佐分利輝彦の発言 (社会労働委員会)
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○佐分利政府委員 まず、石田判決の結論には政府は従ったわけでございまして、石田さんと同じような症状にある被爆者が今後出てくる、あるいは過去においてあったと言えば、あの判決に従って原爆医療法の認定患者にするという考え方でございます。しかしながら、その結論に至る論旨については、私どもは異なった見解を持っております。
まず第一に、判決では、原爆白内障についても薬物療法が効くのではないかということを申しておりますが、私どもは、現在の医学の通説に従って、もうすでに古くなり固定した原爆白内障には薬は効かないと考えております。また、判決では付帯意見といたしまして、老人性白内障はいわゆる原爆放射線の影響による加齢現象の一種として起こったのではないか、こう申しておりますが、私どもはそのように考えておりません。原爆放射線が被爆者に加齢現象、老化現象を起こすことはまだ医学的に証明されておりませんから、それによって、石田さんの老人性白内障が原爆放射線によって起こってきたとは考えておりません。また、老人性白内障につきましても薬物療法というものは余り効果がないと、現在の医学の通説に従って考えております。しかしながら、原爆白内障と老人性白内障が合併してまいりますと、視力障害はそれぞれの白内障がある場合以上に進んでまいるわけでございますから、その合併効果を考えまして、石田さんのように原爆白内障と老人性白内障が合併してきたようなケースについては、今後は認定患者として認定し、原爆医療法の全額国庫負担による医療の支給をしようというふうに考えたわけでございます。
なお、ただいま御指摘の、原爆医療法が国家補償法の側面を持つということにつきましては、これはいろいろな表現があるわけでございまして、あの判決ではそのような表現をいたしましたが、私どもは、原爆二法は特殊な社会保障法である、こう申しているわけでございます。また一部には、国家補償法と社会保障法の中間的な法律制度だというような表現の仕方もあるわけでございます。表現は違いますけれども、大体考えていることは同じようなことでございまして、私どもはそのような特別な社会保障制度であるという立場に立って、これまでの原爆対策を進めてきたつもりでございます。