宮崎正雄の発言 (外務委員会)
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○宮崎正雄君 日本文で、日本国だけの問題であれば日本語として国民が理解できればそれでいいわけですが、しかし問題は、これは国際的な問題です。国内で通用したって国際的に通用しなければ、これは大変なことなんです。だから、この辺の言葉の違いのようだけれども、実質的に影響するところが非常に大きいんです。
これも卑近な例を申し上げて大変失礼でございますが、この間のロッキード事件で、日本語では政府高官になっている。原文ではガバメントオフィシャルです。ガバメントオフィシャルに政府高官という意味はないんです。それを日本語で政府高官となるからこんな大問題になったわけです。それを原語どおりに翻訳されておったらこんなことに私はならなかった、相当言葉の違いというものは影響が大きいんでおろそかにできない。また、外務大臣も御苦労なさっております北方領土の問題、ソ連はもうそれは済んだと、日本はそれは済んでないんだというような論争も、これはやはりロシア語と日本語との相違からくる大きな私は問題点だと思う。そういう意味におきまして、この核防条約は日本の運命を、大げさに言うわけじゃない、われわれからいえば日本の運命を決定するかもしれない、あるいは今後二十年間日本を拘束するかもしれない。したがって、日本ではこういう解釈をしておりますと言ったところで、正文でないんですから、正文の解釈はこうだと押し切られたら、これはいかんともできない。そういう点を心配しますから。
そこでちょっと具体的に例を申し上げてみますと、この条約を翻訳してみますと、この条約は核兵器国、いまでは米ソですね、——が、みずから製造した核兵器を非核兵器国、たとえばモンゴル、韓国、西ドイツに六千発以上も拡散されておるが、その管理権を移譲しておらないからこの条約では問題にはされないのです。ところが、またもう一つ、核兵器国のA、たとえば米国が、核兵器国B、たとえばイギリスによりよい核兵器を持たせるように援助、奨励、勧誘することも、これはこの条約には抵触しないのです。ところが、いま政府がお出しになったような条約でございますと、ちょっとこれは内容が変わってくるわけです。だから日本に当てはめた場合には、アメリカから、日本が核開発といいますか、核兵器の開発、核武装することについてはこの条約は加盟すればできない。しかし、アメリカの核兵器を日本に持ち込むことは、いまは三原則とか事前協議でノーと言ってこれを拒否できる状況にあるけれども、もしも三原則がなければアメリカの核を日本に持ってきたってこの条約には抵触しない、こういう大きな差ができてくるのですよ。だから、単なるスプレッドとプロリフェレーションとの、まあ適当にこちらの方が訳がいいだろうぐらいな簡単なことでは済まされない問題だと私は思うのです。その辺はいかがなされますか。