鳩山威一郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(鳩山威一郎君) お答え申し上げます。
 土井先生は、相対する国の間の境界画定で自然の延長が採用されたケースがあるか、こういうお尋ねでございます。二十四のケース中にあるかということでございますが、これにつきましては、一九七二年に署名されましたチモール沖の大陸棚に関する豪州とインドネシア間の協定がございます。この協定上の境界線は、中間線よりもインドネシア側に寄って決められておるわけでございます。
 それから、韓中中間線を採用しているから中国の権利を侵害していないというのであれば、韓国に対しても中間線を主張できたのではないか、こういうお尋ねでございますけれども、この問題は、日本側が主張しておりますのは、日韓双方が一つの大陸だなの上に乗っておるということで主張をしておるわけであります。それに対しまして韓国側は、日本の大陸だなというものは沖繩海溝で切れている、こういう前提に立って主張をしておるわけでありまして、したがいまして、これを自然の延長論と、こう呼んでおるわけでございます。
 そういう意味で、韓国と中国の間は一つの大陸だなに乗っておる、したがいまして、中間線が当然だと、こういう論拠でございますので、御理解を賜りたいわけでございます。
 現状では韓国側の自然延長論が優勢になっておるというのは、これは事実でございますが、これらの日韓双方の法的立場をたな上げにいたしまして共同開発をしよう、これが趣旨でございます。
 それから、しからば、この日韓大陸棚協定が日中の平和友好条約の締結に支障にならないかというお話でございますが、この点につきましては、もう繰り返し中国に対しまして、わが国の立場につきまして御説明をいたしております。そして、この大陸棚協定というものがわが国の資源の開発のために必要だということで、中国の立場を損なわないように慎重に配慮をしておることは、重ね重ね御説明をしてあるところでございます。
 同時に、日中間の大陸だな境界画定交渉につきましては、いつでもわが国は応じます。こういうことを申し上げておるわけでございまして、したがいまして、われわれといたしましては、この協定が日中の友好を傷つけることのないように、私どもといたしましても最大の努力をいたす所存でございます。
 それから、外務省が出しました大陸棚の批准促進のためのPR文書につきましてお触れになりました。
 北海の事故がありましたことは、私どもも想定をいたさなかったことは事実でございます。あのような流出事故が起こるということは大変残念でありますが、海洋におきまして原油の掘削作業が行われますときは、鉱山保安法に基づきまして噴出防止装置を義務づけております。また、この噴出防止装置というもの、これが協定によりましてもこれを設置をすることを義務づけておる、こういうようなことで、協定上は最大の考慮をいたしておりますが、万一、そのような事故が起こりましたとき、これはもう万全の、できる限りの措置をとらなければならない、このように考えております。
 それから、竹島付近につきまして、第八鉱区を設定する、あるいは竹島を基礎に二百海里を宣言をするというようなことを韓国側は言っておるのではないか、このような御質問でありますけれども、いろいろ新聞報道によりまして、そのようなことは、韓国の世論としてそういう話が出ていることは私どもも承知をいたしておりますけれども、日韓の漁業協定は、相互にこれは円滑な漁業関係を維持しておりますので、韓国が漁業水域を設定するというようなことは、検討はされておりますけれども、まだそれに踏み切るというところまでは行ってないと私どもは理解をいたしております。しかし、先方が二百海里、これに踏み切るというようなこと、また竹島を基準にそのようなことが出ました場合におきましては、当然、竹島はわが国の固有領土でございますから、わが国といたしましても、この基本的な立場を堅持をいたすことについて変わりはないわけでございます。
 それから、共同開発地域だから共同して防衛するのではないか、このようなことでありますけれども、これは本協定は共同に開発をしようというだけの協定でございます。防衛の観点は防衛の観点として独自の問題でございますが、日韓それぞれ国内法に基づきまして、また国際的に許された枠組みの中で処理をいたすべきことでありまして、防衛につきまして、共同の防衛をするというようなことは全く考えておらないということを申し述べさしていただきます。
 国内法との関係をお尋ねになりました。しかし、この協定は、協定を結んでその協定に基づきまして国内法を整備する、そういう関係にありますので、したがいまして、一般に多数国間条約に加盟いたす場合に、まず国内法を整備して、そして国際条約に加盟をいたす、こういうものとは性質が違うものでございますので、御了承をいただきたいと思います。
 以上、お答えを申し上げました。(拍手)
    〔国務大臣長谷川四郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 108005254X02419770510_013

発言者: 鳩山威一郎

speaker_id: 10654

日付: 1977-05-10

院: 衆議院

会議名: 本会議