永井道雄の発言 (内閣委員会)
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○永井国務大臣 ただいまの問題につきまして、私がまず申し上げたいのは、先ほど読みましたのは、確かに沖繩で用いられている教科書でございますが、しかしこれは、日本全国で使われている教科書でもあります。したがいまして、別に沖繩だけでそういう教科書が用いられているというのではございません。ただ全国の何%が、この教科書を使っているかという数字は手元にございませんが、沖繩だけではないということを申し上げておきたいと思います。
そこで、これを文部省も検定しておりますということは、先ほどの新憲法の話、昭和二十二年の原則というものは、やはり指導要領においても今日十分守られているということだと思います。
そこで、この段階においてもう一つ覚悟を新たにしなければいけないのじゃないかというおことばでございますが、この点は、私も同感でございます。しかし覚悟を新たにするということを、具体的に申し上げますとどういうことであるかというと、かようなことだと思っております。
つまり、わが国は敗戦という非常につらい経験をいたしました。そして今日に至ったわけでございますが、次第にやはり自主的な国として自分の足で立つということでなければならないと思います。そういたしますと、国の中に、たとえば政治をめぐりまして相当違う立場というものがある。特に平和の実現の方法についても違う立場というものがございましょう。しかしながら、その立場があるからといって、今度は本当に子供を教えていく具体的な問題について話し合わないというようなことであってはならないと思います。
私は、たまたま党籍のない人間としてこの教育行政の責任を負うことになりましたが、その私が考えておりますことは、教育の問題に関連しては、その中に当然平和も含まれるのでありますが、こういうことに関連いたしましては、いろいろ立場の異なる人たちも、いままでコミュニケーションの断絶と申しましょうか、そういうことがあったのですが、そうでなく、共通の問題は共通に議論し、そして日本の国民の間に相当の合意ができ上がっていく、これを自主的な国家として当然持つべきだと思います。しかし、そうなりましたからといって政治的な意見の違い、これが全然なくなってしまうということではない。これは、もちろんありましょうし、また、それがあるということが民主国家において当然のことと思います。
しかしいま、覚悟を新たにしてすべきことと申しますと、やはりそういうふうに事教育に関しましてはいろいろな考えを持っている人も、やはり子供の立場に立ってお互いに話し合って、共通の地盤をつくり上げていくということを具体的にすることが覚悟のあらわれではないか、かように思っている次第です。