中江要介の発言 (外務委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○政府委員(中江要介君) この辺が、どうも私どもの説明がいつも不十分なせいか、なかなか十分な御理解を得にくい点だと思うのですが、原状回復というのを外交問題として相手国政府に迫まるというときの原状というのは、その違反行為、国際法上の違法行為が行われなければ恐らくそういうもとの状態が続いたであろう、そういう状態に戻すということだろうと思うのですが、そういう意味では、日本に帰ってこられようと、あるいはアメリカにいらっしゃろうと、ヨーロッパに行こうと、あるいは韓国にとどまろうと、要するに金大中氏が自分の希望する意思に基づいて滞在なり居住移転の自由が保障されていれば、それが一つの違法事件がなかりせば、あったであろう金大中氏の状態であっただろう、こう思うのですが、それはそれといたしまして、そういう原状回復を求めることがこの事件の決着そのものであるかどうかという点につきましては、金大中氏が拉致されたということが日本の国内法に違反した、日本の国内法を犯した、だから主権侵害だというように一般には見られますし、そういうふうに言われているとしますと、それはちょっと外交問題として取り上げるには、まだ十分な考えの整理というのはできてないように私どもは思うわけで、国と国との関係で主権侵害という場合には、やはり相手の公権力が日本の政府の同意なくして日本の法秩序を犯した、あるいは犯して行使されたということがないと、これはそういう主権侵害という意味での国際法上の責任は追及し得ない。もしそれが、そういうことがはっきりいたしまして、国際法上の責任を追及し得るようになりますと、いま申し上げました原状回復というのが、権利として日本が韓国に要求し得る立場になる。これが私どもの一つの立論でございます。そういう観点からいたしますと、原状回復ということを日本政府が韓国政府に要求し、その実現を図ることが本件の解決であるというふうになりますと、これはちょっと前提のところで、主権侵害の有無について、その疑いはきわめて濃厚だということは私どももそう思ったわけですけれども、解明されなかったという現実でございます。