社会労働委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十二年四月二十七日(水曜日)
午前十時三分開議
出席委員
委員長 橋本龍太郎君
理事 住 栄作君 理事 戸井田三郎君
理事 中山 正暉君 理事 枝村 要作君
理事 村山 富市君 理事 大橋 敏雄君
相沢 英之君 井上 裕君
伊東 正義君 石橋 一弥君
川田 正則君 小坂徳三郎君
津島 雄二君 戸沢 政方君
友納 武人君 葉梨 信行君
安島 友義君 大原 亨君
金子 みつ君 川本 敏美君
渋沢 利久君 田口 一男君
中村 重光君 森井 忠良君
草川 昭三君 平石磨作太郎君
西田 八郎君 浦井 洋君
田中美智子君 工藤 晃君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 渡辺美智雄君
出席政府委員
厚生省公衆衛生
局長 佐分利輝彦君
厚生省社会局長 曾根田郁夫君
厚生省保険局長 八木 哲夫君
厚生省援護局長 出原 孝夫君
委員外の出席者
社会労働委員会
調査室長 河村 次郎君
—————————————
委員の異動
四月二十七日
辞任 補欠選任
安島 友義君 中村 重光君
同日
辞任 補欠選任
中村 重光君 安島 友義君
—————————————
本日の会議に付した案件
原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)
原子爆弾被爆者等援護法案(大原亨君外六名提
出、衆法第三六号)
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この発言だけを見る →午前十時三分開議
出席委員
委員長 橋本龍太郎君
理事 住 栄作君 理事 戸井田三郎君
理事 中山 正暉君 理事 枝村 要作君
理事 村山 富市君 理事 大橋 敏雄君
相沢 英之君 井上 裕君
伊東 正義君 石橋 一弥君
川田 正則君 小坂徳三郎君
津島 雄二君 戸沢 政方君
友納 武人君 葉梨 信行君
安島 友義君 大原 亨君
金子 みつ君 川本 敏美君
渋沢 利久君 田口 一男君
中村 重光君 森井 忠良君
草川 昭三君 平石磨作太郎君
西田 八郎君 浦井 洋君
田中美智子君 工藤 晃君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 渡辺美智雄君
出席政府委員
厚生省公衆衛生
局長 佐分利輝彦君
厚生省社会局長 曾根田郁夫君
厚生省保険局長 八木 哲夫君
厚生省援護局長 出原 孝夫君
委員外の出席者
社会労働委員会
調査室長 河村 次郎君
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委員の異動
四月二十七日
辞任 補欠選任
安島 友義君 中村 重光君
同日
辞任 補欠選任
中村 重光君 安島 友義君
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本日の会議に付した案件
原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)
原子爆弾被爆者等援護法案(大原亨君外六名提
出、衆法第三六号)
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橋
橋本龍太郎#1
○橋本委員長 これより会議を開きます。
内閣提出の原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び大原亨君外六名提出の原子爆弾被爆者等援護法案の両案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
この発言だけを見る →内閣提出の原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び大原亨君外六名提出の原子爆弾被爆者等援護法案の両案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
大
大原亨#2
○大原(亨)委員 最初に、原爆二法案とそれから五党提案の原爆被爆者援護法案、この法律案が提案をされておるわけですが、質問の前に、いままでずっと論争してきましたが、社会保障の概念で考える施策は何か、それから国家補償の精神に基づく法律体系とは何か、こういう議論が基本的になされてきたわけであります。しかし、この中身、概念の内容というものが必ずしも明確でない。そういう点について、厚生省はどのような理解を持って社会保障と国家補償についての使い分けをいたしておるのか、こういう点をひとつ最初にお聞きいたします。
この発言だけを見る →佐
佐分利輝彦#3
○佐分利政府委員 まず、国家補償は、国が適法行為によって生ぜしめました国民の損失を社会的公平の観点から補てんする損失補償の部分と、国の違法行為によって生じた国民の損害を、その不法行為を認めた上で賠償する損害賠償の分野の二つの範疇によって構成されていると考えます。また、社会保障は、このような国の直接の行為とは関係がなく、政策的観点から、国家の構成員が健康や所得面などで一定水準の社会生活を確保できるよう配慮していく行政分野であると考えております。
この発言だけを見る →大
大原亨#4
○大原(亨)委員 それでは、原爆の二法が昭和三十二年以来できたわけです。特別措置法が四十三年にできたわけですが、原爆二法が社会保障の範疇に属するものであって国家補償の範疇に属するものではない、そういう見解はいかなる論拠によるか、この点を明らかにしてもらいたい。
この発言だけを見る →佐
佐分利輝彦#5
○佐分利政府委員 その点につきましてはいろいろな御意見があろうかと思うのでございますが、私どもといたしましては、たとえば遺族等援護法がやっておりますように、国との雇用関係にあった、あるいは雇用関係に準ずるような関係にあったというような場合、つまり特別権力関係にございましたようなものは国家補償の制度になろうかと思うのでございますけれども、原爆の場合にはそのような国との特別権力関係はございませんが、ただ、他の一般戦災者と異なって、原爆では放射線というものがございまして、その放射線を多量に浴びたために病気にかかりやすい、治りにくいというような特別な事情が被爆者の場合には起こっているわけでございます。
〔委員長退席、住委員長代理着席〕
そこで、そういう被爆者の方々の健康と福祉の向上を図るためにはやはり特別の社会保障制度が必要であるという考えに立って、三十二年の原爆医療法、四十三年の原爆特別措置法を制定し、実施しているものでございます。
この発言だけを見る →〔委員長退席、住委員長代理着席〕
そこで、そういう被爆者の方々の健康と福祉の向上を図るためにはやはり特別の社会保障制度が必要であるという考えに立って、三十二年の原爆医療法、四十三年の原爆特別措置法を制定し、実施しているものでございます。
大
大原亨#6
○大原(亨)委員 これは後で議論を深めていきたいと思うのですが、石田判決とよく言われますけれども、この石田明原告に対する判決が御承知のように五十一年の七月に出たわけです。その判決文によりますと、原爆医療法は国家補償の側面を持つ、こういう前提の上に立って、そして疑わしい場合といえどもできるだけ解釈を広くして国が施策をすべきである、こういうふうな結論を出して、そして石田明原告の主張を是認をして政府の主張を退けた、こういう判決文があるわけですが、この判決については、政府はこれに応じたわけですけれども、どのような認識と理解を持っておるのか、この点をお尋ねいたします。
この発言だけを見る →佐
佐分利輝彦#7
○佐分利政府委員 まず、石田判決の結論には政府は従ったわけでございまして、石田さんと同じような症状にある被爆者が今後出てくる、あるいは過去においてあったと言えば、あの判決に従って原爆医療法の認定患者にするという考え方でございます。しかしながら、その結論に至る論旨については、私どもは異なった見解を持っております。
まず第一に、判決では、原爆白内障についても薬物療法が効くのではないかということを申しておりますが、私どもは、現在の医学の通説に従って、もうすでに古くなり固定した原爆白内障には薬は効かないと考えております。また、判決では付帯意見といたしまして、老人性白内障はいわゆる原爆放射線の影響による加齢現象の一種として起こったのではないか、こう申しておりますが、私どもはそのように考えておりません。原爆放射線が被爆者に加齢現象、老化現象を起こすことはまだ医学的に証明されておりませんから、それによって、石田さんの老人性白内障が原爆放射線によって起こってきたとは考えておりません。また、老人性白内障につきましても薬物療法というものは余り効果がないと、現在の医学の通説に従って考えております。しかしながら、原爆白内障と老人性白内障が合併してまいりますと、視力障害はそれぞれの白内障がある場合以上に進んでまいるわけでございますから、その合併効果を考えまして、石田さんのように原爆白内障と老人性白内障が合併してきたようなケースについては、今後は認定患者として認定し、原爆医療法の全額国庫負担による医療の支給をしようというふうに考えたわけでございます。
なお、ただいま御指摘の、原爆医療法が国家補償法の側面を持つということにつきましては、これはいろいろな表現があるわけでございまして、あの判決ではそのような表現をいたしましたが、私どもは、原爆二法は特殊な社会保障法である、こう申しているわけでございます。また一部には、国家補償法と社会保障法の中間的な法律制度だというような表現の仕方もあるわけでございます。表現は違いますけれども、大体考えていることは同じようなことでございまして、私どもはそのような特別な社会保障制度であるという立場に立って、これまでの原爆対策を進めてきたつもりでございます。
この発言だけを見る →まず第一に、判決では、原爆白内障についても薬物療法が効くのではないかということを申しておりますが、私どもは、現在の医学の通説に従って、もうすでに古くなり固定した原爆白内障には薬は効かないと考えております。また、判決では付帯意見といたしまして、老人性白内障はいわゆる原爆放射線の影響による加齢現象の一種として起こったのではないか、こう申しておりますが、私どもはそのように考えておりません。原爆放射線が被爆者に加齢現象、老化現象を起こすことはまだ医学的に証明されておりませんから、それによって、石田さんの老人性白内障が原爆放射線によって起こってきたとは考えておりません。また、老人性白内障につきましても薬物療法というものは余り効果がないと、現在の医学の通説に従って考えております。しかしながら、原爆白内障と老人性白内障が合併してまいりますと、視力障害はそれぞれの白内障がある場合以上に進んでまいるわけでございますから、その合併効果を考えまして、石田さんのように原爆白内障と老人性白内障が合併してきたようなケースについては、今後は認定患者として認定し、原爆医療法の全額国庫負担による医療の支給をしようというふうに考えたわけでございます。
なお、ただいま御指摘の、原爆医療法が国家補償法の側面を持つということにつきましては、これはいろいろな表現があるわけでございまして、あの判決ではそのような表現をいたしましたが、私どもは、原爆二法は特殊な社会保障法である、こう申しているわけでございます。また一部には、国家補償法と社会保障法の中間的な法律制度だというような表現の仕方もあるわけでございます。表現は違いますけれども、大体考えていることは同じようなことでございまして、私どもはそのような特別な社会保障制度であるという立場に立って、これまでの原爆対策を進めてきたつもりでございます。
大
大原亨#8
○大原(亨)委員 基本的な議論をちょっとするわけですが、いまの問題に関係して、後に質問することとも関係いたしますから言っておくわけです。
つまり、原爆医療法は、判決にもありますように、原爆と障害、疾病との間における因果関係の問題、それからいま局長が答弁いたしました要医療性の問題と起因性の問題というふうに言われているわけですが、局長は専門家で医者であるから自信のあるようなことを言ったけれども、しかし、いまの医学の範疇においては、原爆と疾病、障害との間における明確な因果関係というものは、今日たくさんの政府の研究機関があるけれども、明確に因果関係について解明したものはない。と同時に、もう一つは、要医療性の法律の条文はあるけれども、いま局長は言ったけれども、その薬物の効果がないとか、現在行われている治療以外に治療方法があるかないかという問題を含めて、これは後で質問をいたしますが、現在政府はそれぞれの機関において研究中である。そういう影響や治療について研究をする過程、プロセスの中におけるこういう問題の取り扱いについては、国はやはり原爆の被害について責任があるという立場に立ってこの解釈をしていくべきではないか。いまの医学の範囲においてはという前提で、局長のようなそういう独断的な答弁で基本的にこの問題を取り扱ってはいけないのではないか。そこに一つの問題があるのではないかという点を指摘をいたしたいと思いますが、これについて意見があればひとつ答えてもらいたい。
この発言だけを見る →つまり、原爆医療法は、判決にもありますように、原爆と障害、疾病との間における因果関係の問題、それからいま局長が答弁いたしました要医療性の問題と起因性の問題というふうに言われているわけですが、局長は専門家で医者であるから自信のあるようなことを言ったけれども、しかし、いまの医学の範疇においては、原爆と疾病、障害との間における明確な因果関係というものは、今日たくさんの政府の研究機関があるけれども、明確に因果関係について解明したものはない。と同時に、もう一つは、要医療性の法律の条文はあるけれども、いま局長は言ったけれども、その薬物の効果がないとか、現在行われている治療以外に治療方法があるかないかという問題を含めて、これは後で質問をいたしますが、現在政府はそれぞれの機関において研究中である。そういう影響や治療について研究をする過程、プロセスの中におけるこういう問題の取り扱いについては、国はやはり原爆の被害について責任があるという立場に立ってこの解釈をしていくべきではないか。いまの医学の範囲においてはという前提で、局長のようなそういう独断的な答弁で基本的にこの問題を取り扱ってはいけないのではないか。そこに一つの問題があるのではないかという点を指摘をいたしたいと思いますが、これについて意見があればひとつ答えてもらいたい。
佐
佐分利輝彦#9
○佐分利政府委員 まず、原爆症の問題でございますが、ただいま御指摘のとおり、一般的に申しますと、原爆放射線固有の障害へ疾病はない、こう言われております。普通の障害、疾病が原爆によって起こってくる、起こりやすくなってくる、治りにくくなってくる、こう言われているわけでございます。しかしながら、たとえば原爆白内障なんというのは、一般放射線障害によっても起こりますけれども、やはり原爆放射線障害の一つの典型的な疾患ではないかと思うのでございます。そういうふうなものがございます。
また、要医療性の問題でございますが、先生は石田判決と同じように、まだその医療のやり方がはっきりしない段階ではあるけれども、一部においては効くのじゃないかという意見も少数意見としてあるのだから、それを聞いて認めてやったらどうかということを申しております。しかしながら、確かに原爆被爆者の特殊性ということは種々の角度から考えなければなりませんけれども、このような特殊な社会保障制度ということになり、かなりの財源を使って行われる制度ということになりますと、やはり制度の運用は適正でないといけないと思うのでございます。そういった意味で、確かに原爆症については現在の医学ではまだわからない点が多いと思うのでございますが、現在の医学の通説に従って制度は運営しなければならないと思うのでございます。きわめて少数の方の御意見に従うということはできないと思うのでございます。
この発言だけを見る →また、要医療性の問題でございますが、先生は石田判決と同じように、まだその医療のやり方がはっきりしない段階ではあるけれども、一部においては効くのじゃないかという意見も少数意見としてあるのだから、それを聞いて認めてやったらどうかということを申しております。しかしながら、確かに原爆被爆者の特殊性ということは種々の角度から考えなければなりませんけれども、このような特殊な社会保障制度ということになり、かなりの財源を使って行われる制度ということになりますと、やはり制度の運用は適正でないといけないと思うのでございます。そういった意味で、確かに原爆症については現在の医学ではまだわからない点が多いと思うのでございますが、現在の医学の通説に従って制度は運営しなければならないと思うのでございます。きわめて少数の方の御意見に従うということはできないと思うのでございます。
大
大原亨#10
○大原(亨)委員 局長、石田判決の精神は、つまり、できるだけ広くというのは、解明できていないということを認めておるわけだ、因果関係と要医療性の問題についても。放影研でも、科学技術庁の研究機関でも、大学の研究機関でもやっているはずはないんだから。その場合に法を運営する場合には、疑わしいものはこれは施策の対象にするという考え方で、放射線や熱線や爆風という重複した原爆の障害に対する未知の分野についての解明を施策とタイアップして進めていく、こういうことが基本的な態度として必要ではないか。そういう態度をとることが、この政策の一つの理論的な、学問的な、医学的な本質からきておるのではないか。こういう点では、あなたの、通説だという考え方で、できるだけ狭くするという考え方で法を運営するということについては、これは観念論はいたしませんけれども、改める必要があるのではないかと私は思うけれどもどうですか。
この発言だけを見る →佐
佐分利輝彦#11
○佐分利政府委員 ただいまお話がございましたような問題もございますので、後で出てくるかと思うのでございますが、原爆症の認定の場合もただ起因性がはっきりしているというものだけでなく、これは起因性が否定できないというふうなものも対象として認定をしております。起因性が全く否定できるというものだけ却下、除外しているのでありまして、平たく申しますと、疑わしきものは救済をしているつもりでございます。ただ、その疑わしき場合というのがきわめて少数の意見の疑わしいというのでは困るのでございまして、多数の意見としてこれは疑わしい、起因性が否定できないという場合を私どもは認定しているわけでございます。
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大原亨#12
○大原(亨)委員 それでは本論に戻します。
五党案は、国家補償の精神に基づく援護法案をつくるべし、こういう論拠の上に立っておるわけです。そこで、私は従来から、戦傷病者戦没者遺族等援護法の審議等でも議論を展開いたしてまいりましたが、戦争犠牲者の中で、軍人や公務員等の特別権力関係にある者、こういうふうに規定をする現在の援護法の軍属、準軍属の規定の仕方自体が問題であるということを提起をいたしてまいりました。そしてもう一つの領域は被爆者対策としての二法における戦争犠牲者対策。もう一つの領域は一般戦災者の問題があると思うのであります。その三つの領域があると私は思う。
国家補償の精神による、あるいは社会保障の精神によるというようなことを言いますが、たとえば総理府の所管の中で、引き揚げ者の問題についてはやはり特別交付金を出しておるわけです。受理件数が百七十九万件、それから金額で千六百三十五億円の特別交付金が出ておるわけですね。これはどういう根拠ですか。
この発言だけを見る →五党案は、国家補償の精神に基づく援護法案をつくるべし、こういう論拠の上に立っておるわけです。そこで、私は従来から、戦傷病者戦没者遺族等援護法の審議等でも議論を展開いたしてまいりましたが、戦争犠牲者の中で、軍人や公務員等の特別権力関係にある者、こういうふうに規定をする現在の援護法の軍属、準軍属の規定の仕方自体が問題であるということを提起をいたしてまいりました。そしてもう一つの領域は被爆者対策としての二法における戦争犠牲者対策。もう一つの領域は一般戦災者の問題があると思うのであります。その三つの領域があると私は思う。
国家補償の精神による、あるいは社会保障の精神によるというようなことを言いますが、たとえば総理府の所管の中で、引き揚げ者の問題についてはやはり特別交付金を出しておるわけです。受理件数が百七十九万件、それから金額で千六百三十五億円の特別交付金が出ておるわけですね。これはどういう根拠ですか。
佐
佐分利輝彦#13
○佐分利政府委員 私は本件については素人でございますので的確な御答弁ができないかと思うのでございますが、元厚生大臣の田中先生に伺ったところによりますと、引き揚げ者というのは、長年の間海外で培ったいろいろな生活基盤、そういったものを敗戦によって一気に崩壊させられてしまった、そういうふうなところに特に注目して、国の特別な政策的な配慮としてこのような措置が講じられたと聞いております。
この発言だけを見る →大
佐
大
佐
佐分利輝彦#17
○佐分利政府委員 範疇といたしましては一種の特別な社会保障でございまして、そういった特別な犠牲に対して、社会的公平負担の原則に従ってとられた特別な社会保障制度であろうかと思います。
この発言だけを見る →大
大原亨#18
○大原(亨)委員 そんな社会保障の概念は初めて聞いた。あなた、素人だと言うからそれ以上言わぬけれども、農地報償もあるわけですよ。渡辺厚生大臣、あなたは農林大臣になってもいい人だから、ずっと経過から言えばよく知っておるだろう。そうでしょう。農地報償があるわけです。五党の案の中には特別給付金を六十万円給付するという制度があるわけです。それは交付公債で一年間十二万円、こういう中身です。引き揚げ者の場合も特別給付金というのであるわけです。やはり国の政策の中において、特別の犠牲を得て長い間苦しんだり、あるいは家族やその他に大きな被害を及ぼしたというものに対して、弔慰を含めて特別給付金を出すべし、こういう案が一つの大きな柱になっておるわけです。これについては厚生省は、引き揚げ者あるいは農地報償との関係をも考えながら、どのような考え方なり評価をし、認識をし、あるいは意見を持っておるか。
この発言だけを見る →佐
佐分利輝彦#19
○佐分利政府委員 その点につきましては、毎回御説明しておりますように、やはり原爆被爆者のほかに一般戦災者という方があるわけでございますから、その辺の均衡とか整合性というふうなものを考えなければなるまいという立場で、遺族補償まではとても入れないのじゃなかろうかという方針をとってきたわけでございます。農地報償につきましては私全然存じませんが、引き揚げ者の補償につきましては、私は先ほど申し上げたような趣旨で田中先生から承ったと記憶しております。
この発言だけを見る →大
大原亨#20
○大原(亨)委員 引き揚げ者に対する特別給付金の千六百三十五億円、それと、私どもが五党案で出している特別給付金、一人について六十万円の交付公債、一カ月一万円の十二カ月分の五カ年、こういうものを考えてみた場合に、これは不公平であるというふうな判断ができるかどうか。政策として、この問題だけに限定して考えた場合に私どもの主張が無理である、こういうように考えることができるかどうか。これは政府委員じゃだめだと思うので、議論を聞いておられたと思うのでひとつ厚生大臣、お答えをいただきたい。
この発言だけを見る →渡
渡辺美智雄#21
○渡辺国務大臣 五党の方は五党の方でそれが適当だと思ってお出しになったことでございますから、私の方としては特別にそれは適法であるとかないとかという考えはいまのところ持っておりません。また、先ほどからおっしゃる援護法まで拡大をしろということについては、結局は、どこまでが国家補償にすべきかということは算術でびしっと割り切ったものが出てくるわけではないのであって、最終的には政治判断の問題でございますから、われわれとしては、そこまで広げると結局とめどもなく一般戦災者にも広がっていかざるを得ない。一般戦災者にまで広げればなおいいのだろうけれども、これはなかなか収拾のつかない話になるというような政治判断もあって、一応現行の体制で線を引いておるということでございます。したがって、社会党が天下をとれば、いや違う、こういう解釈だということにそれはなるかもしれないし、それは最終的には政治判断の問題ですから、どっちが白でどっちが黒でというはっきりしたものは、学問的にそのすそ野に行くとなかなか出てこないと私は思っております。
この発言だけを見る →大
大原亨#22
○大原(亨)委員 現行の戦傷病者戦没者遺族等援護法は、前に議論をいたしましたように、軍人軍属、準軍属の範囲については、軍人恩給を復活して、保安隊を復活するという当時の客観情勢があって、軍務との関係、これを重点に置きながら施策をして線引きをやった。この問題について不合理な点は、準軍属や、あるいは準軍属の拡大ということで法律をやってきたわけです。そこでこの前のような議論を私もいたしました。
それから、一般戦災者との関係があるということをしばしば政府の諸君も言われるわけです。私どもも、その問題を無視してはこの問題の処理はできない、こう思っております。しかし、原爆被爆者の障害の特殊性を明確にしながら、一般共通問題について理解をしながら、そして戦争犠牲者に対する公平な施策を進めていくということは、厚生大臣が御答弁になったように、これはすぐれて政治的な問題であります。政治判断の問題であります。
私は冒頭の質問においてその点を一つずつ簡潔に指摘をいたしますので、その点についてひとつお答えをいただきたい。つまり、原爆被爆者に対する援護法を国家補償の精神でやるべしというのは、たくさんの理由があるけれども、私は五つくらいの理由をここで挙げておきたいと思うのです。
その第一は、放射能と熱線と爆風の重複的なそういう被害であって、そして被爆をした瞬間に死ぬ、けがをするということ以外に、その後遺症というものがいついつまでも残っておる、そういう深刻なものである。あるいは社会的な影響も深刻である。こういう観点では、被爆者援護法は特殊なそういう立場に立っておるという点では、これは政府は立法施策の上において考慮するということについては、今日までもある程度のこれの改善をしてきたわけですけれども、異議はないと思うが、いかがですか。
この発言だけを見る →それから、一般戦災者との関係があるということをしばしば政府の諸君も言われるわけです。私どもも、その問題を無視してはこの問題の処理はできない、こう思っております。しかし、原爆被爆者の障害の特殊性を明確にしながら、一般共通問題について理解をしながら、そして戦争犠牲者に対する公平な施策を進めていくということは、厚生大臣が御答弁になったように、これはすぐれて政治的な問題であります。政治判断の問題であります。
私は冒頭の質問においてその点を一つずつ簡潔に指摘をいたしますので、その点についてひとつお答えをいただきたい。つまり、原爆被爆者に対する援護法を国家補償の精神でやるべしというのは、たくさんの理由があるけれども、私は五つくらいの理由をここで挙げておきたいと思うのです。
その第一は、放射能と熱線と爆風の重複的なそういう被害であって、そして被爆をした瞬間に死ぬ、けがをするということ以外に、その後遺症というものがいついつまでも残っておる、そういう深刻なものである。あるいは社会的な影響も深刻である。こういう観点では、被爆者援護法は特殊なそういう立場に立っておるという点では、これは政府は立法施策の上において考慮するということについては、今日までもある程度のこれの改善をしてきたわけですけれども、異議はないと思うが、いかがですか。
佐
佐分利輝彦#23
○佐分利政府委員 現在の原爆二法が先生がおっしゃったような御趣旨に基づいてつくられ、またその後制度も大いに改善されておりますが、現在も実施に移されておるものと考えております。ただ、一般戦災者の場合も、放射線はございませんでしたけれども、戦災後三十二年を経ましていまなお戦災当時の障害のために呻吟していらっしゃる方は、それほど少なくないと思うのでございます。
この発言だけを見る →大
大原亨#24
○大原(亨)委員 そうそう。それは認めております。
それから第二の問題ですが、原爆の投下は、私も昭和三十四年以来ずっと議論してきたのですが、藤山外務大臣のとき議論してきたのですが、これは国際法に違反をする。つまり、いまの国家補償というカテゴリーは適法な国の行為ですが、しかしこの原爆の投下というのは、国際法、人道と平和ですか、この国際法の精神にのっとって、国際法に違反をする。
〔住委員長代理退席、委員長着席〕
そういう国家間の戦争行為の結果起きたものである。こういう点については、政府は施策の上において考えていくべきであると思うけれども、いかがですか。
この発言だけを見る →それから第二の問題ですが、原爆の投下は、私も昭和三十四年以来ずっと議論してきたのですが、藤山外務大臣のとき議論してきたのですが、これは国際法に違反をする。つまり、いまの国家補償というカテゴリーは適法な国の行為ですが、しかしこの原爆の投下というのは、国際法、人道と平和ですか、この国際法の精神にのっとって、国際法に違反をする。
〔住委員長代理退席、委員長着席〕
そういう国家間の戦争行為の結果起きたものである。こういう点については、政府は施策の上において考えていくべきであると思うけれども、いかがですか。
佐
佐分利輝彦#25
○佐分利政府委員 確かに原爆は国際法違反でございますけれども、その傷害作用の差はございますけれども二十年三月十日の東京の焼夷弾によるじゅうたん爆撃、これも国際法違反でございますし、四月二十五日でございましたか、浜松の大艦砲射撃、こういったものも無防備の都市に対する無差別爆撃、砲撃ということで、国際法違反であるということには相違はないと考えております。
この発言だけを見る →大
大原亨#26
○大原(亨)委員 大分よく勉強したね。私が言っているのはこういうことなんです。この使った兵器自体が国際法に違反する、ここに特色があるのではないか、こういうことなんです。
この発言だけを見る →佐
佐分利輝彦#27
○佐分利政府委員 いまから申しますと、何と申しますか、条理とか通念からそういうことになろうかと思うのでございますが、その点は、当時の国際法は原爆までは予想していなかったと思うのでございますね。毒ガスだとか生物化学兵器、いまよりも原始的なものでございますから。しかし、先生おっしゃるように、その傷害は非常に大きい、あるいは残虐性という点では、やはり国際法違反兵器の最たるものであることは間違いないと思います。
この発言だけを見る →大
大原亨#28
○大原(亨)委員 佐分利局長の答弁で非常に私が意を強くしたのは、あなたは法律の専門家じゃないから、お医者さんですからね、非常にはっきり答弁されました。これは常識的な答弁で正しいと思います。いままでの議論の中で、これは政府の答弁の先例になります。りっぱな答弁です。これは絶対に変えないようにしてもらいたいと思うのです。この答弁は変えてはなりません。厚生大臣、それについてあなたも変える意思はないと思うが、局長の答弁は正しいと思うがどうですか。
この発言だけを見る →佐