田中寿美子の発言 (物価等対策特別委員会)
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○田中寿美子君 派遣委員を代表いたしまして、調査の結果を御報告いたします。
本調査団は、中村委員長、中沢理事、そして私の三名で編成され、七月十三日から十五日までの三日間にわたり、福岡県、長崎県の物価及び消費者行政、公正取引委員会地方機関の業務の実情等を調査してまいりました。
まず、物価行政につきましては、政府の総需要抑制政策や個別物資、物価対策と相まって、両県とも四十八年秋以降の物価の高騰、物不足パニック等による物価情勢の混乱に対応して、迅速かつ適切に行政組織の整備を行ったのを初めとして、各種の緊急対策を講じてきております。
その後、消費者物価は次第に鎮静化の方向に向かい、最近では比較的に緩やかに推移している状況を反映いたしまして、両県の物価対策は、混乱時の緊急措置的なものから、恒常的な施策に転換されているのが実情であります。
しかし、消費生活の安定を根底から脅やかす生活必需物資の品不足や価格の高騰といった不測の事態に対応するための条例の制定や行政組織の拡充も行われており、生活必需物資の需給や価格の監視、生活関連物資対策、物価に関する情報の収集、提供等の事業が意欲的に実施されております。
本調査団と県当局等との会議の中では、今後の物価動向に関して、各種公共料金の改定や景気対策、あるいは最近における海外商品市況の動向、そして昨年末以降の卸売物価の推移等を見ると、これまで以上に困難な状況が予想されるのではないかとの声が聞かれました。実際にそうした局面に立ち至らないためには、物価対策を国政の重点施策として推進するとともに、生活物資、生鮮食料品の安定的供給の確保と価格の安定、そしてそのための流通体制の整備拡充について、これまで以上に力を注ぐことが必要であろうと存じます。
また、長崎県からは、同県が現実に当面している重要な物価問題の一つとして、離島物価の問題が指摘されました。
離島居住者は、長崎市、佐世保市を核とする経済圏に分かれていますが、物資の大部分はこの両市から海上輸送された後陸揚げされ、さらに海上あるいは陸上輸送されるといった複雑な輸送経路を経て供給されており、そのためにその経費が価格に加算され、非常に割り高な生活必需品を購入せざるを得ない実態にあります。
この離島物価の問題は、離島振興対策と密接不可分の関係にあると存じますが、その総合的施策の拡充が必要だと存じます。中でも海上運賃の問題が離島物価に大きな影響を与えている点にかんがみまして、政府としても、現在赤字旅客航路に対して行われている国庫補助制度を拡大し、生活物資に対する運賃補助制度を確立することが重要な課題ではないかと考えます。
次に、公共料金につきましては、値上げを可能な限り回避し、やむを得ず改定する場合には、上げ幅、実施時期等について物価に及ぼす影響を考慮して慎重に対処し、公共料金の種類によっては福祉型料金の採用を検討してほしい旨の要望がありました。
また、地域住民の生活に大きな影響を及ぼすたとえば地方バス料金等については、料金改定の際に地域住民への啓蒙と公聴会制度を義務づけるとともに、その運用体制を確立する必要があり、場合によっては地方公共団体との協議を要件として考えてもよいのではないかという具体的な提案がありましたが、政府としても十分御検討願いたいと存じます。
次は、消費者行政についてでありますが、近年急速に整備、拡充が進められております消費生活センターは、消費者運動の盛り上がりの中で、その中核的存在となっております。
私たちは長崎県において県生活センターを視察し、職員の方々と懇談の機会を持ちましたが、各地方公共団体の消費者センター等が行っております商品テスト等によって明らかになった諸問題に対する行政の対応は、もっと積極的であることが必要ではないかと存じます。懇談の席上、消費者庁の設置、センターにおける商品テスト機能向上のための機器整備に対する国の補助行政の拡充、消費者保護に関する諸規制の拡充整備、サブセンター設置計画の促進等について論議が交わされました。
次に、公正取引委員会地方機関の業務の実情につきましては、福岡地方事務所から説明を聴取いたしました。これにつきましては、近年、独占禁止法あるいは景品表示法関係の違反事件や苦情が著しく増大しているにもかかわらず、それに対応した陣容の整備が十分でないことが現在最も大きな問題になっております。現在、福岡地方事務所は十二名の職員で構成されておりますが、昭和二十五年当時でさえ十四名の職員を抱えていたという一事をとってみましても定員増の必要性は明らかであります。最近の違反事件の特徴を見ますと、独占禁止法関係では、昨年半ばごろから不当廉売に関する事案が増加したことと、景品表示法の関係では、消費生活が複雑、多様化したことを反映して不当表示、広告等による顧客誘引行為が依然として多発しており、その内容も巧妙複雑化してきているということであります。
以上のほかに、私たちは、福岡県において、卸売業者、運輸業者、そして倉庫業者がそれぞれ協同組合を結成して、それらとの有機的な結合を図りながら団地を形成している福岡流通センターを視察し、長崎県では、県下十八婦人団体の代表者と、国際婦人年とそれに基づく今後の行動計画について懇談会を行い、また同県では、水産加工業協同組合の経営している水産練り製品材料の加工工場を訪れ、その製造工程と、汚水処理の実態等について調査を行ってまいりました。
最後に、この調査のため便宜を図っていただきました方々に対し、心から感謝の意を表しまして、簡単ではありますが報告を終わります。