川村清一の発言 (外務委員会)
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○川村清一君 大臣も御認識いただいているように、貝殻島周辺のコンブ漁業というのは、民間協定ができる前までは、あの零細な漁業者がコンブとりに行くわけです。船のエンジンをかけたままコンブをとっている。そうすると、ソ連の巡視船がどっとあらわれてくると、もうクモの子を散らすように逃げるわけです。たまたま逃げおくれた船がつかまってしまうといったような大変な時代をずっと戦後続けてきたわけであります。そういうような経過の中で、いまお話のあったように、高碕達之助さん、大日本水産会会長がソ連と話し合って、そうして民間協定でもって自後十幾年間この漁民たちは安心して操業ができたわけです。ところが今度の協定で全然できなくなった。これは大変なことなんですね。
そこで、大臣のいまの御答弁によれば、政府間協定はそういうようないきさつでだめにはなったけれども、何とか民間協定でやれるように努力したいというようなことをおっしゃって、私もまあまあと安心しましたが、さてそのめどがあるのかどうかという問題が一つあるわけです。そういう民間協定ができ得る、そういうめどがあるのかどうか、その点をひとつ確かめておかなければならないと思うわけであります。
それから、貝殻島はどこにあるか御存じなんでしょうな。どうも大臣のお話を聞くと、よく御理解いただいてないような気がするので私は聞いたんですが、貝殻鳥というのは、納沙布岬に立って見ますというと、すぐ手が届くようなところにあるんですよ。とても領海三海里——三海里というと五千四百メーター。五千メーターなんかないんですよ。四キロ、四千メーター以内じゃないですか。そういうところにある島なんですよ。何でそれじゃここへ行ったらみんなつかまるのかというと、三海里なくても、これはわが方の十二海里法、あれにも書かれておりますが、要するに領海十二海里、領海十二海里重なるというと中間線をとるわけです。だから、貝殻島という全く人一人いない無人島なんですよ、だけれどもソ連はこれをわが領土という見解を持っているからここから十二海里引く、日本も納沙布岬から十二海里を引くと、四キロぐらいしかないんですから完全に重なるのは当然です。そういう地域は真ん中線、中間線を引くので、中間線を越えているから結局つかまっておったということなんで、三海里もなかったんだということをひとつぜひ御理解いただきたいと思う。そんな近いところ、見えるんです、すぐ。手を伸ばせば届くようなところなんですよ。ここへ本当に零細な漁民の方がコンブとりに行ってみんなつかまる。それで、胸を張って、北方領土はわが固有の領土だ領土だなんて総理大臣初め皆さん方おっしゃっていますが、そんなこと言ったって国民の皆さん承知できませんよ。本当に固有の領土だというんなら、具体的にせめてそのくらいできるようなことをしたらどうですか。口で言っているだけであって、実質的には何もないじゃないですか。それで、やった人は皆拿捕されてつかまっちゃう。船もろとも向こうの方に連行されていくというのがこれが、実態でしょう。
それからもう一点、昨夜の福田総理大臣の御答弁を聞いて感じたことをお尋ねするんですが、これまた外務大臣それから農林大臣どちらでもよろしゅうございますからお答えいただきたいんです。本当は総理大臣にお尋ねしたいのですが、総理大臣はこの委員会には来られませんので聞く機会がありませんので。北方領土についてはソ連が管轄している現実は認めなければならないと言われた福田総理の発言は、今後のソ日協定取り決めに当たってこの現実を認めなければならないというその現実から言って、北方領土水域はわが国二百海里法の適用除外水域にすることもあり得ることを示唆した発言と私は受けとめたのでありますが、こういう考えが本当にあるんですか、ないんですか。いささかもないんですか。