受田新吉の発言 (文教委員会)

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○衆議院議員(受田新吉君) いま御指摘のこの修正案に基づく定数の問題でございますが、これはもう衆議院の審査段階で、私、修正案の提案者としても、その提案以前の質疑応答を通じて、教頭の専任化をはかっていくという関係からは、当然これが別ワクで定数法の改正に踏み切るべきであるというはね返りが予測されるわけで、それは文部当局からも、やがて標準定数関係の法改正に当然及ぶものであることの答弁をもらっているわけです。
 私、このお尋ねの点につきまして、いま文部省で調査しているところでは、教頭の数というものがどれだけあるか。大体現在小学校、中学校、高等学校、特殊教育諸学校、幼稚園を含めて三万八千有余名、その中で小学校の占める部位が二万、中学校が一万、その他ということになって、小学校が圧倒的な比率を占めているのでありますが、これらの皆さんの定数を、教頭が専任化されてくると、自然にその分だけを教員定数をふやさなければならない。これは当然のことです。特に政府原案よりも修正された点は、教頭が校長補佐、校務整理という専念事項がありまして、そうして必要に応じて児童生徒の教育をつかさどる、そういう任務が明確になっている。主任務とそして従任務が明確になっている関係からは、政府原案のように、児童の教育をつかさどり、一方では校長を補佐し、校務をつかさどるという並列主義の時代とはもう明確に違ってきているのです。
 私、ここで特に指摘したいのは、なぜ修正をしなければならなかったかという点でございますが、児童の教育をつかさどりながら教頭の職務を遂行するということは非常に困難である。いわんや、最近において事務指導または対外的に社会教育その他の重い使命を持ってくる。校長及び教頭は外へ出かけることも多い。校外的な生徒児童の生活指導等も多いということになりますと、自然に教育をつかさどるほうの職務がおろそかになる。私たち、第一線の先生方にお聞きしてみるのですけれども、教頭が受け持った学級の子供は非常に不幸である、教頭先生がいろいろと外へ出られたり事務のお仕事をなさったりして、学校でそういう児童の教育を担当する以外のお仕事に従事される結果、受け持ちの子供たちは欠ける時間が多い、自習時間が多いという批判です。つまり、教頭以外の専任教諭のおる学級と教頭の受け持つ学級とでは、子供たちの上に、直接指導をしてくださっておる、つまり別の任務のない専任先生の指導を受けるほうがはるかに有利であるという。また、これは父兄たちもよく認めていらっしゃることです。そういうことから言うならば、むしろこの際、教頭を専任化して、そして児童の教育をつかさどる教諭と原則的に分離する、そういうことによって、いまの弊害が除かれるではないか。そこで、ただし、必要に応じて児童の教育をつかさどる、あるいは生徒の教育をつかさどるとしたのは、いま受け持ちの先生方にしても、いろいろな重荷を背負うて、校外指導、出張なども多い。そうすると、教頭にしても、教頭以外の先生にしても、そういう関係で子供たちが自習をさせられる、あるいはかけ持ちの指導を受けるという時間が非常に多い。これを教頭が専任化されることによって、必要に応じてそうした出張その他の事故のあった先生のクラスへ行って教育をつかさどる、つまり、教育をつかさどる仕事が必要に応じて従的にある。そうすると、いずれの学級にしても、そうした事故のあった授業時間の担当教師のいないその学級へ出かけて教頭が直接補充教育をやってあげる。そうすると、がやがや自習時間が非常に少なくなってくるという、一般の先生方にも大きな効果が出るわけです。父兄にしても、がやがや自習時間が減って学校へ安心して子供さんがまかされるということにもなる。そういう意味から、教頭自身が重い校務の担当、校長の補佐、そうした任務のほかに、一応必要に応じて児童の教育をつかさどる仕事を付与してあるわけです。まあ、そういうことで、この教頭の任務は、主と従の二つの明確な任務が規定されておるんでございますが、これによって、一応説明しておかなければならないのは、この教頭が主としたる任務のほうへ専念するために、他の一般の先生の負担が逆に非常に多くなるではないか、教頭が専任化されることによって一般教師が過重負担を受けるんだという一部の声であります。これは、いま申し上げましたように、教頭を専任化することにより、そして、あわせて必要に応じ補充教育に乗り出すことによって、これはりっぱに解決する。がやがや自習時間をなくするには、教頭自身が必要に応じて補充教育に乗り出していく、こういうことで救われるのだ、従来よりも、政府原案よりもはるかに大きな教育効果をあげることができるんだ、父兄の信頼も確保できるんだという意味で、ここに修正案を提出いたしまして、民社党提案を自民党のほうで御賛同くださって、自民・民社共同提案としていま指摘しました修正案を提案したわけです。
 そこで、この定数の問題でございますが、教頭が専任化される。もちろん教頭には、大都市などでは直接担当する授業時間のない教頭もたくさんある。東京都では、小学校などは全部専任ですかね。大体そういうような大都市では専任化された地区がたくさんあるわけです。しかしながら、また一方で、過疎地帯などへ行くというと、六学級以上で教頭を置いているところなどは教頭が、事務職員もいないというようなことで、逆に割り当ての時間――小学校では大体教頭の担当時間は一週十三時間、中学校で十二時間、高等学校で九時間となっているんですけれども、それよりもはみ出て授業をしているところもある。こういうような現状をわきまえまして、今度教頭を専任化することによって問題の解決がはかられるわけでございますが、同時に、それならば定数をどうするかということです。これは教頭の数が小、中、高、特殊教育諸学校を合わせてさっき申し上げたような三万八千ある。これにはもちろん複数もあるし、それで高等学校の定時制、通信制の主事なども含めた数字でありますが、その中で六学級以上の学級を持っている学校には教頭が置かれている。三学級以上の中学、高等学校も三学級。もちろん特殊教育諸学校では全校にそういう制度が置かれているんですが、この教頭を、全部教頭数だけを別ワクとして計算をして定数を改正するのがこれが理想である。しかし実際は、教頭の担当している時間が一般教員の半分しかないという現実も踏まえて、一挙にこれを実施するということは困難性も、財政上の理由などむずかしい点もあろうから来年度から、これをできるだけ短期間に実行に移していけるようにというわれわれの要望を文部省へ伝えてあります。これは別ワク計算という意味でございますから、教頭の専任化をはかると同時に、当然そちらへはね返るべき使命を持ったお仕事が文部省に残されている。もちろん、財政当局との交渉等で直ちに実行できないという場合はきわめて短い年次計画でやる。標準定数法の改正をはかっていくという意味で、教頭の数の別ワクにおける定員の増を要求してあるわけでございます
 ただ、ここで松下委員のお尋ねにお答えしておかなければならないんですが、事務職員、養護教諭、そのほか司書教諭と、こういうようないろいろな職種の職務があるわけでございまして、それらとあわせてこの教員の定数が改善されていくわけでございますから、また、わけて四十九年から五十三年、これから五年間というものは例のベビーブーム時代に多く産まれた方のお子さんたちが就学する時期になってきておる。そうすると、この数字なども百五十万もこれからふえるという見通し等もありますから、教員の定数の一般的増加の中に、この教頭の別ワク増員というものができるだけ短い期間に実現するように要望をしてあります。
 御答弁をさしていただきました。

発言情報

speech_id: 107215077X01619740522_017

発言者: 受田新吉

speaker_id: 14505

日付: 1974-05-22

院: 参議院

会議名: 文教委員会