大平正芳の発言 (大蔵委員会)

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○大平国務大臣 今度の会議は、フランスの大統領がフランス以外の五カ国の首脳にあてて正式の招請をされたのでございまして、それには外務大臣と大蔵大臣も御帯同願いたいという招請状でございまして、これに応じまして六カ国は、首脳のほかにこの両大臣が一人残らず出席をいたしておりました。これは国際儀礼上の問題として当然のことと思いまするし、また、招集者がこの会議に期待をいたしたことに対して招集を受けた者がこれに対して十分こたえる態勢として私は当然だと思うのでございます。したがって、三木総理がみずから御出席になるばかりでなく、宮澤君と私に同行を命じたことも当然のことと思います。
 しかし、私は同時に、松浦さん御案内のように両院に非常に重要な法案を提出し、御審議をいただいております責任大臣でございます。国会は、先ほども申しましたように、国会の御審議はわれわれにとって第一義的な問題でございます。したがって、国会の御判断で、いかに重要な国際会議でございましても行っちゃいけないということになりましたならば、やめるつもりであったわけでございます。したがって、三木総理には、あなたがわれわれを帯同したいということはよくわかる、けれども、これは国会の御判断を求めてもらいたいということを私はつけ加えて申し上げてあったはずでございます。したがって、内閣は国会の方といろいろ御協議をいただいたようでございまして、国会の御審議の都合で途中でトンボ返りでお帰りいただくかもしれないという了解の上で羽田を立っていったわけでございます。途中、果たせるかな、内閣を通じまして国会の方の御審議があるということでございましたので、フランス初め各国の首脳に了解を得まして帰ってまいったのが私の立場でございます。
 それから第二の御質問でございますが、今度の通貨問題に対するランブイエ会談の関係でございますが、通貨問題というのには、松浦さんも御案内のとおり二つありまして、一つは、現在の変動相場制のもとにおける為替相場の変動幅をできるだけ少ないようにしよう、つまり安定化を図っていこうという問題があるわけでございます。それからもう一つは、現行のIMFの協定の改正問題があるわけでございます。
 で、前者につきましては、今日全面的なフロート制になり、ここ最近の経験では、ずいぶん相場の変動が激しくて、世界の経済活動が阻害をされている面がないとは言えない、したがって、各国の努力によりましてこれをできるだけ安定さそうじゃないかということで、六カ国の首脳の意見は一致したわけでございます。しかし、これは何も一つの標準のレートを考えて、それに近づけるべく努力しようというようなことではなくて、通貨当局が必要なときに介入いたしまして、できるだけ変動の幅を少なくしようという紳士的な約束をいたしたということでございまして、そのことがランブイエ宣言にもうたわれてありますことは御案内のとおりでございます。
 それから第二の、IMFの協定改正問題というのは、もともと前々からあった問題でございます。IMF協定は、金ドルをベースにして、固定相場制を軸にしてつくられてある協定でございまして、変動相場制というのは緊急避難の場合しか認められていないことでございますが、現実にはもうIMFの協定から実態は離れてしまっておるというのが今日の姿でございますので、この場合、IMFの協定上変動相場制も認めるべきじゃないかという主張をアメリカは従来しておったわけでございます。
 で、その問題が前から尾を引いておったわけでございますが、今度米仏両国の間で、以前のような対立とか距離というようなものが大体埋められまして、為替の安定に協力しようじゃないかという機運が盛り上がり、各国がそれを非常に評価しておりますことは御案内のとおりでございまして、米仏両国が、この協定の改正問題についてはアメリカもアクセプトできる、フランスもアクセプトできる案はこんな案じゃなかろうかというようなものを両国で相談したことは事実のようでございまして、このことを蔵相代理会議で口頭で御披露になったようでございます。
 しかし、これはあくまでも両国の間の合意、一応の考え方が合致しておるということでございまして、IMFの協定は両国だけでできる相談じゃないので、これから各国が協議いたしまして、手順を経て改正に持っていかなければいかぬわけでございまして、世上で秘密協定が云々とか、頭越しで云々とか言っているのは、私はそのことを言っているんじゃないかと思いますが、そういう意味で、従来対立しておると言われておった両国がそういう歩み寄りを見せたことは、私は歓迎すべきことと思って見ておるわけでございます。

発言情報

speech_id: 107604629X00419751119_013

発言者: 大平正芳

speaker_id: 28089

日付: 1975-11-19

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会