金子みつの発言 (社会労働委員会)

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○金子(み)委員 結核はかつては日本では国民病であるとか亡国病であるとかいうふうにいわれて、長いこと日本の死亡率の第一位を占めるというような状態が続いてきたことは御承知のとおりだと思います。二十年ほど前から、大体昭和二十六年でしたでしょうか、結核対策が新たにつくられて、そして結核の実態調査を五カ年ごとに行なうとか、それに基づいて患者管理をするというような政策がとられるようになりましてから、過去二十年の間における結核の蔓延率が低下したとか、あるいは死亡率が一位であったものが十位に下がったとかというような、結核に関する諸政策の成果というものは一応評価できるものがあると思うわけでございます。しかし結核の死亡率が二十年前に比べて、一位であったものが十位に下がったということは、死亡の数は減ったということであると思いますけれども、なくなったということではない、ゼロになったということではないわけでございます。そこで日本の結核の状態というのは、十年あるいは二十年前の状態に比べますと、非常に形が変わって、今日なお別の形で非常に大きな問題が残されているということを私たちは認識しなければならないと思うわけでございます。
 たとえば、昭和四十七年には結核による死亡率が人口十万に対して一一・九というふうになりまして、死亡率第十位ということになったわけでございますけれども、御承知のようにWHOの西太平洋地域、これは日本を含みます西太平洋沿岸に存在する諸国でありまして、どちらかといえば後進国あるいは中間の国とか、そういったいわゆる先進国とは考えられていない国の多い地域でございます。その地域を対象としている西太平洋地域のセミナーでは、WHOは、結核に関してはその死亡率を人口十万に対して一〇にするという一つの目標を持っているということを承知いたしております。また同時に、結核に関する国際会議、国際結核学会でも同じように人口十万に対して一〇というところで線引きをしている。そこで、ここで線引きをして先進国と後進国とを振り分けているわけでございますが、そういうことになりますと、日本の場合は後進国になっているわけです。結核に関しては依然として後進国であるということを照明されてしまっております。しかもその後進国ぶりがどんな程度に後進国になっているかといえば、オランダでは人口十万に対して一・二、オーストラリアが一・四、アメリカが一・四、カナダが二・一というふうな先進国の数字に比べてみますと、二・九という日本の数字ははるかに高い、五倍ないし十倍も高いということがいえると、思うわけです。ですから日本は結核はもう解決したのだとか、あるいは日本はもう結核の問題は重要ではないんだというようなことは、とてもじゃないけれどもいえないと思うわけです。この高い数字を、先進国に比べて十倍もの死亡率をまだ持っている日本の場合に、これを先進国並みに低下させていこうとするためには、まだまだ十年や十五年はかかるということは、結核の専門の方たちが口をそろえておっしゃっているところでございます。ですから、たまたま死亡率が二十年前に比べれば十分の一を減ったからといって、気をゆるめたりあるいは手を抜いたりということは許されないと思うわけです。
 そこでお尋ね申し上げたいと思いますのは、結核実態調査でございますが、たしか昨年、昭和四十八年は実態調査の行なわれた年だと思うのですが、その結果は集計ができておりますでしょうか、どれぐらい前進しておりますでしょうか。もしおわかりになっていらっしゃいましたら教えていただきたい。

発言情報

speech_id: 107204410X02519740516_007

発言者: 金子みつ

speaker_id: 24663

日付: 1974-05-16

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会