鳩山威一郎の発言 (外務委員会)
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○鳩山国務大臣 北方四島のいわゆる領土問題が今回の漁業交渉の大変難渋をいたした大きな原因であったことは申すまでもないところでございます。北方四島に対する見解というものは、戦後三十一年間たった今日、わが方は未解決であると考えておりますが、先方は領土問題はもう未解決の問題ではないという主張をしておることは御承知のとおりでございます。わが方の主張は、北方四島は、一八五五年、いわゆる下田条約のときに帝政ロシアと境界を画定した、それ以来日本の固有の領土であったわけであります。したがいまして、このわが方の主張というのは、歴史的な事実とそれから法的な面と双方から考えて固有の領土であるという主張をいたしております。歴史的なと申しますのは、古来日本人が居住をしていた地域であり、外国人は居住をしてなかったという事実、また当時の日本政府が番所を置いておった、このような事実を指すものでありますし、また法的という意味は、大西洋憲章から、また日本はポツダム宣言を受諾をいたしましたけれども、それに至ります各種の協定におきましても、日本といたしまして法的に、歯舞、色丹、国後、択捉、この四島につきまして日本はこれを放棄したものではない、サンフランシスコ条約におきます二条(c)項におきましてもこの四島は放棄した中に入らない、このように主張をいたし、また連合国といたしましても、アメリカは同じような見解をとっておるところでございます。それに対しましてソ連政府といたしましては、領土問題は解決済みであるというこの趣旨は、一九五六年におきます日ソ共同宣言におきまして、歯舞、色丹は平和条約の締結後に日本に返還するという条項があります。これをもって解決済みと言っておるのか、その辺はよくわからないところでございますが、一九七三年に田中・ブレジネフ会談におきまして、領土問題ということは文章上はないわけでありますけれども、戦後の未解決の問題を解決をして平和条約を結ぶ、そしてわが方といたしましてこの未解決の問題には領土問題を含むということを口頭で念を押してあるところであります。そういう意味で、ソ連側が未解決の問題はないと主張しておるところは、その内容の趣旨は当方としては、何ゆえに未解決ではないと言われているのか、それは判定できないところでありますけれども、わが方といたしましては、平和条約におきまして領土問題を解決する、これは同じく一九五六年の松本・グロムイコの書簡往復におきましても、平和条約におきまして領土問題を解決をするのだ、こういう趣旨は明らかでありますから、わが方としては未解決の問題である、このような主張は正しい根拠を持つものである、このように確信をいたしておるところであります。