中江要介の発言 (外務委員会)

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○政府委員(中江要介君) これは先生も御記憶がおありと思いますが、金大中事件が起きました年の暮れからその翌年の初めにかけては、旅券の申請があって、韓国の外務部でこの旅券を発給するかどうかということで、発給されれば国外に出られるという、わりあいいい傾向、趨勢にあった時期が一時あったわけでございますけれども、その後、この旅券が出ないままで例の韓国側の、金大中氏自身ではなくて一般的に緊急措置令が次々と出されて出国がむずかしくなった。しかし、日本政府としては外交的決着の際の了解が守られねばならない、一般韓国人並みに自由であるならば一般韓国人と同じように旅券も出してもらいたいし、旅券が出れば日本もあるいはアメリカにしましても査証は出せるわけでございますので、そういう点でアプローチしておったわけです。
 ところが、その後金大中氏のかつての選挙違反の裁判の係属がありまして、その選挙違反裁判が一応の判決が出ました。まあこれに対して控訴しているという状況のところへ、御承知の三月一日の民主救国宣言事件という事件が起きました。この事件は金大中氏事件の後で起きた事件でありますし、金大中氏事件を外交的に決着を見ましたときにも、あの拉致された以前の日本及びアメリカにおける行為については、これはもう問わないという了解はあったわけですけれども、拉致されまして韓国の中に入ってから、その後起きた事件についてまで日本が外交的決着のときの了解を理由に、その韓国の国内法に基づく措置を修正なり停止なり廃止なり、そういうことを求めるということはできない。したがって、この三・一民主救国宣言事件に関する限り、その範囲内においてはこれは日本政府としてそのものを直接取り上げることはできないということで、いま韓国がその民主救国宣言事件についての裁判を続けている限り、それをやめて出国をさせろということはできない話であるというのが現状で、そういうことが重なりまして金大中氏はいまだに韓国から出国ができないと、こういうふうに了解しておるわけでございます。

発言情報

speech_id: 107813968X00719761102_020

発言者: 中江要介

speaker_id: 5247

日付: 1976-11-02

院: 参議院

会議名: 外務委員会