八木昇の発言 (法務委員会)
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○八木委員 私も、当然そんなことはあろうはずもないと思うし、それはいわゆる自白の、あるいは供述の任意性を全く踏みにじるものでありまして、虚偽あるいは架空のものである、かように考えるのでございます。ところが事実あったわけですね。
御承知だと思いますけれども、二審の裁判のほとんど終わり近く、最終弁論が始まるときに、地図は警察官がかいた下書きをもとにして石川さんがかいたものではないかという重大な問題提起が、弁護団からこの狭山事件についてあったわけでございます。ところが、そのときは、なるほどそういった筆圧痕があります、しかしそれは、この石川被告がかいたところの図面の写しをとるために、その鉛筆でかかれた図面の鉛筆の上を警察官が後からなぞって、そうして筆圧痕をつけたというようなことを検察側は主張をした。結果的に二審ではその主張が取り上げられたわけでございますけれども、この二審の有罪判決後、最高裁に石川さんのかいた地図を見に行った弁護団がさらに注意深くこの筆圧痕の問題を観察いたしましたところが、次のような事実に気づいたわけでございます。多くの図面に、濃い筆圧痕と並行をいたしまして全然別のもう一本の薄い筆圧痕があるということを発見したわけでございます。そのことは石川君本人が主張をしておるのでございますけれども、ざら紙二枚を敷いて上の方から遠藤警部が図面をかき、下の方の紙に写った薄い筆圧痕をなぞらされて図面をかかされたと本人は言っておるのですが、まさにそのとおり、ぴたりこれが裏づけられておるわけでございます。
でございまするから、最初の濃いものは、検察当局が言いますように、かかれましたところのものを後でその鉛筆の筋の上を筆圧痕をつけたものといたしましても、もう一つの薄い筋、これが問題であって、その薄い筋をあらかじめ警察当局がつけて、そうしてその上を鉛筆でなぞらせた、こういうことが明らかであると私は思います。と言いますのは、今度最高裁に上告趣意書を弁護団が出しておりまするけれども、その中で荻野さんという人の鑑定書もつけて出しておるのでございますが、あらかじめつけられたそのような筆圧痕の上を鉛筆で筋をずっと引いていったということが明らかな証拠には、その鉛筆でずっとかいてあります筋の中が空白、白くなっている。要するに、あらかじめつけられたところのそういう筋、その上を後から鉛筆でなぞっていったということが歴然としている、こういうふうにこの荻野鑑定は言っておりますし、だれが考えてもそれはそのとおりだ、私はこういうふうに考えるわけでございます。
そこで、この際最高裁にお伺いをいたしたいと思うのでございますけれども、そのような現在起訴をされておりますところの被告にとってはまさに決定的に重要なこの問題、その他にもたくさん問題がございますけれども、このような決定的に重大な問題が新たに提起をされておるわけでございます。これらにつきましてはやはり口頭弁論、そうして事実審理、これらを行うが当然である、このように私考えるのですが、最高裁の行政当局としてはどのようにお考えでございますか。