伊藤圭一の発言 (内閣委員会)
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○伊藤(圭)政府委員 核戦略につきましては、それぞれ核大国でありますアメリカとソ連が、いろいろなことを考えておると思います。それを私どもが軽々に判断するわけにはまいりませんけれども、いずれにいたしましても、ソ連とアメリカというのは超二大国でございます。したがいまして、この二つの国につきましては、常に世界戦略というものを考えていると思います。したがいまして、この世界戦略を考えております二つの国にとりまして、軍事的な行動あるいは軍艦の行動、そういったものが何らかの形で制約されるということは、やはり軍事戦略上は好ましくないと考えているのは事実であろうと思います。こういったことが、日本の立場とは違う意味におきまして、世界のいわゆる国際海峡というものの自由通航を強く主張しております大国の原因の一つであろうというふうに私どもは判断いたしております。
そこで、日本の場合の五海峡の通過につきまして、一体ソ連とアメリカとどちらが困り、どちらが無関心だろうかということは、はっきり申し上げるということはなかなかむずかしいわけでございますが、地理的環境から申しまして、ソ連は御承知のように、現在沿岸防備の海軍力というものを外洋に活躍するための艦隊に変えつつございます。そしてまたその要請というものは、一つには戦略核を含めたいわゆる潜水艦等の行動の自由というものも、やはり重要な要素であろうと思います。といたしますと、御承知のように太平洋艦隊の司令部を持っておりますウラジオストクそれからソビエツカヤ・ガワニといったような重要な基地、ペトロを除きまして太平洋に面しているところはないわけでございますので、そういった意味から申しますと、ソ連の艦艇が太平洋で活躍するためには、どうしてもどこかの海峡を通らなければならないということになりますので、自由な通航というものはきわめて重要な要素であろうというふうには考えられます。
一方アメリカにとりましては、仮にポラリス等の戦略核の問題からいたしますと、日本海という中に入る必要はないというふうにも考えられますし、またああいう狭い海域の中での作戦というものが、世界戦略から見てどれほどの大きな要素であるかということも推定いたしますと、やはりソ連にとっては非常にバイタルなものではないかというふうに考えられるわけてございます。