徳永正利の発言 (運輸委員会)
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○国務大臣(徳永正利君) 御指摘の点につきましては、これはこまかく申し上げますと、十一月の終わりごろに、石油業界と申しますか、LPガスのカットを宣言してきたわけでございます。そこで、これはたいへんだというので、私どもも直ちに通産省と協議いたし、また通産省をむしろ鞭撻いたしまして、その三〇%カットというようなものについてはとうていタクシー業界としては——御承知のようにタクシー業界というのは個人もしくは零細な業者が多うございまして、六大都市に例をとりますと約半数近いものが個人タクシーでございます。で、まずこの量を確保し値段を維持するということに全力をあげてみたのでございますけれども、なかなかそれがうまくいきません。十二月の初めに入りまして、ようやく通産と私のほうの政務次官が最後の詰めに入りまして、十一万五千トンはタクシー用としてLPガスを確保する。値段の点についてもいろいろやりましたけれども、値段は現状維持にはなかなかとどまらなかったというのが実情でございました。
そこで、その十一万五千トンをどういうふうに割り振るかというわけで、いろいろ業界とも十分相談いたしまして、自主的に、できればみんなで話し合って、乏しきを憂えつつ、ひとつ平均に、これが平等に行き渡るようにということで、御承知のような個人タクシー並びに営業タクシーのガスの供給量がきまったわけでございます。そこで十二月の初めごろから、御承知のように、御指摘のようなタクシー料金の暫定でない、いわゆる本料金の申請も出ておりましたが、私どもはこの際、何とかこの量でやれぬものかということを強く要請もし協力も求めましたけれども、それほど言うならば、われわれはいまここを、物価をそういうふうに押えるということで要請するならば、われわれは暫定でもいいからこの際運賃をきめてくれと、こういう要請か出てきたわけでございます。
私は予算委員会におきましても暫定運賃という声があるがおまえはそれをやるのかという御質問がございました。しかし私は暫定運賃というのは運賃体系の中になかなか組み入れるのに問題があると思うと、したがって暫定運賃というものを採用するかどうかということについては、よほど慎重に考えざるを得ないんだという答弁を確かに予算委員会でしております。しかしながら、昨年の暮れになりまして、御承知のような、この運営をめぐりまして、個人タクシー、いわゆる零細業者の中から自殺者も出るというような悲惨な状況もあったわけでございまして、そういうものを背景に、国民の足は守らなければならない、これはもう当然のことでございます。
しかしながら、守るためには、やはりそういうような零細業者の経営をどういうふうに裏づけていくかということについて、実は融資を考えたわけでございます。事実、この公庫に対しましても融資ワクというものの設定あるいはどういうふうにこれを進めていくかということについて、いろいろ御相談いたしました。なかなかしかし個々のそういうような個人、零細な業者がほとんどでございますから、この融資についても思うような裏づけができなかったわけでございます。そこで年末に、この混乱はどうしても見のがすわけにはまいるまいということで、いわば緊急避難措置と申しますか、緊急な問題として暫定運賃をやらざるを得ないということを暮れが迫って申し上げたわけでございます。
その後も石油の輸入量が多少緩和されるんじゃないかというような話等も出まして、私どもとしましてはこの暫定料金なるものを何とかまた逃げられないだろうかということで、通産省におきましても正月一日から実施するという石油のカットを正月十日に延ばすというような声明までいたしましたから、その間の事情等もよく調査し、話し合いもしましたけれども、LPガスに対する問題は一向に思うような解決がつかないということで、タイミングとしましては、総理が前の日に極力抑制しますと演説をした翌日に、こういうような料金の設定を発表せざるを得ないという、まことにタイミングの悪いことは承知の上で、実は決断をしなければならなかったと、こういう状況でございまして、力の足らなかったこと、あるいはいろんなその間に、私どもとしても不手ぎわもあったかと思いますけれども、そういう事情を踏まえてそこに到達したわけでございまして、これも私は、国民の生活を守るといいながら料金を上げたじゃないかと言われる裏に、やはり二十三万人余の従業者の生活というようなものも考え合わせて、そういうふうな決断をせざるを得なかったということでございまして、その点を何とぞ御理解いただきたいと存じます。