公害対策及び環境保全特別委員会

1976-05-19 参議院 全241発言

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会議録情報#0
昭和五十一年五月十九日(水曜日)
   午前十一時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     三治 重信君     柄谷 道一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田  進君
    理 事
                原 文兵衛君
                森下  泰君
                矢田部 理君
                小平 芳平君
    委 員
                井上 吉夫君
                上原 正吉君
                金井 元彦君
                菅野 儀作君
                藤井 丙午君
                宮田  輝君
                青木 薪次君
                粕谷 照美君
                鶴園 哲夫君
                内田 善利君
                沓脱タケ子君
                近藤 忠孝君
                柄谷 道一君
       発  議  者  小平 芳平君
   衆議院議員
       公害対策並びに
       環境保全特別委
       員長       吉田 法晴君
       公害対策並びに
       環境保全特別委
       員長代理理事   島本 虎三君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  小沢 辰男君
   政府委員
       公害等調整委員
       会事務局長    小熊 鐵雄君
       環境庁長官官房
       長        金子 太郎君
       環境庁大気保全
       局長       橋本 道夫君
       環境庁水質保全
       局長       堀川 春彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       宍倉 宗夫君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部施
       設課長      田中 和夫君
       建設省道路局企
       画課長      浅井新一郎君
       日本国有鉄道環
       境保全部長    吉村  恒君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○環境に対する影響の事前評価による開発事業等
 の規制に関する法律案(小平芳平君外一名発議)
○振動規制法案(内閣提出、衆議院送付)
○瀬戸内海環境保全臨時措置法の一部を改正する
 法律案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
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藤田進#1
○委員長(藤田進君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 振動規制法案の審査のため、来る二十一日、参考人として中央公害対策審議会騒音振動部会長五十嵐寿一君、東京都公害局規制部騒音振動課長内野光男君、大阪工業大学竹内吉弘君、全国新幹線公害反対連絡協議会事務局長中野雄介君、金沢市公害センター所長野村潔君の出席を求め、その意見る聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤田進#2
○委員長(藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
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藤田進#3
○委員長(藤田進君) 環境に対する影響の事前評価による開発事業等の規制に関する法律案を議題といたします。
 発議者から趣旨説明を聴取いたします。小平芳平君。
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小平芳平#4
○小平芳平君 ただいま議題となりました環境影響事前評価による開発事業等の規制に関する法律案につきまして提案の趣旨を御説明申し上げます。
 われわれ人間も生物の一種であって、自然の生態系の循環の一部に組み込まれ、自然と一体となってその微妙なバランスの中で生存しているのであります。
 しかるに、近代における産業の発展と科学技術の進歩の過程において、人間はこの厳粛な法則を無視し、環境受容能力の限界を超えた自然の侵奪を行い、人類みずからを含むすべての生物の生存をすら、脅かすまでに至っております。
 特にわが国においては、諸国に比べて相対的に稀少な大気、水、国土とついた環境上制約の中で、しかもパルプ、化学、鉄鋼といった汚染因子を発生しやすい産業が高い比率の経済構造下で無秩序に高度経済成長政策の遂行を急いだため、環境に対する汚染、破壊は他国に類を見ないほど深刻であって、世界各国をして日本は公害の実験国であるとまで言わせております。
 しかも、環境に対する汚染、破壊は不可視的であり、長い年にわたって隠微な中に進行し、その累積が一挙に深刻な結果を生ずるものであります。また、環境の汚染、破壊は不可逆的であって、一たび汚染、破壊が生じた場合、現在の知識や技術では復旧不可能な場合が多く、復旧し得るにしても長い年月と膨大な費用を費やさなければなりません。
 このことは開発事業の実施に当たっての事前の公害防止投資に比べれば復旧に要する社会公共的費用の支出はけた外れに膨大なものであり、国家経済的にも大きな損失であると言わねばなりません。したがって、今日における環境保全の問題は、環境の汚染、破壊の影響の深刻さ、不可視性、不可逆性を考えるならば将来起こり得るであろう汚染、破壊をいかにして未然に防止するかということに尽きるのであります。
 以上の観点から、環境の汚染、破壊を未然に防止するため、開発事業等の実施に当たっては、その計画の段階であらかじめもっぱら良好な環境を確保する見地から、特定の利益志向的な政治的圧力から遮断され、客観的、科学的データに基づき、かつ住民の意思をも直接に反映するような形で、環境影響事前評価を行うことが不可欠であり、そうした制度の確立を図るための本法案を提案いたした次第であります。
 以下、この法案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、この法案において開発事業等とは、いわゆる工業団地造成事業、都市計画事業、公有水面の埋め立て、その他政令で定める事業に係る工事、飛行場、鉄道、軌道、索道、道路、自動車道、林道、廃棄物処理施設、下水道、電気工作物、ガス工作物、核原料物質、核燃料物質の製錬、加工または再処理の施設、原子炉施設、金属製錬施設、石油精製施設、石油パイプライン、その他政令で定める施設の新設等に係る工事及び河川工事、港湾工事並びに鉱物の試掘または採掘をいうものとしております。
 第二に、環境影響事前評価とは、開発事業等について、その実施前に関係地域の自然的社会的諸条件を調査し、その調査の結果及び開発事業等の事業計画に基づき、開発事業等の実施または開発事業等の完成後の施設等の使用により開発事業等の実施の過程または将来において生ずる環境に対する影響を予測し、あわせて事業計画に含まれる環境に対する悪影響の防止策及び事業計画の代替案を比較検討して、多角的に評価することと定義しております。
 第三に、この法律案に基づく事務を推進する機構として、別に法律で定めるところにより、内閣総理大臣の所轄のもとに、両議院の同意を得て任命される委員七人をもって組織する開発事業等規制委員会を設置し、環境影響事前評価の結果に基づいて、総合的に検討し、開発事業等を適正に規制することといたしております。
 さらに、委員会にその機関として、学識経験者よりなる環境影響事前評価審査会を置き、環境影響事前評価を行わせることといたしておりますが、その審査員についても、委員会の委員と同様に両議院の同意を得て任命されることとしております。
 第四に、開発事業等を実施しようとする者は、その事業計画について、委員会の認可を受けなければならないとしております。この場合において委員会は、審査会が行う環境影響事前評価の結果に基づき、当該事業計画による開発事業等の実施または開発事業等の完成後の施設の使用によって、わが党がかねてより提案しております環境保全基本法案に規定する良好な環境の確保に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、その認可をしてはならないこととしております。
 この事業計画には、その代替案、悪影響の防止策等を記載することができることとしております。
 第五に、審査会の行う環境影響事前評価の手続においては、認可申請書等の必要な事項は、住民に周知させるために公告し、縦覧に供する等の措置を講じることとしております。
 第六に、認可申請人、関係地域の住民及び環境保全団体は、いつでも環境影響事前評価の手続に参与人として参与することができることとし、参与人は、審査において、意見を陳述し、書類その他の物件を提出することができ、また、参与人相互の陳述と参考人の陳情を求めることなどができることとしております。
 第七に、審査会は環境影響事前評価に関して必要な調査事項及びその調査方法を定め、これに従って調査することとなっております。また、参与人は調査事項またはその調査方法の決定または変更について、審査会に対し異議を申し立てることができることとしております。
 第八に、審査は、審査長の指揮のもとに公開して行われることとしております。
 第九に、事案が環境影響事前評価をするに熟したと認めるときは、審査会は文書をもって環境影響事前評価を行い、これを公表することとしております。
 第十に、審査会は、認可を受けた開発事業等についても事後的にその環境に対する影響を調査することができることとし、その結果に基づき、委員会は良好な環境の確保に支障を生じていると認めるときまたは生ずるおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、当該開発事業等の実施の停止や当該事業計画の変更を命じ、認可を取り消し、または原状回復その他の必要な措置を講ずべき旨を命ずることができることとしております。
 第十一に、環境影響事前評価に不服がある場合は、参与人その他の関係者は、訴えを提起することができることとしております。
 第十二に、この法律に定めるもののほか、開発事業等の規制、審査過程における事業計画の変更を含む環境影響事前評価の手続、その他この法律の施行に関し必要な事項は委員会規則で定めることとしております。
 第十三に、その他この法律の施行の際に、すでに実施されている開発事業等についても環境影響事前評価を行うこととし、その結果に基づき必要な規制をすることができることとしております。
 以上が本法律案の提案の理由及びその概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
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藤田進#5
○委員長(藤田進君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
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藤田進#6
○委員長(藤田進君) 振動規制法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小沢長官。
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小沢辰男#7
○国務大臣(小沢辰男君) ただいま議題となりました振動規制法案について、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 戦後わが国の産業経済の発展の成果として、国民生活は目覚ましい向上を見ることとなったのでありますが、その反面、各種の公害が発生し、国民の生活環境等にさまざまな影響を及ぼしているところであります。
 これらの公害問題については、政府といたしましても、各種の公害規制法等を中心に対策を進めてきたところでありますが、振動公害につきましては、公害対策基本法において規定する七公害の一つとされているものの、法律上の規制措置が講じられないまま、今日に至ったこともあって、住民からの苦情、被害の訴え等も相当数に上っており、その改善を図ることは重要な課題となっております。
 このように国民の日常生活に影響を与えている振動公害に対し、公害対策基本法の精神にのっとり生活環境を保全する観点から、早急に国による一元的な法律上の規制を実施し、振動公害の未然防止を図るべきであると考え、今回この法律案を提出することとした次第であります。
 以下この法律案の主な内容について、その概略を御説明申し上げます。
 第一は、工場及び事業場の振動に関する規制についてでありますが、都道府県知事が住居の集合している地域等住民の生活環境を保全する必要がある地域を指定し、指定地域内における著しい振動を発生する施設を設置する工場及び事業場について、指定地域の土地の利用状況に応じて規制基準を定めて、所要の規制を行うこととしております。そのため、これらの工場及び事業場における特定の施設の設置について、事前届け出制をとるほか、規制基準に適合しない振動を発生することにより周辺の生活環境が損なわれると認めるときは、振動の防止の方法等に関し、改善等の勧告または命令を行うことができることとしております。
 第二は、建設工事に伴う振動に関する規制についてでありますが、指定地域内において行われる著しい振動を発生する特定の建設作業について、事前届け出制をとるほか、都道府県知事は、一定の基準に適合しない振動を発生することにより周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、振動の防止の方法等に関し、改善等の勧告または命令を行うことができることとしております。
 第三は、都道府県知事は、指定地域内における道路交通振動が所定の限度を超え、道路周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、道路管理者に対し当該道路の部分につき道路交通振動の防止のため舗装、維持または修繕の措置をとるべきことを要請し、あるいは都道府県公安委員会に対し道路交通法の規定による措置をとるべきことを要請するものとしております。
 以上のほか、市町村長に対する事務委任について定めるとともに、振動規制の実効を期する見地から、振動防止に関する国の援助、研究の推進等について所要の規定を設けることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概略であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
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藤田進#8
○委員長(藤田進君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院公害対策並びに環境保全特別委員長代理理事島本虎三君から説明を聴取いたします。島本君。
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島本虎三#9
○衆議院議員(島本虎三君) ただいま議題となりました内閣提出の振動規制法案に対する衆議院の修正の趣旨について御説明申し上げます。
 第十五条第三項については、「公共性のある施設又は工作物に係る建設工事として行われる特定建設作業について」の「勧告又は命令を行う」場合の配慮条項でありますが、これを改め、「当該施設又は工作物に係る建設工事の工期が遅延すること」により「公共の福祉に著しい障害を及ぼすおそれのある」場合に限定して配慮することとするとともに、「勧告又は命令を行うに当たっては、生活環境の保全に十分留意しつつ、当該建設工事の実施に著しい支障を生じないよう配慮しなければならないこととしたものであります。
 第二十四条の条例との関係の規定については、いわゆる横出しの規定のほか、新たに、地域の自然的社会的条件に応じて、この法律とは別の見地から条例により必要な規制を定めることを妨げるものではない旨を、現行騒音規制法の例に見られるように、入念的に追加したものであります。
 以上が修正案を提出いたしました趣旨と内容であります。
 以上であります。
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藤田進#10
○委員長(藤田進君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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井上吉夫#11
○井上吉夫君 先ほど環境庁長官から本法律案の提案理由の説明がございましたが、振動規制につきましては、技術的な面で単位測定評価方法等の研究が十分でないとか、あるいは防振技術の開発が十分になされていない。そういうようなことなどの経過もありまして、基本法の七項目の中で最後にこの法律を提案するという運びになったと考えられるわけでありますが、いまだ外国でもその例がなくて、先駆けてわが国が初めて振動規制法を行うということになったわけでありますけれども、この立法の基本的な考え方、そして振動規制を実施するに当たってどのような配慮を必要とするかということなどにつきまして、まず長官の御所見をお伺いいたしたいと思います。
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小沢辰男#12
○国務大臣(小沢辰男君) 井上委員のおっしゃるように、まだ国のレベルで公害振動の規制を行った国は外国にはないと思います。したがって、そういう意味におきましては世界で初めての法律でございますから、その点大変意義深いものと考えておるわけでございますが、なぜ世界で初めてのこの法案の制定に踏み切ったか。もちろん七公害の一つ、当然規制値を決め、この振動規制の法案を出さなければ、公害基本法の七公害全部の――国民の生活環境を守る上でどうしてもやらなければいけない問題でございますので当然のことなんでございますが、一応、御承知のように各地方自治体で非常にもう先駆けて条例等つくってございまして、これがまた振動の規制基準というものが非常にまちまちでございます。また、四十五年ごろからそうした条例がつくられたわけでございますが、その当時の科学的な知見というものがいわばまだまだ測定方法その他について未熟な点もございますので、非常に地方庁としても早くから私どもに中央で十分検討した上での統一的な基準値というものを何とか設定をしていただきたいという要望等もございました。中公審で十分技術的にも検討していただきました結果、その実現の見通しがつきましたので、国で統一的に一つ基準をつくった方がより対策上有効に行われるという判断をいたしたわけでございます。いろいろ内容についてはまだまだ至らない点もあろうかと思いますけれども、現状において振動公害解決の第一歩を踏み出す有効な対策手法であると考えているわけでございまして、実施に当たりましては関係各省の協力も得、また地方庁とも十分打ち合せをいたしまして、住民の生活環境が振動によって害されることのないよう着実に改善の方向にいくように努力をしていきたい、かように考えます。
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井上吉夫#13
○井上吉夫君 基本法に言う七公害の一つであって、できるだけ早く振動規制の法律をつくるということはその必要性を考えていたけれども、技術的に防振技術の未開発の面なりあるいは測定方法等についてまだ十分に解明されていない等々、そういうような要因が基本になって法律案を提案するに至らなかった。ただ、一方ではすでに二十余りの都道府県において条例によって規制しているところが多い。しかし、その条例の内容というのがそれぞれ大変まちまちである。したがって、全国的な規模と言いますか、基準によってこの機会に定めたい。そして、中公審においてもある程度のめどを立てた。その法律案を制定するに必要ないろんな内容の検討を実施をした。ただ、諸外国にもまだ例を見ないで、まだまだ中身においてあるいは検討を要し不十分な点があるかもしれないけれども、しかし、とりあえず第一歩としてわが国で初めてこの法律を提案するに至ったというぐあいにただいまの答弁によって理解できたと思います。いよいよ実施に当たりましては、当然この基準に従いまして関係省庁がこの法律に従って実効あらしめるというそのことについて十分の連携をとっていきたいというぐあいに承りましたが、そこで具体的にお伺いいたしますと、それでは単位なり測定評価の方法というのは、もうかなり自信あるものとしてめどを立てておられるか。さらに防振技術は、これは開発していけば限りのないことでありましょうけれども、これについてもかなり前進した段階にきているのかどうか。そのことと、それから測定の方法につきまして各県の条例の内容を見てみますと、測定単位において大きく二つに分かれて、その一つは、振動速度によって基準値を定める方法と、補正加速度レベルによって定める方法の二つに大体分かれているというぐあいに思うのです。この両者の違い、そしてこの法律案においては補正加速度レベルによって測定単位をとるというような形になっているようでございますが、そのことについての内容の説明をお願いをいたします。
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橋本道夫#14
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御質問のございました第一点の単位について、それではかなりのものができたのかという御質問でございますが、この点につきましては従来地方自治体の多くのものがミリメーター・パー・セコンドというスピードでこの規制をしておりました。その後デシベルという補正加速度レベルでやるという問題が国際的にもその方向をとり出しまして、特に一九七四年にISOがその測定単位をもって規定をしていくということに国際的な合意を見たということがございます。また一方、国内におきましても、東京都を初め一部の地方自治体が最初スピードで規制をしておったのが、経験を積んだ上でデシベルでやった方がいいというぐあいに次第に傾いてまいりました。そのような経験も積み、またこの測定の計器の公害振動計と、こういうぐあいに呼んでおりますが、公害振動計の面におきましてもかなりの進歩が見られまして、今年にはこの規制法ができればJIS化ができるというところまでまいりましたので、国内的にも国際的にもこの補正加速度レベルを単位として採用するということについてはまず定着を見たと言って間違いないと思っております。
 次は、防振技術でございますが、工場の防振技術につきましては、地方自治体が三十年の末からいろいろ条例で努力をいたしまして幾つかの経験を積んだわけでございますが、どういう防振技術をやれば一体どのような費用効果がかかるものであるかということについての事例が相当そろってまいりました。また、この点につきまして通産省も十分な調査検討もいたした資料も固まりました。
 一方、この建設作業におきましても、建設作業における公害防止ということについて建設行政においても非常に努力をされ、また自治体においてもさまざまな実態調査あるいは指導ベースの経験を積んでまいりまして、こういうやり方ならばできるというようなことがある程度明らかになってまいりました。
 また、道路の問題につきましても、道路関係のエンジニアリングの部門におきまして建設行政でいろいろ御苦労をされ、あるいは警察行政でも御苦労をされて、どういう方式を使えばどれだけの効果を上げるかということについてのめどもついたと、このような防振の関係の技術的な進展ということをも専門委員会の検討の過程で各省のヒヤリング、自治体のヒヤリングすべてを通じて固まったわけでございます。
 それから、最後のこの補正加速度レベルはなぜよいのかという御指摘でございますが、振動の大きさをあらわします場合に、スピードよりも加速度の方が大きさをはかるには理論的にまずぐあいがいいということが一つあるわけでございます。
 それからもう一つの問題は、この現在われわれが公害振動として経験いたします振動に関連しましてISOにおきましても先ほど申し上げたような一九七四年にスタンダードとして採用し、また日本の中におきましても、この補正加速度レベルを実際に採用する向きがふえてきて計器としてもJIS化に至るという段階まで来たと、そのような利点がございますので補正加速度レベルというものを採用したわけでございます。これは振動数に応じてこの加速度の標準値というのがございまして、それに対してその振動数でどのような加速度であるかということの割合を対数に直してやったものでございます。
 なお、この補正加速度レベルで表示されるものにつきましては、従来地方自治体が行っておりましたミリメーター・パー・セカンドという単位と八ヘルツ以上のものにつきましては換算値がきくと、それ以下のものも一応の換算があるということで混乱も生じないという判断でございます。
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井上吉夫#15
○井上吉夫君 ただ、いまの説明の中にありました公害振動計、これはどのくらいするものですか。そして、そのまあ正確な金額でなくてもいいんです、およそどのくらいで。この振動計を見る、そして記録する、さらに何回かの平均値、かれこれというのがありますね、審議会の答申やらいろいろなものの中にそういうのがありますが、それはそう習熟に手間を要することなしにだれでも、簡単に言えば測定ができるという種類のものですか。
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橋本道夫#16
○政府委員(橋本道夫君) まず、幾らぐらいな値段であるかということにつきましては、一台が二十五万程度のものでございます。それから、操作がどうであるかというところでございますが、操作はこれは余りむずかしいものではございません。地盤にどのような注意をして置くかとか場所ということをよく注意をしてやれば、これは十分やり得ます。特に地方自治体の従来の騒音規制法の経験から見れば十分やり得ます。講習等を行ってやることができます。なお、JISに入りますと、恐らく計量法の関係で、やはり余り勝手な測定を、いいかげんな測定をされても困りますので、そういうところのどれだけのデシベルであるかということを証明するようなものについてはやはり一定の条件は要るというぐあいに考えております。
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井上吉夫#17
○井上吉夫君 条例によってすでに二十数件振動規制について実施をしている。ところが、今回提案されましたこの法律案は、そのすでに実施をしている二十数件の条例に比べてどうもその数値の面から見ましてもいわゆる甘いというような評価といいますか、そういうような見方をされる向きが非常に多いというぐあいに聞いております。
 で、一体この基準値を定めるに当たりまして、中公審における部会の資料一応読みましたけれども、大体どのような考え方にその中心は置かれておって、そしてどういうようなまあ手順といいますか、そういうことによってこの数値が定められたか概略御説明を願いたいと思います。
 なお、このことに関連をいたしまして、先ほど長官の説明にもありましたように、何しろ世界で初めて振動規制というのを技術的にも若干の問題がある中で先駆けて実施をすることにしたということでございまして、わが国の環境を守ろうとする環境庁の姿勢として十分評価するわけでございますけれども、基本的に一体その環境の保全というのと産業活動といいますか経済活動といいますか、そういうものの接点というのをどう求めるかということは、いわゆる開発を議論する場合にしばしば出てくる基本的な問題であります。
 で、したがいまして、規制を厳しくすることによって環境は守られる。守られる方向に少なくとも大きく前進するけれども、そのために大きく現在の経済活動、企業というものが成り立たなくなるということは現実的私は政治なり行政の対応ではないというぐあいに考えるわけです。このことについて長官の御所見を承りたいわけでございますが、言うまでもなく、たとえば窒素酸化物の基準値を定め、そうしてそれを数年において逐次達成していくというそういう手法をとられたことがある。で、ところが実際問題としてそのことを目指して一生懸命努力はしたけれども、結局既定年限の中で実施が不可能だということで、そのことをまたいわゆる後退といいますか、年限延長をせざるを得ないという、そういうことが過去の実例に実際問題としてあっている。で、このことは、どちらかといえば、環境庁として自然を保護するという目標をより高く厳しく定めるということについてはこれは基本的姿勢としてうなずけるけれども、しかし、結果としてそれが実現しないということによって行政というものに対する信頼というのが損なわれるということにつながることもあり得る。そういうことを総合勘案いたしますと、この両者というものが十分に達成されるということがどうしても望ましいことだと思うのです。ただ、そのことのために、余りにもゆるくそして全然問題にならない、規制が空文に終わって中身が何の価値もないということを私は指して言うわけじゅありません。私の質問の要旨というものは十分御理解いただけたと思いますので、このことについては長官の基本的な考え方をお伺いをしたいと思います。
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橋本道夫#18
○政府委員(橋本道夫君) 長官の基本的なお答えの前に、先生の三つの問題点につきましての御質問にお答えしたいと思います。
 まず第一が、この法律で予定しておる規制基準は甘くなっておるのではないかという御意見でございますが、ここにこの法律で出しております基準が五十五から七十というところをほぼ基準にしましてやっております。これは工場、道路に関連したものを申し上げたわけであります。で、これを現在地方条例でやっておりますものに当てはめてみますと、七つの地方条例ではこれよりも甘い基準を立てておりますので、そこはこの法律を施行することによって厳しくなってきます。
 それから七つの地方条例におきましては、これは規制基準あるいは指導基準としまして数値を比較をいたしますと、これよりも厳しいという数値だけを比較すると、そういう条件のものがございます。甘いのではないかというのはそこの点に対する御指摘であろうかと思いますが、数値だけを比較しますとそういう議論は成り立つわけでございますが、厳しい数字はどうなっているかといいますと、ある自治体ではゼロミリメーター・パー・セカンドという数字を夜間住宅地で決めております。これは最初、自治体が三十年の末ごろに先発条例のときにそういうことをやったことがございましたが、その形を四十年の初めに後発の自治体が見習ったと。ところが最初にゼロを決めた自治体は四十年の中ごろ過ぎにいろいろ経験を積んでみて、その後の知見で、やはりゼロというのではないということで、そういう自治体が〇・一ミリメーター・パー・セカンド、これは五十一デシベルに相当します。そういう数字に改定してきたという経緯がございます。そういうことで、一見そのような御議論がございますが、この答申を基礎にした今後の基準の考え方で一番キーのところは、実は振動の影響ということにつきましての調査研究資料が従来非常に乏しかったわけでございますが、四十五年から、特に環境庁発足以降四十七年から五十年にかけまして、非常に精力的に研究費も使いあるいは国内で実験もやり、調査もやり、また国際的にも一九七四年のISOで決めましたこの基準というものもあらわれまして、先ほど申し上げました五十五から七十の幅のところであればこれは問題ないと。そこでいけば十分この規制の効果というのは上げ得ると、それ以下に持っていく必要も余りないというような数字でございます。
 具体的にどういうことかと申しますと、人間の健康障害が起こるかという議論――絶対に起こりません。人間の健康障害が起こってきますのは、これは九十六デシベルというようなところを超えれば健康障害というものの中でもこれ以上はちょっと耐えられないなという程度のものを言っております。しかもそれを八時間ぶっ続けに暴露をするということでございます。そういうことで、大体八十五から九十というところでその生理的な影響が起こる。つまり脈が少し変化をするとか、そのような生理的な影響が起こるという問題がありますが、そのような、八時間もそのような条件暴露することは、本法令の基準では一切起こりません。それが一つございます。
 それからその次の問題点につきましては、夜間の睡眠を確保をするということでございます。夜間の睡眠を確保をするということで住居地の夜間の下限を五十五デシベルというところに切っております。これは従来から受け入れられていたことでもございますが、大体六十デシベルというところから以下は大体人間は余り感じない、あるいは五十七デシベルというような数字もございます。そういうような家の中で五十七デシベルぐらいだと感じないと、それを五十五と置いておりますので、そこのところは問題はないということでございます。
 なお、工業地域、工場関係のある地域におきまして、数字としては六十五というような数字がございますが、これはその地盤でございますので、五デシベル足しても七十デシベルと。そうすると浅い睡眠には若干影響があるかというようなデータもございますが、特に問題になるというようなことは一切起こらない。また物的被害ということにつきましての意識が明らかに出てきますのは七十デシベル以上ということに経験されております。因果関係の証明されるのはもっと高うございます――八十から九十以上でございますから、そのような状態も起こらないということでございまして、この五十五デシベルを下限といたしまして睡眠は確保できる、まず感じない水準である。なおかつ病院の周辺等では、さらに五デシベル下げることができるということで必要にして十分な基準であるというように考えれらましたので、あえて引き下げるとか甘くするとかいう意味では全然ございませんで、新しい学問的な調査研究の知見に基づいて、この水準でやれば規制として実効を上げ得るということで決めたわけでございます。
 それから、決めるまでにどういう手続をとったかということでございますが、これは専門委員会を三十回余り開きまして、そうしてこれは非常にいろいろの調査研究を環境庁自身がいたしたのもございますし、そのほかの音響学会やあるいは公衆衛生学会等で出された調査研究報告等もすべてその中で各分野の専門家が寄って目を通してやられております。また地方自治体の条例との関係ということで非常に意を用いまして、大阪と東京でございますが、二地方自治体の専門を呼びまして十分な時間をかけて実情を調査をするというようなことをいたしております。そういうことでこの規制基準というのは最終的に決まってまいりました。
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小沢辰男#19
○国務大臣(小沢辰男君) 井上委員おっしゃるように規制が行われて環境は守られたが企業は成り立たなくなる、生活の根底がなくなってしまうというようなことになっちゃ困るじゃないかという点は御指摘のとおりだと思いますが、やはり生活環境を守るということをまず主眼にしまして、そのために企業が成り立たなくならないような措置を一方においてやはりとっていかなければいけませんので、その点は私ども資金のあっせんなり技術援助なり等についてできるだけ関係省庁とも協議をいたしまして、規制は規制として守っていただいて、生活環境を保全すると同時に企業が成り立たなくならないような措置をできるだけひとつ考慮をして、配慮をして援助をしてまいりたいと、かように考えております。
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井上吉夫#20
○井上吉夫君 環境庁長官の基本的な対応の姿勢といいますか、お伺いをいたしましたのでこれ以上申し上げませんが、先ほど来質疑応答を通じて結局ある程度の法律提案にかかる準備ができたということで提案されているわけですけれども、なおかつ調査方法等についてもまだまだ問題が全くないわけではないと思います。
 さらにまた防振技術あたりについても年を重ねるごとにその技術の水準も高まるし、さらにそれを受けて実施するためのかなりな投資を必要とする、そういうことでございますから、長官がいまおっしゃいましたように余り厳し過ぎてもいけない、余り緩くてもこれまたいけない、そういう実情に対応した形で進めていくということを私は基本的に望んでおきたいと思います。
 ここで法案の第二条等にあります「特定施設」については「政令で定める」ということになっております、第二条一項。さらに、特定建設事業についてもこれまた政令にゆだねておりますが、大体いま考えておりますこの特定施設なり、特定建設事業をどういうものを考えておられるか、お伺いをいたします。
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橋本道夫#21
○政府委員(橋本道夫君) 第二条に、工場関係では「特定施設」、建設作業関係では「特定建設作業」と言っております。これはこの専門委員会で御議論をいたされますときに、工場関係では大体五メートル離れたところで六十デシベルというような一つの尺度を一応頭に置きまして、そうしてこの地方自治体が現在まで規制をしておる施設というのがございます、その実態をずっと洗いました。
 それからもう一つは、苦情が出てきている施設というのがございます。その苦情をずっと洗いまして、それだけのことからこのどういうものを規定していくかということをやることにいたしております。そういうことで工場関係で一部の例を申し上げますと、液圧プレスあるいは機械プレス、これも最も苦情の多い部類のものでございます。それから鍛造機あるいはワイヤ・フォーミング・マシンというようなものがございますが、こういう政令の関係の施設につきまして自治体が現在までやってきたものの中で苦情も多く、しかもこの条件にはまるというものを政令で指定する予定にしております。
 建設作業におきましては、五メートル離れたところで七十デシベルを超えるということを一応頭に置きまして、で、地方自治体がどういう種類の建設作業で苦情を受けたかということと、また建設省あるいは地方自治体自身がいろいろ建設作業につきましての実態の調査をしたデータがございまして、そのようなものを全部参考にいたしまして特定施設として指定をすることにいたしております。
 なお、専門委員会で御議論があり、出ております幾つかの例を申しますと、ジーゼルパイルハンマー、これは非常に振動の大きなものでございますが、あるいは振動パイルドライバー、あるいはドロップハンマー、こういうものがございます。この中で特に七十五デシベル以上を超えるというものにつきましては、作業の時間や条件の制約をさらに厳しく設けてあるというような形になっておるわけでございます。
 以上が特定施設を指定いたします基本の条件でございます。
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井上吉夫#22
○井上吉夫君 特定建設事業の中でブルドーザーは除かれるというような方向だと実は聞いているんですが、これの理由は何なのか。
 それから、同じく法案の十二条の三項の中に「(当該施設が政令で定める施設である場合にあつては、四年間)」という猶予期間の問題ですね、これの説明をしていただきたいと思います。
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橋本道夫#23
○政府委員(橋本道夫君) まず第一問のブルドーザーの問題でございますが、専門委員会におきまして、中間報告の中でブルドーザーの問題をどうするか、一度部会の先生とも議論をして最終的に決めるということでその中間報告に入れております。で、それが落ちた理由は何かということでございますが、まず従来のデータをいろいろ調べてみますと、平均的に五メートル離れたところではかってみると七十デシベル以下になるという問題と、物によっては確かに七十デシベル以上のものも中にはございますが、非常にそれは割合が小さい、それから苦情の統計を調べてみますと、建設作業の中でのブルドーザーの苦情というのは非常に低いランクにあるということでございます。
 それからもう一つは、作業自身が移動して回りますので、一体どういうチャンスでその五メートルで幾らとはかるのかというような技術上の問題も中にはある。もう一方地方自治体で、四つの地方自治体が指導ベースでこの建設作業のものを取り上げておりますけれども、ブルドーザーを取り上げているのはそのうちのごく一部でございまして、これも規制ではなく、指導というベースでございます。さらに非政策的な問題といたしましては、非常に中小企業が圧倒的に多いと、一千万以下のものがその約六〇%近くあると、非常に零細企業が多いと、以上のようなことを全部判断をいたしましてブルドーザーは一応この対象とはしないということが決まりました。
 それから第二点の、この十二条の猶予期間の四年というのは長いじゃないかという御指摘でございますが、これは鍛造工場などにおきましての改造といいますのは、それはもう工場の基礎工事から全部改造をしなきゃならないと、それから、その間に工場もちろんとまります。非常にこれは根本的な重大な切りかえをさせることになりますので、そういう意味でこの振動の全体を直すのに確かに根本的なむずかしい問題がありますが、特に鍛造等におきましては、そういう問題の経験をいままで痛いほど積んでまいましたので、そういうことで猶予期間が四年ということになっております。
 なお、原則といたしましてはそう改善をするための手法に応じた期間ということが基本原則でございますが、四年は特に以上申し上げたような理由でございます。
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井上吉夫#24
○井上吉夫君 十二条の一項、二項に勧告の場合と命令の場合、期限を定めて勧告ないし命令をすることができるというぐあいにありますが、これはまあケースによってもちろん違うとは思いますけれども、おおむねその期限というのは大体どのくらいからどのくらいという、そういう範囲の中に入るのか、おおよそ一般的な場合の期限の考え方についてお伺いをいたします。
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橋本道夫#25
○政府委員(橋本道夫君) これは非常にケース・バイ・ケースの問題がございまして、零細な企業で、しかも非常に家が接してあったりして変換さすのにむずかしい問題がございますので、この改善を求める場合に、やはり実現をちゃんと済ませなければ効果ございませんので、内容に応じてケース・バイ・ケースにその期間を決めるということでございますので、一概にどの辺であるかということにつきましてはなかなか期間として申しにくい問題がございますので、ケース・バイ・ケースというぐあいに御理解願いたいと思います。
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井上吉夫#26
○井上吉夫君 建設作業で七十五デシベルを超えるものについては、時間短縮、さらに時間短縮等の措置をとるということであります。中公審の資料見ますと四時間まで時間短縮ができるという、そういうぐあいに答申は出ているようでございますが、問題はこの七十五デシベルを超える振動の非常に大きいものを端的に言う十時間からあるいは第二種地域の十四時間にして、これからうんと圧縮してもう四時間まで時間制限できるという、そういうことだと思うんですけれども、時間の面ではなはだしい振動の規制を大きく厳しくするということはわかりますが、それでは振動は、七十五デシベルを超えるものは百デシベルであれどこまでいくのかわかりませんけれども、何ぼでもどんなに激しい振動でもちょっとも差し支えないのかということが一つの問題になるのではないかと。だから、いわゆる上限といいますか、七十五デシベルを超えて時間制限を必要とするような大きな振動というものの上限というのは考えられないのか、そのことについてお伺いいたします。
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橋本道夫#27
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のございました建設作業での七十五デシベルを超える大きな特定作業でございますが、これは非常な建設作業の本来の特性が衝撃をもって最終にきっちり打ち込んで基礎がしっかりするということがなければできたものが全くこれは安全に係る話になるわけでございます。そういうことで衝撃をどうしても使うというところがございますので、衝撃を使う時間をどの程度までほかの代替工法で短くできるのかということが現在の技術の限界と申しますか、そういうところでございます。そういうところですので、たとえばくい打ちの場合にアースオーガーというものを併用していきますと時間が、衝撃をする時間数を減らすことができると。で、われわれとしましては確かに七十五以上のものを上限を切りたいという議論はいろいろしてみたんですが、どうしても先ほど申しましたような特性、それから最後の締めのところの代替工法が出ないということですので、このような時間的な制約ということをもって、四時間を限度としてそこまで短縮できるということをもってこのような作業の条件を規制をするということになったわけです。
 なお、このような数字の算出につきましては、先ほどちょっとお話をいたしましたISOの基準の中でどういうデシベルをどれぐらいな時間を暴露した場合に影響はどうかという国際的な合意をした資料がございまして、その四時間というものはそういうところから算出されてきているものでございますので、健康の面で問題が起こるというようなものではございません。しかし、確かにはなはだしい騒音であることについては間違いございませんが、現状では時間制限ということでやる以外にやむなしということに考えております。
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井上吉夫#28
○井上吉夫君 次に道路交通振動の関係についてお伺いをいたします。
 道路交通振動についてはすでにまあ二十数県条例でもって定めているところがあるわけですから、そういうところにおいて今回定めようとしている限度値以下の道路であっても住民の苦情が出ているという、そういう個所があるやに聞くわけでありますが、環境保全の立場からこの限度値というのは住民の苦情との関連でこれで十分かどうかということが一つの検討の材料になると思います。そのことについて環境庁からお答えをいただきたいと同時に、道路維持、管理なり等を含めて建設省が所管すると思いますから、具体的にたとえば国道四十三号線とか環状七号線あたりでは比較的苦情の多い道路だと聞くんですが、大体どういうぐあいに把握をしておられるのか。同時に、そういう非常に苦情の多い路線についての対策は、振動防止も含めて、ここに言う舗装とか修繕とかということだけでなしに、車線を広げるとか、あるいは緩衝帯を設けるとかというかなり総合的な対策が場所によっては必要ではないかと思うんですが、そういう総合的な対策も含めてどういうぐあいに対応をしてこられ、今後どうやっていこうと考えておられるか、お伺いをしたいと思います。
 さらに、この機会に、道路交通振動については、道路管理者に対して要請をするという形になっている。それを受けて道路管理者、たとえば都道府県知事が要請をするわけですから、その中には県道がありましょうから、県道については都道府県知事であると同時に道路管理者である同一人ということになります。しかし、市町村道あり、国道ありという形になってまいります。問題は、それを受けて、「道路管理者は、」「当該道路の部分の舗装、維持又は修繕の措置を執るものとする。」というぐあいに十六条にうたっているわけであります。そこでかなり具体的な質問になりますけれども、従来から、国であれ都道府県であれ市町村であれ、大体予算の設定時においてその年の道路の舗装なり維持修繕の経費というものは計上している。ところが、この振動規制法に基づいてどうしても緊急に勧告、要請を受けて措置をしなきゃならぬという個所が目について浮かび上がってきた場合に、それに機動的に対応できるという予算の流動的な運用という措置が、現実問題として可能かどうか。そのことを建設省の方にお伺いをいたしたいと思います。
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橋本道夫#29
○政府委員(橋本道夫君) まず最初の御質問の中で、地方自治体が道路について条例をやっていたんではないかということがございましたが、地方自治体の条例の中で道路をストレートに言っているのはございません。あと訓示的なものを自動車公害等の中で言っているものはございますが、何らこのような具体的な措置を示したものはございません。
 それから次は、道路交通振動につきましての措置を要請する限度値が昼間は六十から七十、夜間が六十から六十五で、これ以下でも苦情があるのではないかという御質問でございますが、現状におきまして確かにこれ以下でも苦情がございます。これは、心理的な影響あるいは生活妨害というところの議論になってまいりますと、確かにこれ以下でも問題が起こるものがあるわけでございますが、ただ、五十デシベル以下というようなことで騒音に関連して起こるというのはこれはどうも説明のつかないような不規則なデータでございまして、大体五十デシベルぐらいまではそういうことがあるのかというところがございますが、このところでは要請の限度値ということを言っておりますので、具体的な措置を起こすということで、望ましい数字ということで決めておるのではございません。まず道路の振動のはなはだしいものを、少なくともこれだけひどいところはまずきっちり直していこうというようなことで決めたのがこの限度値であるというぐあいに御理解願えればありがたいと思います。
 なお、四十三号線と環状七号線につきましては、私どもの方に四十三号線につきまして尼崎からいただいておりますデータの一部を御紹介いたしますと、夜間に上りの車線で五十九デシベルぐらいのものがある、のデータになっております。下りの車線で五十三デシベルということになっております。ここは非常に問題があるところですが、われわれの社会調査等も含めていたしましたところ、振動に対する苦情というのは必ずこの場合は騒音もございます。一番苦情の出方に影響しますのは、実は騒音が最も強く影響しております。因子を解析してみますと騒音が一番影響してまいりました。それから、その次はその地域性というものがございまして、その次に振動のレベルが影響してくるというようなことに実態上道路振動問題ではなっているというようなところでございます。
 以上です。
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