井上吉夫の発言 (公害対策及び環境保全特別委員会)
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○井上吉夫君 条例によってすでに二十数件振動規制について実施をしている。ところが、今回提案されましたこの法律案は、そのすでに実施をしている二十数件の条例に比べてどうもその数値の面から見ましてもいわゆる甘いというような評価といいますか、そういうような見方をされる向きが非常に多いというぐあいに聞いております。
で、一体この基準値を定めるに当たりまして、中公審における部会の資料一応読みましたけれども、大体どのような考え方にその中心は置かれておって、そしてどういうようなまあ手順といいますか、そういうことによってこの数値が定められたか概略御説明を願いたいと思います。
なお、このことに関連をいたしまして、先ほど長官の説明にもありましたように、何しろ世界で初めて振動規制というのを技術的にも若干の問題がある中で先駆けて実施をすることにしたということでございまして、わが国の環境を守ろうとする環境庁の姿勢として十分評価するわけでございますけれども、基本的に一体その環境の保全というのと産業活動といいますか経済活動といいますか、そういうものの接点というのをどう求めるかということは、いわゆる開発を議論する場合にしばしば出てくる基本的な問題であります。
で、したがいまして、規制を厳しくすることによって環境は守られる。守られる方向に少なくとも大きく前進するけれども、そのために大きく現在の経済活動、企業というものが成り立たなくなるということは現実的私は政治なり行政の対応ではないというぐあいに考えるわけです。このことについて長官の御所見を承りたいわけでございますが、言うまでもなく、たとえば窒素酸化物の基準値を定め、そうしてそれを数年において逐次達成していくというそういう手法をとられたことがある。で、ところが実際問題としてそのことを目指して一生懸命努力はしたけれども、結局既定年限の中で実施が不可能だということで、そのことをまたいわゆる後退といいますか、年限延長をせざるを得ないという、そういうことが過去の実例に実際問題としてあっている。で、このことは、どちらかといえば、環境庁として自然を保護するという目標をより高く厳しく定めるということについてはこれは基本的姿勢としてうなずけるけれども、しかし、結果としてそれが実現しないということによって行政というものに対する信頼というのが損なわれるということにつながることもあり得る。そういうことを総合勘案いたしますと、この両者というものが十分に達成されるということがどうしても望ましいことだと思うのです。ただ、そのことのために、余りにもゆるくそして全然問題にならない、規制が空文に終わって中身が何の価値もないということを私は指して言うわけじゅありません。私の質問の要旨というものは十分御理解いただけたと思いますので、このことについては長官の基本的な考え方をお伺いをしたいと思います。