小林武の発言 (文教委員会)

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○小林武君 いまの文部省の答弁の中に、ちょっと問題だと思うのは、図書館教育というものが日本の教育になじまないというものの考え方は、これは文部省の偏見だとぼくは思うんです。それは、一般の図書館に対する運営のしかたなどをわれわれがごく身近なところで見てまいりましても、図書館等は何といいますか、車に本を載せて移動して歩く図書館、そういう運営をやっている一般図書館がある。これに対する一般の市民あるいは子供というようなものがどれほどの何といいますか、たより方をしているといいますか、この利用というものは、ちょっと驚くべきものなんです。これは私どもはきわめて身近な問題として感じているわけでありますが、学校の場合にいたしましても、教育になじまないという考え方は、なじまないなんというような言い方をしたら幾らでもなじまないようにできるわけで、なじまないならばなじませるというそういう働きかけがなければならぬ。私は、先ほど来質問者の質問中にございましたが、二十年たった、しかし、その間にどういうことになったかといったら、私たちが少なくとも見て回ったところ、片岡委員もぼくと一緒に行ったところもあるわけですが、大体ぼくらの見たところというのは標準以上のところです、日本で言えば。標準以上のところ、そういうところの状態を見て、教育になじまないなんということは考えられないわけです。しかし、二十何年たって、これはある国立大学の教員養成大学の中の教授の論文がちょっと出ているんですけれども、この中に書いてある中に、二十何年たって顕著に目立ったのは何かといったら、その格差がものすごくできたということだと言っている。条件の恵まれたところはものすごく進歩してきた、条件の恵まれないところというのは、なかなか遅々として進まない、そういう状況で非常に格差が大きくなったということを言う。だから私は、この間われわれが見に行った場合には、標準以上のところを見ようじゃないか、標準以上のところを見て、その中で今度はどうしなければならぬかということを考えなければならぬということで見たわけでございますけれども、見たとおりなんです。私はそういう意味で、やっぱり格差が大きくなったということは、これは力の入れたところと入れないところ、入れるだけのいわゆる力のあるところ、いわゆる国が冷淡であるならば、その学校なりあるいは父兄の力によるというようなところでこれができるわけですね。だからこれではいかぬと思うのです。
 これは何といいますか、議員提案だからというようなことを言えば、そういうものの見方で言えば、文化財の保存法なんかもあれは議員提案です。議員提案やっているから文化財なんていうのはあんまり保存しなくてもいいと考えたかどうかしらぬけれども、文化財の破損というのはこのごろものすごい。きょうもちゃんとあれに出ていますね、われわれのあれした請願にちゃんと出ている。日本の文化財の保存のしかたがひどいというようなことも、私はそうだとしたらたいへんだと思うんです。これはそんな問題じゃない。国会を通したものについては、全力をあげてやるということ。それから文部省は、なじまないなんというようなことを言ってもらいたくない。
 もう一つ、やっぱり問題は、あなたの御指摘のように、専門の人がいなきゃだめなんです。行ってみるというと、いまのところは、司書教諭というものが置かれましても、ほんとうに司書教諭としてそのことに全力をあげてやれる立場にある人というのは、わりあいに少ないんです。だから、有資格者があっても、もう数はきわめて少ないと。あとはどうかというと、大体校務分掌のたてまえなんです。校務分掌ですから、一年間やったらあとかわるというやり方です。中には先生方率直なこと言って、私、当たりましたけれども、実はやっぱり専門のほうは教えるほうですから、なるべく、毎年やられるんじゃ困りますというようなことを、われわれに正直におっしゃった先生もいらっしゃった。しかし、いまの制度の中では、そういうことになると思うんですね。だから、私は、やはり司書教諭というものの有資格者が、ほんとうに全力をあげて、自分の学校の図書館教育をりっぱにやるような、そういうやり方をするとすれば、いまの置かなくてもよろしいなんという、置くべきものを置かないでいくというようなやり方は、もう日本の場合、学校図書館の場合、許されてはいかぬと、こう考えているわけであります。そういう意味で、文部省に対しましては、やはり、なじまないと言うのはどういうところなのかよくわかりませんけれども、私は十分なじんでいると思う。「学校図書館法はもだえている」という見出しで書いた、この北海道の教育大学の教授の方のあれを考えてみますというと、ほんとうにもだえているような現状だと、こう考える次第です。

発言情報

speech_id: 107215077X01719740530_010

発言者: 小林武

speaker_id: 30010

日付: 1974-05-30

院: 参議院

会議名: 文教委員会