嶋崎譲の発言 (文教委員会)

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○嶋崎委員 大臣に最後にお伺いしますが、いまのように、どうも法改正や大学院設置基準みたいなものに関しては先走るけれども、肝心の大学の教育、研究という観点からした中身を充実させるというようなことについて、たとえば大学教官の給与をとってみても非常に問題があると思います。したがいまして、最後に大臣にお聞きする点は二点。
 一つは、いままでの学校教育法で言う大学の考え方に立って、学部を中心としてきた大学、その上にできてきた大学院、そういうものをさらに充実させながらバランスのとれた大学を地方につくっていくという政策を堅持していきながら、まあ姿勢みたいなものですけれども、それをじきじきわれわれ予算や何かでチェックしていきますが、そういう方向を確認していただきたいということと、それから、いま出たそれに関連して、いまの大学教官の給与というような問題について、人事院は独立の機関ではありますけれども、文部省の中でそういう問題についての検討をしていただいて、そして今後どう対処していくかについての決意のほどを聞かせていただきたい。この二つ。
 それで三つ目には、今度の改正に出ている大学院大学構想の中には、研究と教育の分離、大学院大学ですから確かに教育は入っていますが、ドクターの研究者というのはもう独立していますから、ある意味では専門家です。ですからいわゆる教育研究という意味の教育というよりも、研究に力点のかかった大学院大学としてあらわれると思います。制度的にずっと追求される連合大学院にしても、独立大学院にしても、どうも研究と教育が分離して、そうして研究という観点の機能に合わせて大学改革というものが追求されてきているというふうに私は見るわけであります。
 ですから三番目の問題は、こういう点を危惧するからまた大臣の決意をお聞きしたいのは、最近までの、筑波大学法案以来、私それ以前は国会におりませんからわかりませんが、その後の経過を見ておりますと、学部自治というデメリットばかりが問題になって、そして大学の管理運営という観点から、いろいろな形の学部自治の形骸化が立法政策的に進められているように思われる節があります。たとえば参与の問題だとか、それから筑波方式に言うところのいわゆる人事委員会方式だとか、そういうものが幾つかだんだん一方に出てきている。また大学政策の中にも、総合大学から単科大学構想みたいに、医学部をつくろうとするときに薬学と一本になって、富山に、総合大学じゃなくて一学部を切り離してつくっていくような傾向、そういうような管理運営と密接な関係が一面あると思う、もちろん研究教育という観点も中には含まれておりますが。だからそういう一面から言うと、大学の管理運営的な観点から、既存の大学自治、大学観を前提にしたものを形骸化しようとしていく方向性が感じられる。他方で、今度はこの大学院大学にあらわれているように、細かにまだ議論しておりませんけれども、いままで学部では教授会といっていたのを、今度は大学院レベルで教授会という名称をただ法律を変えてこしらえただけですからね。そうすると教授会という本来の仕事は、事業計画もあれば教育の内容もあればいろいろな予算の問題を含めてかなり自治的な運営ができる仕組みになっております。今度できる大学院大学という場合の大学院のスタッフは、たとえば兼任教授が半分以上占めているというような形をもってあらわれますと、ちょうど筑波大学の群と系みたいなもので、非常勤講師集団的な形の研究者集団が組織される大学院大学になるわけです。そうなってきますと、いわゆるいままでの学部自治を前提にした大学の自治のあり方と違った側面を持ち始めていく。特に大学人というのは、極端なことを言うと、すぐれた研究をやっている人は、教育から学ぶよりも研究それ自体を深めて自己を高めていくところに力点を置きたがります。そういう意味では専門ばかができ上がってくることが多いわけでございます。ですからそうなってくると、大学院大学というのは専門ばかの集団、そんなことをいうと先生にしかられるけれども、そういう集団的機能を持ちますと、いままでの大学自治的な大学のあり方と違った機能を果たしてくる。本人一人一人の先生がそうでないにしても、そういう違った機能を果たすことによって新しい大学というものが生まれてくる。そのことが実は研究と教育の分離という機能にあわせて大学が形態化されることによってできてくるいままでの大学自治や学問の自由の形骸化という側面をつくりはしないかということを恐れるわけであります。
 そういう意味で、新しい大学院大学構想というものの道を開くこういう法改正をやるに当たって、第三番目として、既存の大学機関を前提にして、今日まで追求されてきた学問の自由、大学自治という観点から逸脱していくような方向をとらないような手当てを、新しいものの中に追求していく仕組みを十分にいつも検討しておいていただきたいと思うのです。
 その点についての決意を聞きたいという以上三つ。たくさん言いましたが、混乱するかもしれませんが、その三点についての大臣の決意をお聞きしたいと思います。

発言情報

speech_id: 107505077X01319750604_107

発言者: 嶋崎譲

speaker_id: 860

日付: 1975-06-04

院: 衆議院

会議名: 文教委員会