石田博英の発言 (社会労働委員会)

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○石田国務大臣 私は、二十年前に初めて労働省をお預かりいたしたのでありますが、そのときはちょうど日本の経済が戦前の水準にようやく戻ったばかりの時代でありました。それから戦後労働問題というものが大きく取り上げられましたけれども、まだこれについての一般的認識が非常に希薄であり、あるいは偏っておったような時代である、そういうものを背景といたしまして、私は、まず第一に、その当時、主として農家の二、三男の就職問題というものが非常に重大化しておりましたので、雇用機会の増大、それから第二には、やはり規模別賃金格差の縮小、それから第三番目には、労使のよき慣行の樹立というものを目指していくということを、この委員会で申し上げた記憶がございます。
 これらは不十分ではあります。たとえば規模別格差を縮小するために最低賃金制というものを実施するときに、使用者側からの非常な抵抗がありました。しかし、これはやはり順次前進をしてきていると思っております。
 それから雇用問題は、その当時の雇用問題は経済の成長によって処理されてまいりましたが、しかし今度は、それにかわって再び低成長下における雇用問題というものが非常に重要になりました。
 それから第三番目の労使のよき慣行の樹立、いまお触れになりました権利の確保、基本的な勤労者の人権、ただ、これは私どもが守っていくべき立場、勤労者の生活の維持向上と福祉の増進、それから権利を守るということ、これと実際上の運営に当たっての公益上との問題がございます。
 それから、常に労働者の側に立つべきだというお話でございますが、労働省というのは、人間だけを扱っておる唯一の役所でございますので、いま申しました趣旨に基づいて勤労者の生活の維持向上、福祉の増進という立場で行動をしていくということについては、私も毎度参りましたときに、そういう趣旨のあいさつを省員にいたしておるわけであります。ただ、紛争の処理について一方の側に立つというよりは、これはやはり労使の間の中立的立場に立ち、労働条件その他については労使の話し合いによって解決をしてもらおう、こういうことがやはり労働省のとるべき立場であろう、こう考えております。
 私の今回の就任あいさつは、提出した法律案に主として重点を置かれたという御批判でございますが、その提出した法律案そのものが、いま労働行政のぶつかっております重大な問題でございますので、そこにどうしても重点を置かざるを得なかったわけであります。
 それから、よき労使の慣行の確立ということ、これもいまの使用者側の不当労働行為あるいは労働団体の交渉に当たっての暴力行為というようなものが数多く出てはおりますけれども、しかし、この二十年を顧みますと、争議行為による稼働日数の喪失はだんだん少なくなっております。また、労働災害による死傷者、特に死者の数は非常に減少いたしておるわけであります。
 一歩一歩前進をしていっているものとも思いますが、一番困難であり、むずかしい雇用問題、特に産業の構造の変化に伴う雇用問題の処理ということを最大の課題として取り組んでまいりたいと思っております。

発言情報

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発言者: 石田博英

speaker_id: 12704

日付: 1977-03-01

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会