八木昇の発言 (法務委員会)
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○八木委員 いわゆる狭山事件について若干の質問をいたしたいと思うのでございます。
この狭山事件につきましては、裁判の公正を求めるということで各地方自治体でも相当多数の決議等がなされ、そしてこの事件については多くの問題があるということで、私どもは問題にしておるのでございますけれども、一口に言えば、予断と差別による違法捜査を初めから警察当局がやっておると私は考えております。しかも、一、二審の判決は、そのような予断と差別による違法捜査の結果持ち出してきました起訴内容を全面的に支持し、擁護しておる。私は、憲法違反であると実は考えておるのでございます。事件の内容につきましては、すでに政府当局でも概要は御承知だと思いますので、あらかじめ余り多く説明する必要はないかと思うのでございますけれども、若干申し上げてみたいと思います。
五月の一日の夕刻ごろ、狭山市におきまして中田善枝さんが殺害をされたという事件でございます。その後、死体が発見をされたのですけれども、中田善枝さんが通学をしていた入間川分校、それから未解放部落がございます菅原四丁目、江田昭二宅、佐野屋、そして石田養豚場、中田善枝さん宅、これがずっとほぼ一線につながっており、そして死体発見現場とも近い。そして中田善枝さんを殺害をしましてから、犯人が中田さんのお父さんに、金二十万円を持ってこい、五月二日の午前零時に佐野屋のところに持ってこいという脅迫状を送りまして、しかもそのときに警察当局は取り逃がしておる。その佐野屋のすぐ近くに石田養豚場があるというようなことから、もう最初からねらいを石田養豚場の三兄弟につけ、そしてその後そのアリバイが証明されるや、今度は石川兄弟にねらいをつけ、そうして予断と差別、偏見を持ってあらかじめ捜査をやった、こういうふうに言わざるを得ないのでございます。それはその当時の警察当局のいろいろな発表から私どもは判断をされるのでございまして、すでに犯人逮捕間近、もうちゃんと見当はついている、こういうようなことを事件発生後間もなく公然と警察当局は言っておるわけでございます。
ところで、お伺いをいたしたいのでございますけれども、そういうような予断と偏見を持って捜査をやったと私どもは考えるのでございますが、石川一雄さんを逮捕いたしまして、そうしていろいろな形で自白を強要しておるという疑いはきわめて濃厚でございますが、その取り調べの中で殺人現場やその他を図面でもって示させておるわけです。図面をかかせておるわけでございます。その図面に筆圧痕がございます。後で申し上げますけれども、二枚ざら紙を重ねまして、上の方で図面をかいて、そうして二枚目に薄い筋が写りますが、その上をなぞらせておる、こういうことがあるのでございます。私は、一般論としてこの際はお伺いをいたしますが、要するに、一つの薄い筋なら筋を引きまして、その上を鉛筆でずっとなぞらせて図面等をかかせる、そのようなやり方をやることは、警察のやり方として正当であるかどうか、その点をまず、警察庁の方にお伺いをいたします。