石田博英の発言 (社会労働委員会)
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○石田国務大臣 ただいま議題となりました労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
まず、労働安全衛生法の一部改正について御説明申し上げます。
最近における労働災害の発生状況を見ますと、全般的には毎年減少の一途をたどっておりますが、その中にあって職業病の発生はなお相当数に及んでおり、特に、がん原性物質等による重篤な職業性疾病が大きな社会問題となっております。
政府は、このような問題に的確に対処するため、ILO第百三十九号条約の批准を進めるとともに、あわせて、職業病対策の充実強化を中心として労働安全衛生法の一部を改正することとし、先般、中央労働基準審議会に諮問し、その答申に基づいて立案した次第であります。
次に、法案の主な内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一は、職業病対策の充実強化であります。
その一は、化学物質の有害性の調査を行うこととするものであります。
新規の化学物質を製造し、または輸入しようとする事業者は、その化学物質の有害性についての調査を行い、その結果を労働大臣に届け出なければならないこととし、労働大臣は、届け出をした事業者に対し、労働者の健康障害を防止するための措置を講ずべきことを勧告することができることといたしております。
また、労働大臣は、がんその他の重度の健康障害が生ずるおそれのある化学物質については、事業者等に対し、特別の有害性の調査の実施及びその結果の報告を指示することができることといたしております。
その二は、疫学的調査等を行うこととしたことであります。
労働大臣は、化学物質等と疾病との関係を把握するための疫学的調査その他の調査を実施するとともに、その調査の適切な実施に資するため、事業者等がこれに対し協力すべきものといたしております。
その他、有害物の表示、健康管理手帳の交付対象者の範囲等について充実を図ることといたしております。
第二は、労働者の安全を確保するための規定の改善であります。すなわち、検定、自主検査、免許試験等について改善を図ることとするほか、統括安全衛生責任者の業務執行についての勧告等について所要の規定を整備することといたしております。
続いて、じん肺法の一部改正につきまして御説明申し上げます。
現行じん肺法は、昭和三十五年に制定されて以来十七年間を経過しており、その間の産業活動の進展に伴い、粉じん作業従事労働者が約六十万人にも達する等労働面での変化が見られる一方、じん肺に関する医学的研究にも進歩が見られるところであります。
政府としては、このような情勢を踏まえ、粉じん作業従事労働者のより一層の健康管理の充実を図るためにじん肺法の一部を改正することとし、じん肺審議会に諮り、その答申に基づいて立案した次第であります。
次に、法案の主な内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一は、じん肺の定義の改正であります。
じん肺の定義を明らかにするとともに、現行法制定後の医学の進歩により、肺結核以外のじん肺と密接な関係があると認められる疾病についてもじん肺の合併症としてとらえ、じん肺そのものとは別個に適切なる健康管理を行うこととしたところであります。
第二は、じん肺に係る健康管理の区分の改正であります。
じん肺のより以上の進展を的確に防止することを目的としてじん肺管理区分を定めることとし、エックス線写真の像を基礎として、じん肺管理区分を五つに区分することといたしました。
第三は、健康管理のための措置の充実であります。
じん肺のより以上の進展を防止するための唯一の方策は、じん肺の進展段階に応じて、的確に粉じん暴露の低減ないしは中止を行うことであります。
そこで、さきに述べました五区分のじん肺管理区分に応じて、粉じん暴露の低減、中止について、段階的かつ具体的な健康管理のための措置を定めることといたしております。
また、じん肺管理区分が管理四と決定された労働者のほか、肺結核その他の合併症にかかっていると認められる者は療養を要することとして、健康管理の適正化を図っているところであります。
その他、じん肺健康診断の整備充実を図る等所要の整備を行うこととしたところであります。
以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。