木下元二の発言 (内閣委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○木下委員 もう時間が来ましたので最後でありますが、政府は、財政危機、歳入欠陥、経済不況を口実に、賃金抑制、合理化強化など、公務員攻撃を一段とエスカレートしておる状況であります。五十年度予算の歳入不足が約三兆四千億円にも上ると言われております今日の財政危機は、自民党政府の対米追従と大企業本位の高度成長政策の歴史的破綻を示す深刻な不況と激しいインフレの直接の結果であります。地方自治体も含め、税、財政、金融を総動員して進められた高度成長と、その頂点としての列島改造の推進が石油危機とも重なって完全に破綻をし、これまでの高度成長、GNPの急増、そしてそれが税収増、大企業向け財政支出増という高度成長方式が崩れ去ったことは明白であります。しかも、三木内閣が行財政の見直しを盛んに口にしながら、実際には高度成長を支え促進してきた税、財政、金融の仕組みをなお温存しておることが財政危機を倍加させていると思います。たとえば四十九年度で二兆数千億円に上る大企業への特権的減免税は、その典型であります。これは国際的にも例のないものであります。また一兆三千億円を超える四次防推進予算を執行しつつある上、すでに六十日分以上の石油備蓄を抱えている石油業界に七百四十九億円の備蓄融資を決め、あるいは公害企業チッソへの二十三億円の開銀融資を決めるといった措置をとっていることなども、財政危機を深刻にする大きな要因になっていると思います。
ところが、三木内閣はこのような高度成長促進型の財政金融の仕組みを続けるだけでなく、今日の経済危機を大企業本位の立場から打開をするために、新幹線、本四架橋など大型公共投資促進のための、少なくとも一兆円を超える赤字国債の発行構想が進められております。すでに国債発行高はことしの四月現在で十兆七千六百九十一億円の巨額に達しており、これにより国債発行高がいままでにない、途方もない額に達するであろうことは火を見るよりも明らかです。それに財源難打開の名による酒、たばこの間接税の引き上げ、物品税の引き上げ、付加価値税の導入、郵便料金や国鉄運賃を初めとする一連の公共料金引き上げの策動、さらに歳出面では地方財政に対する統制の強化と人件費攻撃、財政硬直化打開の名による社会保障、食管特別会計への繰り入れあるいは国民生活にかかわる経費への攻撃等々、財政金融をこれまで以上に大企業奉仕に動員しようとしております。
三木内閣の財政危機打開の方向は、結局国民からの収奪のこの上ない強化と福祉のための財政支出の抑制、これに向けられておる。このことは、三木内閣の露骨な反国民的姿勢を改めて露呈していると思います。戦後最大の不況と激しい物価高のもとに起こった今日の財政危機の真の打開は、財政危機をもたらし、倍加させた大企業本位の高度成長政策と高蓄積型の財政金融の仕組みに対する根本的な反省なしには不可能です。これは高度成長を通じて異常にまでふくれ上がり、この不況の中でもうけを上げ、力を持っている大企業の当然の負担で、財政金融を国民生活防衛のために緊急に動員することであります。このことはまた、国民本位の不況対策の有効な手立てとなることは明らかであります。
秋の臨時国会に提出する補正予算案と新たに組みかえる経済見通し、さらには現在編成が進められている来年度予算等は、こうした方向で取りまとめるべきだと思います。みずから招いた財政危機と経済不況の責任にはほおかぶりをし、公務員労働者と国民に犠牲を押しつけるというやり方を絶対に許すわけにはいかないと思います。
政府の見解を承りたいと思います。