中曽根康弘の発言 (予算委員会)
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○中曽根国務大臣 石油製品の価格は、早晩値上げをせざるを得ないという状況にいま追い込まれつつあることは、御指摘のとおりでございます。
しかし、これをやるという場合には、昨年の暮れ以来石油業者が便乗値上げをやったという、その利得を全部吐き出させる、そうして内部留保も払い出す、重役賞与も辞退する、無配ないし減配を行なう、そういうところまで石油業者が国民の皆さま方に対して反省を示し、協力をするということを実現した上でやはりやる必要がある、こういう考えに立って、いまいろいろその施策を検討しておるところでございます。
ただ、石油の値段については、まだ不安定な要素が残っておりまして、第一番は、為替相場の問題がございます。それから第二番目には、OAPECの通告してきた値段が、あれが最終価格ではなくて仮払いの値段になっておる。したがいまして、たとえばミナスの原油のようなものは、十ドル八十セントといわれておったものが、十二ドル以上にも追加されてきておる。けさの新聞にも、アラ石のあの値段、カフジ原油についても追加徴収というようなことが出ておりました。そういうような事態が、メジャーからきておる石油につきましても多々ありまして、まだこの点は、最終値段ということには落ちついておらないのでございます。
また、もう一つわれわれ考えなければなりませんのは、将来にわたってOAPECの動向がどういう態度をとるか。これは政治要素も含んでおりまして、あるいは将来にわたって値下げの動向も出てくるかもしれません。それも、政治情勢を見詰めながら検討している一つの材料になっております。
そういうような情勢から、標準価格というような形で固まった価格にすぐすることは、きわめて危険な情勢がございます。朝令暮改というようなことになる危険性が一つあることと、それによって固定しますというと、石油は、御存じのように得率がございまして、もし低い値段で固定された場合には、その石油が出てこない、店頭から姿を消す、そうしてよけい出てきたものの価格は、今度は値下げをささえてしまう、下ささえになるという危険性もなきにしもあらずでございます。したがいまして、行政指導価格によって油種別にある程度きめて、そしてそれがどの程度の水準に落ちつくかということも検討しながら、逐次標準価格に移行していく、そういうほうが行政的には穏当であり、品不足が出てこないという政策的なプラスもあるのではないかとわれわれは考えております。そういうような配慮をもとにいたしまして、ある時点において石油の価格が上げられました場合に、これがほかの物価の値上げに及ぼされないように、いま全力をあげて各省で努力しておるところでございます。
まず第一に、石油製品につきましては、石油関連諸企業についても、通産省からすでにいろいろ要請をいたしまして、そして最終値段を上げない、そういうことで、いろいろな了承をいま取りつけておるところでございます。たとえば、石油が上がればナフサが上がります。これはもうガソリンと同じような性格のものでありますから、上げざるを得ない。その場合に、ポリバケツまで上げないように途中で吸収しなさい、これは、ある程度便乗値上げでその分まで入っておるではないかという立場を通産省としてはとって、ポリバケツは上げてはならない、そういうような要請を強くしておるところでございます。
それから、丸棒であるとかセメントであるとか、そのほかの国民生活関連物資の重要なポイント、あるいは国民経済運営上の重要なポイントの結節点につきましては、同じく行政指導によりまして、企業ごとに個々別々に指導して、そうして値上げを回避する、そういう措置について、実際努力しておるところでございます。
なお、流通過程におきましては、先週の土曜日に、私はデパート、スーパー、それから小売り店の三団体の代表者に集まってもらいまして、われわれの政策のゆえんをつとに説明して、値上げをやらないように、政府の政策に協力してくれるようにと、協力を求めたところでございます。それらの諸団体も、政府に対して協力いたしましょう、そういう回答もいただきました。これらは、いずれまた個別的にわれわれとしては監視もするし、指導もしていくつもりでございます。
そういうようなあらゆる努力をするとともに、全政府の機構をあげて、今度は物価の監視と値上げの抑制ということに次の段階は取り組むべきであり、この点につきましては、そういう将来の時点において、国民の皆さま方からの積極的な御協力も仰ぎたいと思っておる次第でございます。