丸山昂の発言 (内閣委員会)

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○丸山政府委員 一九八〇年代におきますわが国に対する空の脅威という点についての一応の想定を基本にいたしまして、これに対応できる主力要撃機の選定ということになるわけでございまして、ただいま先生のおっしゃったとおりに、最近の戦闘機の傾向といたしましては、いわゆるACF、エア・コンバット・ファイターという形に切りかわりつつある。かつていわゆるゼロ戦などでございましたように、空中戦闘というものが戦闘機の主要な能力であったわけでございますが、そのうちに航空機のスピードがマッハ二近くになってまいりますと、目で見て戦う空中戦ではなくなりまして、レーダーで探ってこれに対応するということになってまいりました。それが結論的には対戦闘機能力というものの必要性がまた強調されてきておるわけでございます。それはただいま先生の御指摘のとおりでございます。
 そこで、先ほどヨーロッパの機種のお話がございましたが、ヨーロッパの機種の開発につきましても、大体、その国の特殊事情から次期主力戦闘機についての思想は多少変わっておるようでございます。たとえば例を挙げて申し上げますと、スウェーデンのサーブスカニアのやりますビゲンでございますが、これはインターセプターと申しますよりはむしろ対地支援、先方に攻め入って先方を攻撃するという、近接戦闘支援ではございませんで、先方に攻撃して入る一種の攻撃機的な機能というものを重視しておるように聞いております。それからミラージュにつきましては、大体制空戦闘機としての機能、したがいまして、これについては当然エアコンバットの能力も重視されるというような状況のようでございます。それからパナビアでやっておりますMRCAでございますが、これはイギリスの場合には日本と同じようにやはり要撃機的な能力ということを主体に考えておりますし、ドイツの場合には攻撃機あるいは対地支援を主たるねらいとしておる。それからイタリアはこの同じ飛行機について制空戦闘機的な期待を持っておるようでございます。それがこの航空機の開発の一つの障害にもなっておるようでございます。各国がそれぞれ期待する機能が違うという点が共同開発のなかなかむずかしい問題でございますけれども、そういう点があるようでございます。
 そこでわが国の場合に、それでは一体何を期待するのかということになるわけでございますが、わが国はまず第一番目に、御案内のように憲法の制約があるわけでございます。あくまでもやはり受けて立つ専守防衛という立場から考えますと、要撃戦闘機ということがわが国で望まれる一番大きな機能であるというふうに考えるのでございます。そこで、この対象になります。相手になりますのは、わが国に侵攻する爆撃機、それと戦闘爆撃機、あるいはそれを支援をいたします戦闘機ということになってまいると思うのでございます。爆撃機は、御案内のように相当速力は早くはなっておりますけれども、要撃機との対比においては十分これを捕捉できるという態勢にあるわけでございます。
 ただ問題は、これからの八〇年代で一番問題になってまいります低空高速侵入ということに対して、現在のF4を含めまして、当方にはこういった点についての非常に大きな欠陥があるわけでございまして、こういった点をカバーできる能力を持っておらなければならない。また同時に、ACFとしての、エアコンバットとしての能力、具体的には翼面荷重の問題とか、いわゆる操縦性、運動性においてすぐれるものであるというものでなければならないというふうに考えておるわけでございまして、私どもの立場で現在先生に御説明できるのは大体そういったところでございますが、これも先ほど来繰り返して申し上げますように、空幕におきます最終的な結論と申しますか、こういったものが出ませんとはっきりしたことを申し上げるということができない状態にあるわけでございます。

発言情報

speech_id: 107604889X01019751216_024

発言者: 丸山昂

speaker_id: 18794

日付: 1975-12-16

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会