北川俊夫の発言 (予算委員会)
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○政府委員(北川俊夫君) まず、最低年齢に関する条約、五十九号でございますけれども、これは満十五歳未満の年少労働者を原則として使用を禁止しておる条約でございます。これにつきましては、基準法でおおむね趣旨を満たしておりますけれども、条約では同居の親族のみを使っております企業においても、危険、有害業務には使ってはならないと、こういうことになっておりますが、わが国の場合には、基準法が同居の親族のみを使用します企業には適用がございません。したがいまして、この点が不十分でございますので批准をいたしておりません。
ただ、これから申します基準法に関係するものはすべて同じでございますが、現在基準法につきましては、基準法研究会でその改正点について検討中でございます。ILOのかかる条約につきましての趣旨も含めて御検討いただいておりますので、その草案が出ました段階で、私たち、方針をきめたいと考えております。
それから賃金保護に関する九十五号条約でございますけれども、これにつきましては、基準法の二十四条でおおむね趣旨は満たしておりますけれども、この条約では、特定物質、たとえば酒などで賃金にかわる現物給与をしてはならないという、特定物質の現物支給を禁止いたしております。そういう点につきましては、基準法ではまだ不十分でございます。そこまできめておりませんので、これはまだ批准ができておりません。
それから最低賃金の決定に関する条約、これは農業関係でございますけれども、最低賃金の一部についてのみ現物給付も認める。たとえ協定があっても一部しか認められない。この点は、現在の基準法では協約があれば全部でも現物給与ができる、この点が満たしておりません。
それから社会保障の百二号条約につきましては、九部門、疾病とか、失業とか、労災とか、老齢とか、そういう部門のうちの三部門について満たされれば批准ができるわけでございまして、わが国の場合は疾病、失業、労災、老齢、この四部門について満たしておりますけれども、社会保障全体にかかわる問題でもございますし、かつ条約の内容が非常に多岐にわたって解釈等にまだ不特定の部分がございますので、その点を現在詰めておる段階でございます。
それから母性保護の百三号につきましては、産前産後の休暇につきまして、基準法で六週間ということを満たしておりますけれども、わが国の場合に、医師が適当と認めかつ本人が申し出れば、産後五週間で就業につける、ここのところが条約と若干はずれておる点でございます。
それから強制労働廃止に関しましては、先生御承知のように、たとえば郵便関係の争議あるいは一般の公務員関係の争議、そういうものにつきまして、わが国の場合には罰則をもって禁止をいたしておりますけれども、これが強制労働の中に入るかどうか。われわれは裁判所で判決をもって行なう懲役というものは入らないのではないかということを考えておりますけれども、この点についてまだ十分詰めておりません。
それから差別待遇、百十一号条約につきましては、わが国の場合、基準法で大体満たしておりますけれども、皮膚の色あるいは性、そういうものの差別の禁止をいたしておりますが、基準法では皮膚の色あるいは賃金についてのみ男女の性差の差別を禁止しておるだけでございますので、この点がまだ足りない点でございます。
あと社会政策の基本的目的、基準の条約に関しましては、これは非本土地域に関する条約でございまして、わが国には適用のないもの、こう考えております。
あと雇用政策に関する条約につきましては、百十一号条約を引用いたしておりますので、百十一号条約についての批准をまだ態度を決定しておりませんので、それの関連で批准の態度をきめておらない。
以上でございます。