渡邊健二の発言 (社会労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○渡邊(健)政府委員 四十七年に、先生方がただいまおっしゃいましたように、労働基準法の中から安全衛生関係の規定を抜き出し、それを大幅に拡充いたしまして、労働安全衛生法を制定していただいたわけでございますが、なぜ安全衛生関係を基準法から抜き出して単独法にしたかという点につきましては、その御審議の際にも申し上げましたように、一つは、労働基準法というのは、直接の雇用関係にある個々の労働者と使用者の間におきまして、その使用主を規制する法律であるわけでございますが、安全衛生関係の対策を十分に行ないますためには、直接の雇用関係の規制だけでは不十分である。たとえば下請の労働者は下請の企業と雇用関係にあるけれども、その労働者の安全衛生を確保するためには、やはり元請をひっくるめた総合的な安全対策が必要である。あるいは、たとえば直接の使用主以外にも、リース業者といったように機械を貸し出しをしている、そういうところにも安全衛生上の義務を課するとか、あるいはさらには有害な物質などについては、その製造、流通の過程から規制をする必要があるといったふうに、直接の雇用関係のみにとらわれず、より広い面から労働者の安全衛生のための規制をする必要がある。それは、直接の労使関係の規制の立場をとっております基準法だけでは十分にできないという点が第一点。
それからもう一つは、確かに安全衛生を確保いたしますためには、個々の危害防止基準ということを事業主に守らせることがきわめて重要であり、それが基本であることはもちろんでございますが、安全衛生というのは、そういうような危害防止基準を順守だけさせればそれで災害が少なくなるかというと、従来の災害の発生状況から見ると必ずしもそうでない。安全衛生基準を使用主に守らせると同時に、やはり基準違反以外のことによっても事故がいろいろ起きておりますので、そのための指導あるいは安全衛生教育あるいは零細企業などにつきましては、安全衛生措置が十分に使用主がとれるような行政的な指導、援助、そういう幅広い対策を行なうことによって初めて災害防止というのは十全の効果をあげ得る。基準法というのはどういたしましても、法の性格からいいまして直接的な最低基準の規制が中心になるのでございますが、それ以外に、ただいま申しましたような幅広い総合的な安全衛生対策を実施するためには、もう少し広い立場に立った立法の措置が必要である、法制の整備が必要である。こういうことで安全衛生法を基準法から抜き出しましてつくりまして、直接の雇用関係にとらわれないより広い立場に立った、使用者以外の者に対する義務づけも含めた規制を行なう。それから最低の危害防止基準はますます明確にいたしてまいりますが、それと同時に、安全衛生教育あるいは安全衛生に対する指導あるいは援助、こういった幅広い総合的な安全衛生対策を展開していく、こういう観点から、独立の安全衛生法という体系をつくったわけでございます。