伊藤圭一の発言 (内閣委員会)

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○伊藤(圭)政府委員 ただいま先生から、従来の防衛計画と今度の防衛計画の大綱との違いについて説明しろという御質問でございましたので、第一次防衛力整備計画から四次防に至りました経過を簡単に御説明申し上げたいと思います。
 御承知のように、自衛隊が発足いたしました当時は、艦艇それから陸上の装備にいたしましてもほとんどのものが米側からもらったもので発足をいたしたわけでございます。したがいまして、この防衛力整備に当たりましては、毎年度の予算でやっていくという場当たり的なものではなく、一つの整備計画というものをつくるべきであるという議論が自衛隊の発足と同時に起こっておりまして、最初の五年間の計画につきましては、将来わが国が持つべき防衛力というものがどういうものであるかということがまだはっきり輪郭が描けないような状況であったわけでございます。したがいまして、一次防におきましては、将来どのような防衛力になるにいたしましても、とりあえずその骨幹となるべきものを持とうということで、十八万の陸上自衛隊、十二万四千トン、それから約一千三百機という航空自衛隊、そういう形で最初の目標を設定いたしまして努力をしたわけでございます。
 二次防になりまして非常にはっきりいたしましたのは、日本の持つ防衛力というものは核戦力を含めたものではなく、通常兵力に対処できるようなものであるというような考え方のもとに、できるだけ国産という方向、もらっているものだけによるのではなく、そういった日本の防衛力として必要なものを模索しながらこういうものをつくっていこうというのが二次防の考え方であったわけでございます。したがいまして、二次防のときも五年後にはこういうものを持ちたいということで、当時の大きなものといたしましては、新しい戦闘機、それを運用するために必要なバッジシステム、そういったものが中心になっておったわけでございます。
 三次防になりまして、御承知のようにわが国が非常に高度経済成長の時期に入ってまいりまして、いろいろな観点からいわゆる防衛生産力というものの力をつけまして、自前の防衛力を持つべきであるという判断のもとに、日本の防衛力としてふさわしい装備品の調達という方向に出てまいりまして、その時点ごろから日本が通常兵力による脅威というものは一体どういうものであろうか、それに対処する力としてはどういうものが必要であるかという観点から、将来の目標ははっきりどれぐらいという算定はできなかったわけでございますが、とりあえず五カ年間にこの程度のものということで三次防、四次防をやってまいったわけでございます。しかし一方におきまして、御承知のように四次防は計画を必ずしも十分達成できないような状況で終わりました。その理由の中には、一つには経済的な問題もございましたが、同時にまた、自衛隊の力、防衛力というものが脅威に対処するという形でいきますと、脅威そのものの算定自体もむずかしい問題でございますし、またその推定される脅威というものもかなり変動的でございます。また四次防のときに非常に問題になりましたのは、一方の面から見まして一体日本の防衛力というものはどこまで大きくなるのであろうかといった不安が国民の中に生まれたのも事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては現在のような国際情勢、日本のような平和な状況が続く限り、あるいはこういうものを前提とした場合に、最も均衡のとれた、しかも完結性のある防衛力はどういうものであろうかというところから基盤的防衛力という考え方を打ち出したわけでございます。これは、小さくても、あるいは考えられる脅威に対して直ちにすべて対処できるという完全な能力を持っていないにしても、予想される脅威の中で、ある一つのきわめて現実的な脅威に対しては直ちに対処できるようなものであり、しかもそれが完結性を持ったものであって直ちに機能できるものという考え方のもとに基盤的防衛力の構想を打ち出し、それを防衛計画の大綱という形でお決めいただいたというのが従来の経緯でございます。

発言情報

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発言者: 伊藤圭一

speaker_id: 710

日付: 1977-05-19

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会