三木武夫の発言 (予算委員会)
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○三木内閣総理大臣 不破さんはいま、自民党の経済政策が大企業本位であるというふうに断定をされました。自民党の経済政策が、高度経済成長ということにウエートを置いたことは事実でございます。それが結果として大企業というものの力をつけたことは事実でしょう。けれども、不破さん、お考えになっても、日本という国は資源もない国であって、物を外国から買ってきて、しかもまた、そういう物を材料として加工して外国に売って、いわゆる加工貿易のような形で日本の国というものは成り立っておるわけでありますから、そのためには、やはり、進んだ技術を取り入れて国際競争力を持つような企業というものが育って、そして日本の国民の生活水準を支えていく一つの基礎になるように、日本の経済力をつけていかざるを得ない立場に日本はあるわけでございます。そのために国民の生活水準も上がったことは事実です。この間の——まあ、この間というわけでもないが、戦争直後の廃墟の後、食べる物もない、着る物もない、ああいう状態から今日の日本を考えたときに、日本が、一つの物資といっても、それを支えるものは生産ということですから、そういう点で、戦後日本の経済成長のために政策のウエートを置いたということは、その当時の事情としては誤ったものではない。
しかし、今日になってくると、そういうものを支えるいろんな条件というのはすべて失われたわけですから、ここで高度経済成長から安定成長に切りかえていかなければならぬ。そうなってくると、いままでのような経済政策というものは大きな転換がなければならぬし、そういう時代になってくると、高度経済成長のように、国民のいろんな要望がその中で吸収されるという状態ではないのですから、社会的公正ということが大きな問題になってくるわけでございます。そういう点で、大きな日本の転換期を迎えて、産業構造も国民生活も、すべての点で大きな転換を要求されている。
だから、結果として、いま言ったような大企業というものの力はつげましたけれども、それは大企業中心の政治をやったというよりかは、高度経済成長にウエートを置いた結果そういう力がついてきたのだ、こういうことに私は考えておるのであって、大企業中心というのも、国民生活の水準を向上したいという政府の意図がそういうことになったのであって、大企業中心の政治を考えたものではないということでございます。