神沢浄の発言 (農林水産委員会)
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○神沢浄君 きょうはみっちり大臣と少し農政論議をしたいというふうに考えていたんですけれども、大臣の御都合でもっていま時間の査定に大なたをふるわれてしまって大変持ち時間が短くなってしまったもんで、ごく要点だけを私も持ち出しますから、大臣の方でもひとつそのものずばりで御答弁をいただきたいと思うんです。
まず第一点の問題として、前回の委員会の論議などを通じて私が受けとめましたのは、寒冷地稲作という問題についてどうも大臣の考え方は、米の生産に無理のようなところに米をつくることの方が間違いじゃないかと、適地適作的な考え方を述べておられたと思うんですけれども、私は多少の疑問を持つわけでありまして、というのは、やっぱりいまの寒冷地稲作というものが定着をしてきたにはそれなりの長い歳月の歴史というものがあるわけであって、観念的に考えればなるほど適地適作というようなことも言えるでしょうけれども、農民だって自分の生活のことですから、いままでそれこそ必死の知恵を働かしながら今日になってきておるわけですから、やっぱり稲作が一番有利であるということでもってきておることに間違いはないわけなんで、そうなりますと、適地適作と言っても、これは言うことは容易ですけれども、なかなかそのようには私は簡単にはいかぬではないかというふうに思います。
むしろ、私が指摘をしておきたいと思うのは、今度の冷害などの中身を私も冷害調査に参りましたが見ておりますと、政策というか、政府の方の指導上の問題の方にむしろいろいろ難点や、あるいは不備の点があったのではないか。学者の説なんかに基づきましても、寒冷地稲作の基本に戻すべしということを書いておられることが多いようであります。
たとえば、今度の冷害などを反省してみると、耐冷安定品種からどうも良質米、これの方が勘定がいいんですから無理がないんですけれども、こういうようなものへ走らしてしまったというふうな点があるんで、やっぱりこれは寒冷地の稲作というものを安定をさしていくには、この耐冷安定品種というふうなものから外れるようなことをさしてはならぬというような点が、歴史の上でも何か南部藩は、昔のことですけれども、晩稲禁止令などというものを出しているような事実もあるようでありまして、そんな点からいくと、何か昔の方が真剣で賢明だったというようなことにもなりそうであります。そういうふうな点と、それからやっぱり減反政策などというものの結果としてどうも農民に生産意欲というものを減退をさしてしまって、土づくりというふうなものから手を抜かしてきてしまった。だから、気象の異変なんかに対する土地の免疫力というものを非常になくしてしまった。こういうふうな点ですね。それからやっぱり農業の、まあ価格の問題を初め非常に経済的に不利な点が多いもんですから、早く出かせぎにも出なきゃならぬというふうな点でもって、そういう意味での機械化などが進んで、ついに機械化が稚苗田植えというふうなものに走らせていって、どうも稚苗というようなのはああいう寒冷地では出穂期をおくらしてしまうもんですから、冷害などにはきわめて弱くなってしまう。こういうような点がいま指摘をされているんですが、したがって私は、ただ単に米づくりのむずかしいところには米をつくらせなくてほかのものをつくらせるというようないわゆる観念論的な考え方では、これはもうとても歴史を変えるなんというわけにはまいらぬじゃないか。むしろ、いま申し上げたような反省点に立って寒冷地稲作というものに、本当にそれが成り立つような指導の姿勢の方がこれは基本ではないかと、こう思うわけなんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。