大平正芳の発言 (大蔵委員会)

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○大平国務大臣 山中さんが御指摘のように、税、税制は政治のいわば柱といたしまして、私はあなたと同様に非常に高いウエートを持ち、座を与えていただいてしかるべき領域だと思うのです。そして庶民から見て現実の政治を評価する場合に、税にあらわれた正義感とか能率とかいうものをやはりよく見ておると私は思うのでございまして、そういう意味ではあなたの御指摘のとおりだと思うのです。したがって、税が公平に、税制が公平に編まれて、そしてしかも、それが公正に施行されていくことを保障することは、非常に政治の重要な任務だと私は思うのです。
 そういうような観点から見ますと、私は日本はそんなにお恥ずかしくはないと思っております。これだけの巨大な税財源をともかく国民の御理解を得て、いろいろな問題はございますけれども、五万の税務職員に徴収していただいておるということは国の活動の非常に重要な柱になっているわけでございまして、ありがたいことと思っておるのでありますが、しかし、いま御指摘のように、現実の税制は非常に不公正じゃないか、あるいは大企業に偏重しているのではないかという御指摘があることも万々承知いたしておるわけでございます。しかし、これは単に観念論でなくて、この税制の歴史的な歩みの中でなぜそういう措置が税制上とられたかという背景をやはりお互いに振り返りながら評価する必要があると思うのでございまして、その時点におきましてはそれだけの役割り、任務を持った措置がとられたと思うのでございます。
 しかし、一たんそういう措置がとられますと、それを是正するということは容易ならぬむずかしいことであることもまた御指摘のとおりだと思うのでありまして、すでに時代おくれになった老朽化した制度をそのまま既得権を守るために温存しておくなどということは非常に許されないことなのでございまして、そういうことが現在の税制の中であぐらをかいていやしないか、かいておるというのであればそれを除去してまいることに勇敢でなければならぬと私は思っておるのでございますが、ただ観念的に大企業偏重である、大企業中心である、大企業の利益に奉仕しておる、大企業と癒着しておるというような、そういうきめつけ方に対して、私も正直に言って若干抵抗を感じるのです。そんなにふまじめに私どもはやっておるつもりはないわけなんでありまして、もっと具体的に国会等を通じまして十分事態を究明していただきまして、もし社会的公正の立場から、そして今日の客観情勢に照らして、こういう制度がまだまかり通っておるというようなことは許されないというようなものがございますならば、やはり勇気を持って直していかなければならないと私は考えております。

発言情報

speech_id: 107304629X00319741018_025

発言者: 大平正芳

speaker_id: 28089

日付: 1974-10-18

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会