裁判所書記官四人、裁判所事務官二十四人の増員に要する経費として二千六百五十九万六千円、家庭裁判所を充実強化するため、専任の家庭裁判所長を置く庁の増設一庁に要する経費として百十七万九千円、合計七千九百七十二万二千円を計上しております。
次は、裁判運営の能率化及び近代化に必要な経費であります。
庁用図書、図書館図書の充実をはかる等のため、裁判資料の整備に要する経費一億七千百三十四万四千円、裁判事務の能率化をはかるため、検証用自動車等の整備に要する経費一億百九十九万六千円、電子計算機による事務機械化準備のため、研究開発に要する経費一千六十七万五千円、合計二億八千四百一万五千円を計上しております。
次は、公害訴訟の処理に必要な経費であります。
公害訴訟を適正迅速に処理するため、協議会を開催する等に必要な経費二千七百二万八千円を計上しております。
次は、裁判官海外視察の充実に必要な経費であります。
裁判官の海外視察等に必要な経費一千八百九十一万五千円を計上しております。
次は、下級裁判所施設の整備充実に必要な経費であります。
下級裁判所庁舎の新営、増築等に要する経費として裁判所庁舎の新営及び増築すなわち新規五十二庁、継続十六庁に必要な工事費及び事務費等四十九億五千二百三十三万七千円を計上しております。
次は、裁判費であります。国選弁護人の報酬及び日当を増額するに必要な経費として六千五百九十四万二千円、証人等の日当を増額するに必要な経費として四百七十七万二千円、合計七千七十一万四千円を計上しております。
以上が昭和四十八年度裁判所所管予定経費要求額の大要であります。
よろしく御審議のほどをお願いいたします。
この発言だけを見る →昭和四十八年度裁判所所管予定経費要求額の総額は、八百四十六億三千三百八十九万一千円でありまして、これを前年度予算額七百三十五億三千七百一万四千円に比較いたしますと、差し引き百十億九千六百八十七万七千円の増加となっております。これは、人件費において六十三億六百四十三万五千円、裁判費において三億二千六百六万九千円、最高裁判所庁舎新営費において二十九億八千八百三十三万円、下級裁判所営繕費において一億四百九十八万九千円、その他司法行政事務を行なうために必要な旅費、庁費等において十三億七千百五万四千円が増加した結果であります。
次に、昭和四十八年度予定経費要求額のうち、おもな事項について説明申し上げます。
まず、最高裁判所庁舎の新営に必要な経費であります。
最高裁判所庁舎の新営は、三年計画で行なわれておりますが、その最終年度分の工事費及び事務費として七十一億八千二百二万七千円、新庁舎の備品、調度品等を新たに取りそろえるため、備品費として六億一千四百五十五万六千円、合計七十七億九千六百五十八万三千円を計上しております。
次は、人的機構の充実のための経費であります。
特殊損害賠償事件等の処理をはかるため、裁判所書記官四人、裁判所事務官三十人の増員に要する経費として二千八十四万四千円、地方裁判所の交通刑事事件すなわち業務上過失致死傷事件の適正迅速な処理をはかるため、判事補三人、裁判所事務官二十四人の増員に要する経費として一千九百九十一万四千円、家庭裁判所の資質検査の強化をはかるため、家裁調査官十人の増員に要する経費として一千百十八万九千円、簡易裁判所民事事件の特則すなわち口頭受理の活用をはかるため、簡易裁判所判事四人、裁判所書記官四人、裁判所事務官二十四人の増員に要する経費として二千六百五十九万六千円、家庭裁判所を充実強化するため、専任の家庭裁判所長を置く庁の増設一庁に要する経費として百十七万九千円、合計七千九百七十二万二千円を計上しております。
次は、裁判運営の能率化及び近代化に必要な経費であります。
庁用図書、図書館図書の充実をはかる等のため、裁判資料の整備に要する経費一億七千百三十四万四千円、裁判事務の能率化をはかるため、検証用自動車等の整備に要する経費一億百九十九万六千円、電子計算機による事務機械化準備のため、研究開発に要する経費一千六十七万五千円、合計二億八千四百一万五千円を計上しております。
次は、公害訴訟の処理に必要な経費であります。
公害訴訟を適正迅速に処理するため、協議会を開催する等に必要な経費二千七百二万八千円を計上しております。
次は、裁判官海外視察の充実に必要な経費であります。
裁判官の海外視察等に必要な経費一千八百九十一万五千円を計上しております。
次は、下級裁判所施設の整備充実に必要な経費であります。
下級裁判所庁舎の新営、増築等に要する経費として裁判所庁舎の新営及び増築すなわち新規五十二庁、継続十六庁に必要な工事費及び事務費等四十九億五千二百三十三万七千円を計上しております。
次は、裁判費であります。国選弁護人の報酬及び日当を増額するに必要な経費として六千五百九十四万二千円、証人等の日当を増額するに必要な経費として四百七十七万二千円、合計七千七十一万四千円を計上しております。
以上が昭和四十八年度裁判所所管予定経費要求額の大要であります。
よろしく御審議のほどをお願いいたします。
臼
臼
青
青柳盛雄#5
○青柳分科員 最高裁判所にお尋ねをいたします。
いつも二月から三月になりますと、例年のようにいわゆる再任、新任の季節がやってまいります。一昨日も、裁判の独立を守る国民会議の代表の人たちが最高裁を訪れまして、今年度における裁判官の再任あるいは新任について申し入れをしたようでありますが、その趣旨は、思想あるいは団体加盟を理由とする差別的な扱いはしてもらいたくない、それは裁判の独立を侵すことになるから、ということのようでございます。これに対して裁判所側の御返事は、私は直接その場に立ち合っておりませんので、伝え聞くところでありますが、思想によって差別はしない、また特定の団体に加盟しているというだけの理由によっては差別的な扱いはしない、そういう御回答があったということでございます。それに間違いございませんでしょうか。
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矢
青
青柳盛雄#7
○青柳分科員 それでは一つ一つお尋ねいたしますが、思想によって差別をされないというのは、憲法第十四条の規定からいいましても当然のことでございまして、あえてこれを問題にすること自体がおかしいようなものでございますけれども、有名な石田最高裁判所長官の数年前の憲法記念日にあたっての談話の中に、はっきりした共産主義者などは裁判官としてふさわしいものではない、つまり裁判官としての資格に欠くるところがあるような、もちろん、それは法的に適格条項に抵触するという意味ではないようでありますけれども、いずれにしても好ましくないという、別なことばで言えば、共産主義という思想を持っていることがはっきりしている人間は、世間では裁判官としてふさわしい人間とは見ないんだという、そういう趣旨の話があります。つまり、思想によって裁判官は、ふさわしいことにもなるしまたふさわしくないということにもなるんだ、こういうお話でございます。
これは一般の人々がどういう考えを持ち、またどういう発言をされようと、それは全く自由でございますけれども、最高裁判所の長官という地位にあられる方が公式に表明された発言でございますので、一定の社会的評価をされる内容のものだと思うのです。つまり、裁判所に職を奉ずる者は、これにどういう意味かにおいて制約を受けるでしょうし、また、一般世論もこれに動かされるということは明白でございます。そうなりますと、思想によって裁判官の任用について何らの影響は受けないんだということとこれが両立するかどうか、この点について、まずお尋ねをしたいと思うのです。
つまり、繰り返して申しますが、思想によっては再任とかあるいは新任とかいうことは何ら影響されないんだ、その人間がはっきりした共産主義者であっても、別に再任されることの妨げにはならないし、また、新しく採用されることについても妨げにならないんだ、こうはつきりおっしゃるのかどうか、これをお尋ねしたいと思うのです。
この発言だけを見る →これは一般の人々がどういう考えを持ち、またどういう発言をされようと、それは全く自由でございますけれども、最高裁判所の長官という地位にあられる方が公式に表明された発言でございますので、一定の社会的評価をされる内容のものだと思うのです。つまり、裁判所に職を奉ずる者は、これにどういう意味かにおいて制約を受けるでしょうし、また、一般世論もこれに動かされるということは明白でございます。そうなりますと、思想によって裁判官の任用について何らの影響は受けないんだということとこれが両立するかどうか、この点について、まずお尋ねをしたいと思うのです。
つまり、繰り返して申しますが、思想によっては再任とかあるいは新任とかいうことは何ら影響されないんだ、その人間がはっきりした共産主義者であっても、別に再任されることの妨げにはならないし、また、新しく採用されることについても妨げにならないんだ、こうはつきりおっしゃるのかどうか、これをお尋ねしたいと思うのです。
矢
矢口洪一#8
○矢口最高裁判所長官代理者 憲法の七十六条三項は、裁判官は、独立して、良心に従い、憲法及び法律にのみ拘束されて裁判を行なうというふうに規定をいたしております。裁判官として独立して、その良心——ここでいう良心と申しますのは、客観的な良心というふうに考えられております。私どもそのように考えております。そういった良心に従って裁判のできる方であるならば、具体的にその方が抱いておられる考え、思想といったようなものがどうであろうと、そのことが直ちに裁判官の適格というものに影響するものではない、私どもはこのように考えております。
この発言だけを見る →青
青柳盛雄#9
○青柳分科員 実は数日前の衆議院の法務委員会で、同僚の共産党の正森委員が法務大臣に質問をいたしました際に、法務大臣は、思想というものと良心というものと大体同じようなものと理解をしておられたようでございました。なお、これは別な機会に田中法相によくお聞きしたいとは思っておりますけれども、いま矢口人事局長は、憲法にいわれる良心というのは客観的なものであると言われたので、それはまあ客観的なものでなければならないと思いますけれども、客観的であれ何であれ、憲法がいう良心というのは、思想つまりイデオロギーとは無関係ではないどころか、むしろ同じものであるような理解の御発言でございました。つまり、裁判官が憲法と法律にのみ従属し拘束され、そして独立して職務を行なうということの基本に思想があるんだ。つまり田中法相の見解では、思想の中には右に偏したものもあるし、左に偏したものもあり、そしていずれにも偏しない中正な中立なものもある。で、裁判官の思想は、その中立のもの、中庸のものが一番いいんであって、左に偏したり右に偏するような思想を持っている者、そういう人の良心というものは、つまり右に偏した判決あるいは左に偏した判決をする結果になるんだ。いわゆる俗にいわれる偏向判決というものがあらわれてきて、これは圧倒的多数の中立の考えを持っている国民の期待に沿うものではないというようなお考えのようでございました。
おそらく、法の運用、憲法の理解のしかたというようなものは、人間がやるわけでありますから、その人の思想のいかんによっては理解のしかたが違うし、したがってまた運用も異なってくる。だから、右に偏した人間の憲法解釈は、中立の人の憲法の解釈とは違うんだ。一つの例で言いますと、憲法第九条は、軍国主義を絶対に許さないというふうに、だれが読んでも読めるわけだけれども、軍国主義者から見れば、これは違うんだ、外国から攻められてきたときには、自国の独立、主権を守るためには、これを防衛するための軍隊を持つこともできるし、また自衛のための戦争も禁止したものではないという、こういう解釈ができるんだ。これは軍国主義者の考え方、つまり軍国主義的な思想を持っていればそういう解釈が出てくる。ところが、これに反して、平和主義的な考え方を持っている人から見れば、文字どおり、これは自衛の軍隊といえども持つことはできないし、自衛のための戦争も放棄をしているのだ、こういうふうに読む以外にはない。それがほんとうに平和を守るのに役立つか役立たないかということは、その人の考え方によって違います。たとえば、ある党のように、非武装中立が完全に平和のために役立つのだという考え方を堅持していることもできるでしょう。しかし、また他の党になれば、いや、それは全く夢のような話であるという議論にもなります。
裁判官でも同じように、憲法の理解のしかたは思想によって異なるということはあり得ると思うのであります。それが即良心ということであるならば、やはり思想によって裁判というものが、俗に偏向的な判断を基礎に持って偏向判決になるのではないか、こういう議論になってまいりまして、田中法務大臣はそういう意味において、まあ田中法務大臣程度の人間では、その自分の考えと独立して、憲法と法律を純粋に守っていく、つまり自分の考えはこうだけれども、解釈は別なんだ。もっとわかりやすいことばで言うならば、左に偏した考えを持っているけれども、そういう思想を持っているけれども、憲法を中正の立場で解釈し、法律も中正の立場で運用する。事実認定もおそらくその思想を純粋化して、右のほうに都合のいいような解釈あるいは認定、左のほうに都合のいいような認定はしない。証拠の取捨判断ですね、これも中正に行なう。そういうことのできる人は非常に少ないのだという、そういう議論であったように思います。
これは、その席に矢口人事局長もたしかおられたと思いますので、あの御意見を聞いておられたと思いますけれども、このような議論を最高裁判所のほうでは正しいものとお考えになるかどうか。
繰り返して申しますが、憲法にいう良心というのは、右にも偏しない、左にも偏しないというものでなければならないのだ、また、そういう思想の持ち主でなければ、裁判官としてはやはりふさわしくないのだという、思想を結局は問題にしているような議論だったと思いますが、ことばの上では、思想を問題にするとはおっしゃらなかった。つまり、中立の考えを持った人がふさわしいのであって、左や右に偏した者はふさわしくないのだ、こういう考え方でございました。結局、思想を問題にしているとわれわれは解釈せざるを得ないのですが、このような変わった形でも、やはり一つの主張でございます。思想を問題にしないとは言いながら、実際は、右に偏したり、左に偏したりしている人間は裁判官としてふさわしくないのだ。また別なことばで言えば、納得のいくような裁判をしてくれるという、まあ考え方を持っている人が国民大多数の好む裁判官である、こういうことのようでございましたが、この点どうお考えになるか、お答え願いたいと思うのです。
この発言だけを見る →おそらく、法の運用、憲法の理解のしかたというようなものは、人間がやるわけでありますから、その人の思想のいかんによっては理解のしかたが違うし、したがってまた運用も異なってくる。だから、右に偏した人間の憲法解釈は、中立の人の憲法の解釈とは違うんだ。一つの例で言いますと、憲法第九条は、軍国主義を絶対に許さないというふうに、だれが読んでも読めるわけだけれども、軍国主義者から見れば、これは違うんだ、外国から攻められてきたときには、自国の独立、主権を守るためには、これを防衛するための軍隊を持つこともできるし、また自衛のための戦争も禁止したものではないという、こういう解釈ができるんだ。これは軍国主義者の考え方、つまり軍国主義的な思想を持っていればそういう解釈が出てくる。ところが、これに反して、平和主義的な考え方を持っている人から見れば、文字どおり、これは自衛の軍隊といえども持つことはできないし、自衛のための戦争も放棄をしているのだ、こういうふうに読む以外にはない。それがほんとうに平和を守るのに役立つか役立たないかということは、その人の考え方によって違います。たとえば、ある党のように、非武装中立が完全に平和のために役立つのだという考え方を堅持していることもできるでしょう。しかし、また他の党になれば、いや、それは全く夢のような話であるという議論にもなります。
裁判官でも同じように、憲法の理解のしかたは思想によって異なるということはあり得ると思うのであります。それが即良心ということであるならば、やはり思想によって裁判というものが、俗に偏向的な判断を基礎に持って偏向判決になるのではないか、こういう議論になってまいりまして、田中法務大臣はそういう意味において、まあ田中法務大臣程度の人間では、その自分の考えと独立して、憲法と法律を純粋に守っていく、つまり自分の考えはこうだけれども、解釈は別なんだ。もっとわかりやすいことばで言うならば、左に偏した考えを持っているけれども、そういう思想を持っているけれども、憲法を中正の立場で解釈し、法律も中正の立場で運用する。事実認定もおそらくその思想を純粋化して、右のほうに都合のいいような解釈あるいは認定、左のほうに都合のいいような認定はしない。証拠の取捨判断ですね、これも中正に行なう。そういうことのできる人は非常に少ないのだという、そういう議論であったように思います。
これは、その席に矢口人事局長もたしかおられたと思いますので、あの御意見を聞いておられたと思いますけれども、このような議論を最高裁判所のほうでは正しいものとお考えになるかどうか。
繰り返して申しますが、憲法にいう良心というのは、右にも偏しない、左にも偏しないというものでなければならないのだ、また、そういう思想の持ち主でなければ、裁判官としてはやはりふさわしくないのだという、思想を結局は問題にしているような議論だったと思いますが、ことばの上では、思想を問題にするとはおっしゃらなかった。つまり、中立の考えを持った人がふさわしいのであって、左や右に偏した者はふさわしくないのだ、こういう考え方でございました。結局、思想を問題にしているとわれわれは解釈せざるを得ないのですが、このような変わった形でも、やはり一つの主張でございます。思想を問題にしないとは言いながら、実際は、右に偏したり、左に偏したりしている人間は裁判官としてふさわしくないのだ。また別なことばで言えば、納得のいくような裁判をしてくれるという、まあ考え方を持っている人が国民大多数の好む裁判官である、こういうことのようでございましたが、この点どうお考えになるか、お答え願いたいと思うのです。
矢
矢口洪一#10
○矢口最高裁判所長官代理者 過日の法務委員会における田中法務大臣の御発言の際には、私も拝聴をいたしておりました。大臣の御発言につきまして、いまここで私の感想を申し上げるということはいかがであろうかという気がいたしますので、その点は差し控えさしていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、憲法七十六条三項の良心というものはやはり客観的なものでございまして、そのような客観的な良心に従って裁判のできる方であるならば、私は、裁判官として十分の適格をお持ちになっておる方であると考えます。
ただ、もっとも裁判と申しますのは、それが具体的に行なわれるにあたりまして、客観的に中立、公正でなければいけないということと同時に、そういうふうに行なわれておるというふうに国民全体の方がごらんになっていただく、裁判をそういう意味で御信用いただくというものでなければいけないと、日ごろから考えているわけでございます。そういう点について疑惑を招くおそれがあるということになりますと、これはやはり裁判官としては十分考えて身を処していかなければいけない問題であろうと思います。私どもは、これをこれまで裁判官のモラルの問題として、できるだけ公正、中立であるように、また、そう見えるようにしなければいけないということを申してきたわけでございます。しかし、それはあくまでモラルの問題でございまして、裁判官の適格性の問題といたしましては、ただいまお答えを申し上げたように、客観的な良心というものによって裁判のできる方であるならば十分であろうと、このように考えております。
この発言だけを見る →ただ、もっとも裁判と申しますのは、それが具体的に行なわれるにあたりまして、客観的に中立、公正でなければいけないということと同時に、そういうふうに行なわれておるというふうに国民全体の方がごらんになっていただく、裁判をそういう意味で御信用いただくというものでなければいけないと、日ごろから考えているわけでございます。そういう点について疑惑を招くおそれがあるということになりますと、これはやはり裁判官としては十分考えて身を処していかなければいけない問題であろうと思います。私どもは、これをこれまで裁判官のモラルの問題として、できるだけ公正、中立であるように、また、そう見えるようにしなければいけないということを申してきたわけでございます。しかし、それはあくまでモラルの問題でございまして、裁判官の適格性の問題といたしましては、ただいまお答えを申し上げたように、客観的な良心というものによって裁判のできる方であるならば十分であろうと、このように考えております。
青
青柳盛雄#11
○青柳分科員 私の考えを簡単に申しますと、どのような思想を持っておりましても、憲法あるいは法律というものが厳然としてある以上、その解釈をかってにねじ曲げて、白いものとして規定されているものを黒いというふうに詭弁を弄して判断をする、そういうことがまかり通るということは考えられない。一定の体制の中で裁判というものが行なわれる以上、その体制が変わらない限り、例をたとえて言うならば、いまの資本主義の社会に適用している法律、憲法、こういうものがある。その機構の中で共産主義者が動くという場合に、まさか、この資本主義体制の中で通用している法律を自分の好きなように、共産主義的にねじ曲げて解釈し運用をするというようなことが、その体制の中で通るはずがない。通らないように体制というものができているわけなんです。だから、そういうことができるのだ、あいつはにこにこした顔をして、憲法や法律を守るような顔をしているけれども、腹の中はこれをぶちこわすつもりなんだから、何らかの形でぶちこわすようなことをやるんだろう、まあ、こういうふうな間違った考え功がまかり通ろうとしておりますけれども、これは全く正しくないことであることは言うまでもありません。
そこで、はしなくも、世間の人が見て公正、中立に裁判をしているというふうに理解のできるような外形を整えなければいかぬ、実質はまさに中立、公正にやっているんだけれども、はたから見ればそうは見えないような、いわゆる虚構の「らしさ」ではなくて、真実をあらわすような外形をも整えることが裁判の場合は必要なんだ——これは裁判だけでなくとも、私はそういうことは必要だと思うのですが、そのことに先ほどもちょっと言及され、それはモラルの問題であると言われましたが、やはりこれも有名な岸事務総長談話で、政治的な色彩のある団体に裁判官が加入しているということは、その裁判の公正を疑われる危険性がある、つまり公正らしさを持たないから好ましくないという趣旨のお話がありました。これが、いわゆる青法協の裁判官あるいは司法修習生を再任しなかったり、あるいは採用しなかったりする重要な理由に実質上なっておるのではないか。表面はそういうことはないと言われても、実際は、やはり青法協という団体は政治的色彩がある、どちらかというと左翼的な色彩がある、こういう色彩のある団体に裁判官あるいは裁判官となろうとする者が、所属している場合には、その人の行なう裁判は公正らしさを世間から疑われる、公正であることを疑われるという議論、したがってそれは好ましくないということになるような談話でございました。
これは、それより前に、朝日新聞や読売新聞あたりが社説を書いて、全く同趣旨の議論を一般に広めておった際でございまして、おそらくそういう、いわゆるマスコミに乗った発言であったかもしれないというふうに私は理解するのでありますが、それは単なる個人的な談話でないことは、この前申しました石田最高裁長官の場合と同じでありますけれども、その後の国会での最高裁の責任者の答弁を聞いておりますと、青法協の会員であるということだけでは差別はしない、それだけではというところにだいぶ重点があったようでございます。少なくとも私どもはそういうふうに理解しました。
そこで、だけではということを裏から解釈すれば青法協の会員、つまり政治的色彩のある団体に加入しているということのみをもって採用あるいは再任を拒否するというのではない。ほかにある。ほかにはあるけれども、では青法協の会員であるということは全然無関係かといえば、どうも無関係ではない。つまり、特定の団体に入っていることは再任や新任の拒否原因の中に含まれるというふうに答弁されておるように思うわけです。そうなりますと、先ほどの、ことしの新任、再任について、特定の団体に加入しているということは差別理由にならない、つまり新任、再任を拒否する理由にはしないというのと矛盾をするような感じもいたすわけでありますが、この点ひとつはっきりお答えを願いたいと思うのです。
この発言だけを見る →そこで、はしなくも、世間の人が見て公正、中立に裁判をしているというふうに理解のできるような外形を整えなければいかぬ、実質はまさに中立、公正にやっているんだけれども、はたから見ればそうは見えないような、いわゆる虚構の「らしさ」ではなくて、真実をあらわすような外形をも整えることが裁判の場合は必要なんだ——これは裁判だけでなくとも、私はそういうことは必要だと思うのですが、そのことに先ほどもちょっと言及され、それはモラルの問題であると言われましたが、やはりこれも有名な岸事務総長談話で、政治的な色彩のある団体に裁判官が加入しているということは、その裁判の公正を疑われる危険性がある、つまり公正らしさを持たないから好ましくないという趣旨のお話がありました。これが、いわゆる青法協の裁判官あるいは司法修習生を再任しなかったり、あるいは採用しなかったりする重要な理由に実質上なっておるのではないか。表面はそういうことはないと言われても、実際は、やはり青法協という団体は政治的色彩がある、どちらかというと左翼的な色彩がある、こういう色彩のある団体に裁判官あるいは裁判官となろうとする者が、所属している場合には、その人の行なう裁判は公正らしさを世間から疑われる、公正であることを疑われるという議論、したがってそれは好ましくないということになるような談話でございました。
これは、それより前に、朝日新聞や読売新聞あたりが社説を書いて、全く同趣旨の議論を一般に広めておった際でございまして、おそらくそういう、いわゆるマスコミに乗った発言であったかもしれないというふうに私は理解するのでありますが、それは単なる個人的な談話でないことは、この前申しました石田最高裁長官の場合と同じでありますけれども、その後の国会での最高裁の責任者の答弁を聞いておりますと、青法協の会員であるということだけでは差別はしない、それだけではというところにだいぶ重点があったようでございます。少なくとも私どもはそういうふうに理解しました。
そこで、だけではということを裏から解釈すれば青法協の会員、つまり政治的色彩のある団体に加入しているということのみをもって採用あるいは再任を拒否するというのではない。ほかにある。ほかにはあるけれども、では青法協の会員であるということは全然無関係かといえば、どうも無関係ではない。つまり、特定の団体に入っていることは再任や新任の拒否原因の中に含まれるというふうに答弁されておるように思うわけです。そうなりますと、先ほどの、ことしの新任、再任について、特定の団体に加入しているということは差別理由にならない、つまり新任、再任を拒否する理由にはしないというのと矛盾をするような感じもいたすわけでありますが、この点ひとつはっきりお答えを願いたいと思うのです。
矢
矢口洪一#12
○矢口最高裁判所長官代理者 先ほども申し上げましたように、裁判官の再任問題、あるいは新規採用の場合におきましても同様でございますが、その方が抱いておる思想、信条もしくは特定の団体に加入しておるということ、そういうことによって新任、再任等につきまして差別をすることはしないということを申し上げたわけでございます。
ただいまお尋ねの、青法協会員であるということだけで差別をすることはいたしませんと、従来お答えいたしておるわけでございますが、それは、前にもこの点につきまして青柳委員にもお答えいたしたかと思っておりますが、元来、人事の問題は、こういう理由で採用いたしませんとか、こういう理由で採用いたしますとかいうふうに、理由を申し上げるべき性質のものではないと考えておるわけでございますが、あまりにも青法協会員という理由で差別をしたのではないかというような御疑念が強うございますので、青法協会員であるというだけの理由でやったものではないということを、消極的に最少限度打ち消した。まあそういうことによって理由の一端を述べたということになるのかもしれませんが、あまりにも青法協会員であるということでやったんだというふうな御疑念がございましたので、それを打ち消すために申し上げたことでございまして、原則は、冒頭申し上げましたように、思想、信条あるいは特定団体加入を理由にして採否をきめるようなことは一切いたしておりませんし、今後もいたさないということでございます。
この発言だけを見る →ただいまお尋ねの、青法協会員であるということだけで差別をすることはいたしませんと、従来お答えいたしておるわけでございますが、それは、前にもこの点につきまして青柳委員にもお答えいたしたかと思っておりますが、元来、人事の問題は、こういう理由で採用いたしませんとか、こういう理由で採用いたしますとかいうふうに、理由を申し上げるべき性質のものではないと考えておるわけでございますが、あまりにも青法協会員という理由で差別をしたのではないかというような御疑念が強うございますので、青法協会員であるというだけの理由でやったものではないということを、消極的に最少限度打ち消した。まあそういうことによって理由の一端を述べたということになるのかもしれませんが、あまりにも青法協会員であるということでやったんだというふうな御疑念がございましたので、それを打ち消すために申し上げたことでございまして、原則は、冒頭申し上げましたように、思想、信条あるいは特定団体加入を理由にして採否をきめるようなことは一切いたしておりませんし、今後もいたさないということでございます。
青
青柳盛雄#13
○青柳分科員 聞くところによりますと、明日あたり、最高裁判所は裁判官会議をお開きになって、十五期の裁判官の再任請求といいますか、判事へ任官を希望する者の審査を行ない結論を出す、あるいは十四日に延びるかもしれないというような話があります。また今月の末ごろには、二十五期の司法修習生の中から判事補を希望している者に対する採否の決定をされるということだそうでございますが、一般的には、いま申しましたような思想、信条あるいは特定団体加入、これが一応問題にされるのではないか。ただ十五期については、いままでマスコミあたりが情報としてとっておるところでは、再任を拒否される方とか、あるいは再任を辞退される方もなさそうでございますので、あまり問題はないかもしれませんけれども、二十五期の修習生の中からは、また引き続き何名かの新しい採用を断わられる者があるのではないか、こういうふうにうわさされておるわけです。昨年の場合もそういうことがありましたし、もちろんその前もありました。
ただ、一つだけお尋ねしておきたいのは、事を荒立てないという意味かどうか知りませんが、結果的には荒立てたことになるのですけれども、辞退を勧告するという、要するに新任希望を思いとどまらせるような工作が、事務総局から、あるいは教官を通じてなり行なわれるようなことが昨年もありましたけれども、そういうことが結果的には拒否になるということだと私は思いますので、そういうことがことしも行なわれる可能性があるのかないのか、それだけお尋ねしてやめにいたします。
この発言だけを見る →ただ、一つだけお尋ねしておきたいのは、事を荒立てないという意味かどうか知りませんが、結果的には荒立てたことになるのですけれども、辞退を勧告するという、要するに新任希望を思いとどまらせるような工作が、事務総局から、あるいは教官を通じてなり行なわれるようなことが昨年もありましたけれども、そういうことが結果的には拒否になるということだと私は思いますので、そういうことがことしも行なわれる可能性があるのかないのか、それだけお尋ねしてやめにいたします。
矢
矢口洪一#14
○矢口最高裁判所長官代理者 新任問題につきましては、まだ今日現在、いわゆる二回試験をやっておる最中でございまして、その試験が終わりまして、採用の面接をいたすわけでございます。その結果を総合いたしまして採否をおきめいただく段階でございます。今日において辞退を勧告するとかしないとかいうようなことは、まだ考える段階にも至っていないわけでございます。何とも具体的にはお答えのしようがございません。一般論といたしましては、ただいま青柳委員からお話しになりましたような、そういうことが好ましくないではないかということでございますれば、私ども昨年いたしましたようなことは一切いたさないで、客観的に出てきましたところによりまして、最高裁の十五人の裁判官の慎重な御協議によって採否をおきめいただくというふうに取り計らいたいと考えております。
この発言だけを見る →青
臼
臼
田
田中伊三次#18
○田中(伊)国務大臣 昭和四十八年度法務省所管予定経費要求の内容につきまして、大要を御説明申し上げます。
昭和四十八年度の予定経費要求額は千四百五十億九千二百三十八万三千円でございます。前年度予算額千二百九十七億八千六百九十万九千円と比較いたしますと、百五十三億五百四十七万四千円の増額となっております。
増減の詳細は別途の資料によりまして御承知を願いたいのでありますが、その内容を大別して御説明いたしますと、第一に、人件費関係の増百十二億二千五百四万二千円であります。これは、公務員給与ベースの改定等に伴う増額分、昇給等の原資としての職員基本給及び退職手当等の増額分がおもなものでございますが、そのほかに、副検事、法務事務官等七百二十四人の増員に要する人件費が含まれております。
ここで増員の内容について申し上げますと、交通事件、公安労働事件、公害犯罪等の増加に対処するとともに、公判審理の迅速化をはかるため、副検事五人、検察事務官百四十人、それから、登記事件、国の利害に関係のある争訟事件及び人権侵犯相談事件の増加に対処するため、法務事務官二百九十一人、なお、刑務所における看守の勤務条件の改善と医療体制の充実をはかるため、看守百五十七人、看護士、これは婦人でございますが、十二人、なお、非行青少年対策を充実するため、少年院教官二十八人、少年鑑別所教官十七人、保護観察官二十二人、なお、出入国審査及び在留外国人管理業務の増加に対処するため、入国審査官二十一人、入国警備官三人、また、暴力主義的破壊活動に対する調査機能を充実するため、公安調査官二十七人、それから、司法試験事務の増加に対処するため、法務事務官一人となっております。
他方、昭和四十六年の閣議決定に基づく定員削減計画、これは第二次でございますが、これによる昭和四十八年度削減分として六百三十四人が減員されることになりますので、これを差し引きますと九十人の定員増加となるわけでございます。
第二に、一般事務費の増二十八億四千七百六十七万六千円であります。これは、事務量の増加に伴って増額されたもののほか、積算単価の是正、職員の執務環境の整備改善及び保護司実費弁償金の単価引き上げに伴う増額分等でございます。
第三に、営繕施設費の増十二億三千二百七十五万六千円であります。これは、法務合同庁舎等施設の新営費等が増額されたものであります。
次に、おもな事項の経費について概略を御説明申し上げます。
第一に、法務局、地方法務局において登記、供託、戸籍等の事務を処理するために要する経費として二十二億七千七百四十九万六千円、第二に、検察庁におきまして刑事事件を処理するための検察活動に直接要する経費として十一億七千四百二十二万四千円、第三に、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院、少年鑑別所及び婦人補導院の被収容者の衣食、医療、作業等に要する経費として九十二億二千九百六十四万四千円、第四に、保護観察に付された少年等を更生せしむるための補導援護に要する経費として十八億三千八百九十四万三千円、第五に、出入国の審査、在日外国人の在留資格審査及び不法入国者等の護送、収容、送還等を行なうのに要する経費として二億一千六百八十五万七千円、なお、外国人登録法に基づき、在日外国人の登録及び指紋採取の事務を処理するために要する経費として三億五千二百五十二万二千円、第六に、公安調査庁において処理する破壊活動防止のための調査活動等に要する経費として十三億五千七百四十六万一千円、第七に、法務局、検査長などの庁舎及び刑務所、少年院等の収容施設の新営整備に要する経費として七十二億四千八百二十七万五千円が計上されております。
最後に、当省主管歳入予算につきまして一言御説明申し上げます。
昭和四十八年度法務省主管歳入予算額は五百十億二千五百一万六千円でありまして、前年度予算額三百四十九億八百二十万八千円と比較をいたしますと、百六十一億一千六百八十万八千円の増額となっております。
以上、法務省関係昭和四十八年度予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
よろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。
この発言だけを見る →昭和四十八年度の予定経費要求額は千四百五十億九千二百三十八万三千円でございます。前年度予算額千二百九十七億八千六百九十万九千円と比較いたしますと、百五十三億五百四十七万四千円の増額となっております。
増減の詳細は別途の資料によりまして御承知を願いたいのでありますが、その内容を大別して御説明いたしますと、第一に、人件費関係の増百十二億二千五百四万二千円であります。これは、公務員給与ベースの改定等に伴う増額分、昇給等の原資としての職員基本給及び退職手当等の増額分がおもなものでございますが、そのほかに、副検事、法務事務官等七百二十四人の増員に要する人件費が含まれております。
ここで増員の内容について申し上げますと、交通事件、公安労働事件、公害犯罪等の増加に対処するとともに、公判審理の迅速化をはかるため、副検事五人、検察事務官百四十人、それから、登記事件、国の利害に関係のある争訟事件及び人権侵犯相談事件の増加に対処するため、法務事務官二百九十一人、なお、刑務所における看守の勤務条件の改善と医療体制の充実をはかるため、看守百五十七人、看護士、これは婦人でございますが、十二人、なお、非行青少年対策を充実するため、少年院教官二十八人、少年鑑別所教官十七人、保護観察官二十二人、なお、出入国審査及び在留外国人管理業務の増加に対処するため、入国審査官二十一人、入国警備官三人、また、暴力主義的破壊活動に対する調査機能を充実するため、公安調査官二十七人、それから、司法試験事務の増加に対処するため、法務事務官一人となっております。
他方、昭和四十六年の閣議決定に基づく定員削減計画、これは第二次でございますが、これによる昭和四十八年度削減分として六百三十四人が減員されることになりますので、これを差し引きますと九十人の定員増加となるわけでございます。
第二に、一般事務費の増二十八億四千七百六十七万六千円であります。これは、事務量の増加に伴って増額されたもののほか、積算単価の是正、職員の執務環境の整備改善及び保護司実費弁償金の単価引き上げに伴う増額分等でございます。
第三に、営繕施設費の増十二億三千二百七十五万六千円であります。これは、法務合同庁舎等施設の新営費等が増額されたものであります。
次に、おもな事項の経費について概略を御説明申し上げます。
第一に、法務局、地方法務局において登記、供託、戸籍等の事務を処理するために要する経費として二十二億七千七百四十九万六千円、第二に、検察庁におきまして刑事事件を処理するための検察活動に直接要する経費として十一億七千四百二十二万四千円、第三に、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院、少年鑑別所及び婦人補導院の被収容者の衣食、医療、作業等に要する経費として九十二億二千九百六十四万四千円、第四に、保護観察に付された少年等を更生せしむるための補導援護に要する経費として十八億三千八百九十四万三千円、第五に、出入国の審査、在日外国人の在留資格審査及び不法入国者等の護送、収容、送還等を行なうのに要する経費として二億一千六百八十五万七千円、なお、外国人登録法に基づき、在日外国人の登録及び指紋採取の事務を処理するために要する経費として三億五千二百五十二万二千円、第六に、公安調査庁において処理する破壊活動防止のための調査活動等に要する経費として十三億五千七百四十六万一千円、第七に、法務局、検査長などの庁舎及び刑務所、少年院等の収容施設の新営整備に要する経費として七十二億四千八百二十七万五千円が計上されております。
最後に、当省主管歳入予算につきまして一言御説明申し上げます。
昭和四十八年度法務省主管歳入予算額は五百十億二千五百一万六千円でありまして、前年度予算額三百四十九億八百二十万八千円と比較をいたしますと、百六十一億一千六百八十万八千円の増額となっております。
以上、法務省関係昭和四十八年度予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
よろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。
臼
臼
田
田中武夫#21
○田中(武)分科員 きょうは私は、人身といいますか、人権といいますか、これがはたして守られておるかというような観点から、いろんな問題を取り上げて御意見を伺いたい、このように考えるわけでございます。
まず第一に、最近の世相と人権問題とでも申しますか、もう一々、具体的な事件については申し上げませんが、ここに二、三の新聞の切り抜きを持っておりますけれども、実の母親がめんどうを見るのはいやだというようなことで自分の子供を殺す、あるいはまた、内縁の夫が妻の連れ子を、ちょっとしたそそうをせっかんして死に至らしめる、こういったような事件は枚挙にいとまありません。かと思うと捨て子ラッシュでございます。
いまここに、東京都民生局の調べた都内における捨て子の、これも東京都民生局でわかっただけなんですが、四十五年度で六十七人、四十六年度が七十七人、そして四十七年度は十二月までにすでに九十名をこしております。ことしに入りましてからでも四人の子供を街頭に、そして二人をうちにというような捨て子事件がございました。それで父親は自殺未遂というような事件もございました。そうかと思うと、お年寄りやあるいは幼い子供が、これまた火事のあるごとに死んでおる。かと思うと、また孤独の老人が死後何日間も発見せられずに置かれたというようなこと、あるいは八十歳を過ぎる姉が死んだ、これまた七十歳をこえる妹が身体が自由でない、そのまくら元で何日間を過ごした、こういうような事件は、毎日のように新聞の社会面に出ております。まさに幼児と老人の残酷物語であり、受難の時代だと思います。これが経済大国日本の暗い一面であります。
そこで、人権擁護の立場にある法務大臣、一方においては経済大国、経済成長を誇っており、円が外に対しては強いといって批判を受けるような、この日本においてこういった暗い面がある。これには社会施設、社会保障の不十分というかお粗末等に大きな原因があろうと思いますが、きょうはそういうことを論議しようとは思いません。人権は守られておるのかという立場から、法務大臣、どのようにお考えになりますか。
この発言だけを見る →まず第一に、最近の世相と人権問題とでも申しますか、もう一々、具体的な事件については申し上げませんが、ここに二、三の新聞の切り抜きを持っておりますけれども、実の母親がめんどうを見るのはいやだというようなことで自分の子供を殺す、あるいはまた、内縁の夫が妻の連れ子を、ちょっとしたそそうをせっかんして死に至らしめる、こういったような事件は枚挙にいとまありません。かと思うと捨て子ラッシュでございます。
いまここに、東京都民生局の調べた都内における捨て子の、これも東京都民生局でわかっただけなんですが、四十五年度で六十七人、四十六年度が七十七人、そして四十七年度は十二月までにすでに九十名をこしております。ことしに入りましてからでも四人の子供を街頭に、そして二人をうちにというような捨て子事件がございました。それで父親は自殺未遂というような事件もございました。そうかと思うと、お年寄りやあるいは幼い子供が、これまた火事のあるごとに死んでおる。かと思うと、また孤独の老人が死後何日間も発見せられずに置かれたというようなこと、あるいは八十歳を過ぎる姉が死んだ、これまた七十歳をこえる妹が身体が自由でない、そのまくら元で何日間を過ごした、こういうような事件は、毎日のように新聞の社会面に出ております。まさに幼児と老人の残酷物語であり、受難の時代だと思います。これが経済大国日本の暗い一面であります。
そこで、人権擁護の立場にある法務大臣、一方においては経済大国、経済成長を誇っており、円が外に対しては強いといって批判を受けるような、この日本においてこういった暗い面がある。これには社会施設、社会保障の不十分というかお粗末等に大きな原因があろうと思いますが、きょうはそういうことを論議しようとは思いません。人権は守られておるのかという立場から、法務大臣、どのようにお考えになりますか。
田
田中伊三次#22
○田中(伊)国務大臣 ただいまの御意見を総合いたしますと、人権の侵犯が容易ならざる状態に立ち至っておりますという感じがいたします。そこで、根本的対策といたしましては、何といたしましても国民全体に自由人権思想をしっかり高揚いたしますこと、これは、法務省が人権擁護局を持っております大事な任務の一つでございます。事あるたびごとに人権擁護の立場に立ちまして、自由人権思想の高揚ということにつとめてまいりまして、その精神が全国民に徹底していくということがその基本的対策の問題になろうと存じます。具体的な人権の侵犯問題につきましては、あるいは訴えを受け、あるいは親告を受け、あるいは職権を発動いたしまして、具体的な事案につきましては、あとう限り人権擁護につとめていかなければなりません。基本的問題としましては、自由人権思想をしっかり高揚して、国民にこれを認識していただくということに持っていかなければならぬもの、こう考える次第でございます。
この発言だけを見る →田
田中武夫#23
○田中(武)分科員 私は、きょうは、実は国家権力あるいは国家公務員その他によって人権が侵されておるというような事件、問題をたくさんここに用意してきております。しかし、それを具体的に言う時間はございません。そこで、まず項目をあげて、言うならばきょうは総論的に申しまして、各論は予算委員会が終わったらまた法務委員会でも、差しかえて参りまして申し上げたいと思います。
その一つに、まず別件逮捕の問題がございます。
私は、いまここに戦後の別件逮捕が大問題となったような事件、たとえば古くは帝銀事件から免田、松川、あるいは仁保、狭山、そうしてまだ捜査中である三億円事件に至る十三件にわたる別件逮捕が問題になりました記録、並びにこのようにその担当弁護人のいろいろな報告をまとめたものを持ってきております。
この別件逮捕が捜査上便宜的に使われておるということは、きょうは警察庁も来ていただいておりますが、お認めになると思います。しかし、私はここで捜査についてとやかく申すわけではございませんけれども、よほど気をつけなければ、これが人権侵害になる。しかも乱用された別件逮捕は、人権侵害であるといいますか、あるいはそれに基づく自白の問題等につきまして、いろんな判例も出ております。現に捜査中の三億円事件を除きまして、一々申しませんが、十三件のうちで最終的に無罪が決定したのが八件、係争中のもの、狭山ですが、これが一件。そういたしますと、あと死刑を含めますが、有罪判決となったのはわずか三件ということです。それがなお今日尾を引いていろいろと再審請求等々で争われておる。かりに最終的に無罪になっても、青春期あるいは人生の大半を被告という極印を押されて人生を渡らねばならない運命に置かれた人たち、あるいはその身辺、ことに身内とか親戚とか等々の人たちが、どれほど迷惑というか世間を狭くして世渡りをしなくちゃならないか、これはよくおわかりだと思います。
もう憲法三十三条をあげるまでもなく、また刑事訴訟法二百十条以下をあげるまでもなく、現行犯以外は令状をもってしなければならないことは、もう法学博士の大臣でございますから十分御承知のとおりであります。憲法では、現行犯と資格ある裁判官の出す令状以外には逮捕できないことになっておる。それを刑事訟訴法では若干幅を広げまして、準現行犯、緊急逮捕というのがある。これも憲法上問題になっておる点なんです。そういうような点について、これはむしろお得意だと思いますが、ここで、その問題で刑事訴訟法と憲法の関係を私は議論をしようとは思いませんが、まず感じだけでよろしい、どのようにお考えになりますか。単に便宜的に別件逮捕が行なわれておる、そして憲法と刑事訴訟法との違い等についてのお考えをお伺いいたします。
この発言だけを見る →その一つに、まず別件逮捕の問題がございます。
私は、いまここに戦後の別件逮捕が大問題となったような事件、たとえば古くは帝銀事件から免田、松川、あるいは仁保、狭山、そうしてまだ捜査中である三億円事件に至る十三件にわたる別件逮捕が問題になりました記録、並びにこのようにその担当弁護人のいろいろな報告をまとめたものを持ってきております。
この別件逮捕が捜査上便宜的に使われておるということは、きょうは警察庁も来ていただいておりますが、お認めになると思います。しかし、私はここで捜査についてとやかく申すわけではございませんけれども、よほど気をつけなければ、これが人権侵害になる。しかも乱用された別件逮捕は、人権侵害であるといいますか、あるいはそれに基づく自白の問題等につきまして、いろんな判例も出ております。現に捜査中の三億円事件を除きまして、一々申しませんが、十三件のうちで最終的に無罪が決定したのが八件、係争中のもの、狭山ですが、これが一件。そういたしますと、あと死刑を含めますが、有罪判決となったのはわずか三件ということです。それがなお今日尾を引いていろいろと再審請求等々で争われておる。かりに最終的に無罪になっても、青春期あるいは人生の大半を被告という極印を押されて人生を渡らねばならない運命に置かれた人たち、あるいはその身辺、ことに身内とか親戚とか等々の人たちが、どれほど迷惑というか世間を狭くして世渡りをしなくちゃならないか、これはよくおわかりだと思います。
もう憲法三十三条をあげるまでもなく、また刑事訴訟法二百十条以下をあげるまでもなく、現行犯以外は令状をもってしなければならないことは、もう法学博士の大臣でございますから十分御承知のとおりであります。憲法では、現行犯と資格ある裁判官の出す令状以外には逮捕できないことになっておる。それを刑事訟訴法では若干幅を広げまして、準現行犯、緊急逮捕というのがある。これも憲法上問題になっておる点なんです。そういうような点について、これはむしろお得意だと思いますが、ここで、その問題で刑事訴訟法と憲法の関係を私は議論をしようとは思いませんが、まず感じだけでよろしい、どのようにお考えになりますか。単に便宜的に別件逮捕が行なわれておる、そして憲法と刑事訴訟法との違い等についてのお考えをお伺いいたします。
田
田中伊三次#24
○田中(伊)国務大臣 まず別件逮捕でございますが、別件逮捕の場合に、AならAという犯罪事件を取り調べております最中にB犯罪、C犯罪というものが自然に浮かんできた、こういう場合は問題はないと思いますが、先生のおことばで別件逮捕と仰せになるのは、大事件の証拠があがらない、そこで、それは見込みで小さい事件をとらえてこれで逮捕をする、そしてその小さい事件で調べ上げながら大きな事件をねらうという捜査のやり方、この捜査の立場から申しますと、たいへん苦心をして捜査に従事しておるということが言えるのでございますが、この場合の仰せになります別件逮捕というもののやり方は、よほどこれを考えなければならぬ。簡単にこれをどんどんやっていくということになりますと、それ自体が人権侵犯になるおそれがあるということでありますので、この捜査のやり方は深く反省を要するものであるという考え方でございます。
それから、先生仰せの緊急逮捕の問題でございますが、これは憲法三十三条には明白に、この形式の上からはぐあいが悪い。令状なくして人を逮捕する、許すべきことではないのです、憲法の明文では。しかるに、やむを得ざる重大事件があります場合においては、令状の準備のできるまで緊急逮捕を許すという条項が、御承知のように刑事訴訟法にございます。これは、本来の基本的人権の上からは許すべき筋のものではないのでありますけれども、許すべき筋のものでないということは憲法十一条によって明瞭に規定してあるところでございますが、またすぐその隣の憲法十二条の条文によりますと、右に与えてある基本的人権というものは公共の福祉のために制限されてもやむを得ないことがあるのだという意味の規定が憲法十二条にございますので、その憲法十二条の精神にのっとって、刑事訴訟法においては緊急逮捕、非常に重要な緊急を要する場合にこれを許すという意味の規定があるわけでございます。それをよいことにして緊急逮捕、緊急逮捕とやったのでは、これまた別件逮捕の場合と同様に、先生御心配のごとくに、人権侵犯のおそれがどんどん出てくるということでありますので、そういう意味のやむを得ざる緊急逮捕をいたしました場合は可及的すみやかに令状の準備をする、そして成規の令状による逮捕に切りかえる、こういう努力をもっと深刻に捜査官がこれを考えてやっていくようにいたしませんと、人権侵犯が起こるおそれがある、こう反省をする次第でございます。
この発言だけを見る →それから、先生仰せの緊急逮捕の問題でございますが、これは憲法三十三条には明白に、この形式の上からはぐあいが悪い。令状なくして人を逮捕する、許すべきことではないのです、憲法の明文では。しかるに、やむを得ざる重大事件があります場合においては、令状の準備のできるまで緊急逮捕を許すという条項が、御承知のように刑事訴訟法にございます。これは、本来の基本的人権の上からは許すべき筋のものではないのでありますけれども、許すべき筋のものでないということは憲法十一条によって明瞭に規定してあるところでございますが、またすぐその隣の憲法十二条の条文によりますと、右に与えてある基本的人権というものは公共の福祉のために制限されてもやむを得ないことがあるのだという意味の規定が憲法十二条にございますので、その憲法十二条の精神にのっとって、刑事訴訟法においては緊急逮捕、非常に重要な緊急を要する場合にこれを許すという意味の規定があるわけでございます。それをよいことにして緊急逮捕、緊急逮捕とやったのでは、これまた別件逮捕の場合と同様に、先生御心配のごとくに、人権侵犯のおそれがどんどん出てくるということでありますので、そういう意味のやむを得ざる緊急逮捕をいたしました場合は可及的すみやかに令状の準備をする、そして成規の令状による逮捕に切りかえる、こういう努力をもっと深刻に捜査官がこれを考えてやっていくようにいたしませんと、人権侵犯が起こるおそれがある、こう反省をする次第でございます。
関
関根廣文#25
○関根政府委員 別件逮捕につきましては、ただいまお説がございましたとおり、私どものほうも同じ考えでございます。と申しますのは、別件逮捕は慎重にやらなければ人権侵犯になるということでございまして、大きな犯罪がある場合に、取るにも足りない小さな犯罪で身柄を拘束し、身柄拘束中ほとんど、小さな事件を調べないで大きな事件の調べに当たる。あるいは別件事件そのものにつきましては、起訴価値等がある事件でありましても、その後の勾留期間中、その調べをほとんど他の大事件に当てたというふうな調べ方、これを私どもは、やってはならない別件逮捕というふうに考えておりまして、そういうふうな捜査の手法はとるべきではないという考えでございます。
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田中武夫#26
○田中(武)分科員 先ほど申しました、わずか私が拾った十三件のうちで、まだ捜査の続けられておる三億円を除いて十二件、うち有罪、死刑を含んで確定したのがわずか三件といった、その一つに、これは古い話ですが、帝銀事件がございます。ところがこの犯人ということで死刑の宣告を受けました平沢は、最高裁で死刑が確定したのが三十年、宮城刑務所に移されたのが二十五年、拘置日数九千日以上に上回っております。その間に、現在二月の十八日で八十一歳を迎えたわけであります。そして再審申請すること十六たび。この点などについても、これは人生の大半が刑務所において送られた。死刑判決を受けたらすぐに執行せよとは私は申しませんが、これには何か裏があるのじゃないかというようにだれも思っております。この十六回目の再審請求が四月ごろか、近く結論が出るやにも伺っておりますが、簡単でけっこうですから、このような点について法務大臣どうお考えになりますか。
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田中伊三次#27
○田中(伊)国務大臣 これは二十年近く——確かに確定をいたしましたのが昭和三十年かと存じます。したがって二十年近くも長引いておりますので、裏があるのではないかというふうにお考えになるのも無理はございませんが、これは裏はございません。長引いております理由は、先生十六回と仰せになりましたが、正確には十四回は再審でございます。それから三回は恩赦願いでございます。恩赦を入れますと十六、七回でございます。
それで、ちゃんと法律に明文がございまして、死刑は、判決が確定いたしましてから六カ月以内に法務大臣が判こを押さなければならぬということになっておりますけれども、ただしという条文がありまして、ただし恩赦の願いであるとか、再審の申し立てであるとか、非常上告の申し立てであるとかいうような救済方法を申し立てました場合は、その申し立て事件が結論の出るまでの期間は六カ月に算入せない、それは別だという規定になっておりますので、そういうことで延びておるのでございまして、一切裏はございません。
八十一歳にもなっております。大いに同情はいたしておりますが、しかし、同情と処刑は別のものでございますので、厳格なる態度で善処をする考えでございます。
この発言だけを見る →それで、ちゃんと法律に明文がございまして、死刑は、判決が確定いたしましてから六カ月以内に法務大臣が判こを押さなければならぬということになっておりますけれども、ただしという条文がありまして、ただし恩赦の願いであるとか、再審の申し立てであるとか、非常上告の申し立てであるとかいうような救済方法を申し立てました場合は、その申し立て事件が結論の出るまでの期間は六カ月に算入せない、それは別だという規定になっておりますので、そういうことで延びておるのでございまして、一切裏はございません。
八十一歳にもなっております。大いに同情はいたしておりますが、しかし、同情と処刑は別のものでございますので、厳格なる態度で善処をする考えでございます。
田
田