小林進の発言 (予算委員会)

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○小林(進)委員 いまの外務大臣の御答弁、それがそのまま真実なものであれば、私ども非常に喜びにたえません。ぜひそうしてもらいたいと思う。いままでのもやもやの問題を洗い直す、そういうことの上に将来閣僚会議を開いて、一切きれいになった上に日韓両国国民の永遠の友好のステップを踏み出したいというなら、これは賛成です。そのための第一のもやもやが金大中事件。しかしこれ一つではありません。まず金大中問題を国民が納得する形できっぱりとしていただきたい。これは日本国民だけではありません。韓国の国民大衆もまた同じような願望を持っておるのでありますから、これは警察当局もきちっとやってもらいたい。これが宮澤答弁に対する第一の解決しなければならない問題。
 第二の問題として、あなたが本当にいままでの問題を洗い直すと言えば、第二の問題は、先ほど言われた金東雲一等書記官の問題です。この金東雲一等書記官の問題についても、国民は非常に疑惑を持っております。何で疑惑を持っているか。去年の八月十四日に、当時の在韓日本大使の例の後宮君が韓国の外相に呼ばれた。そこで金東雲一等書記官は証拠がないからシロだよと、こう三十分ばかりの間に言われて、それが済むとすぐ韓国の情報は、もはや韓国における金大中拉致事件の捜査本部は解散した、もう捜査をやめた、しかし、将来新しい証拠でも出ればその時点で韓国は考えるが、これはもうこれで解決だ、こういうふうにやった。くどいようですが言いますよ。それが八月の十四日だ。その後の次の十五日に何が起こりましたか。その翌日の八月十五日に何が起こりましたか。いわゆる文世光による朴夫人の狙撃事件が起きた。余りにもタイミングが合い過ぎるじゃないか。国民はみんな疑っておりますよ。もし八月十四日に、日本の警察が金東雲一等書記官の指紋までもとらえたこの嚇々たる犯罪事実を、韓国は一方的に、これはシロでございます、証拠はありませんから、捜査をやめましたと言ってくれば、八月十五日における日本国内の世論や国民の怒りが、それは日本国内じゅうを覆い隠しましたよ。日本国民は挙げてこの不信に基づいて、韓国政府の一方的な回答に対しての怒りが爆発したでしょう。その爆発するという八月十五日に朴大統領夫人の狙撃事件が起きたのだから、舞台はくるっと変わってしまった。今度その翌日になったら、韓国側は日本に向けて、この朴夫人を殺した文世光は日本に住んでいたのだ、日本の警察のピストルを盗んだのだ、日本は陳謝に来い、わが大統領の夫人を殺したことに対しては日本政府も日本国民の責任があるから陳謝に来いと言って、主客が転倒してしまった。今度は日本が謝ったり、イチャモンをつけられたり、あるいは被告の立場に立つという状態に一夜にして変わってしまった。あまり物事のできぐあいがいいじゃないかというのが国民の世論である。また国民が深い疑惑を残しているもとなんであります。
 そこで、次の問題点。一体、金東雲一等書記官の問題もわれわれはどうしても了承をすることができないが、それと文世光の問題をなぜ切りかえしてしまわなければならぬのかという問題。金東雲一等書記官の問題は、金東雲一等書記官の問題としてあくまで追及すべきである。朴大統領の陸夫人を撃った文世光の問題は文世光の問題として、これを徹底的に真実を追及していただけばよろしい。だから金東雲の問題も、あなたの答弁が真実ならば、これを解決してください。
 第三の問題は、いま私が言った文世光の問題だ。この問題についても、外務当局、警察当局の明快な回答を得なければ、日韓会談は私は軌道に乗せることはできないと思う。第三点として、文世光事件についてまず椎名副総裁の訪韓の問題から私は御質問申し上げたい。
 椎名氏は、昨年の九月十九日、政府の特使として韓国を訪問された。そして朴大統領と会談された。当時の首相田中氏の親書を手渡しするとともに、六項目のメモなるものを差し出された。そのメモは、新聞の報道によれば、陸大統領夫人の悲劇的最期について謹んで哀悼の意を表する、これが一項目。第二項目として、日本政府としても、狙撃事件の犯人が日本政府発行の旅券を入手したこと、日本の警察のピストルが盗まれたことなど、犯行の準備が日本国内で行われた点についてはそれなりの責任を感ずるものであり、遺憾の意を表する。第三点、事件は繰り返されてはならず、日本政府は再発防止に最善を尽くす。第四点、日本政府としても捜査を行っているが、韓国側の協力を得てさらに事実の究明を行い、その結果に応じて必要な措置をとる。法を犯した者に対しては厳正に処罰をする。五点、韓国政府の転覆を意図する犯罪行為や要人へのテロ活動は厳正に取り締まる。これは朝鮮総連など団体構成員であると否とを問わず、犯罪行為を取り締まるということだ。第六点、今回の事件によって日韓関係が危うくなることは日韓両国いずれにとっても利益にならない。両国政府は、相互の関係を強固な基盤の上に置くよう努力すべきだという内容であります。
 この椎名メモについて私は質問いたしますが、事件の真相が明らかになっていないというのに、田中総理の訪韓に続いて政府特使を重ねて送るという、史上類例のない外交処置をとった、その外務省の判断は一体何か。これが一つであります。韓国政府は特使派遣を要求し、さらには特使の人選についてまで要求してきたという。まあこれは新聞報道でありまするが、それは一体事実かどうか。二点であります。政府は、こういう韓国政府の要求を内政干渉と一体考えないのかどうか。また、世界の外交慣例から見ても当然な要求と見ているのかどうか。以上について外相の答弁をお願いしたい。

発言情報

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発言者: 小林進

speaker_id: 8598

日付: 1975-03-04

院: 衆議院

会議名: 予算委員会