田中角榮の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(田中角榮君) 私は国会の意思で本法が適用せられるならば、これはもうそれに従わざるを得ませんが、個人的見解を求められるとすれば、この法律は国会で運用すべきではないという考えでございます。あくまでも証人としてではなく、参考人として国政調査権を発動すべきである。この証人及び証言等に関する法律というものを発動するというときには、いま申し上げたように、非米活動委員会法の一体の法律、非日活動委員会という、いわゆる叛乱罪とか、そういういろいろな国家安全保障の面から立法せられたものであるものが、その後、不当財産取引調査特別委員会や行政監察委員会や決算委員会でやられて、行政監察委員会という特別委員会は廃止になったという経緯を持つものであります。与野党とも賛成して廃止をしたということであって、国政調査権にもおのずから限界があることはもう申すまでもないことであります。国政調査権で無限大に力があると、この立法府の無限大の力は憲法に規定するとおりです、立法権のみにおいては。問題のあるものに対しては立法権を行使する。現に、法律を修正する、新しく改廃できるという面に対しては、憲法が定めておる権限でございますが、行政との紛淆、それから司法との紛淆というような問題に対しては、厳密に境を置くべきことは、三権分立の立場から当然のことであると私は理解しております。そうしていま、反社会的行為とか、一口でただ観念的に申すべきではないと思うのです。これはちゃんと法律があるわけです。違法行為があれば、刑法によって罰せられます。その他いろいろな法律によって、司法がこれを罰するわけです。国民はこれを訴追する権利を持っておる、こういうことでございますから、これはもう当然司法の分野に委任すべきことでございますし、行政的な問題としては、税を執行するということもございます。税務検査を行なう。過酷じゃいけませんが、それは法律どおり厳刑峻法ということで、ちゃんとこれ処置する権能が与えられておりますから、与えられておる範囲で行政権を発動する。そうすれば今度は、国会は、その上にいろんな議論はあっても、今度の会社利得税法案のように、これは普通なら法定主義でありますから、四月一日以降取りますよというのがほんとうでございます。しかし、さかのぼって、本法成立後は三月三十一日に終結する決算の年度においてもこの法律の適用を受けると、こう言えば、少し法律論から言えば荒っぽい法律論だと思いますが、国会の意思が定まれば国民はそのとおり法の適用を受けるわけでありますから、そういう面はやはりきちんとお互いが自分の分をちゃんとわきまえて、自分に委託された権限内において権力を行使すると、こういうことになりますと、国会における国政調査権というものはやっぱり司法にゆだねべきものはゆだねる、行政にゆだねるものはゆだねる、立法府で行なうものは立法権限を行使するということに、おのずから明らかな限界というものは置くべきだという考え方を私は持論として持っております。ですから、本法の適用に対しては私は個人的には反対であります。これ、もし発動した場合、憲法違反でもって訴訟が起こるというのは、これは過去からそういう問題が行なわれておるわけであります。これは御承知のとおり、この法律ができたときに、議院証言法によって、河野一郎先生がいわゆるこの法律によって起訴されるという問題がございました。それで議院から——私も高裁に出まして、この法律は親告罪である、議院は告発をしないということになっておる、こういう証言をしたために、占領軍はついに身柄を拘束しながらも国内法の適用をすることができなくして、政令違反で処断をしたという経緯を持つものでございまして、これらの問題に対してはそう簡単にこの法律を国政調査の名のもとに発動すべきでないという考えは現在依然として私は持っております。明確に申し上げておきます。