福岡義登の発言 (建設委員会)

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○福岡委員 中小建設業振興に関する小委員会における現在までの調査の経過について御報告申し上げます。
 御承知のとおり、本小委員会は、本国会において設置されたのであります。
 小委員会は、調査案件として、中小建設業の振興対策及び公共工事の前払金保証事業の改善の二項目といたしたのであります。すなわち、昭和四十八年以来の経済不況の中で、特に中小建設業におきましては、受注不振等の原因による経営の悪化、倒産件数等が依然高い状況にありますので、中小建設業の受注の確保、重層下請の是正及び助成の強化等について検討・調査することとしたのであります。また、建設業に対する金融と密接な関係にある公共工事の前払金保証事業につきましても、同保証事業が、はなはだ公共性が高く、かつ、事業の公正な運営の確保が期待されておりますので、同保証事業の実情等をも調査・検討することとしたのであります。
 小委員会は、去る四月八日設置以来、両項目に関してきわめて慎重な調査と検討を進めてきたのであります。その結果、小委員会におきましては、安定成長経済のもとにおける中小建設業の振興を図るため、政府は、次の五項目について対策を検討し、所要の措置を講ずべきであるとの結論に至ったのであります。すなわち
 第一は、公共工事の契約制度のあり方について検討することであります。
 第二は、中小建設業者に対する受注の確保を図るため、発注標準の遵守、中小建設業者の活用による分離・分割発注、共同請負制度及び協同組合による請負制度の活用について十分に配慮することであります。
 第三は、建設業の元請・下請間の契約関係を適正にするため、建設工事下請契約約款の普及を図り、契約の書面化を推進することであります。
 第四は、中小建設業の協同化等による経営基盤の強化と資金の確保を図るため、従来の金融・税制措置を十分検討するとともに、特に建設業振興基金の拡充と活用について検討することであります。
 第五は、公共工事の前払金保証事業につきまして
  その(1)は、前払金制度の一層の重要性にかんがみ、これが整備強化を図ることであります。
  その(2)は、前払金保証事業は、その業務の公共性にかんがみ、前払金保証事業制度のあり方について検討することであります。
  その(3)は、保証事業会社については、その公正な運営が確保されるよう指導するとともに、当面、経費の節減に努め、資産の活用に当たっては、中小建設業の振興のために還元されるよう検討することであります。以上でありますが、なおこの際、その趣旨につきまして、若干の御説明を申し上げます。
 第一は、公共工事の契約制度のあり方であります。
 公共工事の契約の現況から見まして、工事の規模等により、随意契約等の効果的な活用を図る等その他契約全般について検討する必要があることであります。
 第二は、中小建設業者に対する受注の確保対策であります。
 建設省では、すでに所管事業の執行の通達において、同趣旨の内容の徹底を図っているのでありますが、同内容は、その他の公共事業全般についても必要であり、これが実効について十分配慮されたいのであります。
 特に、共同請負制度の活用に当たっては、中小建設業者相互の組み合わせに留意されたいのであります。
 第三は、建設業の元請・下請間の契約関係の適正化であります。
 本問題につきましては、重層下請の現況等から、最も効果的な対策が、迫られていたのでありますが、去る四月、建設工事標準下請契約約款が契約の書面化を主内容として全面改正されたのであります。同約款が活用されれば、従来多かった元請・下請間の契約についての諸問題が大幅に改善されることが期待されるのでありますから、そのためにも、同約款の普及・推進が必要なのであります。
 特に、公共工事においての普及がまず望まれるのであります。
 第四は、中小建設業の経営基盤の強化と資金確保対策であります。
 金融措置につきましては、政府系の中小企業金融機関による融資措置のほか、前払金保証会社等の預託融資制度、建設業振興基金による債務保証・助成の制度がありますが、これらの機関による融資内容の改善について検討するとともに、特に建設業振興基金につきましては、その一段の拡充と活用を図る必要があるのであります。税制については、中小建設業は、他の中小企業と共通の措置を受けているのでありますが、これが検討も必要であるのであります。
 なお、建設業振興基金の検討に当たっては、同基金の被保証者資格を、知事許認可の建設業者団体等にも拡大することを考慮されたいのであります。
 第五は、公共工事の前払金保証事業についてであります。
  その(1)は、前払金制度は公共工事の前払金保証事業に関する法律に基づき、昭和二十七年から発足して現在に至っているのでありますが、社会資本の整備に伴う公共事業の拡大に応じて、建設業者の着工資金の調達に資する前払金制度も拡大してきたのであります。今後、公共事業の円滑な実施を図るためにも、同制度は、いよいよ重要であり、同制度の整備強化を図る必要があるのであります。
  その(2)は、前払金制度が発足してから、すでに三十年近くになりますので、前払金保証事業の業務の公共性等にかんがみ、前払金保証事業制度全般について、検討する必要があるとしたものであります。
  たとえば、業務の公共性と保証事業を営む法人の性格並びに保証会社の保証金額、弁済額等の実情等について、それぞれの意見のあったところであります。
  その(3)は、保証事業会社は、その公正な運営の確保が期待されるのでありますから、事業についての一層の適切な指導が必要であります。
  また、保証会社の最近の経理内容等により、経費の節減についての配慮、保証資本等の適切な活用を図るために、中小建設業等への融資等について検討する必要があるとしたのであります。
 以上で御報告を終わります。
 委員長において適切な措置を講ぜられるようお願いいたします。

発言情報

speech_id: 108004149X01119770525_011

発言者: 福岡義登

speaker_id: 30457

日付: 1977-05-25

院: 衆議院

会議名: 建設委員会