金丸信の発言 (建設委員会)
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○金丸国務大臣 国土行政の基本的な方針について私の所信を申し述べたいと存じます。
戦後三十年、急速な変貌を遂げてきたわが国経済社会は、今日、過密・過疎、環境の悪化、水不足、地価・物価の高騰等の諸問題に直面し、かつまた、世界的な資源・エネルギーの不足、食糧需給の切迫等の厳しい環境のもとにあるのでありまして、この際、新しい理念に立脚した諸施策の展望が望まれているのであります。国土庁の使命は、このような要請にこたえて、国民のすべてが将来にわたり豊かで潤いのある生活を享受できるよう、国土政策の基本を確立するとともに、土地及び水問題の解決を図り、大都市と地方の均衡ある発展整備を進めていくことであると存じます。
私は、国土庁に課せられた責務の重大さを痛感し、全力を挙げて国土行政に取り組んでいく決意でありますので、よろしく御指導くださいますようお願い申し上げます。
以下、当面の諸施策について申し述べることといたします。
第一は、総合的土地対策の推進であります。
土地利用の適正化と地価の安定を図ることは、国民生活の安定上必須の要請であり、また、新たな国土行政を進める上での基礎条件でもあります。最近の地価の動向を見ますと、土地融資の抑制、土地税制の改善等の施策の効果の浸透と、さらには国土利用計画法の制定、施行により鎮静化しつつありますが、この傾向を今後も長期的に持続させていくことが必要であります。
このため、土地対策の基本法ともいうべき国土利用計画法を、地方自治体との緊密な協力体制のもとに、立法の趣旨に沿って的確に運用するほか、地価公示及び国土調査の充実に努め、また、関係省庁との協力のもとに、土地税制の改善、金融上の措置、宅地供給の促進等を含めて総合的な土地対策を推進してまいる所存であります。
第二は、新しい国土計画の策定と国土利用の総合調整の推進であります。
国土庁は、国民生活と国土のあり方に関する超長期展望を踏まえて、新しい国土計画として昭和六十年度を目標年次とする国土利用計画及び第三次全国総合開発計画を昭和五十年度中に策定する予定であります。
国土利用計画は、国土利用計画法に示された国土利用の基本理念に即し、公共の福祉を優先させ、自然環境の保全を図りつつ、長期にわたって安定した均衡ある国土の利用を確保をすることを目的として策定いたします。また、第三次全国総合開発計画は、有限な資源、環境、土地、水等を前提とした生活環境の目標を設定し、この目標の達成を図るための基本計画として策定いたします。なお、これらの計画の策定に当たっては、国民各層及び地方自治体の意向を十分に反映させてまいる考えであります。
さらに、国土の適正な利用を確保するため、関係行政機関の事務の調整を積極的に行ってまいります。特に公共事業関係長期計画については、新しい国土計画と整合性のとれたものとするため、関係省庁と十分連絡調整を図ってまいりたいと考えております。
第三は、水資源対策の推進であります。
水は、土地と並んで国民生活にとって最も基礎的な資源でありますが、近年特に大都市地域を中心に水不足が深刻化し、しかも将来の水需要は、生活水準の向上、社会経済活動の進展等に伴い、ますます増大するものと予想されます。
このような情勢に対処するためには、長期的観点に立った総合的全国的な水需給計画の確立と、水資源開発の促進、水利用の合理化等を含めた水需給対策の総合的な推進が必要であります。国土庁は、関係省庁との連携のもとにこれらの施策の推進に努める所存であります。なお、水資源開発の促進に当たっては、水源地域対策が一層重要となりますが、これについては、水源地域対策特別措置法の積極的運用により対処する考えであります。
第四は、大都市圏整備の推進であります。
過密の弊害に悩む大都市地域の都市環境を整備改善するとともに、圏域全体の秩序ある発展を図るためには、広域的視点に立った大都市圏整備に関する総合的な対策を樹立し、これを推進していくことが緊要であります。
このため、首都圏整備計画、近畿圏整備計画及び中部圏開発整備計画について、経済社会情勢の変化に対応してその改定を行うとともに、大都市地域における工業、事務所等の機能配置のあり方を含め、人口・産業の集中抑制、計画的分散及び都市環境の整備に関する総合的な施策について抜本的な検討を加え、その実施を推進してまいります。また、筑波研究学園都市建設事業、琵琶湖総合開発事業等につきましても、これらの事業の重要性にかんがみ、一層その推進に努めてまいりたいと存じます。
第五は、地方振興の推進であります。
過密・過疎を解消し、国土の均衡ある発展を図るためには、大都市地域の過密対策と並んで地方の振興整備を進めていくことがきわめて重要であります。
このため、国土庁は、地域住民の福祉の向上に重点を置いて、魅力ある地方都市と農山漁村の整備を総合的かつ計画的に推進してまいります。また、東北、北陸、中国、四国及び九州の各地方圏につきましては、各地方の特性を生かし、地元地方自治体等の発意を基礎とした新しい地方開発促進計画を策定し、各地方の今後の開発整備の基本方向を明らかにしたいと考えております。これらの施策とともに、過疎地域、山村、豪雪地帯、離島、奄美群島、小笠原諸島などについては、引き続き関係法律に基づく諸施策の充実強化を図り、地域格差の是正と住民福祉の向上を実現してまいる所存であります。
最後に、災害対策につきましては、災害から国民と国土を守ることを基本姿勢として、関係省庁との緊密な協力のもとに、災害予防、災害応急対策、災害復旧等の各般にわたる災害対策を積極的に推進するとともに、特に大都市における震災対策の総合的な推進を図ってまいります。
以上、国土行政についての私の所信を申し述べましたが、いずれも国民福祉の向上に重大なかかわりのある問題でありますので、誠心誠意課題の解決に当たり、国民の期待にこたえる所存であります。よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
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