嶋崎譲の発言 (文教委員会)

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○嶋崎委員 質問の時間が大変短い時間の割り当てでございまして、十分間というのですが、自由民主党の方がなければ二十分ほどにさせていただこうかと思います。
 先ほど並木先生が出された第四条の改正に関連する認可事項、この問題に関連して、大学院設置基準が新たにできたが、その設置基準には数量的な基準が示されていないまま認可権だけが強化されている、これをどうするのかという問題は、先般の委員会で私が質問をしておきまして、文部省当局側の見解が出ておりますから、いずれ議事録をお送りしたいと思います。
 また二番目の共同利用研究所の上に出てくる独立大学院の問題をめぐって、共同利用研究所という事業目的があるときに博士課程の学生を入れて大学院大学をつくるということになると、その事業目的とドクター論文の研究の自由、論文を書く自由との関連に問題が起きはしないかという点に関しても、文教委員会で質問をして考え方を問いただしてありますので、そちらもまたきょうは時間がありませんし、私、並木先生の考え方をさらに発展させてこの制度の運用を考えるべきだという主張でございますからそれをおくとしまして、最初にお聞きしたい点は、私のここ一カ月ほどの経験でございますが、たとえば北海道大学の法学部のある教授にお会いしても、一昨日の月曜日、京都・滋賀地区私立大学の学長の懇談会に出席した場合でも、広島大学や東京都立大学や九州大学や幾つかのドクターを持っている大学の学部の先生方と接した限り、いま国会で問題になっておりますこの大学院制度の検討という問題が、確かに国大協とか学術会議のある専門分野とか、そういうところでは議論されて制度的な要求が出ているように思われるのですけれども、並木先生には、私立大学の今日の全国の実情から見て、こういう新しい大学院構想が国会で問題になっているということが大学内部で十分な審議が行われるような条件がないのではないかと私は思うのですが、その点。
 もう一つ、国立大学の場合、いま先生からおっしゃいましたように国大協や学術会議でのいろいろな意見をお聞きしていますが、どうも国立大学の中でも、新しい大学院の構想について一つの改革の方向が打ち出されているということについて、大学の管理運営という問題になりますと大学はすぐ反応をいたしますが、研究教育というじみなというか、そういう観点から出てくる大学改革の構想ということになると、反応が非常に薄いのではないかという印象を強くしております。と申しますのは、われわれそろそろこの法案に対する態度を決めなければならぬ重大な時期でございますので、私立、国立それぞれの立場から、このような大学院の改革構想が大学内部でかなり慎重に審議されているかどうか、この点をちょっと状況をお聞きしたいのです。これが一つ。
 と申しますのは、大学院の問題ではあるけれども、連合大学院の問題であれ独立大学院の問題であれ、この大学院の改革がいまの日本の大学の現状から見て、いま農学部関係の諸星先生からは格差がなくなるという御主張なんだが、連合大学院の場合にはそういう一面を持っています。ところが、片一方では共同利用を中心とした大学院大学、東京大学みたいな総合大学院みたいなタイプですね、そういう大学院というものの制度をいじることによって、大学院を持てる、大学院に関連のある共同利用研究所の上に出てくる大学院というようなものがあらわれることによって、大学の格差というものがむしろ拡大していくのではないかというおそれを多分に持つわけでございます。そうしますと、教育全体の中で大学院を論じなければなりませんから、そういう観点からすると、この受験地獄というような今日の教育界全体の一つの大きな課題を解決するのに、こういう制度的改革が格差の固定化、拡大化の可能性を含んでいやしないかという気がいたします。この点についての両先生の御意見をお聞きしたいのです。
 三番目には、こういう制度の改革が一方で進められて、学術研究体制の要請にこたえるという機能的な側面が片一方にありながら、他方で現実に並木先生のおっしゃった私立大学と国立大学の学術研究体制におけるそれぞれの位置が不明確なままになっている。また国立の場合でもそういう制度の道は一方で開かれているが、いままでの大学の研究教育がどう充実されるかということと切り離して大学院ばかりが構想される制度の改革では困るのではないかという気がいたします。
 そういう意味で、たとえば農学関係で出されている連合大学院構想は既存の大学を前提にしたときに、いまの大学の農学部、これはいまおっしゃったそれぞれの大学に全部マスターがあるわけですね、マスターの上に新たにドクターの大学院大学が構想されるわけですが、そうしますといままでの大学の持っているマスターはもうこれで終わり、そして横にはみ出てドクターの大学院が学際領域の観点や、より進んだ研究という意味で別の大学院をつくる、こういうふうに構想されると、いままでの地方大学を今後教官を強化し研究体制を強化し、学際も含めながらより大学を充実させていこうという地方大学をよりいい大学にしていく、教育の集権化をもっと地方分権化して日本の教育全体の体制というものを充実さした方向に変えていくとでも言いましょうか、そういう集権化から分権化へという教育政策の観点から見て、やはり依然としてこれは集権化への道であって、地方の大学を充実さしていくということにならない。
 私学の場合ならば、いままでの大学をより充実させながら学術研究体制というものをどう位置づけるかというような観点から見ると、今度の法改正では一面の道は開いているが、肝心のところの対策が立たないという、逆に二番目の問題である格差拡大、固定化ということに結果としてなるのではないかという気がいたしますが、その三つの点についてそれぞれ御回答願えればと思います。

発言情報

speech_id: 107505077X01519750611_039

発言者: 嶋崎譲

speaker_id: 860

日付: 1975-06-11

院: 衆議院

会議名: 文教委員会