高沢寅男の発言 (大蔵委員会)

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○高沢委員 大臣の主観的な努力はよくわかるのでありますが、その主観的努力が結果としてそうなったときに、あるいはならなかったときにということを私はさっきからお尋ねしているんで、若干すれ違いだと思いますが、ひとつ大いに努力はお願いしたいと思います。
 時間の関係がありますから次へ進みまして、預貯金の目減りの対策の問題なんですが、これは一点だけお尋ねをしたいと思います。
 日本の資金の、一方では貯蓄、蓄積をする、他方資金を運用する、こういうふうな関係の中で、貯蓄する側面は個人の貯金者の預貯金が半分以上の大きな比重を占めている。今度はその資金を使う面では、これはまた六割以上の大きな比重で法人企業が使うというふうな形になっているわけですが、そういう状態の中で物価が非常な勢いで上がって、金利よりももっとずっと大きなパーセントで物価が上がる。こういうふうなことから、その預貯金の中心をになっている個人の預金額がどんどん目減りをして非常な損失を受ける。それから、それを借りて運用する立場の法人企業は、いわゆる債務者利得で、こうしたインフレ状態の中で、いながらにして大きなプラスを得ておる、このことはもう経済の実際の姿としてだれも否定できない現実の姿であると思うわけです。
 そういう状態の中で、ことしの十月一日発表の企画庁の国民生活白書の中でもこの辺のところを分析しておりまして、わが国の勤労者世帯の平均の貯蓄残高は、階層別の五分位のそれは別といたしまして、平均して百七十三万円。それを物価の上昇と金利との関係の貯蓄デフレーターで割り引くと、昭和四十七年の十二月末から四十八年の十二月末までの一年間に二十一万九千円、約二十二万円の目減りになっておる。百七十三万円が二十二万円の目減りになるというような数字が国民生活白書で分析をされて出ておるわけですが、私は、これは零細な預金をしている勤労者にとっては耐えがたいことだ、こう思うのです。先般〇・五%の金利の引き上げがあったわけですが、これはもうとても目減り対策という効果は全く持ち得ないということは、だれでも認めるところであるわけです。
 そういうことから、この対策として、たとえばイギリスなんかでやっておる例も考慮の中に入れながら——イギリスではこういう対策をやるそうであります。老人世帯あるいは低所得世帯を対象に満期五年の公債を発行する。その公債は、五年後にその五年間の物価の上昇率を公債の額面にスライドする。ですから、十万円の額面の公債は、五年間で五〇%物価が上がれば十五万円の額面にして返済するというような、そういう完全に物価上昇にスライドする公債の発行ということをイギリスは決定して、これは何か来年の五月から実行するというふうに伝えられておるわけですが、わが国の場合でも私はこういう対策が必要じゃないかと思うのです。
 目減り対策として金利をどうこうという議論、これも非常に大事な議論です。ただ、この金利の議論は、全体の金融の金利体系に非常ないろいろな意味の影響を与えるということを考えれば、そういう金融の中の金利の操作と一応切り離して、これはこの目的の特殊な国債というもので、そして当然、一世帯で国債を引き受けることのできる限度をはっきりきめて、その限度を私は百万円、こういう額にすべきが適当じゃないかと思います。そしてその額に対して、たとえば五年という期限をおけば、その五年間の物価上昇率というもので額面をスライドさせる。ほんとうに勤労者の血と汗の貯蓄を、少なくも百万円という範囲ではその価値を保存する、そのことについて国が責任を負う、こういうような制度も十分考えていただく必要があるのじゃないか、私はこういうふうに考えますが、その方法はどうか。あるいは大臣のほうでそのほかにこういういい方法があるということがあれば、大臣からひとつお考えを聞きたいと思います。

発言情報

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発言者: 高沢寅男

speaker_id: 6418

日付: 1974-10-18

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会