外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十一年十一月二日(火曜日)
午前十時七分開会
—————————————
委員の異動
十月二十八日
辞任 補欠選任
稲嶺 一郎君 神田 博君
十月二十九日
辞任 補欠選任
神田 博君 稲嶺 一郎君
野口 忠夫君 和田 静夫君
十一月一日
辞任 補欠選任
矢追 秀彦君 山田 徹一君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 高橋雄之助君
理 事
亀井 久興君
秦野 章君
増原 恵吉君
戸叶 武君
委 員
大鷹 淑子君
木内 四郎君
矢野 登君
亘 四郎君
寺田 熊雄君
田 英夫君
羽生 三七君
和田 静夫君
山田 徹一君
立木 洋君
国務大臣
外 務 大 臣 小坂善太郎君
政府委員
防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君
外務省アジア局
長 中江 要介君
外務省アメリカ
局長 山崎 敏夫君
外務省欧亜局長 橘 正忠君
外務省条約局長 中島敏次郎君
外務省条約局外
務参事官 村田 良平君
外務省国際連合
局長 大川 美雄君
事務局側
常任委員会専門
員 服部比左治君
説明員
警察庁警備局外
事課長 大高 時男君
法務省刑事局参
事官 川崎 謙輔君
—————————————
本日の会議に付した案件
○国際情勢等に関する調査
(政府の外交方針に関する件)
(金大中事件に関する件)
(韓国艦艇による日本貨物船臨検事件に関する
件)
(防衛計画大綱に関する件)
○日中平和友好条約締結促進に関する請願(第二
〇一四号)(第二六一四号)(第二七〇四号)
○日中平和友好条約の締結促進に関する請願(第
二七〇二号)(第二七〇三号)(第三四八一号)
○大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の自主的平
和統一促進に関する請願(第二七〇七号)
○日ソ善隣友好条約の締結及び世界軍縮会議の開
催等に関する請願(第三一三八号)
○継続調査要求に関する件
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この発言だけを見る →午前十時七分開会
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委員の異動
十月二十八日
辞任 補欠選任
稲嶺 一郎君 神田 博君
十月二十九日
辞任 補欠選任
神田 博君 稲嶺 一郎君
野口 忠夫君 和田 静夫君
十一月一日
辞任 補欠選任
矢追 秀彦君 山田 徹一君
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出席者は左のとおり。
委員長 高橋雄之助君
理 事
亀井 久興君
秦野 章君
増原 恵吉君
戸叶 武君
委 員
大鷹 淑子君
木内 四郎君
矢野 登君
亘 四郎君
寺田 熊雄君
田 英夫君
羽生 三七君
和田 静夫君
山田 徹一君
立木 洋君
国務大臣
外 務 大 臣 小坂善太郎君
政府委員
防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君
外務省アジア局
長 中江 要介君
外務省アメリカ
局長 山崎 敏夫君
外務省欧亜局長 橘 正忠君
外務省条約局長 中島敏次郎君
外務省条約局外
務参事官 村田 良平君
外務省国際連合
局長 大川 美雄君
事務局側
常任委員会専門
員 服部比左治君
説明員
警察庁警備局外
事課長 大高 時男君
法務省刑事局参
事官 川崎 謙輔君
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本日の会議に付した案件
○国際情勢等に関する調査
(政府の外交方針に関する件)
(金大中事件に関する件)
(韓国艦艇による日本貨物船臨検事件に関する
件)
(防衛計画大綱に関する件)
○日中平和友好条約締結促進に関する請願(第二
〇一四号)(第二六一四号)(第二七〇四号)
○日中平和友好条約の締結促進に関する請願(第
二七〇二号)(第二七〇三号)(第三四八一号)
○大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の自主的平
和統一促進に関する請願(第二七〇七号)
○日ソ善隣友好条約の締結及び世界軍縮会議の開
催等に関する請願(第三一三八号)
○継続調査要求に関する件
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高
高橋雄之助#1
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十月二十九日、野口忠夫君が委員を辞任をされその補欠として和田静夫君が選任されました。
また、昨一日、矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として山田徹一君が選任されました。
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この発言だけを見る →まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十月二十九日、野口忠夫君が委員を辞任をされその補欠として和田静夫君が選任されました。
また、昨一日、矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として山田徹一君が選任されました。
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高
戸
戸叶武#3
○戸叶武君 きょうは外務大臣がおかぜを引いているので委員長がいたわってくれと言うので、なるたけ答弁は短くて結構ですから、耳の方は非常に発達しているようですから、どうぞ私たちの考え方をやはり耳に受けとめてもらいたいと思うのです。
私は、文化人類学の立場から人間の顔というものに非常に興味を持っていますが、その中で最近は耳の研究に全力を注いでおります。やはり聖徳太子の像をかくのにしても、耳を非常に美しくふくらみのある形でかくとこれが聖徳太子ということになるのですが、やはり耳が貧弱だと一国の政治を指導するのには物足りない。だから「聡明」の「聡」も「耳」ですが、外務大臣の耳を見ると、なかなかいいかっこうのようですから、聞く耳は持っているのだと思います。
きのう実は請願の問題で多少、内輪のことは発表しちゃいけませんことが礼儀かもしれませんが、非常に食い違いがある点を、理事なり委員の中での議論は差し控えますが、外交防衛の問題は一国の運命にかかわる問題ですから、それを含めて、やはり外務大臣の、外交権を持っているところの政府の外務大臣の役割りというのは非常に重大だと思いますから、外交権はおれが持っているから勝手だというのでなくて、せめて聞く耳だけはやはり持ってもらいたいと思うのです。それは請願の問題でも、請願権というのは主権者である国民にあるんです。何でもいいからという非常識なものまで国会に持ち運んではいけませんけれども、国民の世論形成の中において、少数派であってもまともな請願というものは受けとめるだけの寛容さがやはり国会にもあり、また外交防衛、特に外交の問題で責任を持つ内閣にもなければいけないと思うのです。
私はイギリスで少しばかり勉強していたときに、イギリスの学者が言うガバナビリティですか、とにかく統治能力というのはどこにあるかというと、自由を尊重することだ。それから聞く耳を持つことだ。それからやはり常識的であって非常にプラクティカルに物を処理していく能力を持つことだ。特に英帝国といわれたときにいろいろな無理がありましたけれども、イギリスが世界帝国を形成したときにおいても、この聞く耳を持につだけの雅量はいつも持ったのです。聞いただけで物を実行しないじゃないかという批判はありますけれども、インドの革命家が——私も二十二年ほど前に約四ヵ月ほとんど全土を歩きまして、いろんな演説会や集会に招かれましたが、司会者が一時間、閉会の辞が一時間、客は二十分か三十分ぐらいしかやれないのは、イギリスの統治下におけるイギリスの統治方式というものは、支配しているんだから支配されている連中の言うことを一応聞くだけで、聞くだけでも心が晴れる思いがするんだから、それだけはやろうという雅量があったんですけれども、このごろの自民党並びに政府はそういう聞く耳を持たないで、ややもすれば全体主義的な能率を上げるんだという形において強権政治の方向へ、ファシズムの方向へ向かっているんで、それを能率と考えるのは、行政官の有能な人ばかり集まって、あと法律分野の秀才という——この間変な男が裁判官からも出ましたが、ああいう自分が頭がいいと錯覚しているんだからどうにもならないこういうエリート、大衆が愚であるからエリートが前衛党的な役割りで引っ張っていくんだ。このばかげた右と左からの全体主義に包囲されている日本において——アメリカも大統領選に国民が興味を余り持たないのは、あんなずうずうしい悪いやつばかりを大統領にしちゃしょうがないという気持ち。日本だってそれが底辺にある。それが政治からひとつ国民を遊離させている原因だ。もっと私たちはこの機会に、本当にわれわれは外交防衛の問題でこんな政府と野党とかけ離れた状態じゃなくて、腹を割って、そしてこの祖国日本をどうやって守り抜くか。それだけじゃなくて、日本だけのエゴイズムじゃなく、アメリカなりあるいはソ連なり中国なり、それぞれの権謀術策がはなやかに展開されています。しかし、東洋的な哲学というのは、権謀術策の徒は権謀術策によって倒れる。光明に背面なし。明るい光を求めることが政治の要諦であるということは、政治から宗教までおしなべて本当はあったはずなんです。それが政治権力と結ぶと政治もイデオロギーも、あるいは科学の名において、特に社会科学などという名を使って一個のイデオロギー的な独断が横行する傾きもあるんです。
この程度にしますが、とにかく小坂さんは円転滑脱な人で明るい方にかけては人後に落ちない方でしょうが、ひとつかぜを引いたのを機会に若干沈黙を守って、そうして本当に権謀術策の小細工の政治じゃなくて、イデオロギーや民族や国境が違っても世界の人々の心を打つような真心と愛情を持った、思いやりを持った外交政策を展開していかないと大変なことが私は起きると思うんです。この三年間に世界がひっくり返るようなことが私は起きてくると思うんです。朝鮮だって容易じゃないです。朝鮮に火がついたならば、ベトナムよりもイスラエルよりも、あるいは東ドイツと西ドイツの関係よりも非常に厳しい私は問題が発生するんじゃないかと思うんです。
そこで、知識人の人たちが、いま隣の朝鮮半島のことを非常に心配しております。そしてこれらの人が国際の平和と繁栄のためにインドシナ地域における平和と民族の統一が達成されたその上に立って、朝鮮民族の統一の悲願というものもやはり達成させてやらなければならない。このことは一九四五年以来の南北分断と厳しく対立する一つの考え方であるが、朝鮮民族にとってはいろんな相互不信感があるにしても、やはりアジアにおいて南北朝鮮の平和的統一というものができるならば、アジアにおける一つの安定勢力というものが、ここにモデル地域が曲がりなりにでもでき上がってくるんだと思います。抽象的な観念ではなくて、やはり国連においてもこの問題をとらえて、昨年の第三十回国連総会でその趣旨を内容とする決議案が採択されたのであります。私たち全部挙げてこれを歓迎したじゃないですか。歓迎してもそれが実らないところに今日の政治、外交の貧困があるんです。これをどういうふうに実らせるか、そういう外交の方向づけに対して、一言でも二言でもいいから、簡単に御回答を願います。
この発言だけを見る →私は、文化人類学の立場から人間の顔というものに非常に興味を持っていますが、その中で最近は耳の研究に全力を注いでおります。やはり聖徳太子の像をかくのにしても、耳を非常に美しくふくらみのある形でかくとこれが聖徳太子ということになるのですが、やはり耳が貧弱だと一国の政治を指導するのには物足りない。だから「聡明」の「聡」も「耳」ですが、外務大臣の耳を見ると、なかなかいいかっこうのようですから、聞く耳は持っているのだと思います。
きのう実は請願の問題で多少、内輪のことは発表しちゃいけませんことが礼儀かもしれませんが、非常に食い違いがある点を、理事なり委員の中での議論は差し控えますが、外交防衛の問題は一国の運命にかかわる問題ですから、それを含めて、やはり外務大臣の、外交権を持っているところの政府の外務大臣の役割りというのは非常に重大だと思いますから、外交権はおれが持っているから勝手だというのでなくて、せめて聞く耳だけはやはり持ってもらいたいと思うのです。それは請願の問題でも、請願権というのは主権者である国民にあるんです。何でもいいからという非常識なものまで国会に持ち運んではいけませんけれども、国民の世論形成の中において、少数派であってもまともな請願というものは受けとめるだけの寛容さがやはり国会にもあり、また外交防衛、特に外交の問題で責任を持つ内閣にもなければいけないと思うのです。
私はイギリスで少しばかり勉強していたときに、イギリスの学者が言うガバナビリティですか、とにかく統治能力というのはどこにあるかというと、自由を尊重することだ。それから聞く耳を持つことだ。それからやはり常識的であって非常にプラクティカルに物を処理していく能力を持つことだ。特に英帝国といわれたときにいろいろな無理がありましたけれども、イギリスが世界帝国を形成したときにおいても、この聞く耳を持につだけの雅量はいつも持ったのです。聞いただけで物を実行しないじゃないかという批判はありますけれども、インドの革命家が——私も二十二年ほど前に約四ヵ月ほとんど全土を歩きまして、いろんな演説会や集会に招かれましたが、司会者が一時間、閉会の辞が一時間、客は二十分か三十分ぐらいしかやれないのは、イギリスの統治下におけるイギリスの統治方式というものは、支配しているんだから支配されている連中の言うことを一応聞くだけで、聞くだけでも心が晴れる思いがするんだから、それだけはやろうという雅量があったんですけれども、このごろの自民党並びに政府はそういう聞く耳を持たないで、ややもすれば全体主義的な能率を上げるんだという形において強権政治の方向へ、ファシズムの方向へ向かっているんで、それを能率と考えるのは、行政官の有能な人ばかり集まって、あと法律分野の秀才という——この間変な男が裁判官からも出ましたが、ああいう自分が頭がいいと錯覚しているんだからどうにもならないこういうエリート、大衆が愚であるからエリートが前衛党的な役割りで引っ張っていくんだ。このばかげた右と左からの全体主義に包囲されている日本において——アメリカも大統領選に国民が興味を余り持たないのは、あんなずうずうしい悪いやつばかりを大統領にしちゃしょうがないという気持ち。日本だってそれが底辺にある。それが政治からひとつ国民を遊離させている原因だ。もっと私たちはこの機会に、本当にわれわれは外交防衛の問題でこんな政府と野党とかけ離れた状態じゃなくて、腹を割って、そしてこの祖国日本をどうやって守り抜くか。それだけじゃなくて、日本だけのエゴイズムじゃなく、アメリカなりあるいはソ連なり中国なり、それぞれの権謀術策がはなやかに展開されています。しかし、東洋的な哲学というのは、権謀術策の徒は権謀術策によって倒れる。光明に背面なし。明るい光を求めることが政治の要諦であるということは、政治から宗教までおしなべて本当はあったはずなんです。それが政治権力と結ぶと政治もイデオロギーも、あるいは科学の名において、特に社会科学などという名を使って一個のイデオロギー的な独断が横行する傾きもあるんです。
この程度にしますが、とにかく小坂さんは円転滑脱な人で明るい方にかけては人後に落ちない方でしょうが、ひとつかぜを引いたのを機会に若干沈黙を守って、そうして本当に権謀術策の小細工の政治じゃなくて、イデオロギーや民族や国境が違っても世界の人々の心を打つような真心と愛情を持った、思いやりを持った外交政策を展開していかないと大変なことが私は起きると思うんです。この三年間に世界がひっくり返るようなことが私は起きてくると思うんです。朝鮮だって容易じゃないです。朝鮮に火がついたならば、ベトナムよりもイスラエルよりも、あるいは東ドイツと西ドイツの関係よりも非常に厳しい私は問題が発生するんじゃないかと思うんです。
そこで、知識人の人たちが、いま隣の朝鮮半島のことを非常に心配しております。そしてこれらの人が国際の平和と繁栄のためにインドシナ地域における平和と民族の統一が達成されたその上に立って、朝鮮民族の統一の悲願というものもやはり達成させてやらなければならない。このことは一九四五年以来の南北分断と厳しく対立する一つの考え方であるが、朝鮮民族にとってはいろんな相互不信感があるにしても、やはりアジアにおいて南北朝鮮の平和的統一というものができるならば、アジアにおける一つの安定勢力というものが、ここにモデル地域が曲がりなりにでもでき上がってくるんだと思います。抽象的な観念ではなくて、やはり国連においてもこの問題をとらえて、昨年の第三十回国連総会でその趣旨を内容とする決議案が採択されたのであります。私たち全部挙げてこれを歓迎したじゃないですか。歓迎してもそれが実らないところに今日の政治、外交の貧困があるんです。これをどういうふうに実らせるか、そういう外交の方向づけに対して、一言でも二言でもいいから、簡単に御回答を願います。
小
小坂善太郎#4
○国務大臣(小坂善太郎君) 私の不注意からかぜを引きまして大変に御迷惑をかけておりますことを、まずおわびを申し上げたいと存じます。
ただいまの御意見はまことに傾聴いたしますわけでございまして、何と申しましても外交権は政府にあるのだから独断専行しかるべしというふうには毛頭私は考えないつもりでございます。のみならず、国民を代表される皆様の御意見をよく承りまして、その中に十分真心を持ち、また愛情を持って、外交の方向を定めていかなければならぬと存ずる次第でございます。
わが国は、言うまでもなく、平和国家を標榜しておるわけでございまして、あらゆる問題について自己の欲望、野心というものを振りかざさないということがわが国の特徴でございますので、その平和哲学の上に立ちまして、超大国を初めとする世界各国の胸を打つような平和への何か哲学を展開できればと存じておる次第でございますが、ただいまの御説はまことに傾聴いたしました。
この発言だけを見る →ただいまの御意見はまことに傾聴いたしますわけでございまして、何と申しましても外交権は政府にあるのだから独断専行しかるべしというふうには毛頭私は考えないつもりでございます。のみならず、国民を代表される皆様の御意見をよく承りまして、その中に十分真心を持ち、また愛情を持って、外交の方向を定めていかなければならぬと存ずる次第でございます。
わが国は、言うまでもなく、平和国家を標榜しておるわけでございまして、あらゆる問題について自己の欲望、野心というものを振りかざさないということがわが国の特徴でございますので、その平和哲学の上に立ちまして、超大国を初めとする世界各国の胸を打つような平和への何か哲学を展開できればと存じておる次第でございますが、ただいまの御説はまことに傾聴いたしました。
戸
戸叶武#5
○戸叶武君 いま日中平和友好条約は政府の決意いかんによって調印される段階にきていると思うんです。
そこで、一番問題になっているのが覇権問題の取り扱いです、きょうは時間がありませんから内容には触れませんが。もう一つはやはりソ連側が、日本と中国との平和友好条約が結ばれると日本は中国側に片寄ってしまうんじゃないか、ソ連を仮想敵国として考えるような方向へいくんじゃないかという危惧を持っているので、そこにいろんな柔軟な働きかけを中国にし、日本に対しては第三者から見るとずいぶん厳しいいやがらせをやっているとしか見えないのであります。これは中国においては周恩来さんと十六年前に三たび私は長時間語りましたが、やはりお互いに相互信頼を深めて信義というものを強めて、イデオロギーや国境や民族に若干の差異があっても、お互いに助け合っていくようにしよう。これは若き日に彼が中国を出て、日本の大正六年から大正七年の嵐の時代に日本に留学し、その後フランスに留学したり世界を見てきている。ソ連においても一九〇五年の革命失敗後におけるレーニンが、やはり国外に出て世界を見て、そこにソ連革命の中においてもレーニンだけの柔軟な、断固とした意思は持っているけれども幅の広い、他民族に対しても愛情を持った革命的指導者は私は少ない。それはボルガ河畔の他民族の苦悩を知って、それを教育した教育者の父親から影響を受けたし、その中に立って、ツアーの専制政治に対して科学者が憤りを持ってテロリストの群れに入ったという悲劇も身内に感じてあの人間形成をされたんだと思います。
私は一番心配なのは、最近ロッキードもそうだ、あるいはロッキード以上に韓国の腐敗政治によってアメリカの指導者も日本の指導者も腐れただれているんじゃないかという不信感を世界から受けている。これを払拭できないまま選挙に突入するけれども、私はこんなことをやっていたら、アメリカでも大統領選挙に対して国民の熱が上がってないというのは、政治が腐敗しているからである。外交防衛が謀略の具に使われているからである。こんなことでいかに血を流しても、いかに金を使っても、私は果てしない阿修羅の世界を現出するだけだと思うんです。そういう意味において、やはり私はアメリカ独立の際に、あのいろいろな理論家が出た中において、無名な思想家がコモンセンス、常識ということが革命にとっては非常に大きなものだということを伝導して成果を上げたことがありますが、私は日本の政治がもっと常識的になり、われわれの生活と心と結びついて、そうして私たちがこの国を守ると同時に、世界の平和共存に対して、本当に拡散防止条約批准以後において日本が見違えるようになった、捨て身の平和外交を展開して、祖国だけでなく全人類のとにかく悲願を達成しようという勢いを示してきた、これが全世界を揺すぶる私は日本の外交路線じゃないかと思うんです。
どうぞ、あなたのところは善光寺さんもあるんで仏心が幼いときから私はついていると思うし、すでに坊主と同様に頭もなめらかになっておりますから、この点で、やはり私は本当にあなたは外交中枢の要職にあって外交権を持っているんだ。しかも国会がこのざまである。政党が、あの醜類を包含しての何とも言えない国民から憤りを持たれている派閥集団の結合体になっている。こういうときに外交の一線からでも本当に未来に希望を持たせるような光が差してこないと、青年はニヒリズムになり、専制政治に対するテロリズムの発生というのもやたら起きてこなければならない。和のなかった時代に、天皇も謀略のために殺されるというような時代に、不安の時代に、それだけじゃない、日本も聖徳太子が和を求めたんで、和の世界に和を求めたんじゃない。いまこそ聖徳太子の時代以上に冷酷非情な教育と政治、それから健康管理の医療の問題、厚生の問題、みなあるが、ます外交の事柄は、拡散防止条約の批准以来、憲法に従って日本は平和外交をやり得るという基本的なものがつくられたんですから、外交権を持っているからといって三百代言的論理の中に埋没しないで、本当に外交を世界の人々の心をかち取るという形において展開していかれるかどうか。このごろの歴代の外務大臣は大分みんなあか抜けしてきて聡明さがあるけれども、日本の政治は聡明さよりもはったりと暴力、ずうずうしいやつが政治をじゅうりんしている傾きがあるんで、その辺で、考え方はいいが頼り切れないお坊ちゃんにすぎなかったなどと言われないように、私は毒舌ですが愛情を持って小坂さんに望みを託するんですけれども、健康と同時にその決意やいかん、それを承って私は結びとしたいと思います。
この発言だけを見る →そこで、一番問題になっているのが覇権問題の取り扱いです、きょうは時間がありませんから内容には触れませんが。もう一つはやはりソ連側が、日本と中国との平和友好条約が結ばれると日本は中国側に片寄ってしまうんじゃないか、ソ連を仮想敵国として考えるような方向へいくんじゃないかという危惧を持っているので、そこにいろんな柔軟な働きかけを中国にし、日本に対しては第三者から見るとずいぶん厳しいいやがらせをやっているとしか見えないのであります。これは中国においては周恩来さんと十六年前に三たび私は長時間語りましたが、やはりお互いに相互信頼を深めて信義というものを強めて、イデオロギーや国境や民族に若干の差異があっても、お互いに助け合っていくようにしよう。これは若き日に彼が中国を出て、日本の大正六年から大正七年の嵐の時代に日本に留学し、その後フランスに留学したり世界を見てきている。ソ連においても一九〇五年の革命失敗後におけるレーニンが、やはり国外に出て世界を見て、そこにソ連革命の中においてもレーニンだけの柔軟な、断固とした意思は持っているけれども幅の広い、他民族に対しても愛情を持った革命的指導者は私は少ない。それはボルガ河畔の他民族の苦悩を知って、それを教育した教育者の父親から影響を受けたし、その中に立って、ツアーの専制政治に対して科学者が憤りを持ってテロリストの群れに入ったという悲劇も身内に感じてあの人間形成をされたんだと思います。
私は一番心配なのは、最近ロッキードもそうだ、あるいはロッキード以上に韓国の腐敗政治によってアメリカの指導者も日本の指導者も腐れただれているんじゃないかという不信感を世界から受けている。これを払拭できないまま選挙に突入するけれども、私はこんなことをやっていたら、アメリカでも大統領選挙に対して国民の熱が上がってないというのは、政治が腐敗しているからである。外交防衛が謀略の具に使われているからである。こんなことでいかに血を流しても、いかに金を使っても、私は果てしない阿修羅の世界を現出するだけだと思うんです。そういう意味において、やはり私はアメリカ独立の際に、あのいろいろな理論家が出た中において、無名な思想家がコモンセンス、常識ということが革命にとっては非常に大きなものだということを伝導して成果を上げたことがありますが、私は日本の政治がもっと常識的になり、われわれの生活と心と結びついて、そうして私たちがこの国を守ると同時に、世界の平和共存に対して、本当に拡散防止条約批准以後において日本が見違えるようになった、捨て身の平和外交を展開して、祖国だけでなく全人類のとにかく悲願を達成しようという勢いを示してきた、これが全世界を揺すぶる私は日本の外交路線じゃないかと思うんです。
どうぞ、あなたのところは善光寺さんもあるんで仏心が幼いときから私はついていると思うし、すでに坊主と同様に頭もなめらかになっておりますから、この点で、やはり私は本当にあなたは外交中枢の要職にあって外交権を持っているんだ。しかも国会がこのざまである。政党が、あの醜類を包含しての何とも言えない国民から憤りを持たれている派閥集団の結合体になっている。こういうときに外交の一線からでも本当に未来に希望を持たせるような光が差してこないと、青年はニヒリズムになり、専制政治に対するテロリズムの発生というのもやたら起きてこなければならない。和のなかった時代に、天皇も謀略のために殺されるというような時代に、不安の時代に、それだけじゃない、日本も聖徳太子が和を求めたんで、和の世界に和を求めたんじゃない。いまこそ聖徳太子の時代以上に冷酷非情な教育と政治、それから健康管理の医療の問題、厚生の問題、みなあるが、ます外交の事柄は、拡散防止条約の批准以来、憲法に従って日本は平和外交をやり得るという基本的なものがつくられたんですから、外交権を持っているからといって三百代言的論理の中に埋没しないで、本当に外交を世界の人々の心をかち取るという形において展開していかれるかどうか。このごろの歴代の外務大臣は大分みんなあか抜けしてきて聡明さがあるけれども、日本の政治は聡明さよりもはったりと暴力、ずうずうしいやつが政治をじゅうりんしている傾きがあるんで、その辺で、考え方はいいが頼り切れないお坊ちゃんにすぎなかったなどと言われないように、私は毒舌ですが愛情を持って小坂さんに望みを託するんですけれども、健康と同時にその決意やいかん、それを承って私は結びとしたいと思います。
小
小坂善太郎#6
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの御意見もまことに傾聴をいたしました次第でございまして、理論はもとより必要でございます。しかしながら、現実をいかに見るかということも必要でございまして、その間に調和をとっていくということが高度の常識ではないかというふうに私も常々考えておるのでございまして、常識に沿うて事柄を円満に運ぶべしと、そのことは日本のみならず、世界の平和のために通じるような、そうした考え方を打ち出して、そして日本外交のために大いに働け、しこうして、今日の政治をさらに昇華させるために大いに努力すべし、しかも、理論だけじゃなくて実行が非常に大事なんだから、そのつもりでしっかりやれという御意見につきましては、身にしみてありがたくお受けいたす次第でございます。
この発言だけを見る →和
和田静夫#7
○和田静夫君 二時間の時間をお願いをしたんですが、四十分ということでありますから、大変限られた論議しかできません。
私は、議会に籍を置いてから一貫して地方行政委員会、警察行政という側面から、アマチュアの論理をずっと展開をしてまいりました。私は、この国の政治にとって大変必要なことは、プロフェッショナルに対してアマチュアの論理がどういう形でかみ合っていくか、それか尊重をされていくかということだと実は常日ごろから考えております。そういう意味では、外交問題のアマの立場で、特にきょうは金大中拉致事件とその後の外交的な処理を中心としながら、少し蒸し返しになる面がありますが、歴代の外務大臣の衆参両院における外務委員会の答弁というものをずっと読み返してみて、現実が大変違っている。その全く違っている側面を浮き彫りにしながら、二、三の質問を展開をしたいと思います。
七三年の八月に金大中氏が東京からソウルへ拉致された。その年の十一月一日に政治決着なるものがつけられて、昨日でちょうど三年を経た。そこで、金大中氏の生命が大変危険だと言われている。現在彼はソウルのどこにいるのか、その生存、その健康状態、どういう方法で把握をされているのか。その情報は、入手経路の関連で確実性を持っているのか、その辺についてまず所見を承ります。
この発言だけを見る →私は、議会に籍を置いてから一貫して地方行政委員会、警察行政という側面から、アマチュアの論理をずっと展開をしてまいりました。私は、この国の政治にとって大変必要なことは、プロフェッショナルに対してアマチュアの論理がどういう形でかみ合っていくか、それか尊重をされていくかということだと実は常日ごろから考えております。そういう意味では、外交問題のアマの立場で、特にきょうは金大中拉致事件とその後の外交的な処理を中心としながら、少し蒸し返しになる面がありますが、歴代の外務大臣の衆参両院における外務委員会の答弁というものをずっと読み返してみて、現実が大変違っている。その全く違っている側面を浮き彫りにしながら、二、三の質問を展開をしたいと思います。
七三年の八月に金大中氏が東京からソウルへ拉致された。その年の十一月一日に政治決着なるものがつけられて、昨日でちょうど三年を経た。そこで、金大中氏の生命が大変危険だと言われている。現在彼はソウルのどこにいるのか、その生存、その健康状態、どういう方法で把握をされているのか。その情報は、入手経路の関連で確実性を持っているのか、その辺についてまず所見を承ります。
中
中江要介#8
○政府委員(中江要介君) 金大中氏は、いまソウルの拘置所の中に生存を確認されているかという御質問に対しましては、生存しておられるということはこれは間違いなく確認されております。ただ問題は、私どもも果たして健康状態がいかがであるかという点は、これは新聞に金大中氏夫人の談話として報道されて以来関心を持ち続けておるわけでございまして、この金大中氏の拘置所内における健康状態について、いろいろな方面から、いろいろな方法で、その健康状態を知ろうと努力はもちろんしておるわけでございますけれども、これにはいろんな情報がありまして、やっぱり相当悪いんだと言う人もありますし、いえ、そうではなくて、きわめて健康だと言うのもありますし、これはその立場立場でいろいろおっしゃっているんだろうと思いますけれども、少なくとも私どもがいままで得ました情報の中では一番信憑性が置けるものによりますと、年来の持病の神経痛が拘置所の中でよくなっているわけはない。しかし、そうかといって生命にこの一両日とかあるいは数日のうちに何かが起きるというほど重体でもないということで、一時食欲が減退したとか、あるいはその後拘置所内の食品も自分で購入して食べられるようになったとか、あるいは差し入れされたものを食べているとか、いろんな情報があるんです。そういうものを総合いたしまして、私どもとしてはいまのところ生命に危険な状態ではない。しかし、非常に健康である、あるいは通常の人ほど健康であるという確信もない。
じゃ、そういう情報をどこから得ているのかという点なんですが、これは政府の立場はいままで申し上げておりますように、公のルートで金大中氏という人の健康状態いかんということを確認することはなかなか相手が、そういうことでこういうわけだというふうに言えない立場にある。つまり日本側としては、外交経路でそれを確認するということはなかなかむずかしい。しかし、金大中氏夫人あるいは拘置所の関係者あるいは弁護士その他いろいろ関係の方は、金大中氏周辺の方はおられるわけでございまして、そういう人たちから非公式の形で私どもとしてはできる限りの情報の収集はやっている。その一人一人につきましては、これはその方々の立場でありますので、ちょっと公の場では申し上げにくい、こういうことでございます。
この発言だけを見る →じゃ、そういう情報をどこから得ているのかという点なんですが、これは政府の立場はいままで申し上げておりますように、公のルートで金大中氏という人の健康状態いかんということを確認することはなかなか相手が、そういうことでこういうわけだというふうに言えない立場にある。つまり日本側としては、外交経路でそれを確認するということはなかなかむずかしい。しかし、金大中氏夫人あるいは拘置所の関係者あるいは弁護士その他いろいろ関係の方は、金大中氏周辺の方はおられるわけでございまして、そういう人たちから非公式の形で私どもとしてはできる限りの情報の収集はやっている。その一人一人につきましては、これはその方々の立場でありますので、ちょっと公の場では申し上げにくい、こういうことでございます。
和
和田静夫#9
○和田静夫君 七月八日に金大中氏夫人が三木総理にあてて手紙を寄せられたようでありますが、一民間人からの手紙とは意味が異なると思うんです。三木総理は返事を送られたでしょうか。
この発言だけを見る →中
中江要介#10
○政府委員(中江要介君) これは総理の方で御処置なさる問題としておりますが、いままでのところ、私どもの承っておるところでは返事はなさっていないと、こういうふうに聞いております。
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小
小坂善太郎#12
○国務大臣(小坂善太郎君) 問題は金大中氏の健康でございますので、いろいろと手を回しましてその健康について情報を得たわけでございますが、その情報につきましては、いまアジア局長が申し上げましたように、どうも思わしくないという情報もございますし、それから、健康人の非常によい健康状態にあるというふうには言えないけれども、別に特段の異状はないという話もございますし、すべてのそういう情報が金大中氏夫人から出ているんだ、だからあまりそれにどうも日本政府として乗ることはいかがなものかというような意見もあるとか、いろいろな立場もございまして、もう少しこれは状況を見た方がいいんではないかというふうに私は考えております。
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小
和
和田静夫#15
○和田静夫君 政府は繰り返して、金大中氏の身柄に関心を持っているとあらゆる速記録で読むと答えています。十月八日の衆議院の外務委員会の論議によりますと、ことしに入って外務大臣レベルで三回問い合わせをしているということの答えがあります。何月何日にどういう方法で行われたんですか。
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中江要介#16
○政府委員(中江要介君) ことしに入りましては、一月に韓国駐在の西山大使から韓国の総理大臣及び外務大臣に、それぞれ別個でございますけれども、外交的決着の際の了解について再確認をしている。それから六月に宮澤前外務大臣から朴東鎖現外務大臣に本件を再確認しております。八月に韓国駐在の西山大使から同じく朴東鎮外務大臣に再確認しております。それから先般ニューヨークで小坂外務大臣から朴東鎮外務大臣との会談の際、本件を再確認している、こういうことを指して申し上げておるわけでございます。
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和田静夫#17
○和田静夫君 十月二十五日の読売の記事によりますと、政府は金大中氏が民主救国宣言事件で刑が拡大すれば、出国できないのもやむを得ないという見解を韓国側に伝えたということなんですが、この真偽はいかがですか。
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和
中
中江要介#20
○政府委員(中江要介君) これは先生も御記憶がおありと思いますが、金大中事件が起きました年の暮れからその翌年の初めにかけては、旅券の申請があって、韓国の外務部でこの旅券を発給するかどうかということで、発給されれば国外に出られるという、わりあいいい傾向、趨勢にあった時期が一時あったわけでございますけれども、その後、この旅券が出ないままで例の韓国側の、金大中氏自身ではなくて一般的に緊急措置令が次々と出されて出国がむずかしくなった。しかし、日本政府としては外交的決着の際の了解が守られねばならない、一般韓国人並みに自由であるならば一般韓国人と同じように旅券も出してもらいたいし、旅券が出れば日本もあるいはアメリカにしましても査証は出せるわけでございますので、そういう点でアプローチしておったわけです。
ところが、その後金大中氏のかつての選挙違反の裁判の係属がありまして、その選挙違反裁判が一応の判決が出ました。まあこれに対して控訴しているという状況のところへ、御承知の三月一日の民主救国宣言事件という事件が起きました。この事件は金大中氏事件の後で起きた事件でありますし、金大中氏事件を外交的に決着を見ましたときにも、あの拉致された以前の日本及びアメリカにおける行為については、これはもう問わないという了解はあったわけですけれども、拉致されまして韓国の中に入ってから、その後起きた事件についてまで日本が外交的決着のときの了解を理由に、その韓国の国内法に基づく措置を修正なり停止なり廃止なり、そういうことを求めるということはできない。したがって、この三・一民主救国宣言事件に関する限り、その範囲内においてはこれは日本政府としてそのものを直接取り上げることはできないということで、いま韓国がその民主救国宣言事件についての裁判を続けている限り、それをやめて出国をさせろということはできない話であるというのが現状で、そういうことが重なりまして金大中氏はいまだに韓国から出国ができないと、こういうふうに了解しておるわけでございます。
この発言だけを見る →ところが、その後金大中氏のかつての選挙違反の裁判の係属がありまして、その選挙違反裁判が一応の判決が出ました。まあこれに対して控訴しているという状況のところへ、御承知の三月一日の民主救国宣言事件という事件が起きました。この事件は金大中氏事件の後で起きた事件でありますし、金大中氏事件を外交的に決着を見ましたときにも、あの拉致された以前の日本及びアメリカにおける行為については、これはもう問わないという了解はあったわけですけれども、拉致されまして韓国の中に入ってから、その後起きた事件についてまで日本が外交的決着のときの了解を理由に、その韓国の国内法に基づく措置を修正なり停止なり廃止なり、そういうことを求めるということはできない。したがって、この三・一民主救国宣言事件に関する限り、その範囲内においてはこれは日本政府としてそのものを直接取り上げることはできないということで、いま韓国がその民主救国宣言事件についての裁判を続けている限り、それをやめて出国をさせろということはできない話であるというのが現状で、そういうことが重なりまして金大中氏はいまだに韓国から出国ができないと、こういうふうに了解しておるわけでございます。
和
和田静夫#21
○和田静夫君 四十八年の十二月十日の衆議院予算委員会で当時の大平外務大臣は、「一つは、出国を含めて同氏は自由であるという、自由を保障するということ、それから、別件で訴追逮捕を受けるようなことはないという保障を得ておるわけでございまして、そのことがどのように今後履行されるかということにつきまして、終始重大な関心」を持つ、こういうふうに答えられているんです。
そこで、別件で訴追逮捕しないという保障を得ているというのはどういう保障なのですか。それはなぜ破られたのですか。
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中
中江要介#22
○政府委員(中江要介君) その別件逮捕の問題は、先ほど私ちょっと言及いたしましたように、金大中氏事件を外交的に決着を見ましたときの四つか五つの項目の中の一つが金大中氏の自由ということであったわけで、その金大中氏の自由に関連いたしましては、先ほど申し上げましたように、一般市民と同様に出国を含めて自由と、つまり一般市民より厚くも薄くも取り扱わない。その取り扱いに関連いたしまして、日本及びアメリカに滞在中の言動について責任を問わない、別件逮捕がないということの趣旨は、拉致されました以前の言動、これはアメリカ及び日本にずっといたわけですので、その間のことで韓国に連れ戻されたことを、まあ利用してというか、それをいい機会として、別件でアメリカや日本で行ったいろいろの反政府的活動についてさらに訴追するということはしないということであったわけでございまして、さらに、その場合でもただし書きが一つありまして今後反国家的な活動をしなしこと、これから金大中氏が韓国で反国家的な活動をしないということを条件として、日本及びアメリカに滞在中の言動については責任を問わないと、こういう了解になっておりまして、この別件逮捕の中に、韓国に帰ってから、韓国で新たに何らかの違法な行為、あるいは不法な行為によって訴追されるということまでも、この了解のときに何もかも一切問わないということになったわけではなかったわけでございますので、別件逮捕はないという当時の認識と、民主救国宣言事件でいま訴追されていることとは相矛盾しないというのが私どもの考え方でございます。
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中
中江要介#24
○政府委員(中江要介君) これも再三議論のあったところでございまして、まあ日本から韓国に行かれた人で金大中氏に会った人もございましたし、あるときは在韓日本大使館の天皇誕生日のパーティーにも金大中氏はあらわれて、わが方大使と歓談したという場面もあったわけでございまして、全く自由がなかったというふうには私ども思っておりませんけれども、こういう人物でありますので、韓国政府がどういうふうに見守っていましたか、これは向こうの問題ですが、私どもとしては、自由が著しく拘束されていたというふうには考えていなかったわけです。中には、そうは言うけどなかなか面会がむずかしいとか、会おうとする人がついてきてなかなかフリーな話ができなかったとか、そういう経験、体験をお話しされる情報は私ども聞いておりましたけれども、その程度のことで、それ以上に身柄がフィジカリーに拘束されているという状態ではなかったと、こういうふうに了解しておりました。
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和田静夫#25
○和田静夫君 金大中氏が、たとえばアメリカへ行くために旅券を申請をされた。しかし許可がおりなかった。また、政府も周知のとおりに二つの選挙違反事件で起訴がされている。七四年六月には出廷をさせられている。そうすると、別件で身柄拘束をはかる、こういう韓国政府には、当然この時点において日本政府は何かの行為がなされなきゃならなかったと私は思う。大平外務大臣の言われた保障というのは、この時点では明確に役に立ってはいなかった。そうでしょう。
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中江要介#26
○政府委員(中江要介君) この大統領選挙違反事件というのは、金大中氏が日本やアメリカに出国する以前からの問題で、すでに韓国で何回か公判が行われて、それが金大中氏が病気療養ということで出国が認められて一時中断されていたものが再開されたんだと、こういうふうに韓国側は説明したわけですが、日本側としては、この事件についての私どもの認識に基づいて、そういうことで事実上外交的決着の際の了解がうやむやにされるということでは日本政府としては相ならぬことだということは、その時点でももちろん先方に強く言っておるわけですし、その後も、折に触れて申し上げているのはそういう趣旨でございますが、韓国側はそれに対して、その外交的決着の際の了解事項は再確認する、これをうやむやにするとか、これに反するという意図は全くないけれども、裁判という司法権の態様としてのかねてからの大統領選挙違反事件についての手続は、これは、それはそれとして続けられなきゃならないし、それ自身が行政府として干渉できる性質のものでないんだということで、裁判手続はそのまま進行しているというのが現状でございます。
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和田静夫#27
○和田静夫君 時間があればここのところは大変論議をしなければならぬところなんですがね。政府は、たびたび金大中氏の自由回復について公言をしておられるわけです。
そこで、金大中氏の身柄に関心を持つということは、結論として金氏が事実上出国できること、日本に戻ることでなければならないと私たちは素朴に思う。また、よく言われる原状回復こそが私はその核心だと思うのだが、原状回復というのはどういうことなんですか。
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中
中江要介#28
○政府委員(中江要介君) この辺が、どうも私どもの説明がいつも不十分なせいか、なかなか十分な御理解を得にくい点だと思うのですが、原状回復というのを外交問題として相手国政府に迫まるというときの原状というのは、その違反行為、国際法上の違法行為が行われなければ恐らくそういうもとの状態が続いたであろう、そういう状態に戻すということだろうと思うのですが、そういう意味では、日本に帰ってこられようと、あるいはアメリカにいらっしゃろうと、ヨーロッパに行こうと、あるいは韓国にとどまろうと、要するに金大中氏が自分の希望する意思に基づいて滞在なり居住移転の自由が保障されていれば、それが一つの違法事件がなかりせば、あったであろう金大中氏の状態であっただろう、こう思うのですが、それはそれといたしまして、そういう原状回復を求めることがこの事件の決着そのものであるかどうかという点につきましては、金大中氏が拉致されたということが日本の国内法に違反した、日本の国内法を犯した、だから主権侵害だというように一般には見られますし、そういうふうに言われているとしますと、それはちょっと外交問題として取り上げるには、まだ十分な考えの整理というのはできてないように私どもは思うわけで、国と国との関係で主権侵害という場合には、やはり相手の公権力が日本の政府の同意なくして日本の法秩序を犯した、あるいは犯して行使されたということがないと、これはそういう主権侵害という意味での国際法上の責任は追及し得ない。もしそれが、そういうことがはっきりいたしまして、国際法上の責任を追及し得るようになりますと、いま申し上げました原状回復というのが、権利として日本が韓国に要求し得る立場になる。これが私どもの一つの立論でございます。そういう観点からいたしますと、原状回復ということを日本政府が韓国政府に要求し、その実現を図ることが本件の解決であるというふうになりますと、これはちょっと前提のところで、主権侵害の有無について、その疑いはきわめて濃厚だということは私どももそう思ったわけですけれども、解明されなかったという現実でございます。
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和田静夫#29
○和田静夫君 主権侵害の論議なんというのは、金東雲の指紋の検出が日本の警察によってなされたときに、公権的なものが働いていたということは、われわれの認識としては当然受けとめているところです。いまその論議をしようとは思いませんが、七三年の十月の下旬に外務省の条約局が、自由意思の回復があれば原状回復が充足されるという意見もあるという解釈を、まあ考え出されたんでしょうな、考え出した。それをわざわざあなた方は韓国側に伝えていますね。この入れ知恵の奇妙な提案があった。あったのですぐ七三年の十月二十六日に金大中氏はKCIAの軟禁から解かれた。なぜ外務省はそんな働きかけをされなきゃならなかったのですか。
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