予算委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十年一月三十一日(金曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 荒舩清十郎君
理事 小山 長規君 理事 竹下 登君
理事 谷川 和穗君 理事 湊 徹郎君
理事 山村新治郎君 理事 小林 進君
理事 田中 武夫君 理事 林 百郎君
理事 山田 太郎君
植木庚子郎君 大野 市郎君
奥野 誠亮君 北澤 直吉君
倉成 正君 黒金 泰美君
櫻内 義雄君 笹山茂太郎君
正示啓次郎君 瀬戸山三男君
田中 龍夫君 谷垣 專一君
塚原 俊郎君 西村 直己君
根本龍太郎君 野田 卯一君
藤井 勝志君 細田 吉藏君
前田 正男君 松浦周太郎君
森山 欽司君 安宅 常彦君
阿部 昭吾君 阿部 助哉君
石野 久男君 岡田 春夫君
多賀谷真稔君 楢崎弥之助君
堀 昌雄君 湯山 勇君
青柳 盛雄君 中川利三郎君
平田 藤吉君 不破 哲三君
沖本 泰幸君 矢野 絢也君
安里積千代君 小平 忠君
出席国務大臣
内閣総理大臣 三木 武夫君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 福田 赳夫君
法 務 大 臣 稻葉 修君
外 務 大 臣 宮澤 喜一君
大 蔵 大 臣 大平 正芳君
文 部 大 臣 永井 道雄君
厚 生 大 臣 田中 正巳君
農 林 大 臣 安倍晋太郎君
通商産業大臣 河本 敏夫君
運 輸 大 臣 木村 睦男君
労 働 大 臣 長谷川 峻君
建 設 大 臣 仮谷 忠男君
自 治 大 臣
国家公安委員会
委員長
北海道開発庁長
官 福田 一君
国 務 大 臣
(内閣官房長
官) 井出一太郎君
国 務 大 臣
(総理府総務長
官)
(沖繩開発庁長
官) 植木 光教君
国 務 大 臣
(行政管理庁長
官) 松澤 雄藏君
国 務 大 臣
(防衛庁長官) 坂田 道太君
国 務 大 臣
(科学技術庁長
官) 佐々木義武君
国 務 大 臣
(環境庁長官) 小沢 辰男君
国 務 大 臣
(国土庁長官) 金丸 信君
出席政府委員
内閣法制局長官 吉國 一郎君
内閣法制局第一
部長 角田礼次郎君
人事院総裁 藤井 貞夫君
人事院事務総局
管理局長 長橋 進君
内閣総理大臣官
房同和対策室長 山縣 習作君
公正取引委員会
委員長 高橋 俊英君
公正取引委員会
事務局長 熊田淳一郎君
公正取引委員会
事務局経済部長 野上 正人君
警察庁刑事局長 田村 宣明君
警察庁刑事局保
安部長 荒木 貞一君
警察庁交通局長 綾田 文義君
警察庁警備局長 山本 鎮彦君
行政管理政務次
官 阿部 喜元君
行政管理庁行政
管理局長 小田村四郎君
防衛庁参事官 菅沼 照夫君
防衛庁防衛局長 丸山 昂君
防衛施設庁長官 久保 卓也君
防衛施設庁施設
部長 銅崎 富司君
経済企画庁調整
局長 青木 慎三君
経済企画庁国民
生活局長 岩田 幸基君
経済企画庁物価
局長 喜多村治雄君
経済企画庁総合
計画局長 小島 英敏君
科学技術庁原子
力局長 生田 豊朗君
環境庁長官官房
長 信澤 清君
環境庁大気保全
局長 春日 斉君
国土庁土地局長 河野 正三君
外務省アジア局
長 高島 益郎君
外務省アメリカ
局長 山崎 敏夫君
外務省欧亜局長 橘 正忠君
外務省中近東ア
フリカ局長 中村 輝彦君
外務省経済局長 宮崎 弘道君
外務省経済局次
長 野村 豊君
外務省経済協力
局長 鹿取 泰衛君
外務省条約局長 松永 信雄君
大蔵大臣官房審
議官 岩瀬 義郎君
大蔵大臣官房審
議官 後藤 達太君
大蔵省主計局長 竹内 道雄君
大蔵省主税局長 中橋敬次郎君
大蔵省理財局長 吉瀬 維哉君
大蔵省銀行局長 高橋 英明君
大蔵省国際金融
局長 大倉 眞隆君
文部大臣官房会
計課長 宮地 貫一君
文部省初等中等
教育局長 安嶋 彌君
厚生省社会局長 翁 久次郎君
厚生省年金局長 曾根田郁夫君
農林大臣官房長 大河原太一郎君
農林大臣官房予
算課長 渡邉 文雄君
農林省農林経済
局長 岡安 誠君
農林省構造改善
局長 大山 一生君
農林省農蚕園芸
局長 松本 威雄君
農林省畜産局長 澤邊 守君
農林省食品流通
局長 森 整治君
食糧庁長官 三善 信二君
水産庁長官 内村 良英君
通商産業審議官 天谷 直弘君
通商産業省通商
政策局長 橋本 利一君
通商産業省産業
政策局長 和田 敏信君
通商産業省立地
公害局長 佐藤淳一郎君
通商産業省基礎
産業局長 矢野俊比古君
通商産業省機械
情報産業局長 森口 八郎君
資源エネルギー
庁長官 増田 実君
資源エネルギー
庁長官官房審議
官 井上 力君
資源エネルギー
庁公益事業部長 大永 勇作君
中小企業庁長官 齋藤 太一君
運輸省鉄道監督
局長 後藤 茂也君
運輸省自動車局
整備部長 田付 健次君
郵政政務次官 稲村 利幸君
郵政省郵務局長 石井多加三君
郵政省貯金局長 船津 茂君
郵政省人事局長 神山 文男君
労働省労政局長 道正 邦彦君
労働省労働基準
局長 東村金之助君
労働省職業安定
局審議官兼労働
省職業安定局失
業対策部長 岩崎 隆造君
建設省道路局長 井上 孝君
建設省住宅局長 山岡 一男君
自治大臣官房審
議官 山下 稔君
自治省行政局長 林 忠雄君
自治省行政局選
挙部長 土屋 佳照君
委員外の出席者
日本国有鉄道総
裁 藤井松太郎君
参 考 人
(日本銀行総
裁) 森永貞一郎君
参 考 人
(日本銀行副総
裁) 前川 春雄君
予算委員会調査
室長 野路 武敏君
—————————————
委員の異動
一月三十一日
辞任 補欠選任
青柳 盛雄君 不破 哲三君
正木 良明君 沖本 泰幸君
同日
辞任 補欠選任
不破 哲三君 青柳 盛雄君
沖本 泰幸君 正木 良明君
—————————————
本日の会議に付した案件
昭和五十年度一般会計予算
昭和五十年度特別会計予算
昭和五十年度政府関係機関予算
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時開議
出席委員
委員長 荒舩清十郎君
理事 小山 長規君 理事 竹下 登君
理事 谷川 和穗君 理事 湊 徹郎君
理事 山村新治郎君 理事 小林 進君
理事 田中 武夫君 理事 林 百郎君
理事 山田 太郎君
植木庚子郎君 大野 市郎君
奥野 誠亮君 北澤 直吉君
倉成 正君 黒金 泰美君
櫻内 義雄君 笹山茂太郎君
正示啓次郎君 瀬戸山三男君
田中 龍夫君 谷垣 專一君
塚原 俊郎君 西村 直己君
根本龍太郎君 野田 卯一君
藤井 勝志君 細田 吉藏君
前田 正男君 松浦周太郎君
森山 欽司君 安宅 常彦君
阿部 昭吾君 阿部 助哉君
石野 久男君 岡田 春夫君
多賀谷真稔君 楢崎弥之助君
堀 昌雄君 湯山 勇君
青柳 盛雄君 中川利三郎君
平田 藤吉君 不破 哲三君
沖本 泰幸君 矢野 絢也君
安里積千代君 小平 忠君
出席国務大臣
内閣総理大臣 三木 武夫君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 福田 赳夫君
法 務 大 臣 稻葉 修君
外 務 大 臣 宮澤 喜一君
大 蔵 大 臣 大平 正芳君
文 部 大 臣 永井 道雄君
厚 生 大 臣 田中 正巳君
農 林 大 臣 安倍晋太郎君
通商産業大臣 河本 敏夫君
運 輸 大 臣 木村 睦男君
労 働 大 臣 長谷川 峻君
建 設 大 臣 仮谷 忠男君
自 治 大 臣
国家公安委員会
委員長
北海道開発庁長
官 福田 一君
国 務 大 臣
(内閣官房長
官) 井出一太郎君
国 務 大 臣
(総理府総務長
官)
(沖繩開発庁長
官) 植木 光教君
国 務 大 臣
(行政管理庁長
官) 松澤 雄藏君
国 務 大 臣
(防衛庁長官) 坂田 道太君
国 務 大 臣
(科学技術庁長
官) 佐々木義武君
国 務 大 臣
(環境庁長官) 小沢 辰男君
国 務 大 臣
(国土庁長官) 金丸 信君
出席政府委員
内閣法制局長官 吉國 一郎君
内閣法制局第一
部長 角田礼次郎君
人事院総裁 藤井 貞夫君
人事院事務総局
管理局長 長橋 進君
内閣総理大臣官
房同和対策室長 山縣 習作君
公正取引委員会
委員長 高橋 俊英君
公正取引委員会
事務局長 熊田淳一郎君
公正取引委員会
事務局経済部長 野上 正人君
警察庁刑事局長 田村 宣明君
警察庁刑事局保
安部長 荒木 貞一君
警察庁交通局長 綾田 文義君
警察庁警備局長 山本 鎮彦君
行政管理政務次
官 阿部 喜元君
行政管理庁行政
管理局長 小田村四郎君
防衛庁参事官 菅沼 照夫君
防衛庁防衛局長 丸山 昂君
防衛施設庁長官 久保 卓也君
防衛施設庁施設
部長 銅崎 富司君
経済企画庁調整
局長 青木 慎三君
経済企画庁国民
生活局長 岩田 幸基君
経済企画庁物価
局長 喜多村治雄君
経済企画庁総合
計画局長 小島 英敏君
科学技術庁原子
力局長 生田 豊朗君
環境庁長官官房
長 信澤 清君
環境庁大気保全
局長 春日 斉君
国土庁土地局長 河野 正三君
外務省アジア局
長 高島 益郎君
外務省アメリカ
局長 山崎 敏夫君
外務省欧亜局長 橘 正忠君
外務省中近東ア
フリカ局長 中村 輝彦君
外務省経済局長 宮崎 弘道君
外務省経済局次
長 野村 豊君
外務省経済協力
局長 鹿取 泰衛君
外務省条約局長 松永 信雄君
大蔵大臣官房審
議官 岩瀬 義郎君
大蔵大臣官房審
議官 後藤 達太君
大蔵省主計局長 竹内 道雄君
大蔵省主税局長 中橋敬次郎君
大蔵省理財局長 吉瀬 維哉君
大蔵省銀行局長 高橋 英明君
大蔵省国際金融
局長 大倉 眞隆君
文部大臣官房会
計課長 宮地 貫一君
文部省初等中等
教育局長 安嶋 彌君
厚生省社会局長 翁 久次郎君
厚生省年金局長 曾根田郁夫君
農林大臣官房長 大河原太一郎君
農林大臣官房予
算課長 渡邉 文雄君
農林省農林経済
局長 岡安 誠君
農林省構造改善
局長 大山 一生君
農林省農蚕園芸
局長 松本 威雄君
農林省畜産局長 澤邊 守君
農林省食品流通
局長 森 整治君
食糧庁長官 三善 信二君
水産庁長官 内村 良英君
通商産業審議官 天谷 直弘君
通商産業省通商
政策局長 橋本 利一君
通商産業省産業
政策局長 和田 敏信君
通商産業省立地
公害局長 佐藤淳一郎君
通商産業省基礎
産業局長 矢野俊比古君
通商産業省機械
情報産業局長 森口 八郎君
資源エネルギー
庁長官 増田 実君
資源エネルギー
庁長官官房審議
官 井上 力君
資源エネルギー
庁公益事業部長 大永 勇作君
中小企業庁長官 齋藤 太一君
運輸省鉄道監督
局長 後藤 茂也君
運輸省自動車局
整備部長 田付 健次君
郵政政務次官 稲村 利幸君
郵政省郵務局長 石井多加三君
郵政省貯金局長 船津 茂君
郵政省人事局長 神山 文男君
労働省労政局長 道正 邦彦君
労働省労働基準
局長 東村金之助君
労働省職業安定
局審議官兼労働
省職業安定局失
業対策部長 岩崎 隆造君
建設省道路局長 井上 孝君
建設省住宅局長 山岡 一男君
自治大臣官房審
議官 山下 稔君
自治省行政局長 林 忠雄君
自治省行政局選
挙部長 土屋 佳照君
委員外の出席者
日本国有鉄道総
裁 藤井松太郎君
参 考 人
(日本銀行総
裁) 森永貞一郎君
参 考 人
(日本銀行副総
裁) 前川 春雄君
予算委員会調査
室長 野路 武敏君
—————————————
委員の異動
一月三十一日
辞任 補欠選任
青柳 盛雄君 不破 哲三君
正木 良明君 沖本 泰幸君
同日
辞任 補欠選任
不破 哲三君 青柳 盛雄君
沖本 泰幸君 正木 良明君
—————————————
本日の会議に付した案件
昭和五十年度一般会計予算
昭和五十年度特別会計予算
昭和五十年度政府関係機関予算
————◇—————
荒
荒舩清十郎#1
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
昭和五十年度一般会計予算、昭和五十年度特別会計予算及び昭和五十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。不破哲三君。
この発言だけを見る →昭和五十年度一般会計予算、昭和五十年度特別会計予算及び昭和五十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。不破哲三君。
不
不破哲三#2
○不破委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、内外政策の一連の問題に関して、また予算の基本的な方向に関して、三木総理その他の閣僚に伺いたいと思います。
まず、最初に伺いたいのは、国民生活と政府の基本的な政治姿勢の問題であります。
これまで、六〇年代の高度経済成長政策時代以来、その結果が、いま非常に深刻な形で国民生活の上にあらわれております。私ども、この問題を以前から分析をしてまいりまして、この根本には、単に成長率が高過ぎるというだけの問題ではない、つまり、成長率を高めるということで、大企業の資本蓄積、それからまたコンビナートづくり、これを国の経済政策の第一義の目的にする、そのために、国民の安全や健康の問題も犠牲にされれば、さまざまな行政や財政の上でも、いわゆる大企業本位と言われる不公正な仕組みがつくられている、この問題を繰り返し指摘してまいりました。池田内閣のときにも、佐藤内閣のときにも、田中内閣のときにも、この問題を指摘してまいりました。政府の行政、財政の姿勢が、国民のサイド、国民の側ではなしに、大企業のサイド、財界の側にあるのではないかというのは、ただ私ども共産党だけではなしに、多くの国民がひとしく抱いている疑問であります。
ところが、その中で、その大企業本位の政治が、いわば田中前内閣の金権政治という形で、非常に極端な形であらわれました。その後三木総理が金権政治批判を言われ、それからまた高度成長の政治を転換しなければいかぬ、社会的不公正を変えなければいかぬ、こういう問題を掲げられて内閣総理大臣につかれた。それならば従来の大企業サイドの姿勢を転換するんではないか、その根本的な反省の上に新しい政治を求められるんではないか。国民が三木内閣に若干の期待を抱いたのも、そこに大きな理由があると思います。
ところが、昨年の臨時国会、それからまたこの通常国会での質疑の経過を見ますと、たとえば総理大臣の答弁の中では、いままでの自民党の政治に大企業本位の面があったというのは独断論である、大企業本位、大企業サイドと言うのは当たらない、そういうことを総理自身が何回もこの国会の席上で明言をされました。それからまた、高度成長政策の問題に関しても、問題は、成長率が高過ぎたからこれを緩めるという問題である、別に高度成長政策の中に大企業本位の仕組みがあったとは思わない、こういうことを言われたわけであります。
そうなると、一体、三木内閣が考えられている転換とか、それから新しい政治とか、社会的公正とか、従来の政治に大企業本位という欠陥がないのであるならば、これについては改めて転換する必要もないし、また景気が悪くなったから成長率を低くする、それだけで済むはずであります。ここに、今後の三木内閣が当面している、それからまた国民が当面している物価の問題や、不況の問題や、公害問題や、さまざまな問題に対して、この新しい内閣が本当に国民的立場に立った回答が与えられるかどうか、それはこの基本的な政治姿勢にかかっていると思うわけであります。
率直に申しまして、三木総理が提出された今年度の予算案や施政方針演説を見ますと、たとえば物価の問題にしても、大企業の横暴な物価のつり上げの問題については全く触れないで、もっぱら労働者の賃上げによるコストへの影響だけを問題にされるとか、それから世界でもまれな法人に対する課税が、実効税率を調べてみると、大企業に行けば行くほど税率が低くなる、こういう逆累進の問題についても、現実には何ら手を打たれないとか、公共投資の問題についても、産業基盤優先の立場を、言葉では変えなければいかぬと言われながら、五十年度予算に関してはさっぱり変わっていないとか、三木さんが、大企業本位の政治を反省していないということが、そのままあらわれているように感じられるわけであります。
そこで私は、まず最初に、総理に基本姿勢の問題として伺いたい。三木内閣は新しい政治、新しい転換を看板にして出発されましたが、従来の自民党内閣の政治を率直に振り返られて、そこには大企業サイド、大企業本位というような欠陥や弱点がなかったと考えられておられるのか、その点をまず第一に、政府の基本姿勢の問題として伺いたいと思うのです。
この発言だけを見る →まず、最初に伺いたいのは、国民生活と政府の基本的な政治姿勢の問題であります。
これまで、六〇年代の高度経済成長政策時代以来、その結果が、いま非常に深刻な形で国民生活の上にあらわれております。私ども、この問題を以前から分析をしてまいりまして、この根本には、単に成長率が高過ぎるというだけの問題ではない、つまり、成長率を高めるということで、大企業の資本蓄積、それからまたコンビナートづくり、これを国の経済政策の第一義の目的にする、そのために、国民の安全や健康の問題も犠牲にされれば、さまざまな行政や財政の上でも、いわゆる大企業本位と言われる不公正な仕組みがつくられている、この問題を繰り返し指摘してまいりました。池田内閣のときにも、佐藤内閣のときにも、田中内閣のときにも、この問題を指摘してまいりました。政府の行政、財政の姿勢が、国民のサイド、国民の側ではなしに、大企業のサイド、財界の側にあるのではないかというのは、ただ私ども共産党だけではなしに、多くの国民がひとしく抱いている疑問であります。
ところが、その中で、その大企業本位の政治が、いわば田中前内閣の金権政治という形で、非常に極端な形であらわれました。その後三木総理が金権政治批判を言われ、それからまた高度成長の政治を転換しなければいかぬ、社会的不公正を変えなければいかぬ、こういう問題を掲げられて内閣総理大臣につかれた。それならば従来の大企業サイドの姿勢を転換するんではないか、その根本的な反省の上に新しい政治を求められるんではないか。国民が三木内閣に若干の期待を抱いたのも、そこに大きな理由があると思います。
ところが、昨年の臨時国会、それからまたこの通常国会での質疑の経過を見ますと、たとえば総理大臣の答弁の中では、いままでの自民党の政治に大企業本位の面があったというのは独断論である、大企業本位、大企業サイドと言うのは当たらない、そういうことを総理自身が何回もこの国会の席上で明言をされました。それからまた、高度成長政策の問題に関しても、問題は、成長率が高過ぎたからこれを緩めるという問題である、別に高度成長政策の中に大企業本位の仕組みがあったとは思わない、こういうことを言われたわけであります。
そうなると、一体、三木内閣が考えられている転換とか、それから新しい政治とか、社会的公正とか、従来の政治に大企業本位という欠陥がないのであるならば、これについては改めて転換する必要もないし、また景気が悪くなったから成長率を低くする、それだけで済むはずであります。ここに、今後の三木内閣が当面している、それからまた国民が当面している物価の問題や、不況の問題や、公害問題や、さまざまな問題に対して、この新しい内閣が本当に国民的立場に立った回答が与えられるかどうか、それはこの基本的な政治姿勢にかかっていると思うわけであります。
率直に申しまして、三木総理が提出された今年度の予算案や施政方針演説を見ますと、たとえば物価の問題にしても、大企業の横暴な物価のつり上げの問題については全く触れないで、もっぱら労働者の賃上げによるコストへの影響だけを問題にされるとか、それから世界でもまれな法人に対する課税が、実効税率を調べてみると、大企業に行けば行くほど税率が低くなる、こういう逆累進の問題についても、現実には何ら手を打たれないとか、公共投資の問題についても、産業基盤優先の立場を、言葉では変えなければいかぬと言われながら、五十年度予算に関してはさっぱり変わっていないとか、三木さんが、大企業本位の政治を反省していないということが、そのままあらわれているように感じられるわけであります。
そこで私は、まず最初に、総理に基本姿勢の問題として伺いたい。三木内閣は新しい政治、新しい転換を看板にして出発されましたが、従来の自民党内閣の政治を率直に振り返られて、そこには大企業サイド、大企業本位というような欠陥や弱点がなかったと考えられておられるのか、その点をまず第一に、政府の基本姿勢の問題として伺いたいと思うのです。
三
三木武夫#3
○三木内閣総理大臣 不破さんはいま、自民党の経済政策が大企業本位であるというふうに断定をされました。自民党の経済政策が、高度経済成長ということにウエートを置いたことは事実でございます。それが結果として大企業というものの力をつけたことは事実でしょう。けれども、不破さん、お考えになっても、日本という国は資源もない国であって、物を外国から買ってきて、しかもまた、そういう物を材料として加工して外国に売って、いわゆる加工貿易のような形で日本の国というものは成り立っておるわけでありますから、そのためには、やはり、進んだ技術を取り入れて国際競争力を持つような企業というものが育って、そして日本の国民の生活水準を支えていく一つの基礎になるように、日本の経済力をつけていかざるを得ない立場に日本はあるわけでございます。そのために国民の生活水準も上がったことは事実です。この間の——まあ、この間というわけでもないが、戦争直後の廃墟の後、食べる物もない、着る物もない、ああいう状態から今日の日本を考えたときに、日本が、一つの物資といっても、それを支えるものは生産ということですから、そういう点で、戦後日本の経済成長のために政策のウエートを置いたということは、その当時の事情としては誤ったものではない。
しかし、今日になってくると、そういうものを支えるいろんな条件というのはすべて失われたわけですから、ここで高度経済成長から安定成長に切りかえていかなければならぬ。そうなってくると、いままでのような経済政策というものは大きな転換がなければならぬし、そういう時代になってくると、高度経済成長のように、国民のいろんな要望がその中で吸収されるという状態ではないのですから、社会的公正ということが大きな問題になってくるわけでございます。そういう点で、大きな日本の転換期を迎えて、産業構造も国民生活も、すべての点で大きな転換を要求されている。
だから、結果として、いま言ったような大企業というものの力はつげましたけれども、それは大企業中心の政治をやったというよりかは、高度経済成長にウエートを置いた結果そういう力がついてきたのだ、こういうことに私は考えておるのであって、大企業中心というのも、国民生活の水準を向上したいという政府の意図がそういうことになったのであって、大企業中心の政治を考えたものではないということでございます。
この発言だけを見る →しかし、今日になってくると、そういうものを支えるいろんな条件というのはすべて失われたわけですから、ここで高度経済成長から安定成長に切りかえていかなければならぬ。そうなってくると、いままでのような経済政策というものは大きな転換がなければならぬし、そういう時代になってくると、高度経済成長のように、国民のいろんな要望がその中で吸収されるという状態ではないのですから、社会的公正ということが大きな問題になってくるわけでございます。そういう点で、大きな日本の転換期を迎えて、産業構造も国民生活も、すべての点で大きな転換を要求されている。
だから、結果として、いま言ったような大企業というものの力はつげましたけれども、それは大企業中心の政治をやったというよりかは、高度経済成長にウエートを置いた結果そういう力がついてきたのだ、こういうことに私は考えておるのであって、大企業中心というのも、国民生活の水準を向上したいという政府の意図がそういうことになったのであって、大企業中心の政治を考えたものではないということでございます。
不
不破哲三#4
○不破委員 まあ、結果として大企業本位になったということのようでありますが、いまの総理のお話を伺っていますと、戦後の混乱期から今日まで、成長を続けるためには高度成長が必要であった。しかし、われわれが問題にしているのは、戦後の混乱期からの復興過程ではなしに、一九六〇年代以後。もう六〇年代の出発点は、戦前の水準をはるかに上回ったところから日本は出発したわけです。そこからの高度成長を問題にしているのですから、そのことを問題にするのに、敗戦のとき大変だったじゃないかという話をされるのは、よく田中さんが好きな話でしたが、まさに三木内閣は、話のやり方まで田中前総理に似てきたと感じるわけであります。
しかし、この問題は、一般論で、議論をしていても、それこそ立場の相違ということになりますから、私は、具体的な政府の行政の問題、それも、三木さんが環境庁長官として田中内閣時代に直接タッチをされた問題について、具体的な素材をとらえて、政府の政治姿勢という問題を伺いたいんです。
というのは、これは公害の問題であります。特に今日、政府が最終的な態度決定を告示という形でやられようとしている自動車の排ガス規制の問題、私はこの問題をとらえて、国民サイドか、それとも大企業サイドかという問題を詰めたいと思うのです。というのは、この問題が、ただ企業を大きくするのをどうするかとか、大企業の存在を否定するか肯定するか、そういうような問題ではなしに、きわめて現実的な差し迫った問題で、国民の健康と安全を優先させるのか、それとも企業の利益を優先させるのか、これが非常に具体的にあらわれる問題だからであります。
たしか三木総理が、前内閣で環境庁長官に就任される前だったと思いますが、五十年度、五十一年度の自動車排ガスの規制に関する告示が発表されました。あなたはそれを前長官から引き継いだはずであります。このことに関しては、多くのジャーナリズムで取り上げられて周知でありますけれども、日本の国民、特に都市周辺に住んでいる国民に関しては、きわめて切実な問題であります。
政府が発表、決定された環境基準、窒素酸化物、二酸化窒素について見ますと、これが国民の健康の大敵であることはもう周知でありますが、現在、大都市の状況について調べてみますと、東京の場合には、毎日毎日、二酸化窒素による大気の汚染を克明に調べている研究所があります。この衛生研究所の調べによると、東京の大気の汚染状況が、政府が決めた環境基準を超えている日数が一年間でどれくらいあるかというと、九三・九%、環境基準以下というのは六・一%しかない。大阪の場合はどうかというと、一年間に九八・七%、基準以下は一・三%しかない。つまり、政府が決めた環境基準のそれよりもひどい公害の中に大都市の人間は毎日毎日暮らしていて、息がつけるのは、年末年始の工場や自動車が休みになるときぐらいだ、これが実態です。
ですから、光化学スモッグについても年々これが増大しています。もう政府は御承知でしょうが、七二年には全国で百七十六回光化学スモッグの警報が出て、二万一千二百四十五人の被害者が届けられております。七三年には三百二十八回起きて、三万一千九百六十六人の被害者が届けられています。世界の各国を見ても、窒素酸化物、二酸化窒素その他による被害がこれだけ急激に増大している国はない。これはもう明瞭な事実であります。だからこそ、七二年の十月に、三木さんが環境庁長官に就任される以前に、五十一年度にはどうしても窒素酸化物の規制を、一キロメートル自動車が走るときに〇・二五まで落とさなければいけない、これが決められたと思うのです。あなたは、環境庁長官になられていた間に、そのかなりの期間は、これは守るということを言われました。最後のころには、どうも怪しげな発言に変わったようでありますが。それが、去年の十二月に総理大臣に就任されて、いわば自分がかつて手がけられた問題を引き継がれた最初の仕事がこの問題でした。公害問題。
ところが、どうもいまの政府の政治姿勢を見ていると、五十一年度規制を守るということはとっくに忘れられてしまって、〇・二五の規制をやめるという方向に変わっているようであります。あの代表質問の答弁でもそういうことが言われました。一体、政府がこれだけ三年前には重視をされ、そしてこれをやらないと日本の国民の健康は守れないということを主張されて、あの五十一年度規制、窒素酸化物、自動車一キロ走行当たり〇・二五グラムということを決められながら、なぜ三年後の今日、目前に期限が迫ったらそれを簡単に変えられたのか。しかも、五十一年度規制としていま挙げられている数字は、自動車の大型車について言いますと、〇・八五という当初の規制の予想値よりも四倍近い大変な数字であります。そういうような、三年間にしての転換がどうして起こったのか、そのことを、前環境庁長官であり現総理である三木さんに、直接まず伺いたいと思います。
この発言だけを見る →しかし、この問題は、一般論で、議論をしていても、それこそ立場の相違ということになりますから、私は、具体的な政府の行政の問題、それも、三木さんが環境庁長官として田中内閣時代に直接タッチをされた問題について、具体的な素材をとらえて、政府の政治姿勢という問題を伺いたいんです。
というのは、これは公害の問題であります。特に今日、政府が最終的な態度決定を告示という形でやられようとしている自動車の排ガス規制の問題、私はこの問題をとらえて、国民サイドか、それとも大企業サイドかという問題を詰めたいと思うのです。というのは、この問題が、ただ企業を大きくするのをどうするかとか、大企業の存在を否定するか肯定するか、そういうような問題ではなしに、きわめて現実的な差し迫った問題で、国民の健康と安全を優先させるのか、それとも企業の利益を優先させるのか、これが非常に具体的にあらわれる問題だからであります。
たしか三木総理が、前内閣で環境庁長官に就任される前だったと思いますが、五十年度、五十一年度の自動車排ガスの規制に関する告示が発表されました。あなたはそれを前長官から引き継いだはずであります。このことに関しては、多くのジャーナリズムで取り上げられて周知でありますけれども、日本の国民、特に都市周辺に住んでいる国民に関しては、きわめて切実な問題であります。
政府が発表、決定された環境基準、窒素酸化物、二酸化窒素について見ますと、これが国民の健康の大敵であることはもう周知でありますが、現在、大都市の状況について調べてみますと、東京の場合には、毎日毎日、二酸化窒素による大気の汚染を克明に調べている研究所があります。この衛生研究所の調べによると、東京の大気の汚染状況が、政府が決めた環境基準を超えている日数が一年間でどれくらいあるかというと、九三・九%、環境基準以下というのは六・一%しかない。大阪の場合はどうかというと、一年間に九八・七%、基準以下は一・三%しかない。つまり、政府が決めた環境基準のそれよりもひどい公害の中に大都市の人間は毎日毎日暮らしていて、息がつけるのは、年末年始の工場や自動車が休みになるときぐらいだ、これが実態です。
ですから、光化学スモッグについても年々これが増大しています。もう政府は御承知でしょうが、七二年には全国で百七十六回光化学スモッグの警報が出て、二万一千二百四十五人の被害者が届けられております。七三年には三百二十八回起きて、三万一千九百六十六人の被害者が届けられています。世界の各国を見ても、窒素酸化物、二酸化窒素その他による被害がこれだけ急激に増大している国はない。これはもう明瞭な事実であります。だからこそ、七二年の十月に、三木さんが環境庁長官に就任される以前に、五十一年度にはどうしても窒素酸化物の規制を、一キロメートル自動車が走るときに〇・二五まで落とさなければいけない、これが決められたと思うのです。あなたは、環境庁長官になられていた間に、そのかなりの期間は、これは守るということを言われました。最後のころには、どうも怪しげな発言に変わったようでありますが。それが、去年の十二月に総理大臣に就任されて、いわば自分がかつて手がけられた問題を引き継がれた最初の仕事がこの問題でした。公害問題。
ところが、どうもいまの政府の政治姿勢を見ていると、五十一年度規制を守るということはとっくに忘れられてしまって、〇・二五の規制をやめるという方向に変わっているようであります。あの代表質問の答弁でもそういうことが言われました。一体、政府がこれだけ三年前には重視をされ、そしてこれをやらないと日本の国民の健康は守れないということを主張されて、あの五十一年度規制、窒素酸化物、自動車一キロ走行当たり〇・二五グラムということを決められながら、なぜ三年後の今日、目前に期限が迫ったらそれを簡単に変えられたのか。しかも、五十一年度規制としていま挙げられている数字は、自動車の大型車について言いますと、〇・八五という当初の規制の予想値よりも四倍近い大変な数字であります。そういうような、三年間にしての転換がどうして起こったのか、そのことを、前環境庁長官であり現総理である三木さんに、直接まず伺いたいと思います。
三
三木武夫#5
○三木内閣総理大臣 私の政治姿勢に関連して不破さん御質問でございましたが、これは、不破さんにも国民の皆さんにも、この事情は御理解を願いたいと思うのであります。
私は、環境庁長官に就任しまして、そして一生懸命に環境庁長官として、国民の生命と健康の保持に取り組んできたことは、これはもう国民も皆さんもおわかりのとおりでございます。これは、日本はアメリカ等に比べても、自動車の台数が平地の面積当たり八倍も九倍も多い。こういうことで、自動車から出る排気ガスの一つの健康に対しての悪影響というものは、無関心ではいられるわけはないわけです。五十年度規制にも、不破さん、あれには、アメリカが延ばしたから延ばしてくれということをいろいろと強く言われたけれども、五十年規制は守られるというメーカーがあったから、私は強行したのですよ。五十一年度規制も、この窒素酸化物が、いま御指摘になった光化学スモッグのやはり大きな原因であると言われていることは、学者などもいろいろと立証されておるわけでありますから、ぜひとも五十一年度の規制は実行したかった。環境庁長官をやめる直前まで、メーカーを呼んで私が言ったことは、もういろいろなデータをそろえて、〇・二五という基準が実行できなければ、何とかそれに近づけないかということを説得したのですよ。これは新聞なんかにも報道されました。
ところが、御承知のようなことで、内閣の初閣議にこれはかかってきたのです、私の初閣議に。そして、大気部会で決めまして、これは告示するということであった。私はそれを差しとめたわけだ。普通の場合は、大気部会で決めたら、それなりに告示になっているのですよ、いままで。しかし、健康に与える影響の重大なことを考えて、それではいけない。これは従来ないことですよ。それを中公審の総会で、やはり慎重に国民的立場から検討すべきであるということで、それを中公審の総会の議に付するのでなければ、大気部会だけでは決めてはいけないというのが初閣議の決定であったわけですね。初閣議はいろんなことをやらないわけですけれども、それをやったわけであります。
それで、中公審にかかって、中公審は一日で終わるはずが一日で終わらなかった。中公審のメンバーは、御承知のように九十名くらいあったと思いますよ。労働組合からも入っています。学者もたくさんに入って、市民の代表も入っておれば、また地方自治の団体も入って、あのメンバーが偏ったメンバーだとは思わないですよ、不破さん、あの九十名。その人たちが何日かかかって慎重に検討した結果、どうしてもやはりいまは技術開発の面で——窒素酸化物というものはどこも取り扱っていないですよ、規制を。それだから、日本だけがもし窒素酸化物に対する技術開発ができれば、世界に率先するわけですからね。無理なことを、できないことを強要するということは、技術開発ができないことになれば、自動車はやはり製造をやめなければならぬというようなことになって、今日の近代的な社会において、そういうことはできませんから、いろいろ検討の結果、二年間延期したわけですね。そして大型車に対しては〇・八五、小型車については〇・六ということで、中公審が、こうしていろいろな附帯決議がついていますが、決めた。それだけの人が決めたものを、私は技術的なデータを持ってないのですから、それはいかぬ、政府はやはり予定どおりやるというようなことは、それは勇気を持ってやれと、不破さん、あなたは非常に合理主義者ですから、まさかそういうことをおっしゃいませんでしょうが、しかし、それはできないのですよ、そこまで来れば。
それで、政府が認めたけれども、それだけではいかぬと思って、この排出ガスに対する閣僚協議会というものを私は設けまして、この善後措置を、税制上からも、あるいは交通の規制の問題からもございましょうし、いろいろな技術開発の面もあって、それをもう一遍検討して、これはやむを得ないにしても、できるだけ窒素酸化物に対する被害を少なくするために、いま閣僚協議会で、もう何回も会議をやりましたが、これに対して、いろいろなそういう条件のもとでも、なおかつ、いま御指摘のような、国民の被害をできるだけ最小限度に食いとめるような一つの善後措置を講じておるわけです。二年延ばしましたけれども、これからできるだけ督促して、その二年を短縮するように努力をしたいと思っておるので、三木内閣の、国民サイドかメーカーサイドかという試金石だとおっしゃるのですから、どうか私が、国民サイドに立って政治をやろうとしておるということは御了承を願いたいのでございます。
この発言だけを見る →私は、環境庁長官に就任しまして、そして一生懸命に環境庁長官として、国民の生命と健康の保持に取り組んできたことは、これはもう国民も皆さんもおわかりのとおりでございます。これは、日本はアメリカ等に比べても、自動車の台数が平地の面積当たり八倍も九倍も多い。こういうことで、自動車から出る排気ガスの一つの健康に対しての悪影響というものは、無関心ではいられるわけはないわけです。五十年度規制にも、不破さん、あれには、アメリカが延ばしたから延ばしてくれということをいろいろと強く言われたけれども、五十年規制は守られるというメーカーがあったから、私は強行したのですよ。五十一年度規制も、この窒素酸化物が、いま御指摘になった光化学スモッグのやはり大きな原因であると言われていることは、学者などもいろいろと立証されておるわけでありますから、ぜひとも五十一年度の規制は実行したかった。環境庁長官をやめる直前まで、メーカーを呼んで私が言ったことは、もういろいろなデータをそろえて、〇・二五という基準が実行できなければ、何とかそれに近づけないかということを説得したのですよ。これは新聞なんかにも報道されました。
ところが、御承知のようなことで、内閣の初閣議にこれはかかってきたのです、私の初閣議に。そして、大気部会で決めまして、これは告示するということであった。私はそれを差しとめたわけだ。普通の場合は、大気部会で決めたら、それなりに告示になっているのですよ、いままで。しかし、健康に与える影響の重大なことを考えて、それではいけない。これは従来ないことですよ。それを中公審の総会で、やはり慎重に国民的立場から検討すべきであるということで、それを中公審の総会の議に付するのでなければ、大気部会だけでは決めてはいけないというのが初閣議の決定であったわけですね。初閣議はいろんなことをやらないわけですけれども、それをやったわけであります。
それで、中公審にかかって、中公審は一日で終わるはずが一日で終わらなかった。中公審のメンバーは、御承知のように九十名くらいあったと思いますよ。労働組合からも入っています。学者もたくさんに入って、市民の代表も入っておれば、また地方自治の団体も入って、あのメンバーが偏ったメンバーだとは思わないですよ、不破さん、あの九十名。その人たちが何日かかかって慎重に検討した結果、どうしてもやはりいまは技術開発の面で——窒素酸化物というものはどこも取り扱っていないですよ、規制を。それだから、日本だけがもし窒素酸化物に対する技術開発ができれば、世界に率先するわけですからね。無理なことを、できないことを強要するということは、技術開発ができないことになれば、自動車はやはり製造をやめなければならぬというようなことになって、今日の近代的な社会において、そういうことはできませんから、いろいろ検討の結果、二年間延期したわけですね。そして大型車に対しては〇・八五、小型車については〇・六ということで、中公審が、こうしていろいろな附帯決議がついていますが、決めた。それだけの人が決めたものを、私は技術的なデータを持ってないのですから、それはいかぬ、政府はやはり予定どおりやるというようなことは、それは勇気を持ってやれと、不破さん、あなたは非常に合理主義者ですから、まさかそういうことをおっしゃいませんでしょうが、しかし、それはできないのですよ、そこまで来れば。
それで、政府が認めたけれども、それだけではいかぬと思って、この排出ガスに対する閣僚協議会というものを私は設けまして、この善後措置を、税制上からも、あるいは交通の規制の問題からもございましょうし、いろいろな技術開発の面もあって、それをもう一遍検討して、これはやむを得ないにしても、できるだけ窒素酸化物に対する被害を少なくするために、いま閣僚協議会で、もう何回も会議をやりましたが、これに対して、いろいろなそういう条件のもとでも、なおかつ、いま御指摘のような、国民の被害をできるだけ最小限度に食いとめるような一つの善後措置を講じておるわけです。二年延ばしましたけれども、これからできるだけ督促して、その二年を短縮するように努力をしたいと思っておるので、三木内閣の、国民サイドかメーカーサイドかという試金石だとおっしゃるのですから、どうか私が、国民サイドに立って政治をやろうとしておるということは御了承を願いたいのでございます。
不
不破哲三#6
○不破委員 その変わった判断は、三木総理は、技術的なことはデータもない、要するに中公審の判断を尊重するということだと思うのです。中公審と言いましても、総会あり、大気部会もありますが、この問題を専門的に扱ったのは、自動車公害専門委員会、ここだと思います。その自動車公害専門委員会の扱った諸データが、総会に全部出されたかどうかはあまりつまびらかではありませんが、恐らく出されていないと思うのですね。だから問題は、内閣が三年間に変わった判断の根拠というのは、自動車公害専門委員会がやった審議、ここにある。
それで、その点で私はまず伺いたいんです。というのは、御承知のように、この五十一年度規制に関しては、昨年六月に政府が聴聞会をやりましたときに、各メーカーがそんなことはとてもできないと、もう新聞がみんな「開き直ったメーカー」と書きましたが、大変な抵抗をいたしました。だから、各メーカーの技術的なデータや判断だけに依存していたんでは、これは初めからできないという答えが出るのはあたりまえなんです。それに対して政府が、公正な委員会で審査をすると言うからには、資本から独立した、企業から独立した客観的な科学的な専門知識を持って判断のできる委員会がこの問題に当たらないと、これは政府が依拠しようと思っても、依拠するもの自体が企業サイドになってしまう、こういう問題があると思うのです。
そういう点で、私、自動車専門委員会のメンバーを見てみますと、十人のメンバーがあります。この十人のメンバーの中に、日本自動車工業会の安全公害委員会委員長の家本さんという方が入っておられる。それから石油連盟の公害対策委員会の委員長片山さんという方が入っておられる。それから残りの八人の中で、五人までは政府直轄の研究所の技術者だそうであります。十人の委員会の中で七人までが企業サイドといいますか、企業そのものと、われわれが企業サイドではないかと疑問を持っている政府機関の代表で、残りがそうではない学者だ。しかも、そこには住民の代表もいなければ、これを直接扱っている自治体の代表もいない。こういうところの審議が、本当に企業サイドでなくていけるものかどうか、この点について私どもが疑問を持つのは当然だと思うのです。
それで、これはその間の事情に明るい大臣の方にお聞きしたいと思うのですが、一体こういう企業代表を含みながらやられている委員会が、企業の判断に引きずられないで、つまり、めちゃくちゃに抵抗する企業をいわば抑え込んで、本当に科学的な技術的な真実を追求して、それでぎりぎり環境基準を達成するための可能性を追求する、そういうことが実際にできたのかどうか。
それからまた、この委員会が企業からの代表を含んでいながら、国民に対しては審議経過は全く非公開であります。私もきのう政府側に、小沢環境庁長官が江田さんへの答弁の中で、審議経過はいつでも差し上げますということを言われましたので、私の方もいただきたいと思って、政府に盛んに交渉をしたのですが、そうやって出てきたのは、わずか十数行あたりの年表であります。つまり、そういう形でわれわれの側には全く非公開でありながら、企業代表を含んでいるのですから、企業の側には筒抜けでないか、こういう疑問もある。その点で一体、いわば政府がこの方針を預けられた自動車公害専門委員会というものが、企業サイドでない、企業とは独自の技術的判断ができる、そういう権威とそういう資格を持った委員会であったのかどうか、そのことを関係の大臣に伺いたいと思うのです。それからまた、なぜ国民に公表しないで、企業に筒抜けを認めているのか、この問題であります。
この発言だけを見る →それで、その点で私はまず伺いたいんです。というのは、御承知のように、この五十一年度規制に関しては、昨年六月に政府が聴聞会をやりましたときに、各メーカーがそんなことはとてもできないと、もう新聞がみんな「開き直ったメーカー」と書きましたが、大変な抵抗をいたしました。だから、各メーカーの技術的なデータや判断だけに依存していたんでは、これは初めからできないという答えが出るのはあたりまえなんです。それに対して政府が、公正な委員会で審査をすると言うからには、資本から独立した、企業から独立した客観的な科学的な専門知識を持って判断のできる委員会がこの問題に当たらないと、これは政府が依拠しようと思っても、依拠するもの自体が企業サイドになってしまう、こういう問題があると思うのです。
そういう点で、私、自動車専門委員会のメンバーを見てみますと、十人のメンバーがあります。この十人のメンバーの中に、日本自動車工業会の安全公害委員会委員長の家本さんという方が入っておられる。それから石油連盟の公害対策委員会の委員長片山さんという方が入っておられる。それから残りの八人の中で、五人までは政府直轄の研究所の技術者だそうであります。十人の委員会の中で七人までが企業サイドといいますか、企業そのものと、われわれが企業サイドではないかと疑問を持っている政府機関の代表で、残りがそうではない学者だ。しかも、そこには住民の代表もいなければ、これを直接扱っている自治体の代表もいない。こういうところの審議が、本当に企業サイドでなくていけるものかどうか、この点について私どもが疑問を持つのは当然だと思うのです。
それで、これはその間の事情に明るい大臣の方にお聞きしたいと思うのですが、一体こういう企業代表を含みながらやられている委員会が、企業の判断に引きずられないで、つまり、めちゃくちゃに抵抗する企業をいわば抑え込んで、本当に科学的な技術的な真実を追求して、それでぎりぎり環境基準を達成するための可能性を追求する、そういうことが実際にできたのかどうか。
それからまた、この委員会が企業からの代表を含んでいながら、国民に対しては審議経過は全く非公開であります。私もきのう政府側に、小沢環境庁長官が江田さんへの答弁の中で、審議経過はいつでも差し上げますということを言われましたので、私の方もいただきたいと思って、政府に盛んに交渉をしたのですが、そうやって出てきたのは、わずか十数行あたりの年表であります。つまり、そういう形でわれわれの側には全く非公開でありながら、企業代表を含んでいるのですから、企業の側には筒抜けでないか、こういう疑問もある。その点で一体、いわば政府がこの方針を預けられた自動車公害専門委員会というものが、企業サイドでない、企業とは独自の技術的判断ができる、そういう権威とそういう資格を持った委員会であったのかどうか、そのことを関係の大臣に伺いたいと思うのです。それからまた、なぜ国民に公表しないで、企業に筒抜けを認めているのか、この問題であります。
小
小沢辰男#7
○小沢国務大臣 御指摘でございますが、専門委員会というのは、大気部会の中に専門委員会をつくったわけでございまして、名の示すとおり専門委員会でございますから、一般の消費者代表等は入っていないことは、これはやむを得ないわけでございます。エンジン関係の専門家とか、あるいは衛生関係の専門家とか、気象関係の専門家とか、交通関係の専門家を入れて専門委員会をつくることは、これは御了承いただかなければいかぬと思うのでございます。
ただ、先ほど総理が言われましたように、大気部会で一応結論は出しましたけれども、住民代表や、あるいは労働組合の代表や、一般のいわば公害を受ける側の代表の意見も十分聞かなければいかぬというので、御承知のとおり、中公審の総会まで開きまして、いろいろ審議を願いました。それでも不十分だというので、さらに部会長全部集まりました総合部会というものを開きました。この総合部会には、御承知のとおり、高田委員とかあるいは労組の代表等も入りました総合部会でございますので、総理の御指示で、このように念を入れて審議会で審議をしていただきましたので、この点は、ひとつ御了承いただきたいと思うわけでございます。
ただ、公開をしてないじゃないかというお話でございますが、これは中央公害対策審議会で、委員の先生方が集まられまして、審議会の議事運営規則というものを、この審議会の委員の皆さんがお互いに決めておられるわけでございます。その審議会の議事運営規則の中に、たとえば、「都会の決議は、会長の同意を得て審議会の決議とすることができる。」という規定がある。したがって、大気部会がすぐ答申を会長の了解を得てされようとしたわけでありますが、総理の御指示もありましたし、和達会長にもお話ししましたところ、会長が、先ほど言いましたような、総会並びに総合部会の念を入れた審議をざらに継続していただいたわけでございますが、その十二条の中に、「審議会、部会及び専門委員会の議事については、会議録を調製し、会議の概要を記載しておかなければならない。」ということがございまして、こり結果、私どもは、概要を整理いたしまして、昨日も申し上げたのですが、いろいろ専門的なことをパンフレットにして出しましたり、必要があれば、この概要については私どもいつでも、整理をしましたものを必要な方にはお見せしたいと考えておるわけでございます。公開の問題につきましては、やはり審議会の独自の御決定に待って決めなくてはいかぬ問題でございますので、これは和達会長とも御相談をいたしまして、今後の審議会のあり方——そういう御批判が出ないように、一体どういうふうな審議のやり方をしたらいいかということについて、この六日に総合部会を開きまして、中央審議会の議事の運営について、もう一度さらに御検討を願う、こういうことになっております。
この発言だけを見る →ただ、先ほど総理が言われましたように、大気部会で一応結論は出しましたけれども、住民代表や、あるいは労働組合の代表や、一般のいわば公害を受ける側の代表の意見も十分聞かなければいかぬというので、御承知のとおり、中公審の総会まで開きまして、いろいろ審議を願いました。それでも不十分だというので、さらに部会長全部集まりました総合部会というものを開きました。この総合部会には、御承知のとおり、高田委員とかあるいは労組の代表等も入りました総合部会でございますので、総理の御指示で、このように念を入れて審議会で審議をしていただきましたので、この点は、ひとつ御了承いただきたいと思うわけでございます。
ただ、公開をしてないじゃないかというお話でございますが、これは中央公害対策審議会で、委員の先生方が集まられまして、審議会の議事運営規則というものを、この審議会の委員の皆さんがお互いに決めておられるわけでございます。その審議会の議事運営規則の中に、たとえば、「都会の決議は、会長の同意を得て審議会の決議とすることができる。」という規定がある。したがって、大気部会がすぐ答申を会長の了解を得てされようとしたわけでありますが、総理の御指示もありましたし、和達会長にもお話ししましたところ、会長が、先ほど言いましたような、総会並びに総合部会の念を入れた審議をざらに継続していただいたわけでございますが、その十二条の中に、「審議会、部会及び専門委員会の議事については、会議録を調製し、会議の概要を記載しておかなければならない。」ということがございまして、こり結果、私どもは、概要を整理いたしまして、昨日も申し上げたのですが、いろいろ専門的なことをパンフレットにして出しましたり、必要があれば、この概要については私どもいつでも、整理をしましたものを必要な方にはお見せしたいと考えておるわけでございます。公開の問題につきましては、やはり審議会の独自の御決定に待って決めなくてはいかぬ問題でございますので、これは和達会長とも御相談をいたしまして、今後の審議会のあり方——そういう御批判が出ないように、一体どういうふうな審議のやり方をしたらいいかということについて、この六日に総合部会を開きまして、中央審議会の議事の運営について、もう一度さらに御検討を願う、こういうことになっております。
不
不破哲三#8
○不破委員 私が聞いたのは、その自動車公害専門委員会が果たして資本から独立しているかどうか、国民には公開しないが、企業には筒抜けではないか、それで一体やれるのかということを伺ったわけであります。いまのお話ですと、総合部会には消費者代表も入っているから、自動車公害専門委員会の方は企業サイドでもこちらでチェックするからよろしいというお答えかとも受け取れるのですが、私が伺っているのは、八月から十二月にわたって、四カ月間にわたって審議をした自動車公害専門委員会そのものはどうか。
端的に伺います。資本から独立して技術的な判断ができる委員会であったのか、それとも資本の提供した技術的な判断をうのみにした委員会であったのか、これが第一であります。
第二には、国民に非公開でありながら、資本の代表を入れて、資本の側には筒抜けで、いつでもどんな対策でもできるような、そういう筒抜け委員会ではなかったのか。この二つの点、明確に環境庁長官に伺いたいと思います。
この発言だけを見る →端的に伺います。資本から独立して技術的な判断ができる委員会であったのか、それとも資本の提供した技術的な判断をうのみにした委員会であったのか、これが第一であります。
第二には、国民に非公開でありながら、資本の代表を入れて、資本の側には筒抜けで、いつでもどんな対策でもできるような、そういう筒抜け委員会ではなかったのか。この二つの点、明確に環境庁長官に伺いたいと思います。
小
小沢辰男#9
○小沢国務大臣 不破先生は御承知と思いますが、自動車公害専門委員会の委員を挙げますと、委員長は八田先生で、これは東京大学の教授で、エンジン関係の方でございます。そのほか学者と、たとえば政府の研究所の関係の専門家がほとんどでございまして、先ほどおっしゃったわずか二名の方が、自動車関係の業界なり、あるいはまた、そういう石油関係の公害の委員をされておる方である。したがって、業界サイドで専門委員会が審議をされたというふうには、私どもは全く考えておりません。
この発言だけを見る →不
小
小沢辰男#11
○小沢国務大臣 これは、私ども専門委員会の先生方を御信頼して御審議を願っておるわけでございますので、一々、その先生方がどういうような、おっしゃるようなことになったのか、それはもうわかりませんし、また、決してさような先生方は、私どもがいままで専門委員会としてお願いをした先生の中には、おられないと信じておる次第でございます。そうでなければ、世界で一番厳しいような五十年規制、すなわち一酸化炭素とか炭化水素の問題をいままでの十分の一にしたり、あるいは窒素酸化物を従来の二分の一に一遍にするような非常に厳しい、まあ三木総理の政治姿勢もありましたが、そういうものがこの専門委員会で答申をされているような結果にはならなかっただろうと思うのでございます。五十一年の規制につきましても、御承知のとおり、窒素酸化物については一・二グラムでありましたものを、〇・六とさらに半減するわけでございますから、世界で最も厳しい排ガスの規制をやるような、この結果をごらんになって、これが業界サイドという御批判をいただくのは、私どもはどうも納得いかないわけでございます。
この発言だけを見る →不
不破哲三#12
○不破委員 私はここに自動車公害専門委員会の議事録の要旨を持っています。これはどこから出たものかと言いますと、自動車工業会が業界の加盟各社に配ったものであります。それも最初のうちはタイプ刷りです。だんだん審議が激しくなってきて対策を立てる必要が出てくると、もう自動車工業会の便せんに——恐らく会議に参加した人がメモしたものでしょう、便せんそのままのリコピーが全部加盟各社に配られている。これを私は言うのです。あなたはいま、そういう委員の方はおられないと言いましたが、その中にはちゃんと委員名を書いて、何とかメモと書いてあるのまであります。それで、国民に非公開でありながら業界には筒抜けだ。済んでから配るのなら、まだ話は多少は了解の余地があるかもしれません。しかし、刻々加盟各社には、この専門委員会ではこういうことが議論になっているぞということが、恐らく業界代表でしょう、業界代表の手からこういう形で流れて、対策が立てられている。まさに手のひらの上であなた方は審議をしたわけじゃありませんか。
それで、これは非常に読みにくいので、私、総理への参考のためにタイプ刷りにしてまいりましたので、差し上げておきますから、ちょっとこのメモをごらんになっていただきます。
しかも、問題はその手続だけじゃないのです。私はこの議事メモを読みまして大変驚きました。いままで政府の方は、昨年の十二月の国会でも、ここに集まられている先生方は権威のある先生ばかりである、だから非常に技術的、専門的な討論をやられているので、しかも、それを周りに煩わされないで率直に意見交換ができるように非公開にしているんだということを、たしか政府委員の方は、衆議院でも参議院でも答弁されているはずであります。
ところが、ここには大体主な委員会の議事録が全部出ておりますが、その内容を見ますと、内容がまた驚くべきものであります。これは私、天下の批判にさらすために、欲しい方にはどなたにでも差し上げるつもりで、公開するつもりでありますが——私がやったのではない。自動車工業会が公開したのですから。しかしこれを見ると、私ども国民が健康と安全をゆだねている委員会というものが、企業サイドでつくられた場合にどういう実態になるか、まさに驚くべきものであります。
第一に、八月三日の大気部会、八月九日の最初の自動車公害専門委員会で、委員長である八田氏自身が言っている言葉があります。
それは何かというと、五十年対策は自動車産業として初めて扱うシステムだから、これから先への前進は大変むずかしいんだ。五十年対策を実行して、そのフォローアップだけでも大変なんだから、その上五十一年対策を行うのは困難である。五十年対策だけでも燃料費が悪化している。エネルギー問題がひどくなる。日本だけ厳しい規制をとると輸出に影響を与える。そういうことが心配だが何かはやらなきゃいかぬ。価格、維持費のアップ、燃費の悪化、運転性の悪化等から、これ以上規制を厳しくして果たしてユーザー、使用者が使うかどうか。使用者が低公害車を使用した方が有利というふうにしないと、委員会としては問題になる。政府が決めたNO2の環境基準についても、少し問題がないか、委員会としても取り上げられるだろう。この五十一年度規制を技術的にどこまでやるかという話が一行もなくて、やったら大変だという話が八田委員長の口から大気部会にも出され、それから最初の自動車公害専門委員会でも述べられている。
そればかりか、その最初の会議をやって、三社の自動車メーカーを視察に行きます。それからまた集まったときには、事もあろうに通産省が資料を出して、公害をこれ以上厳しくするとどんな大変な経済結果が起きるかということを、具体的なこういう数字まで挙げて詳細に説明をして、初めから水をかけているわけであります。
そして、そういう議論がずうっと続くもんですから、十一月二十日、もう審議の最終段階のころですが、環境庁の方から、余りのことに困ったのでしょう、この議論を国民の健康優先の議論として展開し直さないと説得力がないから、燃費の問題だとか運転性の問題だとかいうことは、なるべく後回しの議論にしようではないかという提案が、わざわざ環境庁から十一月の二十日に出ている。それも国民への説得力という角度からの問題提起であります。これが第一。
それから第二には、先ほど環境庁長官は、専門的に十分な学識があると言われました。ところが、九月の二日の会議で八田委員長自身が、エンジン専門家の先生に、五十一年度規制に関する考え方や暫定値の考えを聞く必要がある一いまのお話ですと、八田委員長は大変なエンジンの専門家だと言われましたが、八田委員長自体が、エンジン専門家の先生に五十一年規制に対する考え方、暫定値の考え方を聞いたらどうかということを提案している。それでだれが否定したかというと、日本石油連盟の片山委員であります。否定の理由は、「技術的面に関しては専門家の先生方の情報の質と量がメーカーより優れているとは考えられない。」もうこれでエンジン専門家を呼ぶという話は最後までお流れであります。ここにも、この委員会がメーカーの提供する技術的なデータだけではなしに、その判断までうのみにしたことが明瞭にあらわれているわけであります。これが第二点。
第三点、時間がありませんから簡潔に述べますが、十二月五日、この委員会が〇・八五という最終的な決定をしたときの議事録が出ております。各委員にどうしたらいいかというアンケート調査をしております。出席していた委員は九名であります。そのうち八名までが〇・九ということを上限として提案をしているわけです。ただ一人の委員だけが〇・八を最高にしている。ところが、それがなぜだめになったかというと、環境庁から出ている方から、「トヨタは〇・九なら出来ると言っている。メーカーの言いなりである。事務当局としては、〇・九を戴いてもどうしようもない。」こういう発言があって、そうしたら八田委員長が、この議事メモによると、じゃ〇・八五でどうか。まるでバナナのたたき売りであります。
しかもそのときに、私、驚くべきことだと思うのですが、トヨタの〇・九ができるというデータは一体どこから来たのか、われわれ委員会はそんなものはもらっていないということが問題になりました。そうすると、環境庁から出ている方が、ある先生から長官が渡された資料である。ある先生というのですから国会議員ではないかと思いますが、それ経由で長官から渡された資料に、トヨタは〇・九ならできるということがあった。ところが、委員会に渡されている技術的なデータは、〇・九は不可能だ、一・〇から一・一だということが渡されていたわけであります。それで、これが紛糾しまして、そんなものがあるとすれば委員会に配られた資料との関係はどうなるのかとか、メーカーの言うことは信用できないとかいうことがここで議論になって、かなり紛糾している。つまり、メーカーの出した技術的な資料をうのみにしてやってきたが、最後になって、いわばそれが正確なものでなかったということが委員会自体にもわかる、これが十二月五日の最後の委員会であります。
そして、そういういきさつを経て、〇・八五ということが決められた。それについてある委員が言っております。どうも十分に裏づけられているとは思えない、〇・八と〇・九を足して二で割って〇・八五にしたというのは多少ひっかかる。私、飛び読みをしているわけでありますが、全部を読んでも似たような議論であります。これが資本から独立した、技術的な専門知識と技術的な判断を持った委員会の討論であるかどうか。私は、この問題に対してほんとうに真剣に考えている国民や専門家の皆さんがこの議事内容を見たら、ともかくびっくりすると思うのです。びっくりするどころか、まさに政治に対する不信を新たにするし、政治に対する怒りを覚えると思うのです。
環境庁長官は、こういう審議の経過について多少とも報告を受けた上で、いま言われたようなことを述べられているのか、それとも、私どもがいただいているような、このごく簡単な資料だけの報告を受けて答弁をされておられるのか、そこら辺を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →それで、これは非常に読みにくいので、私、総理への参考のためにタイプ刷りにしてまいりましたので、差し上げておきますから、ちょっとこのメモをごらんになっていただきます。
しかも、問題はその手続だけじゃないのです。私はこの議事メモを読みまして大変驚きました。いままで政府の方は、昨年の十二月の国会でも、ここに集まられている先生方は権威のある先生ばかりである、だから非常に技術的、専門的な討論をやられているので、しかも、それを周りに煩わされないで率直に意見交換ができるように非公開にしているんだということを、たしか政府委員の方は、衆議院でも参議院でも答弁されているはずであります。
ところが、ここには大体主な委員会の議事録が全部出ておりますが、その内容を見ますと、内容がまた驚くべきものであります。これは私、天下の批判にさらすために、欲しい方にはどなたにでも差し上げるつもりで、公開するつもりでありますが——私がやったのではない。自動車工業会が公開したのですから。しかしこれを見ると、私ども国民が健康と安全をゆだねている委員会というものが、企業サイドでつくられた場合にどういう実態になるか、まさに驚くべきものであります。
第一に、八月三日の大気部会、八月九日の最初の自動車公害専門委員会で、委員長である八田氏自身が言っている言葉があります。
それは何かというと、五十年対策は自動車産業として初めて扱うシステムだから、これから先への前進は大変むずかしいんだ。五十年対策を実行して、そのフォローアップだけでも大変なんだから、その上五十一年対策を行うのは困難である。五十年対策だけでも燃料費が悪化している。エネルギー問題がひどくなる。日本だけ厳しい規制をとると輸出に影響を与える。そういうことが心配だが何かはやらなきゃいかぬ。価格、維持費のアップ、燃費の悪化、運転性の悪化等から、これ以上規制を厳しくして果たしてユーザー、使用者が使うかどうか。使用者が低公害車を使用した方が有利というふうにしないと、委員会としては問題になる。政府が決めたNO2の環境基準についても、少し問題がないか、委員会としても取り上げられるだろう。この五十一年度規制を技術的にどこまでやるかという話が一行もなくて、やったら大変だという話が八田委員長の口から大気部会にも出され、それから最初の自動車公害専門委員会でも述べられている。
そればかりか、その最初の会議をやって、三社の自動車メーカーを視察に行きます。それからまた集まったときには、事もあろうに通産省が資料を出して、公害をこれ以上厳しくするとどんな大変な経済結果が起きるかということを、具体的なこういう数字まで挙げて詳細に説明をして、初めから水をかけているわけであります。
そして、そういう議論がずうっと続くもんですから、十一月二十日、もう審議の最終段階のころですが、環境庁の方から、余りのことに困ったのでしょう、この議論を国民の健康優先の議論として展開し直さないと説得力がないから、燃費の問題だとか運転性の問題だとかいうことは、なるべく後回しの議論にしようではないかという提案が、わざわざ環境庁から十一月の二十日に出ている。それも国民への説得力という角度からの問題提起であります。これが第一。
それから第二には、先ほど環境庁長官は、専門的に十分な学識があると言われました。ところが、九月の二日の会議で八田委員長自身が、エンジン専門家の先生に、五十一年度規制に関する考え方や暫定値の考えを聞く必要がある一いまのお話ですと、八田委員長は大変なエンジンの専門家だと言われましたが、八田委員長自体が、エンジン専門家の先生に五十一年規制に対する考え方、暫定値の考え方を聞いたらどうかということを提案している。それでだれが否定したかというと、日本石油連盟の片山委員であります。否定の理由は、「技術的面に関しては専門家の先生方の情報の質と量がメーカーより優れているとは考えられない。」もうこれでエンジン専門家を呼ぶという話は最後までお流れであります。ここにも、この委員会がメーカーの提供する技術的なデータだけではなしに、その判断までうのみにしたことが明瞭にあらわれているわけであります。これが第二点。
第三点、時間がありませんから簡潔に述べますが、十二月五日、この委員会が〇・八五という最終的な決定をしたときの議事録が出ております。各委員にどうしたらいいかというアンケート調査をしております。出席していた委員は九名であります。そのうち八名までが〇・九ということを上限として提案をしているわけです。ただ一人の委員だけが〇・八を最高にしている。ところが、それがなぜだめになったかというと、環境庁から出ている方から、「トヨタは〇・九なら出来ると言っている。メーカーの言いなりである。事務当局としては、〇・九を戴いてもどうしようもない。」こういう発言があって、そうしたら八田委員長が、この議事メモによると、じゃ〇・八五でどうか。まるでバナナのたたき売りであります。
しかもそのときに、私、驚くべきことだと思うのですが、トヨタの〇・九ができるというデータは一体どこから来たのか、われわれ委員会はそんなものはもらっていないということが問題になりました。そうすると、環境庁から出ている方が、ある先生から長官が渡された資料である。ある先生というのですから国会議員ではないかと思いますが、それ経由で長官から渡された資料に、トヨタは〇・九ならできるということがあった。ところが、委員会に渡されている技術的なデータは、〇・九は不可能だ、一・〇から一・一だということが渡されていたわけであります。それで、これが紛糾しまして、そんなものがあるとすれば委員会に配られた資料との関係はどうなるのかとか、メーカーの言うことは信用できないとかいうことがここで議論になって、かなり紛糾している。つまり、メーカーの出した技術的な資料をうのみにしてやってきたが、最後になって、いわばそれが正確なものでなかったということが委員会自体にもわかる、これが十二月五日の最後の委員会であります。
そして、そういういきさつを経て、〇・八五ということが決められた。それについてある委員が言っております。どうも十分に裏づけられているとは思えない、〇・八と〇・九を足して二で割って〇・八五にしたというのは多少ひっかかる。私、飛び読みをしているわけでありますが、全部を読んでも似たような議論であります。これが資本から独立した、技術的な専門知識と技術的な判断を持った委員会の討論であるかどうか。私は、この問題に対してほんとうに真剣に考えている国民や専門家の皆さんがこの議事内容を見たら、ともかくびっくりすると思うのです。びっくりするどころか、まさに政治に対する不信を新たにするし、政治に対する怒りを覚えると思うのです。
環境庁長官は、こういう審議の経過について多少とも報告を受けた上で、いま言われたようなことを述べられているのか、それとも、私どもがいただいているような、このごく簡単な資料だけの報告を受けて答弁をされておられるのか、そこら辺を伺いたいと思います。
小
小沢辰男#13
○小沢国務大臣 私どもは、中央公害対策審議会の委員を慎重に御選定申し上げてお願いをした以上、中央公害対策審議会の委員の先生方の議論について、特に私、着任以来は、行政的な圧力を加えたり、あるいは政治的な配慮を求めたりしたことは、一回もございません。自主性にお任せをし、その審議にゆだねておったわけでございます。
ただ、先ほども申し上げましたように、いろいろ従来の経過にかんがみまして、三木総理が特に、中央公害対策審議会の総会あるいはその他の手続によって、さらに慎重に審議をしてもらいたいという御指示に基づきまして、和達会長ともいろいろお話をして、その後先ほど申し上げたような慎重な手続をとっていただいたわけでございます。
十二月の九日以後のことについては詳細存じておりますが、それ以前のことにつきましては、私は詳細に存じておりません。ただ、もしそういうようなことがありとすれば、将来専門委員会のあり方等について十分検討をいたしてまいりたいと思います。
この発言だけを見る →ただ、先ほども申し上げましたように、いろいろ従来の経過にかんがみまして、三木総理が特に、中央公害対策審議会の総会あるいはその他の手続によって、さらに慎重に審議をしてもらいたいという御指示に基づきまして、和達会長ともいろいろお話をして、その後先ほど申し上げたような慎重な手続をとっていただいたわけでございます。
十二月の九日以後のことについては詳細存じておりますが、それ以前のことにつきましては、私は詳細に存じておりません。ただ、もしそういうようなことがありとすれば、将来専門委員会のあり方等について十分検討をいたしてまいりたいと思います。
不
不破哲三#14
○不破委員 つまり、自動車公害専門委員会は企業の判断やデータをうのみにした、政府はこの自動車公害専門委員会の結論をうのみにしたということだと思うのです。いま大気部会とか総合部会とか言われましたが、恐らく総合部会に参加されている皆さん、大気部会に参加されている皆さんも、一番肝心の審議をゆだねた専門委員会がこのような状態であったということは何ら報告も受けないし、知らないで討論に参加している。客観的な学者が技術的に検討して、〇・八五以下は絶対に不可能なんだということを主張するわけですから、それを前提にして議論をされていると思うのです。だから私は先ほど、この事実を知ったら国民が怒り専門家が怒るだろうと言いましたが、公害対策審議会のその他の部会に参加して、こういう土俵の上で審議を余儀なくされた多くの諸先生方も、その気持ちは共通だと思うのです。私は、そういう点ではまさに、いま政府が決められようとしている新しい告示なるものは、それこそ国民サイドに立っていない、企業サイドに立った答申の上に基づこうとしている、これが重要だと思います。
しかも、先ほど三木総理は、五十三年度規制はできるだけ早くやりたい、できたらもっと早くするように努力したいということを言われました。ところが、この十二月五日に討論をされている中身を見ますと、それこそ自動車工業会の代表である家本委員から、五十三年度規制に関しても猛烈な抵抗が出ている。五十四年度にしろ、五十四年度にしたって次の暫定値しか出ないのだ、しかし、それでも五十三年度よりは五十四年度に延ばしたほうがよろしいということが言われていますし、この討論の中で、八田委員長自体が、五十三年でよろしい、しかしまた五十三年——このとおり読みますと「五十三年度にせざるを得ない。その時点でまた暫定値」を決めよう、こういうことかちゃんとこの専門委員会の中では議論されているわけであります。
つまり、五十三年度まで延ばして、五十三年度に努力する見通しもなければその姿勢もない。当然五十一年度を五十二年度に延ばしたら、また次の暫定値、〇・八五を〇・七五にするか知りませんが、そういうものを考えて時を過ごそうではないか、そういうことを議事録にとどめておこうとか、そういうやりとりが平気でやられております。それからまた、もう一つ大事な問題は、運輸省がやる実際の生産された自動車の点検、それの枠を緩めようじゃないか、暫定値をつくっても、ばらつきを広く見れば多少排気ガスの多いものでも認められるようになる、この暫定値をやるんだったら、ばらつきを広く認めてもらいたい、そういうことが平気で議論をされて、それもお互いに記録にとどめておきましょう。つまり、五十三年度という期限の問題に関しても、暫定値の実施の問題に関しても、まさにこの委員会は、極端な言葉を使えば、企業代表と——ちゃんと政府の代表も入っているわけです。環境庁からも入っているわけです。環境庁の責任ある役職の方の立ち会いのもとに、企業代表と専門委員会のいわば密約の場になっている、こういう委員会であります。私は、恐らくきょう初めて三木総理も、それから環境庁長官も、この資料をごらんになるのでしょうし、率直にこの資料の内容を検討してもらいたいと思うのです。そして、こういう審議に基づいて政府がやろうとしていることが、一体果たして国民サイドの結論であるかどうかということを、内閣として、もう一度根本的な再検討をしていただきたい。
そして私が求めたいのは、もちろん先ほど三木さんが言われたように、何の技術的根拠もなしに、来年四月から〇・二五をやれということを決定しようとしても、これは政府としてなかなかやれないでしょう。しかし、いまのままで放置しておいたら、先ほどの密約にあるとおり、五十三年度も危ない。五十四年度も危ない。結局のところ、大企業サイドで、この〇・二五という政府がわざわざ決めた目標が、無期延期をされるのは確実であります。
だから、私がここで総理に求めたいのは、本当の意味で資本から独立した公害対策審議会、そしてその自動車専門委員会、全く資本から独立して、わざわざエンジンの専門家を呼んでこないとわからないような、そういう委員会ではなしに、企業代表の入らない、ちゃんと十分な学識経験を持って、そして自治体の代表や住民の代表も入るような、そういう委員会を改めてつくって、この問題の抜本的再検討を三木内閣のもとでやってもらいたい、この問題であります。あの答申に基づいて三木さんが新しい告示を出されるとすれば、それこそ前内閣以来の企業サイドの汚名をそのまま承知の上で引き継ぐことになるでしょう。それをやらないで、改めて御破算にして、抜本的な再検討をやっていただきたい。これが私の三木内閣に対する要望であります。その点、総理の率直な見解を求めたいと思います。
この発言だけを見る →しかも、先ほど三木総理は、五十三年度規制はできるだけ早くやりたい、できたらもっと早くするように努力したいということを言われました。ところが、この十二月五日に討論をされている中身を見ますと、それこそ自動車工業会の代表である家本委員から、五十三年度規制に関しても猛烈な抵抗が出ている。五十四年度にしろ、五十四年度にしたって次の暫定値しか出ないのだ、しかし、それでも五十三年度よりは五十四年度に延ばしたほうがよろしいということが言われていますし、この討論の中で、八田委員長自体が、五十三年でよろしい、しかしまた五十三年——このとおり読みますと「五十三年度にせざるを得ない。その時点でまた暫定値」を決めよう、こういうことかちゃんとこの専門委員会の中では議論されているわけであります。
つまり、五十三年度まで延ばして、五十三年度に努力する見通しもなければその姿勢もない。当然五十一年度を五十二年度に延ばしたら、また次の暫定値、〇・八五を〇・七五にするか知りませんが、そういうものを考えて時を過ごそうではないか、そういうことを議事録にとどめておこうとか、そういうやりとりが平気でやられております。それからまた、もう一つ大事な問題は、運輸省がやる実際の生産された自動車の点検、それの枠を緩めようじゃないか、暫定値をつくっても、ばらつきを広く見れば多少排気ガスの多いものでも認められるようになる、この暫定値をやるんだったら、ばらつきを広く認めてもらいたい、そういうことが平気で議論をされて、それもお互いに記録にとどめておきましょう。つまり、五十三年度という期限の問題に関しても、暫定値の実施の問題に関しても、まさにこの委員会は、極端な言葉を使えば、企業代表と——ちゃんと政府の代表も入っているわけです。環境庁からも入っているわけです。環境庁の責任ある役職の方の立ち会いのもとに、企業代表と専門委員会のいわば密約の場になっている、こういう委員会であります。私は、恐らくきょう初めて三木総理も、それから環境庁長官も、この資料をごらんになるのでしょうし、率直にこの資料の内容を検討してもらいたいと思うのです。そして、こういう審議に基づいて政府がやろうとしていることが、一体果たして国民サイドの結論であるかどうかということを、内閣として、もう一度根本的な再検討をしていただきたい。
そして私が求めたいのは、もちろん先ほど三木さんが言われたように、何の技術的根拠もなしに、来年四月から〇・二五をやれということを決定しようとしても、これは政府としてなかなかやれないでしょう。しかし、いまのままで放置しておいたら、先ほどの密約にあるとおり、五十三年度も危ない。五十四年度も危ない。結局のところ、大企業サイドで、この〇・二五という政府がわざわざ決めた目標が、無期延期をされるのは確実であります。
だから、私がここで総理に求めたいのは、本当の意味で資本から独立した公害対策審議会、そしてその自動車専門委員会、全く資本から独立して、わざわざエンジンの専門家を呼んでこないとわからないような、そういう委員会ではなしに、企業代表の入らない、ちゃんと十分な学識経験を持って、そして自治体の代表や住民の代表も入るような、そういう委員会を改めてつくって、この問題の抜本的再検討を三木内閣のもとでやってもらいたい、この問題であります。あの答申に基づいて三木さんが新しい告示を出されるとすれば、それこそ前内閣以来の企業サイドの汚名をそのまま承知の上で引き継ぐことになるでしょう。それをやらないで、改めて御破算にして、抜本的な再検討をやっていただきたい。これが私の三木内閣に対する要望であります。その点、総理の率直な見解を求めたいと思います。
三
三木武夫#15
○三木内閣総理大臣 国民の生命、健康を守るということは、これはもう政治の基本でありますから、いろいろ御指摘になりまして、こういう会議録もちょうだいいたしたわけでありますから、委員会の運営というものに対しては十分検討いたします。それは、メーカーなどに対しては、必要があるときには参考人として呼んだらいいので、やはり国民の生命を扱う問題を取り扱う委員会というものは、いやしくも国民に企業サイドに立つような印象を与えることはよろしくない。委員会のあり方等にも検討を加えます。
しかし、この委員会が全く企業サイドに立って決定したというようには私は考えてはおりませんが、いろいろこういう会議録など、いま御指摘になったようなことを見ますと、やはり委員会のあり方というものは検討する必要があるということは感じますので、十分検討さしていただきたいと思います。
この発言だけを見る →しかし、この委員会が全く企業サイドに立って決定したというようには私は考えてはおりませんが、いろいろこういう会議録など、いま御指摘になったようなことを見ますと、やはり委員会のあり方というものは検討する必要があるということは感じますので、十分検討さしていただきたいと思います。
不
不破哲三#16
○不破委員 私が伺っているのは、そのこととあわせて、五十一年度規制を新しいそういう委員会で抜本的に再検討し直してもらいたい。この審議に基づく答申をそのままうのみにして、政府が告示を強行するつもりか。それとも、いますぐやり直すとは言えないでも、こういう議事録を検討されて、内閣として責任をもって再検討する必要があるかどうかの態度を改めて決めてもらいたいという点であります。
この発言だけを見る →三
三木武夫#17
○三木内閣総理大臣 中公審の委員は、不破さん御承知のように各方面の方が入っておるわけです。いろいろ専門委員会の方で技術的なことは検討するにしても、いま言った学者の人も十分入っていられますし、労働組合からも、あるいは地方自治体の代表もお入りになっておるし、九十名ばかりだと思いますが、大変な人々が寄って、何日もかけてこれは認めるということになったので、いま申した五十一年度規制をもう一遍やり直す考えはございません。
しかし、今後のあり方については、十分な検討を加えて、できる限り国民の疑惑を招かないような委員会の運営のあり方にするということは検討を加えるというお約束をしましたが、中公審が決めたものを、もう一遍これを白紙に戻して再検討するということはできないことを申し上げます。
この発言だけを見る →しかし、今後のあり方については、十分な検討を加えて、できる限り国民の疑惑を招かないような委員会の運営のあり方にするということは検討を加えるというお約束をしましたが、中公審が決めたものを、もう一遍これを白紙に戻して再検討するということはできないことを申し上げます。
不
不破哲三#18
○不破委員 そう言われますが、一たん中公審が決めたものを再諮問を決めたのは昨年ですよ。つまり、中公審が一遍決めたものが絶対変えられないものであるならば、何であなた方は昨年再諮問したのですか。つまり、事情が変われば再諮問できるというのは、あなた方みずから実行したことじゃありませんか。だから、その審議の経過についてこういう疑義がある。しょっちゅう総合部会や大気部会のことが出ますが、恐らくその方々はこういう審議の経過には責任がないはずです。その大もとである自動車公害専門委員会の審議の経過に、私がこういう疑惑を証拠をもって提示しているわけですから、改めてその問題について再諮問する必要があるかどうか、内閣として検討するのは当然じゃありませんか。私は、内閣の検討を経ないで、ここで三木さんに即答しろとは言っておりません。これもお読みになっておられないでしょうし、事情も聞く必要があるでしょう。しかし、この問題はそういう性格の問題ですから、それがわかりながら、あなた方がこれを強行されるとすれば、これはあなた方は同罪ということになりますよ。その点について、内閣で再検討して、去年再諮問したように、もう一度再諮問する問題について再検討する余地がないのかどうか、改めて伺いたいと思います。
この発言だけを見る →小
小沢辰男#19
○小沢国務大臣 昨年諮問いたしましたのは、再諮問ではないのであります。四十七年に中間答申をいただきましたときには、理想的なリードラインというものを中公審からいただきまして、そしてあれは大気汚染防止法の十九条に基づく許容限度の告示ではありませんで、それはよく今後の状況を見て決定をすることにいたしまして、とりあえず理想的なリードラインというものを、国家行政組織法に基づく環境庁長官としての行政を今後進めていく方針を、一つの要式行為をもって定めたものでございます。したがいまして、昨年の諮問は、そういう行政方針というものにのっとって、技術開発の現状から見ていかなる規制値を決めるべきかということについての考え方から、諮問をいたしたわけでございますので、再諮問ではございません。
御承知のとおり、先生も最近の新聞でお読みのように、アメリカにおいても、触媒法そのものについても一部からいろいろな疑義が生じております。この排ガス規制の技術的な開発の状況というものは、世界的にまだ非常におくれているわけでございます。私どもは、今年も研究費をうんと増額しまして、何とかして公害防止の技術を各方面にわたって検討しなければならないと考えておるわけでございます。したがって、国民の健康を守る立場から、私どもが世界に例を見ないこんな厳しい規制値を考えて、その実行を求めているわけでございますので、とりあえずはこれでひとつ暫定値としてやらせていただきまして、将来技術開発を、政府においても中公審の条件にありますから、ひとつうんと進めていく。あるいは、それだけでは健康を守る、大気の汚染状況というものを改善していくということはできませんので、総量規制なり、あるいは税制の対策なりによりまして、中古車の問題も解決をするなり、あるいはいままで規制の対象でなかったトラック等の規制を強化しまして、所期の目的を上げるようにしてまいりたいと考えております。
〔委員長退席、小山(長)委員長代理着席〕
この発言だけを見る →御承知のとおり、先生も最近の新聞でお読みのように、アメリカにおいても、触媒法そのものについても一部からいろいろな疑義が生じております。この排ガス規制の技術的な開発の状況というものは、世界的にまだ非常におくれているわけでございます。私どもは、今年も研究費をうんと増額しまして、何とかして公害防止の技術を各方面にわたって検討しなければならないと考えておるわけでございます。したがって、国民の健康を守る立場から、私どもが世界に例を見ないこんな厳しい規制値を考えて、その実行を求めているわけでございますので、とりあえずはこれでひとつ暫定値としてやらせていただきまして、将来技術開発を、政府においても中公審の条件にありますから、ひとつうんと進めていく。あるいは、それだけでは健康を守る、大気の汚染状況というものを改善していくということはできませんので、総量規制なり、あるいは税制の対策なりによりまして、中古車の問題も解決をするなり、あるいはいままで規制の対象でなかったトラック等の規制を強化しまして、所期の目的を上げるようにしてまいりたいと考えております。
〔委員長退席、小山(長)委員長代理着席〕
不
不破哲三#20
○不破委員 そう言われますが、三年前に決めたときには、今度決めるときには「許容限度の設定年次をいたずらに遅らせることは厳に避けるとともに、技術的に可能なかぎり最もきびしい許容限度の設定を行なうものとする。」それで諮問されたわけでしょう。私は、その諮問のとおり、内容が、果たして「技術的に可能なかぎり最もきびしい許容限度の設定」を、資本から独立した立場で追求したのかどうかということを言っているわけであります。そうじゃないということに関して、私は資料を挙げて政府に求めているわけであります。そのことが明らかになった段階でも、今度の中公審の答申はこの「技術的に可能なかぎり最もきびしい許容限度の設定」を行ったものであると、あえて三木内閣が判定をされるなら、それでいいでしょう。しかし、こういう判定をされるということは、たとえどんなに具体的な事実を挙げてこれが大企業サイドであることが証明されても、三木内閣はそれをうのみにせざるを得ない、そういうことをみずから証明したことになりますよ。
私は、だから何遍も言いますが、この問題に関して、十分資料を吟味する前に即答せよとは言っていないのです。こういう資料を私どもが明らかにしましたから、果たして政府が諮問した現在の技術的状況で可能な厳しい許容限度の設定が正しく行われたものであるかどうか、そこに疑義があるかないかということについて、内閣が改めて検討するというのがあたりまえじゃないでしょうか。それをやった上で、三木総理が国会に、しかしこれは部分的なきずであるから問題ないと言われるなら結構でしょう。そういう検討もしないで、どんな事実が出ようが既定方針変わることなしというのであるならば、それは国民の目の前での三木内閣の姿勢として、それはそれとして伺いましょう。その点について総理の答弁を伺います。
この発言だけを見る →私は、だから何遍も言いますが、この問題に関して、十分資料を吟味する前に即答せよとは言っていないのです。こういう資料を私どもが明らかにしましたから、果たして政府が諮問した現在の技術的状況で可能な厳しい許容限度の設定が正しく行われたものであるかどうか、そこに疑義があるかないかということについて、内閣が改めて検討するというのがあたりまえじゃないでしょうか。それをやった上で、三木総理が国会に、しかしこれは部分的なきずであるから問題ないと言われるなら結構でしょう。そういう検討もしないで、どんな事実が出ようが既定方針変わることなしというのであるならば、それは国民の目の前での三木内閣の姿勢として、それはそれとして伺いましょう。その点について総理の答弁を伺います。
三
三木武夫#21
○三木内閣総理大臣 御承知のように、中公審というものは、もうあらゆる人々が入って検討をしたわけです。そういう中公審が、それは総合部会のいろいろな結論も根拠にはなっておるでしょうが、そして結論が出て、それに附帯決議をつけて、その附帯決議に沿うて関係の閣僚会議まで設けて、附帯決議の趣旨に沿うて今後あらゆる総合的な面から対策を立てようとしておるのですから、いま不破さんの質問に、それまでした一つの五十一年度規制を、私がいま、これを変えますとか再検討をするとか言うことは、それは不破さんがお考えになっても、無理な御注文であることはわかると思う。
しかし政府としては、政府の考えておることは、国民の生命、健康というものを守るということを第一義的に考えようという姿勢は変わらないのですから、こういう問題について重大な関心を持って検討を続けることはいたします。けれども、いまここで、その五十一年度規制を変更するという意思を総理大臣から申し上げることは適当でない。そういうことは考えておりません。検討はいたします。
この発言だけを見る →しかし政府としては、政府の考えておることは、国民の生命、健康というものを守るということを第一義的に考えようという姿勢は変わらないのですから、こういう問題について重大な関心を持って検討を続けることはいたします。けれども、いまここで、その五十一年度規制を変更するという意思を総理大臣から申し上げることは適当でない。そういうことは考えておりません。検討はいたします。
不
不破哲三#22
○不破委員 三木さん誤解をされているようですが、私はここで即答せよとは言っていないのですよ。こういう材料を提供するのだから、そのことを検討して、この材料を吟味した上で、再検討する必要があるかどうか吟味をすることを求めているのですよ。それを、絶対変えない、何が起きてきてもこれは変えない。今後のことは考えるが、五十一年度は答申どおり告示するということなんですか。それとも、私が提供した資料を十分吟味いただいて、それで再検討の必要があるかないかということを、改めて内閣として判断するというようにお考えなのですか。この点だけ端的に、三本節で長くなしにお願いします。
この発言だけを見る →三
三木武夫#23
○三木内閣総理大臣 これは自動車のメーカーとしても、いろいろ生産工程などに対して設備の変更も伴わなければなりませんから、そんなに急に言って、この五十一年度規制がこれから検討してまた変わるかもしれぬというようなことは、これは非常な混乱が起こりますから、五十一年度規制というものを、いま私はここで変えるという意思はございませんが、私の願いは、国民の生命や健康を守るということを第一義的にしたいのですから、この提供されました資料は十分に検討して、そうしてそのことが今後の公害対策の上において取り入れて、あるいは反省して検討しなければならぬ点があったら、十分検討はいたしますけれども、五十一年度規制というものに対して、いま私は変更する意思は持っていない。しかし、この与えられた資料に対しては、十分な検討を加えるということだけは約束をいたします。
この発言だけを見る →不
不破哲三#24
○不破委員 この問題になると、三木総理も非常にがんこにがんばられる。私はそれにはやっぱり背景があると思うのです。というのは、この議事録でもう一つ特徴的なことは、科学者といってもかなりの方が、技術者といってもかなりの方が、通産省あるいは運輸省、そういう政府関係の研究所の方であります。議事の内容を見ますと、この方々の意見がほとんどやはりメーカーサイドの意見になっている。つまり、先ほど通産省の話をいたしましたが、こういう国民の命にかかわる問題に関して、政府や各省庁が大部分企業サイドになってしまう。また、そうやって企業サイドで結論が出ると、新しい内閣になってもなかなか変えようとしない。この背景に、私は政治姿勢の問題、政治献金の問題を考えざるを得ないわけであります。
この問題に関して、自動車工業会がどれだけの政治献金をしているかということを、私、独自に調べてみました。自動車工業会が理事会で各社に割り当てて決定しただけでも、四十四年七月から去年の九月までに、国民協会そのほか自民党各派に献金したものを若干入れますと、私の調べだと二十七億一千二百万円。民主社会協会に対する献金が一億九千七百万円。これは全部日本自動車工業会の理事会で決定をして、会員各社に割り当てたものであります。御参考までにこれも差し上げましょう。
その中で、これは自動車工業会自体が非常に気にしていたようでありますが、昨年の上半期の参議院選挙に向けての献金額が四億八千万円、これが非常に多いのであります。自動車工業会の代表が国会に喚問されたときに、いろいろ頭を痛めた。国民協会の献金の御三家というのがある。銀行、鉄鋼、電気。ところが、銀行が四億四千万、電気が四億、それよりも大きい、御三家以上の献金を今度自動車工業会が四十九年上半期にやったというのは、排ガス規制の問題との関係を聞かれたらどうしようか、首をそろえて協議をしたという話を伺いましたが、業界自体がそういうことを気に病むぐらい、献金とこの排ガス規制の問題との関係は非常に明瞭であります。
しかも、そういう関係があるかないかは私存じませんが、まだ五十一年度規制について専門委員会で審議されている最中の十一月七日に、自民党の政調会では、五十一年度規制は経済的な観点から大いに配慮せよ、厳しくやるなということをわざわざ決めて、環境庁などに申し入れている。こういう事実を考えますと、やはりこういう問題で自民党や自民党政府が大企業サイドになるというのは、これはこの政治姿勢に関係があると見ざるを得ないわけであります。
毛利前長官は、国会でこれが問題になったときに、私はそういう自動車産業のような公害産業からは一銭も政治献金はもらうべきでないと思うと断言されたということを、私は議事録で拝見しました。もし政府が本当に大企業サイドでないという姿勢をとられるなら、政治資金の規制を立法化することは、国会の問題でいろいろありますが、しかし、三木さん自身が総裁である自民党自身の政治姿勢として、こういう公害産業からはお金はもらわぬ、これは法律を待たないでも決定できるわけであります。前長官が党を代表していないときにそういうことを言ったわけですが、自民党を代表している三木総理大臣は、クリーン三木と言われるならば、それを多少でもこの分野で証明する。自動車産業とか電力産業とか、鉄鋼産業とか石油産業とか、公害でこれから政府が大いに取り締まらなければ、国民の利益、健康の守り手と言えないという産業から、今後はわが党としては献金はもらわぬ、こういう態度をとるのが当然だと思いますが、その点について所信を伺いたいと思います。
〔小山(長)委員長代理退席、委員長着席〕
この発言だけを見る →この問題に関して、自動車工業会がどれだけの政治献金をしているかということを、私、独自に調べてみました。自動車工業会が理事会で各社に割り当てて決定しただけでも、四十四年七月から去年の九月までに、国民協会そのほか自民党各派に献金したものを若干入れますと、私の調べだと二十七億一千二百万円。民主社会協会に対する献金が一億九千七百万円。これは全部日本自動車工業会の理事会で決定をして、会員各社に割り当てたものであります。御参考までにこれも差し上げましょう。
その中で、これは自動車工業会自体が非常に気にしていたようでありますが、昨年の上半期の参議院選挙に向けての献金額が四億八千万円、これが非常に多いのであります。自動車工業会の代表が国会に喚問されたときに、いろいろ頭を痛めた。国民協会の献金の御三家というのがある。銀行、鉄鋼、電気。ところが、銀行が四億四千万、電気が四億、それよりも大きい、御三家以上の献金を今度自動車工業会が四十九年上半期にやったというのは、排ガス規制の問題との関係を聞かれたらどうしようか、首をそろえて協議をしたという話を伺いましたが、業界自体がそういうことを気に病むぐらい、献金とこの排ガス規制の問題との関係は非常に明瞭であります。
しかも、そういう関係があるかないかは私存じませんが、まだ五十一年度規制について専門委員会で審議されている最中の十一月七日に、自民党の政調会では、五十一年度規制は経済的な観点から大いに配慮せよ、厳しくやるなということをわざわざ決めて、環境庁などに申し入れている。こういう事実を考えますと、やはりこういう問題で自民党や自民党政府が大企業サイドになるというのは、これはこの政治姿勢に関係があると見ざるを得ないわけであります。
毛利前長官は、国会でこれが問題になったときに、私はそういう自動車産業のような公害産業からは一銭も政治献金はもらうべきでないと思うと断言されたということを、私は議事録で拝見しました。もし政府が本当に大企業サイドでないという姿勢をとられるなら、政治資金の規制を立法化することは、国会の問題でいろいろありますが、しかし、三木さん自身が総裁である自民党自身の政治姿勢として、こういう公害産業からはお金はもらわぬ、これは法律を待たないでも決定できるわけであります。前長官が党を代表していないときにそういうことを言ったわけですが、自民党を代表している三木総理大臣は、クリーン三木と言われるならば、それを多少でもこの分野で証明する。自動車産業とか電力産業とか、鉄鋼産業とか石油産業とか、公害でこれから政府が大いに取り締まらなければ、国民の利益、健康の守り手と言えないという産業から、今後はわが党としては献金はもらわぬ、こういう態度をとるのが当然だと思いますが、その点について所信を伺いたいと思います。
〔小山(長)委員長代理退席、委員長着席〕
三
三木武夫#25
○三木内閣総理大臣 私も相当長く環境庁長官をいたしておったわけですが、この政治献金ということは、初めて不破さんの資料で承知したんです。そんなことは頭にないわけです。企業が自民党に献金をしておるからということで、一回も意識したことはない。一回も意識したことなくて、この政治献金というものが、自民党の政治というものに対して、これを曲げて、献金をもらっておるから排気ガスの規制を緩めるというような考え方は、これは持っておりません。これはそういうこととは別個の問題として考えておるわけでございます。
また、政治資金規正法の問題については、私はこの国会に、なるべく国民の疑惑を持たれないような形の政治献金にしたいということで、せっかく政治資金規正法に対して、国会提出の法案をいま検討を加えておる途中でございます。今後の政治資金のあり方は、国民の疑惑を持たれないような形に改正をしたいと願っておるものでございます。
この発言だけを見る →また、政治資金規正法の問題については、私はこの国会に、なるべく国民の疑惑を持たれないような形の政治献金にしたいということで、せっかく政治資金規正法に対して、国会提出の法案をいま検討を加えておる途中でございます。今後の政治資金のあり方は、国民の疑惑を持たれないような形に改正をしたいと願っておるものでございます。
不
三
三木武夫#27
○三木内閣総理大臣 不破さん、いろいろとお挙げになって、鉄鋼とか、あるいは電力とか自動車、皆公害産業であるというふうに断定をされましたが、公害産業と、こういう断定はいかがかと思う。その公害は、無論、産業の面において、いろいろ煙突から煙を出せば、皆やはり公害ということに関連があるわけで、企業を皆分けて、公害産業か、しからざる産業かと分けることはいかがでしょうかね。その点は私はやはり少し、そういう分け方をするということになれば、いかにも自動車工業、鉄鋼産業なんかに働いておる人は、労働組合の人だけでも、政治献金よりも、労働組合としても、公害産業に働いておるというようなことは、やはり非常に肩身の狭い思いをするわけでございまして、どうも、そういう産業を公害産業と、こう断定することについてはいかがかと思うのでございます。
この発言だけを見る →不
不破哲三#28
○不破委員 前毛利長官は、自動車産業は公害産業だと、そう言ったわけです。つまり、田中内閣の環境庁長官よりも、三木内閣は、企業献金は悪でない、それに固執する点では後退している。これは明確であります。それは三木内閣のクリーン度をはかるものとして伺っておきましょう。
それから、いまの三木さんの答弁の中で、公害産業である自動車産業から献金をもらう問題と、労働者がそこで働いている問題を同列に非難するような発言、同列に非難さるべきだというような発言をされたのは、私は大変不見識だと思います。この問題は取り消しなさい。
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三
三木武夫#29
○三木内閣総理大臣 自動車工業を公害産業であると、こう断定して、それはやはり肩身の狭い思いをしますよ。産業は公害産業、公害産業の社員、公害産業の組合ということになってくると、何かこう肩身の狭い思いをするのじゃないでしょうか。確かに公害の面は、自動車というものは、排気ガスを通じてやはり非常に公害問題に対して周到な配慮をしなければならぬ産業であるということに、私は異存はないんですよ。しかし、産業を公害産業としからざる産業とに分けて、自動車工業、公害産業なり、こういうふうに断定するのは、不破さん、いかがでしょうか。だから政治献金の問題は、私はこの問題とは別個に、国民の疑惑を受けないような形の政治資金規正法の改正をやりたいと言っておるのであって、自動車工業を公害産業と頭から断定することには、不破さんの意見に私はどうも一致しない。
それは、自動車産業労働者に対して、私は侮辱したんじゃないですよ。だけれども、働いている人が公害産業に働いておるということになれば、何かこう肩身が狭い。一方において自動車産業のもたらしておる貢献もいろいろあるわけですから、そういう点で断定するということはいかがかと言っておるわけです。
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