田中武夫の発言 (予算委員会第一分科会)

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○田中(武)分科員 きょうは私は、人身といいますか、人権といいますか、これがはたして守られておるかというような観点から、いろんな問題を取り上げて御意見を伺いたい、このように考えるわけでございます。
 まず第一に、最近の世相と人権問題とでも申しますか、もう一々、具体的な事件については申し上げませんが、ここに二、三の新聞の切り抜きを持っておりますけれども、実の母親がめんどうを見るのはいやだというようなことで自分の子供を殺す、あるいはまた、内縁の夫が妻の連れ子を、ちょっとしたそそうをせっかんして死に至らしめる、こういったような事件は枚挙にいとまありません。かと思うと捨て子ラッシュでございます。
 いまここに、東京都民生局の調べた都内における捨て子の、これも東京都民生局でわかっただけなんですが、四十五年度で六十七人、四十六年度が七十七人、そして四十七年度は十二月までにすでに九十名をこしております。ことしに入りましてからでも四人の子供を街頭に、そして二人をうちにというような捨て子事件がございました。それで父親は自殺未遂というような事件もございました。そうかと思うと、お年寄りやあるいは幼い子供が、これまた火事のあるごとに死んでおる。かと思うと、また孤独の老人が死後何日間も発見せられずに置かれたというようなこと、あるいは八十歳を過ぎる姉が死んだ、これまた七十歳をこえる妹が身体が自由でない、そのまくら元で何日間を過ごした、こういうような事件は、毎日のように新聞の社会面に出ております。まさに幼児と老人の残酷物語であり、受難の時代だと思います。これが経済大国日本の暗い一面であります。
 そこで、人権擁護の立場にある法務大臣、一方においては経済大国、経済成長を誇っており、円が外に対しては強いといって批判を受けるような、この日本においてこういった暗い面がある。これには社会施設、社会保障の不十分というかお粗末等に大きな原因があろうと思いますが、きょうはそういうことを論議しようとは思いません。人権は守られておるのかという立場から、法務大臣、どのようにお考えになりますか。

発言情報

speech_id: 107105266X00419730306_021

発言者: 田中武夫

speaker_id: 3915

日付: 1973-03-06

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第一分科会