山王丸茂の発言 (社会労働委員会)
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○山王丸参考人 お答えいたします。
いま御質問がありました件で先ほどの参考人の意見、すなわち高い賃金を払っている中小企業のつぶれたのを聞いたことがないとおっしゃったわけですが、私はその途端に、高い賃金を払っている中小企業というのはかなり専門化され、大企業でもまねのできないようなものをおつくりになっているとか、かなり特殊な中小企業でもともと高賃金を払い得る体制の企業のことをおっしゃっているんじゃないかというふうに存じました。日本の中小企業の実態の中にはむしろ低賃金のところが圧倒的多数ございますので、さきに申し上げたように、そういう能力のある中小企業だからこそ高賃金を払ってもつぶれたところがないのであって、それをごらんになったことがないのではないかというふうに存じました。
それから、低賃金の中小企業に与える全産業全国一律の場合の問題でございますけれども、こういうところで賃金を高くしたらどうか。これはちょっとこの最賃制に直接関連したことではございませんが、今度の春の賃上げ、いわゆる春闘に関連しまして、関西方面の全国金属に所属する組合が企業に非常な圧力を加えて高賃金をかち取ったその直後、途端に会社がつぶれかけて会社更生法適用の申請を出したということを聞いております。したがって、中小企業が無理に高賃金を出すということがもしあったとすれば、これは最賃制の全国一律の場合も同じように非常にゆゆしい問題になります。したがって、私が冒頭に参考人の意見として申し上げましたように、中小企業の支払い能力に対する保障措置が完全になされない限りは、現段階で全国全産業一律最賃方式というのはわが国の労働市場の実態から言って無理だということを意見として申し上げたわけでございます。