上原康助の発言 (内閣委員会)

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○上原委員 たとえば沖繩の例をいま引用なさいましたが、中学三年の地理の本、まあ私は見ていませんので、後ほど勉強させていただきますが、そういう一例もあるでしょう。しかし、先ほど私が一、二点申し上げたように、教育委員の公選制から任命制に変わったこととか、あるいは教公二法の強行制定ですね、ほとんどこういう対立法案といいますか立法というものは、教育に関するものは、残念ながら国会でも全部と言っていいほど強行採決という経緯を今日まで経てきているわけですね。そこに、言われておるように教育の反動化、中央集権化あるいは日本教職員組合との対立関係、いろいろなのが出てきていると思いますが、これはもう一朝一夕にして、そのみぞなり隔たりというものを埋めることはむずかしいと思うのですが、しかし、いまこそ私は、もっと真剣に、わが国の方向づけあるいは最高法規である憲法というのが一体何を前文やその全体の流れの軸としてうたっているのかを考えなければいけないと思うのです。
 といいますのは、やはり第二次大戦において、あれだけの戦争をぶっぱなしたというのが教育だったということは、われわれの年代まではそれはまだわかります、大学は行かないでも。しかし、今日の青少年の立場とかあるいは教育課程内容においては、むしろそういうものは避けて通るというきらいがないかどうか、そこに非常に危惧の念を抱かざるを得ない。国のファッショ化というものが論じられているさなかにおいて、私は、教育現場におられる先生方を初め、教育行政に携わっている方々の真剣な態度というものが求められていると思うのです。
 そういう意味で若干この点申し上げたのですが、私の手元に「あたらしい憲法のはなし」という、これは恐らくかつて文部省が出したと思うのですが、小学生向けに書かれた内容で、今日のどの教育課程を見ても、こういうように本当に憲法についてわかりやすく素直に書かれた本というのは余りないので、若干引用してみますが、「戦争の放棄」というところで、
  みなさんの中には、こんどの戦争に、おとうさんやにいさんを送りだされた人も多いでしょう。ごぶじにおかえりになったでしょうか。それともとうとうおかえりにならなかったでしょうか。また、くうしゅうで、家やうちの人を、なくされた人も多いでしょう。いまやっと戦争はおわりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。こんな戦争をして、日本の国はどんな利益があったでしょうか。何もありません。ただ、おそろしい、かなしいことが、たくさんおこっただけではありませんか。戦争は人間をほろぼすことです。世の中のよいものをこわすことです。だから、こんどの戦争をしかけた国には、大きな責任があるといわなければなりません。このまえの世界戦争のあとでも、もう戦争は二度とやるまいと、多くの国々ではいろいろ考えましたが、またこんな大戦争をおこしてしまったのは、まことに残念なことではありませんか。
 そこでこんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました。
 その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戦力の放棄といいます。「放棄」とは「すててしまう」ということです。しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。
 もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょく、じぶんの国をほろぼすようなはめになるからです。また、戦争とまでゆかずとも、国の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戦争の放棄というのです。そうしてよその国となかよくして、世界中の国が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の国はさかえてゆけるのです。みなさん、あのおそろしい戦争が、二度とおこらないように、また戦争を二度とおこさないようにいたしましょう。こう書いてあるんですね。かつては、こういうことを、憲法九条に対しても、あるいはそのほかにもいろいろありますが、非常に素直といいますか——憲法九条、ここでその議論をしようとは思いませんが、誠実といいますか、正確に子供たちにも教えようという方向があったのです。
 しかし今日、振り返って見て、確かに国際情勢の変化なり日本の社会情勢の変化、いろいろ変革はあったにしましても、大臣はいまも、こういう内容での戦争放棄に対しての教育、指導方針といいますか、それは正しいとお考えだと思うのですが、私は正しいと思うのですが、どうですか。

発言情報

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発言者: 上原康助

speaker_id: 26762

日付: 1975-02-20

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会