高沢寅男の発言 (大蔵委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○高沢委員 大臣に私、やはり最初の導入部分ですから、少し基本的なことをお尋ねしたいのですが、昭和四十年、四十一年ごろ、ちょうど国債の本格的な発行が始まったころに、こういうような議論があったことは御承知だと思うのです。企業もそれぞれ赤字でみんな借金しておる。家計もみんな赤字で借金しておる。ところが、国だけは借金をしていない。そこで、もうここら辺で国も借金すべきだ。そして国が借金をするその分でいわば減税もやって、企業や家計が黒字になるようにさしたらどうだというような議論があったことを、私は記憶するわけなんです。これはお名前を言えば、当時の福田大蔵大臣の御意見であったわけなんですね。つまり、いまや国が国債を出して借金をする時代に来たんだ、その分で今度は企業も家計も借金をする必要のないような状態をつくるんだ、こういう御議論だったわけですが、それからずっと国債の発行が毎年なされて今日まで来た。
 その結果いまはどうなっているかといえば、企業、この場合の企業というのは大企業ということになりますが、これは確かに高度成長の時代の中で収益も非常に大きくなりましたし、また資産の蓄積もされた。しかし借金はどうかというと、やはり借金はされています。これはうちの堀政審会長の議論でもありましたが、今日のわが国の企業の借入金というものは諸外国の資本主義の国と比べて非常に問題があるというふうなことに指摘されますが、しかし、その借入金は、いまのようなインフレ経済の時代には、これはまさに債務者利得ということにもつながるというようなことで、確かに企業の場合には借金はあるかもしれないけれども、それはむしろその企業にとっては大きな利益の源泉になっておるというふうな状態であると思うわけです。それに対して家計の方は、もう申すまでもなくインフレと物価の上昇の中で大変に苦しい、赤字の状態にある。しかもそのわずかな家計の中で蓄積をしている預貯金もインフレの結果目減りをするというような状態に置かれておる。一方、国の方はどうかといえば、これは国それから地方自治体も含めて大変な借金財政、赤字財政というような状態になっているわけです。
 ですから、昭和四十、四十一年ごろに、国が借金をすることによってもう少し企業を楽にさせようと言われた福田さんの御意見は、企業に関しては確かにそうなった。しかし、家計は全くそういうふうになっていないし、それから国や地方自治体の財政はとんでもないことになってきておるというのが今日の姿ではないかと思いますが、こういうふうなここ十年以上のわが国の経済、財政の大きな流れというものが来て、これから先どうなるかというのがいま議論されている焦点です。
 私は、いま大臣に、こういうふうな過去の経過に対してあるいはその十年以前の当時の福田さんのこういう御意見に対してどういう所感を持たれるか、それをまずお聞きをしたいと思うのです。

発言情報

speech_id: 107704629X01119760511_058

発言者: 高沢寅男

speaker_id: 6418

日付: 1976-05-11

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会