田中角榮の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(田中角榮君) これ、あなたも国鉄の再建問題を突っ込んでいただくと、これは必ず逢着する問題なんです。国鉄に対しては政府が支出する額が少ないということはあります。これは、政府としては国民の税金を支出するわけですから、ですからそれに見合う応益負担という制度をやらなきゃならない。いまの何十分の一という国民所得のときに、とにかく東京−大阪間の運賃が幾らだったということを考えればすぐわかるはずです。昭和九年から昭和十一年の平均鉄道運賃の基準で計算しますと、いまの三倍以上でなければならぬわけです。国民所得に対する鉄道運賃のウェートを考えれば、五倍になり六倍になってもいいという理論的な数値は出るわけです。しかしまあ、戦後に公共料金の据え置きということで、公共料金というものは相当低位に押えられておった。しかし、その中で、はがきや切手はどうだったというと、はがきや切手は一銭五厘が千倍近くなっているわけです。そういう意味から考えますとね、はがきやたばこ、五銭のたばこ、七銭のたばこが七十円になり、これはもうとにかく同じ官製、公共料金の尤なるものでもこれはちゃんと上がってるわけです。鉄道運賃だけは不当に押えられておるというところに、応益負担ということを原則にして三公社にしたわけですから、鉄道省から公社にする、それでやがては民営にもという段階をたどるために公社制度をとったことは事実であります。ですから、公社五現業——公社、特殊会社、民営にと、こういうことでスタートしたことであることは事実です。そういう意味で、やっぱり企業的な経理を考えないでむやみに国民の税金をつぎ込むことはできないということで、政府も業態に対応しながら出資をふやしておるということであります。しかし、それが孫利子をとにかく負担することになり、やがて国鉄を根本的に再建をするためには出資を大幅にするか、それから資金運用部から貸し付けておるようなものを一挙に出資に振りかえるかしなきゃならぬと思います。ただ、そのときには親方日の丸のままでやることには国民は賛成しません。そのときには応益負担というものが少なくともフィフティーフィフティーということでなけりゃ、それは国民の税金をそんなに全部出資に振りかえるということを国会が納得するわけがないです。そういう意味で、いま国鉄は一番無理な状態で運営をされておると私は思います。ですから、国鉄の経営はそんなにしかく簡単なものじゃない、こう思います。
 ですから、そういう意味で、国鉄というものを民間が負担する、どうするかということに一つの案は出てるんです。これは三兆円ぐらい民間が負担をし、国が三兆円ぐらい負担をして、そのまま六兆円です。あと四兆円ぐらいを加えて、ラウンド十兆円ぐらいの会社でスタートしても——会社でも公社でもいいんですよ、これはね。公社のままなら三兆円ないし四兆円の資金をどうして集めるかというので、法律を出して、そして十年間ぐらいの時限でもって二〇%の通行税をいただこうという案もあったんです。そうじゃなく無料パスを出そうと、一口三万円。一口三万円で無料パスを出すと。しかし、その場合には一番うしろにまたもとの展望車のように一車つけなきゃいかぬ。お召し列車も特別列車を仕立てないというようなときに、いかに国鉄再建の具体的方策であっても、それが一体国民が容認するだろうか、第一国会が認めるだろうかと、こういうことでこれもたな上げになっているんですよ。
 ですから、国鉄はいま、国鉄再建計画が国会で承認されて出ておりますが、しかしあれ四回も値を上げてくれるかどうか、なかなかたいへんなんでしょう。そうすると、あの間にはまた出てきますよ。この問題出てこなけりゃ鉄道ひっくり返っちゃたいへんですもの、これ。ほんとですよ。ですから、そういう意味で、三兆円程度の金を国鉄が入れて、それで新幹線とか、それから新しい政策目的を達成するために、国が必要とする、言うなれば道路港湾とひとしいような任務を持つ鉄道部分に対しては全額国が出資をすべきだとか、いろんなものが積み重ねられておることは、これは膨大もない資料で明らかなんです。
 ですから、ただ国鉄をこのままにしておって、毎日毎日何百万人という者を運んでる国鉄が人命を預かっておるということを考えますと、それは何十億、何百億の飛行機に投資をしているということを考えると、鉄道に対してもっとまじめに考えなきゃいかぬという立場から私は考えておるんでして、それは与野党の別なくお互いに乗ってるんですから、そういう意味で、自分もいつ鉄道はひっくり返るかわからぬというんじゃ、これはもうどうにもならぬ話ですから、与野党とか政府とかいう立場じゃなくひとつ検討してもらいたい、こういうことです。

発言情報

speech_id: 107215261X02519740410_013

発言者: 田中角榮

speaker_id: 242

日付: 1974-04-10

院: 参議院

会議名: 予算委員会