運輸委員会

1974-02-14 参議院 全169発言

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会議録情報#0
昭和四十九年二月十四日(木曜日)
   午前十一時二十一分開会
    —————————————
   委員の異動
 二月八日
    辞任        補欠選任
     棚辺 四郎君    岩本 政一君
 二月十二日
    辞任        補欠選任
     矢追 秀彦君    三木 忠雄君
 二月十四日
    辞任        補欠選任
     岩本 政一君    今泉 正二君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正雄君
    理 事
                黒住 忠行君
                菅野 儀作君
                杉山善太郎君
    委 員
                今泉 正二君
                木村 睦男君
                橘  直治君
                小柳  勇君
                森中 守義君
                三木 忠雄君
                山田  勇君
   衆議院議員
       修正案提出者   野中 英二君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  徳永 正利君
   政府委員
       運輸政務次官   増岡 博之君
       運輸省大臣官房
       審議官      原田昇左右君
       運輸省海運局長  薗村 泰彦君
       運輸省船員局長  住田 俊一君
       運輸省港湾局長  竹内 良夫君
       運輸省鉄道監督
       局長       秋富 公正君
       運輸省自動車局
       長        中村 大造君
       運輸省航空局長  寺井 久美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       外務省アジア局
       外務参事官    中江 要介君
       日本国有鉄道総
       裁        藤井松太郎君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本方針に関する件)
○船舶職員法の一部を改正する法律案(第七十一
 回国会内閣提出、第七十二回国会衆議院送付)
    —————————————
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宮崎正雄#1
○委員長(宮崎正雄君) それでは、ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 棚辺四郎君、矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として岩本政一君、三木忠雄君が、選任されました。
 また、本日、岩本政一君が委員を辞任され、その補欠として今泉正二君が選任されました。
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宮崎正雄#2
○委員長(宮崎正雄君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
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森中守義#3
○森中守義君 七日に大臣がお述べになりました所信について、おそらくこのことを中心に運輸委員会で議論が展開をされてまいると思いますが、きょうはその第一回として大局的にお尋ねしたいと思うのです。
 この中で述べられていることで非常に注目しますのは、「まず第一に国民生活の安定をはかり健全な生活環境をつくり上げるための対策に取り組んでまいる決意であります。」というところです。それから「国民の足を確保し生活必需物資の円滑な輸送をはかるべく特段の努力を払う所存であります。」、こういうことですが、まあこれは非常に注目に値するとは言いながら、きわめて儀礼的であり、かつ事務的であり抽象的である。一体この内容はどういうことなのかということが、以下ずっとお述べになりましたが、まあこれはある意味では予算の骨格を説明されたにとどまっているものと私は思うのです。ですから、いま国民は政府あるいは行政に対してたいへんな怒りを持っている。言うまでもなくつくられた石油危機、つくられた気違いじみた物価、まあこういうようなことを考えてみれば、一体経済官庁である運輸省がどういう姿勢をこれから貫いていくべきなのか、まあ非常に問題が多い。
 こういうことをずっとしさいに考えていきますと、いま運輸大臣が就任をされて、言われている交通の危機、これ一体どういうように受けとめられているのか。まあ私は私なりに考えるのですが、たとえば昭和三十年代における交通の危機というものは、これは当時いわれた交通戦争、まあ交通事故を中心にしたそういう言い方であったと思うのです。四十年代になりますと、こういう単に交通事故を中心にした交通戦争などという言い回しではもうとうてい避けられないですね。むしろ三十年代にいわれていた交通事故というものはまさに肉弾戦。それから最近のように、たとえば国鉄のマル生運動、こういうものなどは交通部門におけるいわば思想戦、こういうことになるであろう。あるいは海洋の汚染、油の汚染、あるいは騒音公害、振動公害、排気ガス、スモッグ、こういうものはまさに化学戦である。それと料金の次から次に改定されていく問題等は、顕著なこれは経済戦ではないか。こういったように肉弾戦、経済戦、思想戦、化学戦と非常に国民としては迷惑千万な交通危機になっている。この現状を運輸大臣としてはどういったように受けとめられているのか、この受けとめ方が私は問題だと思うのです。
 そういうことが決意を新たにという表現になったものと思う。しかも、そういうことを要約的に申し上げるならば、在来の運輸交通政策というものはすべからく経済従属型のものであった。国民が怒っているというものは、経済従属の型から国民生活中心の型に運輸政策の転換を求める、こういうことだと思う。ついては、そういう意味から、在来の方針を踏襲されるのか。つまり経済従属型の交通政策をとられるのか、あるいは国民生活を中心にした徳永運輸大臣としての独自の環境を開拓されるというのか、どちらを選択をされるのか。私が最初に決意を新たにというのは注目すべきものだ、というのはそれを意味している。踏襲されるのか、独自の政策を展開されるのか、どういうお考えでしょう。
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徳永正利#4
○国務大臣(徳永正利君) いままでの運輸行政というものが、いわゆる経済従属型であったかどうかということについては、いろいろ御議論があろうと思います。私はその議論はさておきまして、私がいまここで決意を新たにすると申しますのは、運輸行政というものは国民の生活をいかに守るかと、国民の生活をどういうふうにささえ守っていくかということが運輸行政の根幹にならなきゃならぬと、こういうふうに考えております。したがいまして、今日までの行政政策に対しまして、私はこれが必ずしも経済べったりの従属型であるとは思いませんけれども、とにかく私の考えは、ただいま申し上げましたように国民生活を運輸行政の上でどう守り抜くかと、この一点をはずして運輸行政はないというふうに決意を新たにしておるのでございます。
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森中守義#5
○森中守義君 大臣、従属型であったのか国民生活中心であったかという、これは単にものの見方という、そういう相違の問題じゃないと思う。私は、やはり運輸行政、運輸政策というものは、過去の長い沿革を持っている、流れを持っているんですね。そういうことから考えていけば、いま従属型であったのか、あるいは国民生活中心であったかという、まあ一つのわきまえといいますかね、その辺に一つの判断をつけてかかっていかなければまずいと思うのです。それはこれから少し議論に入りますが、私はこれから実証する幾つかの問題によって、あくまでも経済の従属型である、少なくとも国民生活を中心にしたものじゃなかった、こういう判断を持つのです。
 しかし、いま大臣の言われるそれはともかくとして、大臣としては、国民生活を中心にやっていくんだと、そういうことであれば、たとえばいままで表に出されてきた総合交通体系あるいは一連の関係機関の決定、運輸政策というものは当然大きな変化を伴わなければできませんよ。これはできません、いま言われるようなことでは。
 それで、いま大臣は、あくまでも国民生活を中心にしたものだ、そういう運輸政策をやる、こう言われるのですが、それならば、在来の総合交通体系に関する中間報告であるとか、あるいは閣僚協の決定であるとか、こういうものとはかかわりのないものとして新たな政策をおやりになるという意味に解してよろしゅうございますか。
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徳永正利#6
○国務大臣(徳永正利君) 私が申し上げましたのは、私の決意を所信表明の中において申し上げたそれを重ねて簡潔に申し上げたわけでございますが、いままでのしからば交通体系というものを全部変えなければできないぞという御判断でございますが、私は必ずしもそうは考えておらないわけでございます。改善すべきものはもちろんございましょう。時代の流れにより、また今日の経済情勢、省エネルギー問題等、当面いたしまして、今後、当面変えていく、あるいはまた長期的にこれをどういうふうに見ていくか、いろんな問題がここにあると思いますが、いま直ちに、おっしゃるように、いままでのものを全部さておいて、新しい出発点に立っての決意を申し上げましたけれども、政策そのものについては、いろんな取捨選択がこれから出てくるだろうと思います。
 したがいまして、私が申し上げましたような決意の上に、いままでの交通政策なるものを、とるべきものはもちろん踏襲してまいりますし、また改めなければならないものにつきましては、いろいろまた検討を要するものもあろう、こういうことでございます。
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森中守義#7
○森中守義君 大臣、具体的に申しますと、四十六年の十二月十七日、臨時交通問題閣僚協議会、これが重要な政策決定をしている。そこで、この問題を一つの転機にしまして、陸上、海上、航空、いわば全体的な交通政策というものは、ある問題については非常にテンポを速める、ある問題についてはスローモーション、こういうように政策を実行に移す、そのテンポには多少の柔軟性がありますがね、おおむねこのことを中心にしていま動いている。よろしゅうございますか。そこで大臣は、とるものはとる、捨てるものは捨てる、こう言われるのですが、そのまま文言を実際問題として当てはめてみるならば、これは取捨選択をされる、こういうふうに解していいのですか。
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徳永正利#8
○国務大臣(徳永正利君) 私のことばの足らなかったところもあろうかと存じますが、この総合交通体系そのものを、これは長期展望に立った一つの体系でございますから、申し上げるまでもなく、いま私はこれに対してどうこう変えよう、さらに検討を加えようというつもりはございません。いま当面しておるいろんな問題は、御説明申し上げるまでもなく、石油問題を中心にいたしまして、いろいろの問題が派生しておるわけでございますから、そういうような問題を長期展望を進める中において総合的な需要の抑制でございますとか、そういうようなものを取捨選択、現実に合わしたものに進めていこうということでございまして、いま直ちにこの総合交通体系そのものに、この長期展望の改定を考えるというわけではないわけでございます。
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森中守義#9
○森中守義君 そういうようなお答えになってきますと、やはり新たな決意とか独自的なものということは、これは当然期待すべくしてもできない。
 そこでひとつ、ごく最近の問題を提起しまして、さっき大臣が言われたように、経済従属型であるのか、あるいは国民生活を中心にしたものであるかというこの判別の一つの例示を私はしたいと思う。まあ少なくとも国民の生活を中心にした運輸行政ではない、これだけはどうも歴然としていると言わなきゃならぬと思うのですね。その中の一つに、一月の二十二日、例の石油パニックに端を発したタクシー料金の暫定措置、こういうのは一体国民の足をほんとうに守るという考えとしてなし得るものであるかどうか。国民の足を守る、国民生活を中心にしているというものとは全く似ても似つかないようなものじゃないですか。おそらく運輸関係の全部の委員に陳情書的なものが回ってきたと記憶しておりますが、全国のタクシー業界のほうで、このパニックによってたいへんな損害をこうむった、ですからすでに出している基本料金の申請、これを急いでくれ、同時にこうむった損害を補償してほしい、場合によっては訴訟に持ち込むもやむを得ないと、こういうような書面、これがいま私の頭の中に少し残っている。
 ほんとうに、あれほど重大な物価狂騰のおりに、なぜこういうように二九%という高率な暫定運賃を実施しなければならぬのか。これははたして国民の足を守る、国民生活に根拠を置いた政策と言えますか。このことはどう考えておるのですか。
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徳永正利#10
○国務大臣(徳永正利君) 御指摘の点につきましては、これはこまかく申し上げますと、十一月の終わりごろに、石油業界と申しますか、LPガスのカットを宣言してきたわけでございます。そこで、これはたいへんだというので、私どもも直ちに通産省と協議いたし、また通産省をむしろ鞭撻いたしまして、その三〇%カットというようなものについてはとうていタクシー業界としては——御承知のようにタクシー業界というのは個人もしくは零細な業者が多うございまして、六大都市に例をとりますと約半数近いものが個人タクシーでございます。で、まずこの量を確保し値段を維持するということに全力をあげてみたのでございますけれども、なかなかそれがうまくいきません。十二月の初めに入りまして、ようやく通産と私のほうの政務次官が最後の詰めに入りまして、十一万五千トンはタクシー用としてLPガスを確保する。値段の点についてもいろいろやりましたけれども、値段は現状維持にはなかなかとどまらなかったというのが実情でございました。
 そこで、その十一万五千トンをどういうふうに割り振るかというわけで、いろいろ業界とも十分相談いたしまして、自主的に、できればみんなで話し合って、乏しきを憂えつつ、ひとつ平均に、これが平等に行き渡るようにということで、御承知のような個人タクシー並びに営業タクシーのガスの供給量がきまったわけでございます。そこで十二月の初めごろから、御承知のように、御指摘のようなタクシー料金の暫定でない、いわゆる本料金の申請も出ておりましたが、私どもはこの際、何とかこの量でやれぬものかということを強く要請もし協力も求めましたけれども、それほど言うならば、われわれはいまここを、物価をそういうふうに押えるということで要請するならば、われわれは暫定でもいいからこの際運賃をきめてくれと、こういう要請か出てきたわけでございます。
 私は予算委員会におきましても暫定運賃という声があるがおまえはそれをやるのかという御質問がございました。しかし私は暫定運賃というのは運賃体系の中になかなか組み入れるのに問題があると思うと、したがって暫定運賃というものを採用するかどうかということについては、よほど慎重に考えざるを得ないんだという答弁を確かに予算委員会でしております。しかしながら、昨年の暮れになりまして、御承知のような、この運営をめぐりまして、個人タクシー、いわゆる零細業者の中から自殺者も出るというような悲惨な状況もあったわけでございまして、そういうものを背景に、国民の足は守らなければならない、これはもう当然のことでございます。
 しかしながら、守るためには、やはりそういうような零細業者の経営をどういうふうに裏づけていくかということについて、実は融資を考えたわけでございます。事実、この公庫に対しましても融資ワクというものの設定あるいはどういうふうにこれを進めていくかということについて、いろいろ御相談いたしました。なかなかしかし個々のそういうような個人、零細な業者がほとんどでございますから、この融資についても思うような裏づけができなかったわけでございます。そこで年末に、この混乱はどうしても見のがすわけにはまいるまいということで、いわば緊急避難措置と申しますか、緊急な問題として暫定運賃をやらざるを得ないということを暮れが迫って申し上げたわけでございます。
 その後も石油の輸入量が多少緩和されるんじゃないかというような話等も出まして、私どもとしましてはこの暫定料金なるものを何とかまた逃げられないだろうかということで、通産省におきましても正月一日から実施するという石油のカットを正月十日に延ばすというような声明までいたしましたから、その間の事情等もよく調査し、話し合いもしましたけれども、LPガスに対する問題は一向に思うような解決がつかないということで、タイミングとしましては、総理が前の日に極力抑制しますと演説をした翌日に、こういうような料金の設定を発表せざるを得ないという、まことにタイミングの悪いことは承知の上で、実は決断をしなければならなかったと、こういう状況でございまして、力の足らなかったこと、あるいはいろんなその間に、私どもとしても不手ぎわもあったかと思いますけれども、そういう事情を踏まえてそこに到達したわけでございまして、これも私は、国民の生活を守るといいながら料金を上げたじゃないかと言われる裏に、やはり二十三万人余の従業者の生活というようなものも考え合わせて、そういうふうな決断をせざるを得なかったということでございまして、その点を何とぞ御理解いただきたいと存じます。
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森中守義#11
○森中守義君 その経緯につきましてはあらかた知っている。ただし、いまお話の途中でお述べになりましたように、たとえば融資の方法も考える、こういうお話があったんですね、融資。暫定運賃をきめるかわりに融資でしばらく切り抜けていこうという、そういう意思だったと思う。むろん、さっき申し上げたように、業界も正確にその数字をはじき出して、これこれが営業欠損だと、その補償をどうしてくれる、いろいろ出されておった。ですから、これはそういう事態に、ほんとうに気違いじみた物価上昇に油を注ぐようなことをしないで、方法は幾らもあったと思うのですね。その方法をとらないで、あの物価高騰の渦中の中で一挙に六大都市二九%アップということは、これはどう考えてみても国民生活を基調に踏まえた政策とはいえない。だから、私は経済従属型と、国民生活中心型じゃないんだと、こういう一つの例示になろうかと思う。
 そこで、もう少し、いま車問題ちょっと出しましたのでお尋ねいたしますが、この暫定運賃の決定の手続ですね、あるいはその法律上の問題非常に割り切れないものがありますよ。いま、私の手元に一月二十二日、物価対策閣僚協議会、この決定された写しがある。これはもう読み上げる必要もありませんけれども、「六大都市タクシー運賃の取扱いについて」「最近タクシー事業にあっては、LPGの供給量の削減と燃料価格等の高騰に直面し、深刻な打撃を受けているため、タクシー事業の運営の安定に支障を生じさせないよう二九%の暫定運賃を認めることとし、基本運賃の改定については四十八年度の実績をみて検討することとする。」、こういう物価対策閣僚協議会の決定がある。大体運賃、料金というものはだれがきめるのか、いま、こういうお話をしますと、こういう騒然たる物価事情の中にそんな手続的なことやこまかなことを言うなという、そういう一部の意見があるかもわかりません。けれども道路運送法上、運輸大臣が料金、運賃の認可権者である。きちんと法律で規定されているんですね。しかるに実際の決定というものは物価対策閣僚協議会がきめる、これは一体どういうことなんです。屋上屋を重ねるというか、道路運送法できちんと確立をされている権限というものが行使されないで、そのようなところで決定をしている。これはまた、後刻触れる国鉄運賃凍結の問題も同様です。私は徳永運輸大臣の力量とか、識見とか、手腕というものを非常に低いとは思っておりません。けれども政府の全体の政策の中に動いている実情というものは法律を越えている。何のために道路運送法があるか、これ、所管大臣としまして、この一事に限ったことじゃございませんよ、何もかにもこういうことが多い。
 一体確立をされた法律というものがこう簡単に侵犯をされていいものなのかどうなのか、暫定運賃もいま申し上げたように物価対策閣僚協できめる。どういうことなんですか。これが私の言う実務的な、手続的にも問題があるということの一つなんですがね、どうお考えになります。——それは大臣だよ、それは大臣だよ。
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原田昇左右#12
○政府委員(原田昇左右君) いま御指摘の道路運送法との関係でございますが、一般的に国民生活に影響のある重要な公共料金の決定に際しましては、単に運賃だけでなくて、他の公共料金も含めまして閣議において物価対策閣僚協の議を経て、これを政府全体として、全体の物価対策との関係を調整しながら方針をきめていこうということは、閣議においてきまっておりまして、そういう運用方針で現在行なわれておるわけでございます。
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森中守義#13
○森中守義君 それはおかしい。閣議と法律とはどっちが強いものですか。閣議の決定だから法律を犯していいということになるの。あくまで私、手続的なことをいま問題にしているんですがね。生きた政治の中でそれはあり得ることであろう。そのことは否定はしない。けれども、よしんばそういうことであれば、あらゆる公共料金については、いま言われるような閣議決定に持ち込むというようなことを法律のほうへきめなさいよ。道路運送法はそういうことを許容していないんだよ。許容していないにかかわらず、閣議決定でやったんだ。そんな理屈の合わぬようなことを言ったってだめですよ、それは。
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原田昇左右#14
○政府委員(原田昇左右君) 先ほどことばが足りなくてたいへん失礼いたしましたが、道路運送法上の運輸大臣の権限を変更するものでは全然ございませんで、運輸大臣が道路運送法上の新料金の認可をする場合に、全体の物価閣僚協におきます方針に基づきまして処理をするということでございます。
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森中守義#15
○森中守義君 それは原田君ね、そういうことを言っちゃいかぬよ。それは運輸大臣は決定したことに判こをつくだけなの。道路運送法上の認可権というのは意思決定を意味しているんですよ。どうですか、それは。意思をきめたのは閣僚協だ。その意思を受けて大臣を自動的にあやつり人形のように閣僚協がきめましたから手続をとりますと、これは大臣の権限ですか。どこで、だれが意思決定するかというのが問題なんですよ。そういう議論になればね、やっぱりもう少し深みに入らにゃいかぬ。道路運送法八条の認可権というのは意思の決定をいうわけです。いいですか。いま審議官の説明からいけば、意思決定ということじゃなくて、手続的には運輸大臣がするんです。こんなばかなことないよ。道路運送法とはそういう権威のないものですか。少なくとも、いままで運輸関係で道路運送を中心に陸運行政等をずっと見てきた私どもからすれば、運送法八条の認可条項というものは、これは意思決定をいうんですよ。大臣、どうお考えになる。そういう考え方を官僚が持っているからだめなんだよ。どうですか。
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徳永正利#16
○国務大臣(徳永正利君) お説のとおりでございます。この第八条によって決定するのは運輸大臣であり、その権限のあるもの運輸大臣であり、責任のあるのも運輸大臣でございます。ただ、その間にいろんな公共料金というのは他に波及する問題もいろいろあるということで、私この物価閣僚協議会なるものが、どういう時期に、どういうような話し合いのもとにこういうものができたかということを、どういう条文にあるかということをいま調べさせておりますけれども、これができましたのは、おそらく他にいろんな波及し、あるいはまた他に関連するものがあるから一応そういう閣僚協議会の源というものをつくって、そこでその方々の意見も聞こうし、こちらの意見も述べて意見の調整をやろう。しかし、ここで決定されるものではもちろんございません。閣僚協議会は協議会として一つの意思決定はすることにはなると思いますけれども、しかし決定権なり、あるいは権限なり責任というものは、あくまで運輸大臣にあるわけでございます。
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森中守義#17
○森中守義君 これはちょっとこまかな話になり過ぎるかもわかりませんが、大体道路運送法八条の認可条項というものは、これは施行規則も含めまして全部崩壊しているんですよ。これが問題なんですね。だから私は新しい体制に対応できるようなむしろ法律改正などが望ましい、本来的には。だから法律は法律で現存している。具体的に言えば八条の場合ですね、認可権は地方陸運局長に委任している、委任しておりながら実際は地方陸運局では裁量決定権はない、みんな本省でそれを吸い上げる、しかも本省は企画庁にそれを出す、ものごとによっては閣僚協に持ち込む、今日のその経済異常、物価異常というものは、やはり運輸省プロパーではできないでしょう、そういう総合性、そういう波及性の強い内容であることは、これは十分承知しておりますよ。
 しかし、すでにもう道路運送法というものは、そういう意味では形骸化しているのだ、空洞化しているのだ、これはこれからの問題としまして、大臣、よほど慎重に扱っていきませんとほんとうに問題だと思いますよ。大臣が地方陸運局長に委任している、委任を受けた地方陸運局長が権限の行使ができない、運輸大臣においてすらも、閣内の状況はどうであるかは、これは別のものとして、形式と実態が全然違ってきているんですね。実情としておわかりになりますか。だから私は、そういう意味では道路運送法が空洞化、形骸化、こういう状況にある。しかし半面、このことが何かの問題等で行政訴訟等に発展をした場合にどういう扱いをするのか、少なくとも政府がよく言われるように法治国家なんだ、法律が中心だとこう言われるならば、やはり政府みずからも法律を守ってもらいたい。守られていないことに問題がある。だから私は、現在の経済事情、これがいろいろなところに関係を持っておりますから、プロパーでできなければそれにふさわしいような法律改正なり何なり行なわれなければいかぬ、それをやろうとはしない。
 ですから世間体ではそういう背景があまり理解されないで、料金改定、また上げたか、運輸省が悪いのだ、運輸大臣が悪いのだ、こういうことで、きわめて不利な立場に立っている。実際やる者は横におった、こういうような声なども決して少なくないんですよ。だから私は、きちんと法律がある、あるならあるように守りなさい、意見を聞かれることはけっこうでしょう、しかし名実ともに道路運送法を守ってもらいたい、そういう意味で、今回この措置というものは、いま大臣のそういう意見は聞いた、意見はお持ちである、最終的な意思決定は私がしたのだと、こう言われますから、そのまま私も深追いはいたしませんけれども、そうじゃないんですね。きちんとこうして、もう物価問題閣僚協議会の決定というのは出ているんですよ、これをもって運輸大臣がみずからの意思によってきめたとはだれも思いませんよ。押えつけられている、こういうようなことは手続的で非常に問題がある、こう思うんですがね。しかし、これは今回に限ったことではない。これから随時こういう問題にぶつかるでしょう。そういうことを当然なこととして予測いたしますから、道路運送法八条条項に対してどういう見解をお持ちになるのか、どういう方針でこれから進んでいかれるのか、それをちょっと聞かしてもらいましょう。
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徳永正利#18
○国務大臣(徳永正利君) いろいろ御指摘の点につきましては私もよくわかるわけでございます。法律で定められております点につきましては、今後もいろんな面にぶつかるだろうとおっしゃいましたが、たぶんそういうことがたびたび出てきやせぬかと思っております。しかし、それはあくまで運輸大臣の責任と権限においてこれを遂行していくという決意には、またそれの実行には変わりはございません。その間いろいろと御相談する向きもあるかと思いますけれども、それはあくまで一つの協議会であり、協議であり相談であるわけでございまして、最後の決定は運輸大臣に帰するわけでございます。今後も、私がどうも力が足らぬで振り回されているようなことで、まことに申しわけないと思いますけれども、これはもう勇気を出して、そういう御批判のないようなひとつ対策を進めていきたいと思います。
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小柳勇#19
○小柳勇君 関連。
 手続上はそれでいいが、問題はこういうことだと思うんです。運輸大臣のほうは運賃を上げたくなかったけれども、どうしても全体的な石油危機などで物価の閣僚会議のほうでは全般的なものをもって上げたという見方か、運輸大臣は上げたかったけれども物価の閣僚会議はどうかわからぬから持っていって相談したんだと、そういうことが問題だと思うんです。権限は確かに運輸大臣にあるはずです、道路運送法にありますから。物価に持っていったところが実はなぜかと聞きたい。そういうふうに現状の物価値上げの問題について、一切もう物価対策閣僚会議にかからぬ、各大臣の権限もない、田中内閣のときには一応そこで締めているんだと、でなきゃこんなこと何も閣僚協議会にかけぬでも、大臣でいいとか悪いとか言えるはずだから、そこのところをまず聞きたいわけです。
 私どものきょうの結論は、暫定運賃だからこれは一応もう取り下げてもらいたいと、たとえば厚生省もやっているし通産省も値下げをやっているんです。二九%の暫定に上げるというのは、いまわれわれとしてはどうも納得しがたい。いま乗ってみましても、皆さんもう実情はたいへんなんです。だから、暫定だから早急にこれはもう取っ払ってもらいたい、もとの運賃に返してもらいたいというのがきょう私どもの言わんとする最終的な質問なんだが、それには、いや下げるのは今度もう閣僚会議に持っていかなきゃだめですよというなら、もうここで論議したってしょうがないから、予算委員会に持っていかぬと、時間のロスだから、そこのところを、いや暫定運賃ですから世間の情勢を見たらもう運輸大臣があと下げますよと、それだけの権限があるとおっしゃるならいいです。ただ、われわれいま大臣の答弁聞くと、権限はあるけれども、物価の問題についてはやっぱり閣僚会議のほうに持っていかぬと、上げるも下げるもできませんということであるようにも思うから、そういうところをちょっと教えておいてもらいたい。
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徳永正利#20
○国務大臣(徳永正利君) まあこの閣議の決定によりまして、公共料金は極力これを抑制するという一項があるわけでございます。したがいまして、今度の暫定運賃の場合は私はこの内容あるいはその手続あるいは法律との関連等についてはいろいろ問題があるだろうと思います。しかし、やむを得ずそこまで踏み切ったということは先ほど申し上げたとおりでございますが、この暫定運賃を今度どういうふうに持っていくかという問題につきましては、これはもう私の権限において——上げることについては抑制するという閣議の決定がございますから、これはもういろいろ手続に従って皆さんとも相談するような、協議をするというようなことも、手続的なものはございますけれども、しかしながら、暫定運賃を今後下げるとかストップするとか廃止するとかいうような点については、私はその他の方々に形式立ったそういうような協議というようなものは要らない、私の権限においてやれるというふうに思っております。
 なお暫定運賃につきましては、いま御質問の点に触れますと、油がどういう事情になっているのか、この値段が一体どういうふうな動きをするか、このLPGのいわゆる定着の状況を見きわめた上で検討したいというふうに考えておりまして、いま実は鋭意その調査を進めさしておるところでございます。
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森中守義#21
○森中守義君 もう一つ道路運送法上の問題で気になりますのは、暫定運賃、暫定料金というものは道路運送法のどこにあるのか。制度として確立されていない。ところがいかにも暫定運賃というものが道路運送法上あたかも確立された、許容されたものであるかのような言い方がしきりにされるんですね。まあこれも手続的に、あるいは解釈上非常に問題があります。一時暫定運賃の制度を導入しようという一部の意見があったことは私ども聞いております。しかし、そのことは法律字句は何もない。八条三項を読んでごらんなさい。確定運賃としておりますよ。正確な原価計算をやってくれ、そういうことがきちんと法定されているんですね。暫定運賃どこにあるんですか。法律外の制度をこういったものとして採用されることはまことに適当でない。どう思われますか。
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中村大造#22
○政府委員(中村大造君) 今回のこの暫定運賃と申しますのは、法律的には第八条にいう運賃でございまして、特にこの八条と違った運賃の設定をしたということではございません。ただ今回の運賃の設定が、いわゆるタクシーの燃料危機という緊急事態に対処するための非常に緊急的な措置であるということと、それからいずれにいたしましても、これは石油危機が去りまして、いわゆる常態に復するまでのものである、こういう関係から、従来運賃の設定をいたしておりますように、一度設定をしますと大体二年間ぐらいはそれでいくというふうなそういう慣例あるいは原価計算上もそういう仕組みにいたしておりますけれども、そういうことじゃなくて、石油の状態がもとへ戻るまでと、こういう関係でいわゆる暫定ということばが通称されておるわけでございまして、法律的には先生御指摘のように、決してこの第八条にいう運賃と別の運賃を設定したということではございません。
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森中守義#23
○森中守義君 まあこれは法制局あたりの正確な見解を問う必要がありますね。
 私は、さっき申し上げたように、道路運送法のどこにも運賃の暫定制というものは性質的に置くべきものではないと思うんです。存在しないものだと、不特定多数の者から所定の対価を取るわけですからね。やっぱりこれはこの八条二項の一号でいっているように、「能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。」、これは暫定的なものと読めますか。だから、これはやっぱり、自動車局長ね、まあ率直に暫定運賃という、そういう新制度を導入しようということであるのか、将来問題としてその道を開いたのかどうなのか、そこまで少し言ってみたくなるんですがね。道路運送法上どこをどう読んでみても、運賃の暫定制というものは出てこないんじゃないですか。ただ二、三の先例はあるようですね。非常に大幅に料金を改定した、一挙に所定の日時をもって実施できないから、その間中間的に小幅なものでしばらくやってみるという、こういう先例は一、二回あるように聞いております。しかし、それもやっぱり問題なんだな。だからここでいっているように、料金、運賃というものは適正な原価、適正な利潤を確保する、そうしなければ行政の都合によって暫定的なものでやりますよというのでは、取られるほうはたまったもんじゃない。ここに運送事業の公共性というものが背景にあるんじゃないですか。だから、この際は暫定というものは制度としてとるべきでないし、今回採用された暫定運賃というものも決して適当であるとは思わない、こう思うんです。そこで業界ではこの暫定運賃をきめる前に六〇%か七〇%かの基本料金のアップ申請が出ていたのでしょう。この件はどうなっているのですか。
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中村大造#24
○政府委員(中村大造君) 六大都市につきましては、昨年の十二月の一日から十日ころまでの間にかけまして、七十数%の基本運賃の改定申請が出されていたわけでございます。これは前回の運賃改定をいたしましたのが四十七年の二月でございまして、それから大体二年近くたっておるということと、それから昨年末からの石油危機というものの到来で非常に危機感を持ちまして、いつもだともう少しあとで基本運賃の申請をあるいは出すつもりであったのかもわかりませんけれども、少しでも早く運賃改定をしてもらいたいと、こういう趣旨だったと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、一日から十日ごろまでの間にかけて基本運賃の申請を出してきておったわけでございます。
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森中守義#25
○森中守義君 そこで、だんだん疑問がわいてきますのは、この八条の二項で「適正な原価」「適正な利潤」と、こういっておりますが、二九%、六大都市というのはきわめて正確な原価計算によったものかどうか、これが一つわからない。同時にまた、その閣僚協の決定というものは、閣僚協みずからが二九%を詰めた数字として出したのか、運輸省が持ち込んだのか、これはどっちなのかわからない。
 それからいま一つは、運輸交通関係ということになりますと、石油パニックによるものはほかにもあるんですね、ほかにもある。トラック運送もあれば、あるいは航空もある、海運もある、バスもあるというわけで、かなり広範な業種が存在するのですね。こういうところには全然目を向けないで、なぜひとりタクシーのみ二九%、それも六大都市に限ったのか、他の己とについてはどうお考えなのか、これもよくわからない。
 それと、一月二十二日時点における二月、三月、四月、こういう石油事情、LPG事情に対する見通しの問題。率直に申し上げて、もうすでにこの見通しはくずれちゃったわけです、そういうことでしょう。いま、たとえばその一五%カットと、四十二円幾らかに上がったLPGへの、この二つのことを主要な問題として二九%出されたようですけれども、もうすでにカット分の一七%か一九%、これはもうどこへ行ったってみんな満タンしておる、価格も四十二円幾らから三十円台に落ち込もうとしておる。もうすでに二十二日のこの決定というものは二、三、四、五、この段階の見通しを一体持っていたのか持っていなかったのか。一カ月経過した時点において、すでにもうくずれておるんじゃないですか。二九%アップの必要性、少なくとも運輸省あるいは閣僚協できめられた意味合いというものは具体的に内容はもう崩壊しているんです。暫定運賃をきめる際には、少なくとも数カ月後の石油事情の見通しを全然持っていなかった。こういうことも私は言えると思う。これも私はわからない。いま問題にした三、四点の不明な事項を具体的に説明してもらいたい。
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中村大造#26
○政府委員(中村大造君) まず第八条にいう、いわゆる原価計算の関係はどうなっておるかということでござ、いますけれども、私どもといたしましては、とにかく現在の運賃の中で、あるいは現在の運賃による収支見込みの中で全く予期しなかった事態が起こってきておる。それは元来LPGを望むだけ使って走行すると、こういう前提がいわゆる一五%供給量のカットということで走行キロは一五%落ちざるを得なくなった。それからLPGの価格が約倍近くに上がった、こういうことで、これは現在の運賃の中には全く織り込んでない状態でございます。これがあまりにも大きな要素でございましたので、今回の運賃の算定にあたりましては、ほかにもいろいろな値上がり要素はあるわけでございますけれども、われわれとしては、まずこの一五%カットによる収入減というもの、それから燃料の価格アップによる経費増というもの、この二つの要件を中心にいたしまして、それによって運賃の算定をいたしたわけでございます。
 それで、これは六大都市ばかりではなくて全国的な問題でございますので、全国的にはこの基準、この考え方で計算をして運賃の計算をしたと、こういうことでございます。六大都市につきましては、先ほども申し上げましたように、前回の改定から二年近くを経過いたしておりまして、事業者の側から言わしめれば、近くいわゆる基本運賃の改定時期に来ておるというふうな判断をわれわれはしておるわけでございます。いずれにいたしましても、二年近く経過しておるその間のいろいろな諸物価の高騰、こういう要素を考慮いたしまして、それに六大都市につきましては、いわゆる恒久的な運賃改定というものは、当面これは公共料金抑制という政府の政策との関連もございますので見送るんだ、こういうことを考慮に入れまして二九%という率を出したわけでございます。
 それから閣僚協議会で二九%ということを言っておりますけれども、これは運輸省におきましてそういう二九%という率を決定いたしまして、もちろんこれは経済企画庁とも協議をいたしまして、そして閣僚協議会に御相談を申し上げた、こういうことでございまして、閣僚協議会のほうで二九%という数字をお出しになったわけではございません。
 それからもう一点は、この暫定運賃というものを他の業種、まあ自動車の関係だけで申し上げれば、トラックとかバス等についてもやらないのはおかしいんではないかという御指摘でございますけれども、これは、一つにはLPGの一五%カットという量の規制というものが、軽油、ガソリンを使いますほかの自動車にはなかった事態でございます。確かに価格の上昇はございましたけれども、しかし、これもLPGのように倍近くになるということはございません。したがって燃料による影響、事業に与える影響というものが最も大きくあったというのがタクシー事業であるということと、しかもそのタクシー事業の大部分が零細企業であり、あるいは個人企業であって、そういうふうな収入減、経費増という、そういう影響が直接的に企業の経営に影響を及ぼし、ひいてはそこで働いております運転手諸君の生活に響く、こういうことであったわけでございますので、これは私どもといたしましては、タクシー事業についてのみこのような緊急的な運賃改定を考えたということで、他の業種にはこれを及ぼすということは当初から考えていなかったわけでございます。
 それから二十二日にこういう決定をいたしましたときに、もうすでに油の見通しはゆるんでおったんではないかという御指摘でございますけれども、私ども今年の一月に入りまして、昨年暮れに暫定運賃というものを一応認めるという方針を決定いたしましてからも、先ほど大臣が申し上げましたように、油の将来見通しというものについてもう少しはっきりとした見通しは立たないかということで、これは鋭意通産省とも協議を続けてきたわけでございますけれども、二十二日の段階では、少なくとも二月の油の供給量というものは、十二月、一月において確保いたしましたいわゆる十一万五千トン、これを上回ることはできないということで、二月以降これが十二万トンなり、十三万トンになると、こういう見通しは全くなかったということでございます。それから三月以降につきましては、これはいろいろな説がございましたけれども、私ども通産省といろいろ相談した限りにおいては、三月以降にこのLPGの供給がゆるむとか、あるいは価格がもとに戻ると、こういうふうな見通しをわれわれとして立てるまでに至らなかったのでございまして、したがいまして、その時点で改定方針どおり運賃改定を行なわざるを得なかったと、こういうことでございます。
 その後、二月のLPGの供給量はやはり一月同様十一万五千トンと、こういうことに決定いたしております。また一月分のLPGのいわゆる使用量といいますか、供給量といいますか、こういうものにつきましても、私どもが通産省から入手いたしましたところによりますと、やはり十一万五千トン程度であったと、こういうふうな報告を聞いておるわけでございます。
 なお私ども独自といたしましても、現実に各事業者が油をどれだけ、幾らで購入したか、こういう実績を現在、直接調査いたしておる段階でございます。したがいまして、今後の取り扱いにつきましては、そういうふうな調査の結果を踏まえまして判断してまいると、こういうことになるのではないかと思っておるわけでございます。
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森中守義#27
○森中守義君 時間がだんだんなくなりましたから、ちょっと私のほうから数字を申し上げますので確認をしておきたい。
 二九%アップの内容としまして、想定需要量が一五%カットになる。これに対して、大体二九%の内容は一七%に相当したわけですか。
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中村大造#28
○政府委員(中村大造君) 一五%カットによる収入減というものは一五%と、こういうふうに……。
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森中守義#29
○森中守義君 カット一五%に対して相当のアップ分が一五%ということですか。
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