藤井貞夫の発言 (内閣委員会)
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○藤井説明員 先般の勧告に対しましての説明をお聞き取りいただきまする機会をお与えいただきましたことを、ありがたく感謝をいたす次第でございます。
お配りをいたしております書類として勧告及び報告、それから参考資料、給与勧告についての説明がございますが、その中の給与勧告の説明を中心にいたしまして、その要点について御説明を申し上げたいと存じます。
人事院は、例年のとおり、官民給与の双方について実態調査を実施いたしたのでございますが、本年の経済情勢は民間調査の結果にも十分反映を見られるわけでございまするが、なお、これを比較いたしました場合の官民給与の較差は、平均金額にいたしまして一万五千百七十七円、比率にいたしまして一〇・八五%であることが明らかと相なりましたので、この較差を埋めるための給与改定を行うことが必要かつ適切であると認めた次第でございます。
本年の給与改定に当たりましては、民間給与の状況さらにはその配分の傾向、公務員の生活の実情等を考慮いたしまして、俸給表に重点を置きつつ、諸手当につきましても生活給的な配慮を特にいたしまして所要の改善を行うということにいたした次第でございます。
まず、俸給表の改善について申し上げたいと存じます。
本年の民間におきまする初任給、それから職務の階層別給与の上昇の傾向を考慮しながら、特に家族持ちの中位等級職員の給与の改善に重点的な配慮をいたしまするとともに、指定職を含みまする上位等級、すなわち一、二等級等につきましては、それらとの均衡上必要な最小限度の配慮をするということにとどめた次第でございます。
初任給につきましては、ことしは民間の状況もそれほど重点はかかっておりません。そういうことで、これとの見合いで考慮いたしましたが、しかし昨年の国会の御審議等におきまして、特に三公五現との関係について附帯決議がなされておるわけでございまして、特に高校卒初任給につきましては、三公五現と国家公務員との関係では非常な開きがあるということは事実でございますが、そう一遍にこれを詰めるわけにもまいりませんが、本年は附帯決議の趣旨も尊重いたしまして、なるべくその差を広げないということを重点的に配慮いたしまして六千八百円の引き上げということに、これについては特に配慮をすることにいたしております。
それから、職種別に見ました場合は、なお依然として人手不足が続いております看護婦、医師等について特に配慮をいたしますほか、大学、高専の先生につきましては、さきに行われました人確法に基づく義務教育諸学校教員の第二次改善との均衡を考慮いたしまして、少なくとも著しい逆転等のことが起こらないような配慮をいたしまして改善を加えることにいたした次第でございます。
それから、医療職俸給表(二)につきまして、特に新二等級を新設いたしまして、これについては病院等の薬局長なりあるいは一部の放射線技師長なり臨床検査技師長の一部に適用する道を開くことにいたしております。特二等級でございます。
次に、諸手当の改善でございますが、これにつきましては、生活給的なものに特段の配慮をして改善を加えることにいたしております。
まず、扶養手当についてでございますが、これは現在配偶者については五千円でございますものを一千円上げて六千円、それから配偶者以外の扶養親族のうち二人につきましては、現在千五百円のものを五百円ずつ上げておのおの二千円といたしまして、この結果、奥さんと子供二人といういわゆる標準家庭については一万円の扶養手当が出せるということにいたした次第でございます。
それから、通勤手当でございますが、これにつきましては、やはり民間における支給状況なり職員の通勤の実態を考慮いたしまして改定することとしております。特に昨年、国鉄並びに私鉄等の運賃の引き上げ等がございましたので、現行の通勤手当でカバーする部面の比率がそれだけ相対的に低下をいたしておることがございますので、これにつきまして配慮をいたしました。
すなわち具体的には、運賃相当額の全額支給の限度額を現行八千円に二千円プラスいたしまして一万円といたしました。二分の一加算額を加えた最高支給限度額を現行の九千円から一万一千五百円に引き上げることにいたしました。すなわち運賃として通勤手当で対象とする、めんどうを見るというのは一万三千円ということに相なるわけでございます。
また、自転車等の交通用具の使用者に対する手当額についても二割方改善をすることといたしております。
住居手当につきましては、これも民間の状況並びに公務員住宅入居者との関係をも考慮いたしまして、借家、借間の居住者に対する手当の支給限度額等について改正を行うことにいたしております。すなわち従来までいわゆる足切りが四千円でございましたものが、御承知のように本年の二月におきます公務員住宅の家賃の改定によりまして約三五%程度の値上げが行われたのでありますが、それとの見合いで、足切りを千円伸ばしまして五千円にいたしまして、五千円を超える家賃、間代を支払っている職員に対して支給することに改めることにいたしました。これが中心の改正でございます。それと同時に、最高支給限度額についても千円の上積みをするということにいたした次第でございます。
それから、医師の確保というものがなお依然として、特に僻地等においては困難な問題がございますので、これに対する対策の一環といたしまして、初任給調整手当について現行十三万円に一万円積み足して十四万円の支給月額の限度にするということにいたしましたのと、いわゆる医系教官、文部省、厚生省等におります病院勤務でない医系教官等に対する初任給調整手当についても、医師との均衡上従来いろいろ問題がございました。そういうことで、昨年これについても初任給調整手当を支給するということで制度を踏み切ったわけでございますが、ことしその支給の限度を現行二万五千円から三万円ということにすることにいたしますとともに、支給期間の限度を相当程度延ばすという措置を講ずるということにいたしたいということでございます。
それから、先般御審議をいただきました義務教育等教員特別手当でございますが、これについては一応定額ということできておったわけでありますけれども、その後諸般の情勢を検討いたしまして、今般の改正でまた基礎の俸給額が引き上げに相なりますこともございますので、新俸給月額の四%相当額を基準としたものに改正をいたしますとともに、先般の当委員会でも附帯決議がございました趣旨を尊重いたしまして、産業教育手当、それから定時制通信教育手当受給教員に対しても、義務教育等教員特別手当の一部を併給することに改めたいと考えております。
それから期末、勤勉手当、いわゆる賞与につきましては、例年どおり前年の支給実績を調査いたしましたが、その結果、去年と同様の比率が出ておりまして、民間との均衡が保たれておりますことが明らかになりましたので、現行のまま据え置きとすることにいたした次第でございます。
以上が俸給表並びに手当に関する勧告案の内容でございますが、その次に申し上げておきたいと存じますのは、本年の調査いたしましたところによりますと、民間企業のうちには、四月現在非常に厳しい情勢を反映いたしまして、残業規制とかあるいは一時帰休とか、さらには役付手当のカット等を行っておるものがかなり見受けられます。特に部長、課長等の役付手当の一時的減額につきましては、大規模の製造業等についてはかなりの率に当たるものがこれを実施をいたしておることが見受けられまするので、これを見過ごしてまいることもいかがかと存ぜられる節もございますので、本省課長等に支給する俸給の特別調整額、いわゆる管理職手当、これを一年間にわたって一〇%削減することといたしますとともに、指定職職員については、御承知のようにこれは俸給一本でございまして、いろいろな手当がございません。地域給に当たる調整手当だけでございまして、あとの扶養手当なり特別調整額等はございません。俸給一本に組み入れられておるわけでございますが、これにつきましては、いま申した管理職手当の減額に見合うことといたしまして、その俸給のアップ率を削減するという措置を講ずることにいたしました。この結果、指定職の最高号俸でございます東京大学の学長あるいは京都大学の学長に適用される俸給額につきましては、四・六%の上げ幅にとどめるという結果に相なった次第でございます。
最後に、週休二日制の問題でございます。
これは昨年、おととし二回にわたりまして、民間の実情の調査の結果ともにらみ合わせて報告をいたしておるわけでございますが、本年も引き続きその実際の民間における実情を調査いたしました。その結果、民間におきまして何らかの形で週休三日制を実施いたしておりまする事業所の割合は六七・四%ということでございます。従業員数によりますと、大規模の会社等もこれに入ってまいりますので、八割を超えるというような状況に相なってきておるわけでございます。これらに対応いたしまして人事院といたしましては、五十年度を目途に試行計画の策定その他についての措置をいたしてまいりたいという趣旨のことを申しておるわけでございますが、われわれといたしましても、その後、この趣旨に従い試行計画の策定に努めてきております。ただ何分にも、公務は行政サービスを維持していかなければならぬ、それでないと、国民生活に重大な影響を与えるという基本的な問題がございます。したがいまして、行政サービスを維持しつつこれを行っていくためには、さらに実地に即した検討を行うことが必要であると考えられますので、これは当委員会においても先般来ずっと申し上げてきておりますように、当面、来年の初期から試行基準に基づく試行計画、すなわちテストをやっていく、これを具体化するということといたしまして、関係諸機関との緊密な連絡のもとに所要の検討を進めることにいたしたいということを申し述べておる次第でございます。
最後に、改定の実施時期については、当然本年四月一日ということでお願いをいたしておる次第でございます。すでに三公社五現業職員についての公労委の裁定が完全実施されることに決まっておりますことから、公務員給与につきましても、この勧告が完全に実施されますることにつき、国会及び内閣の格段の御配慮を心からお願いをいたしまして、内容の概略の説明を終わらせていただく所在でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。