予算委員会

1974-04-10 参議院 全275発言

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会議録情報#0
昭和四十九年四月十日(水曜日)
   午前十時七分開会
    —————————————
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     寺下 岩蔵君
     内藤誉三郎君     金井 元彦君
     玉置 和郎君     中西 一郎君
     小柳  勇君     工藤 良平君
     高山 恒雄君     向井 長年君
     青島 幸男君     喜屋武眞榮君
    —————————————
  出席者は左のとおり
    委員長         鹿島 俊雄君
    理 事
                片山 正英君
                嶋崎  均君
                西村 尚治君
                細川 護熙君
                吉武 恵市君
                小野  明君
                加瀬  完君
                矢追 秀彦君
                木島 則夫君
    委 員
                今泉 正二君
                小笠 公韶君
                大竹平八郎君
                梶木 又三君
                金井 元彦君
                川野辺 静君
                木村 睦男君
                熊谷太三郎君
                黒住 忠行君
                小山邦太郎君
                古賀雷四郎君
                高橋 邦雄君
                竹内 藤男君
                玉置 和郎君
                寺下 岩蔵君
                内藤誉三郎君
                中西 一郎君
                中村 禎二君
                中村 登美君
                原 文兵衛君
                米田 正文君
                上田  哲君
                工藤 良平君
                鈴木  強君
                辻  一彦君
                戸叶  武君
                中村 波男君
                羽生 三七君
                前川  旦君
                宮之原貞光君
                小平 芳平君
                沢田  実君
                三木 忠雄君
                向井 長年君
                須藤 五郎君
                渡辺  武君
                青島 幸男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   田中 角榮君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  三木 武夫君
       法 務 大 臣  中村 梅吉君
       外 務 大 臣  大平 正芳君
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
       文 部 大 臣  奥野 誠亮君
       厚 生 大 臣  齋藤 邦吉君
       農 林 大 臣  倉石 忠雄君
       通商産業大臣   中曽根康弘君
       運 輸 大 臣  徳永 正利君
       郵 政 大 臣  原田  憲君
       労 働 大 臣  長谷川 峻君
       建 設 大 臣
       国 務 大 臣
       (近畿圏整備長
       官)
       (中部圏開発整
       備長官)
       (首都圏整備委
       員会委員長)   亀岡 高夫君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (北海道開発庁
       長官)      町村 金五君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 二階堂 進君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       小坂徳三郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       保利  茂君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  山中 貞則君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       内田 常雄君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       森山 欽司君
   政府委員
       内閣法制局長官  吉國 一郎君
       内閣法制局第一
       部長       角田礼次郎君
       人  事  官  島田  巽君
       人事院事務総局
       任用局長     大塚 順七君
       人事院事務総局
       職員局長     中村  博君
       内閣総理大臣官
       房広報室長兼内
       閣官房内閣広報
       室長       斎藤 一郎君
       総理府人事局長  皆川 迪夫君
       防衛庁長官官房
       長        丸山  昂君
       防衛庁防衛局長  久保 卓也君
       防衛庁経理局長  小田村四郎君
       防衛庁装備局長  山口 衛一君
       経済企画庁調整
       局長       青木 慎三君
       経済企画庁物価
       局長       小島 英敏君
       経済企画庁総合
       計画局長     宮崎  仁君
       科学技術庁原子
       力局次長     生田 豊朗君
       法務省民事局長  川島 一郎君
       外務省欧亜局長  大和田 渉君
       大蔵省主計局長  橋口  收君
       大蔵省主税局長  高木 文雄君
       大蔵省銀行局長  吉田太郎一君
       厚生省社会局長  高木  玄君
       農林大臣官房長 大河原太一郎君
       農林省構造改善
       局長       大山 一生君
       農林省農蚕園芸
       局長       松元 威雄君
       農林省畜産局長  澤邊  守君
       農林省食品流通
       局長       池田 正範君
       食糧庁長官    三善 信二君
       通商産業審議官  森口 八郎君
       通商産業省産業
       政策局長     小松勇五郎君
       通商産業省基礎
       産業局長     飯塚 史郎君
       資源エネルギー
       庁石油部長    熊谷 善二君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  岸田 文武君
       中小企業庁計画
       部長       吉川 佐吉君
       運輸省海運局長  薗村 泰彦君
       運輸省鉄道監督
       局長       秋富 公正君
       運輸省航空局次
       長        後藤 茂也君
       運輸省航空局技
       術部長      中曽  敬君
       郵政省電波監理
       局長       齋藤 義郎君
       労働大臣官房長  北川 俊夫君
       労働省職業安定
       局失業対策部長  佐藤 嘉一君
       建設省道路局長  菊池 三男君
       建設省住宅局長  沢田 光英君
       自治省行政局選
       挙部長      土屋 佳照君
       自治省税務局長  首藤  堯君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        首藤 俊彦君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        藤井松太郎君
       日本国有鉄道施
       設局長      篠原 良男君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○昭和四十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十九年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十九年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    —————————————
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鹿
鹿島俊雄#1
○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 昭和四十九年度一般会計予算
 昭和四十九年度特別会計予算
 昭和四十九年度政府関係機関予算
 以上三案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、三木君の質疑を行ないます。三木君。
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三木忠雄#2
○三木忠雄君 初めに総理に伺いますが、一時国鉄民営論の問題が予算委員会で総理から提案をされておりますけれども、この民営論の問題についてはムード的な問題と私たちは受け取っているわけです。総理の思いつきかもしれませんけれども、しかし、国民は非常にこの問題に対して関心も持っている。こういう点については総理が実際ほんとに考えている問題なのかどうか、この点について。
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田中角榮#3
○国務大臣(田中角榮君) 国鉄の民営論については、これは私の思いつきでも何でもありません、占領軍から占領軍政策の一環としてメモランダムが交付されて、逓信省が電気通信省と郵政省に分離をし、しかる後電電公社になり、郵政省の現業部門が特別会計に移り、国鉄、専売が公社に移ったというようなときから、将来の問題としてこれは審議会か調査会をつくって正規に検討したはずであります。ですから、戦後足かけ三十年、これらの問題は各方面から検討をせられてきておる問題でございます。
 ただ、国有鉄道に対しては、非常に歴史の長い、鉄道省、運輸通信省、運輸省、それから日本国有鉄道公社と、このように移っておりますので、国有鉄道の民営論というものに対してはいろいろな方面から、国有鉄道というもののままで残すべきであるという議論、それから民営に移すほうが望ましいという議論等がございますが、結論を得ないまま現在に至っておるというのが実情でございます。特に、帝都高速度交通営団、俗に言う地下鉄や、それから都営地下鉄というようなものを併立のまま存在をせしめたという過程において、国鉄を会社にする場合には九分割案というようなものが勉強されたわけであります。それから、特に第一国鉄、第二国鉄案も検討された歴史がございます。第一国鉄とは何ぞやというと、東京、大阪を中心とする都市交通を一本にしようということであります。地下鉄及び山手線や、そういうものを中心にして、それに対して、その場合でも、幹線——東海道線とか東北線とか、幹線はこの第一国鉄というような企業に属すべきである、そして、鉄道とはいいながら、私鉄としては、民営鉄道としては経営が非常にむずかしいと思われる、俗に道路に近い公共性を持つものは経常赤字が計上されますので、これは国鉄として残すべきであろうとこういう議論が過去多年において検討されておることは申すまでもないことであります。私も、いやしくも行政の長が、思いつきなどで国会で発言するはずはありません。
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三木忠雄#4
○三木忠雄君 そうしますとこの問題が急にいろいろ持ち上がってきた陰には、総理はやはり民営移管論を持っている、こういう考え方でございますか。
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田中角榮#5
○国務大臣(田中角榮君) 私個人は民営論の推進者じゃありません。これは、場合によれば、ある意味において私は鉄道建設公団を建議をし、小委員長として建議をして、大蔵大臣としてこれを受け取り、国会で鉄道建設公団の設立の答弁に回った立場がございますから、日本のような地形、地勢、気候上の制約があるというようなところで、鉄道というものが完全に民営としてベイラインに乗るものであるという考え方だけでは律しられない問題がある。ただ、ここでもって率直に申し上げておきますが、民営論というのが強いのは、関西が強いです。大阪中心で私鉄があれだけやっておるものを、関東は全部税金でやっているじゃないかと、これは不公平である、大阪を中心にする関西の政治に対する不公平論はここから出ているんです。ですから、歴史はそんな簡単な問題じゃないんです。ですから、日本航空がつくられ、特に石炭や電力に対してスト禁止法がつくられたときに、それなら国鉄や電電や、それから専売というものの民営論も真剣に考えるべきだという議論もあったわけです。専売は、大体大蔵省は反対だったですよ。長い専売局からの歴史があると同時に、専売とは、公社とは名のみであって、実際は第二国税庁の役をなしておるんだと、こういうことが反対の理由なんです。じゃ同じことをやっていて酒から税を取っているじゃないか、外国はたばこは全部民営じゃないかというような議論が錯綜して今日に至っておるということが事実でありまして、私はこれらの問題に対して足かけ三十年、いささか勉強しておるというだけであって、私は推進論者でもありません。
 私は、そういう意味で、海運とか道路とか、いろんなものが全部整備されて、そうして国民の選択で何でも得られるんだというときになれば、これはもう民営だろうと思うんですよ。そうでなけりゃおかしいもの、実際において。そういう意味で、私自身は私鉄の経営も長いことやってまいりましたが、とても困難な仕事でございまして、たいへんなもので、やってみなきゃわからぬ問題がある。そういう意味で、二万何千キロにわたる鉄道が必ずしも私企業としてペイするものかどうか。ただ、国鉄なるがゆえに不当に運賃を押えられ、戦前あれだけとにかく戦時輸送力増強でもって人は目いっぱいに採った、しかも、海外から膨大もない人員を国鉄財政の中に全部抱き込んで、国鉄が四苦八苦しながら三十年の歴史をようやく生き延びてきたというその実態を考えますと、国鉄だけに要求することは無理だというような、私はそういう、場合によったら一般会計で当然負担しなきゃならないものさえも国鉄の会計の中でやってきたというような歴史的事実を全部評価をしながら、それでおわかりにならなければ民営論も考えてみてはどうですかと、民営論でもってやれるものじゃないというなら、これはもういまの中でどう合理化をするかという問題、これはタブー視しちゃいかぬ。長い間全国のいろんな専門家が寄って、とにかく答申を出して、たな上げして、そしてそれに近い発言をすると、思いつきじゃないか——それじゃ進歩も前進もない、こういうことで申し上げているんです。
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三木忠雄#6
○三木忠雄君 まあ、運賃の問題で行き詰まってくるとか、あるいは春闘の問題とからんで、やはりこういう問題が——いままでいろいろ論議されてきたことはわかります。しかし、こういう点が、急に総理から予算委員会等において出てきた問題については、やはり国民も奇異に感ずるわけなんですね。やはりこれまで運輸省内部でも、そういう問題はあまり論議もされてないわけですね。
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田中角榮#7
○国務大臣(田中角榮君) そんなことはない。いまの連中は知らない。
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三木忠雄#8
○三木忠雄君 いまの連中は知らないという話だけれども、総理自身からこう出てきた。運輸大臣も知らない問題ですね、この問題については。この点について、やはり閣内でもいろいろ論議をされている問題かどうか、この点について、いかがですか。
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田中角榮#9
○国務大臣(田中角榮君) 過去に答申を求めたり勉強したものを知らないというのは不勉強しごくである。そういう閣僚がおるとすれば注意をいたします。こんな問題は国民的課題であって、これはもう当然タブー視すべきものじゃありません。これはもう、地下鉄をやっておれば二分の一、三分の二という建設費に対してはとにかく税金をつぎ込んでおるんでしょう。国鉄というものに対しては占領軍か無理な——それはもう無理で、こんなことできないと言ったんですがね。とにかく独立採算制をやりなさいと、それはもう国鉄はえらい目にあってきたんです。そのためには、一ぺんとめて一ぺん発進をする場合にはどれだけになるからといって、駅を全部間引きさしたんです。そういう無理な占領軍政策の中で国鉄が戦後三十年間とにかく国民経済の大動脈としてのあれをなしてきたんですから、ですから、私は、国鉄にいま金を出すとか、そういうことに対しては国民的理解を得られると思っているんです。思っていますが、そんなことを勉強しないなんというのは、ふらちなことですよ。そんなことじゃ公の責任を果たすゆえんじゃありません。ですから、もう当然、国民的課題は国民の前に出して、国民からも検討していただく、そうでなけりゃ、赤字はやめなさいと言ったら北海道だけやめると思ったら、北海道だけやめるんじゃないんですよ、一番赤字は何かといったら大都会の鉄道が一番赤字なんですから。そうでしょう。とにかく地下鉄はやめなさいという議論と同じことをやっているんですから。そうじゃないんで、だから国有鉄道法が存在すると、こんな基本的な問題を議論しないで運輸省は驚いたなんて言ったら、それは驚くほうが間違いです。
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三木忠雄#10
○三木忠雄君 この問題について、運輸大臣、具体的にどうですか。
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徳永正利#11
○国務大臣(徳永正利君) 私は、何か運輸省が驚いているというような御発言でございますけれども、ちっとも驚いてはおりません。いま総理からいろいろお話がございましたように、私どもいろいろ勉強はしておりますけれども、なかなかこれはむずかしい問題でございまして、早急に結論を得てないというだけで、いろいろ考えてはおりますし、総理の発言にちっとも驚いておらぬことをあらためて申し上げておきます。
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三木忠雄#12
○三木忠雄君 総理ね、過去のことは、いろいろ省内でも勉強していることは事実わかるんですよ。しかし、この時点で、やはりいままでの状況を踏まえた上でこの民営論を考え出した総理の考え方には、何かやはり国民が民営論のほうに傾いているんじゃないかという考えがあるわけですね。
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田中角榮#13
○国務大臣(田中角榮君) これ、あなたも国鉄の再建問題を突っ込んでいただくと、これは必ず逢着する問題なんです。国鉄に対しては政府が支出する額が少ないということはあります。これは、政府としては国民の税金を支出するわけですから、ですからそれに見合う応益負担という制度をやらなきゃならない。いまの何十分の一という国民所得のときに、とにかく東京−大阪間の運賃が幾らだったということを考えればすぐわかるはずです。昭和九年から昭和十一年の平均鉄道運賃の基準で計算しますと、いまの三倍以上でなければならぬわけです。国民所得に対する鉄道運賃のウェートを考えれば、五倍になり六倍になってもいいという理論的な数値は出るわけです。しかしまあ、戦後に公共料金の据え置きということで、公共料金というものは相当低位に押えられておった。しかし、その中で、はがきや切手はどうだったというと、はがきや切手は一銭五厘が千倍近くなっているわけです。そういう意味から考えますとね、はがきやたばこ、五銭のたばこ、七銭のたばこが七十円になり、これはもうとにかく同じ官製、公共料金の尤なるものでもこれはちゃんと上がってるわけです。鉄道運賃だけは不当に押えられておるというところに、応益負担ということを原則にして三公社にしたわけですから、鉄道省から公社にする、それでやがては民営にもという段階をたどるために公社制度をとったことは事実であります。ですから、公社五現業——公社、特殊会社、民営にと、こういうことでスタートしたことであることは事実です。そういう意味で、やっぱり企業的な経理を考えないでむやみに国民の税金をつぎ込むことはできないということで、政府も業態に対応しながら出資をふやしておるということであります。しかし、それが孫利子をとにかく負担することになり、やがて国鉄を根本的に再建をするためには出資を大幅にするか、それから資金運用部から貸し付けておるようなものを一挙に出資に振りかえるかしなきゃならぬと思います。ただ、そのときには親方日の丸のままでやることには国民は賛成しません。そのときには応益負担というものが少なくともフィフティーフィフティーということでなけりゃ、それは国民の税金をそんなに全部出資に振りかえるということを国会が納得するわけがないです。そういう意味で、いま国鉄は一番無理な状態で運営をされておると私は思います。ですから、国鉄の経営はそんなにしかく簡単なものじゃない、こう思います。
 ですから、そういう意味で、国鉄というものを民間が負担する、どうするかということに一つの案は出てるんです。これは三兆円ぐらい民間が負担をし、国が三兆円ぐらい負担をして、そのまま六兆円です。あと四兆円ぐらいを加えて、ラウンド十兆円ぐらいの会社でスタートしても——会社でも公社でもいいんですよ、これはね。公社のままなら三兆円ないし四兆円の資金をどうして集めるかというので、法律を出して、そして十年間ぐらいの時限でもって二〇%の通行税をいただこうという案もあったんです。そうじゃなく無料パスを出そうと、一口三万円。一口三万円で無料パスを出すと。しかし、その場合には一番うしろにまたもとの展望車のように一車つけなきゃいかぬ。お召し列車も特別列車を仕立てないというようなときに、いかに国鉄再建の具体的方策であっても、それが一体国民が容認するだろうか、第一国会が認めるだろうかと、こういうことでこれもたな上げになっているんですよ。
 ですから、国鉄はいま、国鉄再建計画が国会で承認されて出ておりますが、しかしあれ四回も値を上げてくれるかどうか、なかなかたいへんなんでしょう。そうすると、あの間にはまた出てきますよ。この問題出てこなけりゃ鉄道ひっくり返っちゃたいへんですもの、これ。ほんとですよ。ですから、そういう意味で、三兆円程度の金を国鉄が入れて、それで新幹線とか、それから新しい政策目的を達成するために、国が必要とする、言うなれば道路港湾とひとしいような任務を持つ鉄道部分に対しては全額国が出資をすべきだとか、いろんなものが積み重ねられておることは、これは膨大もない資料で明らかなんです。
 ですから、ただ国鉄をこのままにしておって、毎日毎日何百万人という者を運んでる国鉄が人命を預かっておるということを考えますと、それは何十億、何百億の飛行機に投資をしているということを考えると、鉄道に対してもっとまじめに考えなきゃいかぬという立場から私は考えておるんでして、それは与野党の別なくお互いに乗ってるんですから、そういう意味で、自分もいつ鉄道はひっくり返るかわからぬというんじゃ、これはもうどうにもならぬ話ですから、与野党とか政府とかいう立場じゃなくひとつ検討してもらいたい、こういうことです。
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三木忠雄#14
○三木忠雄君 もう一つだけ私聞いておきたいんですけれどもね。再建期間中、いま国鉄再建計画承認しましたね、この期間中、あるいは総理がいつまで続くか知らぬけれども、実際に総理の期間中にこの民営論は総理として持ち上げないという、こういう考え方と理解していいですか。
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田中角榮#15
○国務大臣(田中角榮君) 持ち上げないというわけはないです。国民がやれといえば断じて行ないます。そんなことはないです。国民の輿望をになって政治は行なわれなけりゃならぬと、こういうことでしてね、やっぱりそれは日本の国民のためにいずれが最も合理的かという道は絶えず探求しなきゃならぬし、絶えずそういう理想に向かって理想の顕現に努力をするというのが政治の責任だと、こう思います。しかし、三十年も結論が出ないものですから、いますぐ二、三日で結論が出せるほど——論文は出せますよ、それは。日本の国有鉄道のあり方、それは日本列島改造論にひとしきものを書くことはできますが、しかし、それが実現するかどうかというのは国民的理解が前提である、こういうことです。
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三木忠雄#16
○三木忠雄君 それじゃもう一つ。大正時代にできた鉄道敷設法ですね、これをこのままの形でいいかどうかということは非常に議論の問題があると思うんです。この問題について総理はどう考えますか。
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田中角榮#17
○国務大臣(田中角榮君) 鉄道敷設法とか鉄道会計法とかそれから軌道法とかいうものはこれは非常に古いもんです。古いもんですが条文を読んでみますと、さすがやはりすばらしいものを書いているなあと思いますよ。そのころは人材があったのか、ひまがあったのかということで、いまのように混雑しておらなかったと思うのですな。誠心、立法者は広範なものをやっぱり目を通し世界のあの当時のものに対しては私はよく勉強しているんですがね、それは財政法でも、いろいろな明治、大正時代の基本法というものは、アメリカ法はどうであり、イギリス法はどうであり、西ドイツはどうであり、各国の条文を全部引用しましてね、そうしてちゃんとセレクションをして日本に適合するものをつくられておる。しかし今日の段階にこれが必ずしも合っているかどうかという問題はあります。ありますがね、時代の変遷に対応して読みかえればいまでもやはりちゃんと使えるというものであるということは事実なんです。それはもう日銀法が昭和十七年のものであってもいまでもちゃんと用をなしていると同じようにですね。まあしかし時代に即応しない面も確かにあると思います。それはもう鉄道オンリー、鉄道は日本の交通動脈としては唯一のものであるというような考え方を前提にして立っております。しかし大正八年制定の道路法というものは、まあ道路は無料公開の原則に立つというものがありましたので、そういうものの中でやはり鉄道と道路というものを区分しながら非常に合理的なものの考え方でつくられておることだけは事実ですが、勉強の対象になるということは事実だと思います。
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三木忠雄#18
○三木忠雄君 これは私やはり昔の人がえらかったと、いまの人はだめだと言わんばかりの——実際にやはり時代の要望というか、道路ができ、経済的な条件もずいぶん変わってきているわけですね。それは新緑建設と赤字路線の問題というのは絶えず国鉄再建問題にひっかかってくる問題なんですね。片っ方では新線をゆっくり建設しながら十年、二十年かけてつくっている、ところが片一方は赤字でどうにもならない、そのところにはいい道路ができ上がってしまっていると、道路輸送のほうが非常にその地域のためにもいいのではないかという問題があるわけです。しかし、なかなかこういう問題の解決ができないために国鉄経営自身もやはり問題であるし、こういう問題がひっかかってやはり運賃値上げという問題を絶えず論議をしなきゃならない。しかし、こういう問題が全然一向に進まないで、国民の運賃負担とかあるいは合理化の問題が積極的にいま片づきやすいというか、こういう問題になってきて、こういう敷設法とか、こういう問題がやはり洗い直さなければならない私は問題点があるんじゃないかと、こう考えるのですがね、いかがですか。
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田中角榮#19
○国務大臣(田中角榮君) 鉄道敷設法でもって問題になるのは別表なんです。鉄道敷設法というのはよく書いてありますよ。そしてやっぱりこれは基本法としてはりっぱなものだと思います。ただ、大正八年制定の道路法が昭和二十八年に議員立法でもって現行道路法になったわけです。それでこの現行道路法になるときには、道路整備費の財源等に関する法律——いまの有料道路法ですが、その法律といまの有料道路制度という道路三法が同時に議決になったわけです。それで道路のごときは、当時全国でもって一年間百九十八億、約二百億の道路費用が五年間十九兆五千億になったわけですから二百倍以上になったわけです。そういう意味で道路は非常に国民の利便の用に供する交通網としてはウェートは高くなりましたけど、国民経済的な面から見ると必ずしも道路と鉄道というものは同一に論ずることはできません。これはモータリゼーション時代ということで国民の嗜好という面から考えまして、これは道路をつくらないわけにいかない。いかないんですが、それは何と考えてみても北海道の牛乳をトラックで東京へ持ってくるということよりも、これは新幹線で持ってきたほうが安いにきまっているし、船を使えばなお安いにきまっております。いま東京に対する緊急野菜は宮崎県からトラック輸送をしておるわけですが、これはもう鉄道が安いことはさまっておりますし、これはもう船ならなお安いときまっています。そういう国民経済的な視野で、人間を運ぶこともさることながら、いわゆる貨物をどう運ぶかということを考えると、いままでの鉄道の会計だけで鉄道を評価するわけにはまいりません。これは昭和六十年、私は、一兆三千二百億トンキロという貨物を輸送しましたが、一兆トンキロでもこれはとにかく道路で運べるわけはないんです。昭和六十年までに三百五十万人しか運転手ができないというときに、二千五百万人の運転手が日本人でもって採用できるはずがないんです。そんなことは算術以前の問題であるということを考えれば、鉄道を増強しなければならぬということは、もう増強しないでおいて、十二年たって一体当時の政府や当時の国会は何をしておったということになるはずです、これは。そればそのとおりなんです。ですから、そういうことはちゃんと事実であるにもかかわらず、鉄道が赤字である、赤字でも運営しなければいかぬし、赤字の鉄道でも維持しなければいかぬから国有鉄道法があるんです。もうかるんなら私鉄でやらせりゃいいんです。そうじゃないですか。だけど、そこらを堂々めぐりの議論だけでもってやっておっちゃかなわぬ。ですから、それは道路は無料公開の原則に立っておりますから、料金払わんでいけるからいいと思っているけど、そのかわりに国民は税金をうんと払っているわけです。税金を払うことが一体いいのか鉄道運賃を上げるのがいいのかというのは、これはもう経済原則としては当然考えなきゃならない問題でございまして、とばくちでもってがたがたしているよりも、やはりどっか割り切って鉄道というものが必要であるというなら国民負担を最小限にして鉄道は整備しなきゃならぬ。北海道から鉄道を除いて——北海道の鉄道はまだ当分赤字ですよ。明治四年に三万九千人であったものが何で一体五百二十万人になったかと北海道の人に聞けば、それは鉄道ができたからだと言います。鉄道がなくなったらどうします、全部東京に参りますと、こういう答えが返ってくるんですから、鉄道の赤字の何百倍、何万倍という社会保障費が増大することになりますから、そう簡単に鉄道の赤字に目を回しておったら国の政治は行なえないと、こういうことになるわけなんです。
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三木忠雄#20
○三木忠雄君 その北海道の赤字線とかそんな問題言ってるんじゃないんですよ。この鉄道敷設法があって、実際にこの新線建設はどうしてもつくらなきゃならないという、まあいろんな要望あるでしょう。長い、大正十一年つくったままの姿で遅々として進まない計画をやっているわけですよ。それを引き継ぐ、たとえば赤字線、建設することによってさらに赤字線を増すというような問題がいろいろあるわけです。これはここできよう議論するつもりはありませんけれども、そういう問題点についての部分的な問題はやはり調整しなきゃならない問題だと思うんです。幹線的な赤字の問題をどうこう言っているんじゃないんで、やはりこれから建設してもさらに赤字がふえるという、こういう問題が山積みされているわけです。そういう問題がこの敷設法と関係があるわけです。それを私は聞きたいわけなんです。
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田中角榮#21
○国務大臣(田中角榮君) ですから先ほど申し上げましたように鉄道敷設法で問題になるのは別表であると。別表というのはもう六十年前から新線建設の予定線になり調査線になり実施線になっておりながら依然として年間一キロずつしか進まぬ。しかし例をあげて申し上げても高千穂線とか——熊本と延岡、宮崎をつなぐ線でございますが、これらはやれば上越線のようなものになるわけです。それから鳥取県から兵庫県に至る智頭線、これはもう幹線になることは事実であります。現在鳥取県に行く人とか、島根県に帰郷する人は一体どういうことをやっているかというと、京都から山陰本線に乗って行きません。みんな姫路におりたり、それから岡山でおりたり、山口でおりて国道九号沿いに浜田へ入ったり松江へ入ったりしているわけです。そのほうが近いからであります。日帰りができるからであります。
 そういう意味で当分の間赤字だからといって私は建設を中止をすべきものでもないし、ですから国民的視野に立ってどう一体これがうまくいくのか。これはいまの野岩線などというのをやっておりますが、野岩線をやることによって東北本線の複々線化をしないで済むわけであります。それでなければ、もう野岩線をやらなければ東北線を複々線にしなければいかぬ。そうすれば人口が集中するだけでございましてね。公害問題とか、土地の利用とか、いろいろな問題水の利用とかいうと、そう一ぺんにできるものじゃありません。東海道線に対して中央新幹線をつくろうというのは結局その増強だけではなく他にメリットがあるという問題ですから、まあ国有鉄道というものはその線だけの赤字とかということだけではなく他に政策目的があると。これが民営になればあなたが言うとおりになりますよ。これはもう赤字のものは大体つくりません。つくるなら国が鉄道建設公団で税金でつくって無償でこれを貸与するか交付をして当分の間か恒常的に赤字が出てもそれは税金で補てんをするという道を開かなければだめなわけです。
 ですから、いま鉄道が戦後完全に独立採算性になりながら依然として日本国有鉄道ではなく鉄道省時代の考え、国の税金をもってまかなうという考え方を前提とした別表や新線建設がそのまま現在残されておるということに問題が存在するわけでございまして、そこらをやっぱり整理をして、いまの三公社五現業という形態をそのまま守っていくなら新線に対しては自動的に国が補てんをするのかどうか、いろいろな問題を検討して結論を出す必要がある、私はそう思ってます。
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三木忠雄#22
○三木忠雄君 これは私は有効投資をしっかり検討してもらいたいと思います。それから総需要抑制の中で北陸新幹線を初めとする——運輸大臣に聞きたいんですけれども、五新幹線の実施計画は相当おくれるという、こういう話ですけれども、この問題はどうなりますか。
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徳永正利#23
○国務大臣(徳永正利君) 新幹線は、山陽新幹線は博多まででございますが、これは今年の十二月には完成したいということで鋭意努力しておりますし、完成させる予定でございます。
 それから次に工事三線、いわゆる東北とか上越、成田線でございますが、これは今年度総需要の抑制の立場から予算も非常に削減しておりますし、しかしまあ隊道とか橋なんというようなものはこれは人間がよけいかかって、金をよけいつぎ込んだからといって一挙にできるもんじゃございませんから、こういうところを重点的に工事を進めて、五十二年の目標にはまた経済がどういうふうなこれから先動きをするか知りませんけれども、そういうような時点においてはそういうところ、今度は人間がよけい金をつぎ込んで人間がよけいいけば早くできるというようなところを急速に進めて、いまのところ五十二年度の予定はひとつやりたいということであるわけでございます。
 それから整備計画の五線、いわゆる東北とか九州の二線でございますね。それから北海道、北陸、これにつきましてはいま国鉄それから鉄建公団で工事計画を策定中でございますから、その策定を待って対処してまいりたいと、かように考えております。
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三木忠雄#24
○三木忠雄君 このいま策定中の新幹線、五新幹線ですね。これは公害問題で、いま東海道新幹線が非常に公害等の問題で大きな話題になっているわけです。この公害問題について特に地方自治体との話し合いも積極的に進める、それが了解を得られない限り着工もなかなかできないという、こういうふうな問題を私たちも伺っているわけですけれども、そうなりますと、相当この問題はおくれるという考え方か。公害問題はどういうふうに解決をしていくのか。この点について。
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徳永正利#25
○国務大臣(徳永正利君) 公害問題は、環境庁から一応の基準の勧告を受けておりますし、それをただいまのところ中心にしまして、それよりも低い線で努力をするわけでございますが、新しい新線建設にあたりましては、この公害問題を、環境保全の問題をないがしろにして私は進めるわけにはまいらぬと思います。したがいまして、地元の公共団体等とも十分連絡をとりまして、御協力を得て進めてまいりたいと思いますから、そういう意味では、これができぬからおくれるんじゃないかという心配はいまのところしておりません。必ずそういうふうな方向で話はつくものと、またつけてやるものというふうに考えております。
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三木忠雄#26
○三木忠雄君 成田新幹線の建設等をめぐって、地元とのいろんな問題があるわけですね。この五新幹線についても、やはり公害問題はこれは抜いて考えるわけにいかないと思うのですね。これを具体的に、やはり運輸省が施行にあたってどういうふうに解決をしていくのか。やはり住民の要望というものは絶えず無視をされ、そして一方的な工事計画によって施行されるという問題この点について、もっとこれは話し合いをするというか、具体的な対策を考えるべきじゃないかと思うのですけれども、この問題についてはいかがですか。
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徳永正利#27
○国務大臣(徳永正利君) お説のとおりでございまして、住民あるいは地方公共団体等との話し合いなくしてできる問題ではございません。いままでは、公害問題が東海道新幹線におきましては手おくれになっておったことは、これはもう事実を認めざるを得ませんが、今後は、そういうことのないように、最初から万全の話し合いを進めていくつもりでございます。
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三木忠雄#28
○三木忠雄君 中央新幹線ですね、大阪の空港の公害問題あるいは東海道新幹線の公害問題、こういう問題等を含めて、やはりいま東海道新幹線も非常に乗降客が多い、こういう観点から、運輸省では、この中央新幹線を予定よりも早めて、そして建設をするという、こういう考え方が出ているそうでありますけれども、この問題についてはいかがですか。
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徳永正利#29
○国務大臣(徳永正利君) まだ検討の段階でございまして、まだそこまで固まった、煮詰まった話ではございません。ただいま、いろいろなことを考えて検討しておると、そういう段階でございます。
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